今、毎回楽しみにしている新聞記事がある。
日経文化面の“発見された技十選”だ。
これは絵画修復家の吉村絵美留さんが
連載している名画修復過程でみた
画家たちの数々の技巧を紹介している。
名画鑑賞において、また違った
視点での解説がとても興味をくすぐる。
斬新な切り口の企画だ。
今日は、マリー・ローランサン。
好きな画家のひとりである。
ローランサンの絵も吉村さんはすでに
百点くらい修復されているのだとか。
彼女の解説によると、ローランサンの絵には
肉眼では見えないがカンバスに
グレーの絵の具で下塗りがされているという。
この下塗りのグレーのおかげで
“ローランサンは自分の表現したい
淡く透明感のある色調”を表現できたのだそうだ。
あのパステル調の美しく愛らしい女性像は
そのような技の試行錯誤から誕生したのだ。
名画をこのような視点で見ると
また興味を掻き立てられて好奇心がうずく。
そういえば…
このごろ展覧会には行ってないなあ。
■11/9付日経 “発見された技十選”
ローランサン
「ヴァランティーヌ・テシエの肖像」
吉村 絵美留 より抜粋