毎朝平和記念公園を通る。
朝の公園には
頬かむりをした掃除のおばさん
どこかの僧侶、真面目そうな外人さん
そして公園で一夜をあかした
ホームレスの人たちや通勤人など
いろんな人が無尽に行き交う。
まさに人間交差点のようだ。
そしてこの季節になると俄然
生徒たちの姿が増え出した。
修学旅行や野外活動の季節なのである。
毎日毎日、一年365日の広島。
この平和記念公園にやって来る人は
決して絶えることはない。
雨の日も風の日も、雪の日も、
人類が生き続ける限り、きっと
未来永劫に続く光景だろう。
もう幾万人の人を私はここで見ただろう。
人間のパワーはすごい。
この地広島に来て初めて
戦争の悲しみ、そして
平和の尊さというものを
この眼と肌身で実感したのだ。
「百聞は一見にしかず。」
私はこうして、この公園を訪れる
沢山の無名の人をただ毎日見続けることで
それらを知らず知らずのうちに学んでいたのだ。
それは教科書や資料で教えられたのではなく…。
きっとこの子たちも、後年
あの時、自身の眼と肌身で学んだことを
どこかで実感することに気づくだろう。