陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

幸せ昼ごはん 蒸しちらし

2024年02月14日 | slow gourmet

暖かい日であった。昼前には室内の温度計は21℃を超えていた。窓から見える湾岸沿いの空は霞がかかっている。六甲アイランドの摩天楼はさながら薄い影絵である。今日の空はまるで三月から借りて来たみたいである。否、4月から借りて来ているのかもしれない。そう思えるほどの日和であった。

ちょっと駅前までランチに外出。かねてより気になっていた店へ行ってみよう。お目当てのこのお店、外観は和風の白木の設え。しかし中は全く見えない。ここがお寿司屋さんと聞けば、誰だって絶対に尻込みをするだろうと思うほどの店構え。まるで一見客お断りっていう感じだ。

しかし、今はネットを探れば情報が簡単に手に入る時代である。どうやら外観のイメージとは違うらしい。ひと昔前であれば、連れて行って貰うか、この店を知っている人に巡り合わなければ決して訪れることはない店である。

表に掲出された品書きを確認して白木の重い扉を開ける。カウンターにちょっと恰幅のいい板前がいる。この人が大将なのか?白木のカウンダーに坐り、品書きを再度確認する。握りの定食とちらしの定食がある。握りは貫数によって値段が分かれていた。蒸しちらし定食を所望。

先に先付の小鉢が出された。これには手を付けず蒸しちらしを待つ。それが来てから、写真の許可を伺うと「これを待ってたんですね。」この一言ですこし和む。

ランチは小鉢と蒸しちらし、赤だしだけではなかった。後付けで揚げたての天ぷらがついてきた。そして手延べうどんも。まるでコースのような寿しランチだ。

「開店して入りにくい店だなと思っていたら、しばらくして閉店していたので、やっぱりなと思っていました。」と言ったら、「あれは三ノ宮にも店を開くのでしばらくそちらへ手伝いに行ってました。」と。この店の入りにくい仕様は社長の志向なのだそうだ。なかなかの社長さんだ。開店寿司全盛の時代、敢えて時代に逆らう。かどうか解らないが、そのコンセプトもいいではないか。今度は夜にでもお邪魔してみよう。夜もお手軽なコースがあるようだ。使い勝手のいいお寿司屋さんだ。

六甲道は六甲山の麓に神戸大学や有名女子大を抱えた学生の街であり、また海側にはかつて神戸製鋼の溶鉱炉があった。よって夜勤の人が行き交う工員の街でもある。そういう庶民の街である六甲道にはこういう店がないといけん。だからちょっと嬉しい。ごちそうさまでした。

◇寿司 ぼたん 神戸市灘区森後町2-1-9

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