陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

八月の読書 女のいない男たち

2022年08月26日 | slow culture

映画「ドライブ・マイ・カー」を観たこともあって
そしてまだこの短編集を読んでいなかったこともあり
久しぶりに村上春樹さんを読む。春樹さんと親しく
さん付けで呼ぶのは私と同じ学校の同窓だから。
春樹さんにとってはどうでもいいことだろうけれど
私には親しみとちょっとした優越なのである。
(こういうのを下心と世間では言うのだ。)

第一篇は勿論「ドライブ・マイ・カー」。
先ずこの小説ありきの短編集なのだとか。

私は小説にしろ、映画にしろ感銘を受けたものは
必ず両方観たり読んだりしている。それが後先に
なることもあるが。この物語に限って言えば
小説より映画の方が奥行があった。それは小説が
短編だから或る意味仕方がないと思う。かたや
映画はほぼ三時間である。大概の場合はやはり
映画より小説の方が奥行が深いものだ。
情報量が圧倒的に違うからもあるし、それに映画は
小説を忠実になぞって展開するものではない。
あくまで脚本が勝負だ。

それ故、小説に比べてどうのこうのと言わせないほど
この映画は本当に秀逸なのだと、今更ながら強く
思ったのである。あんなに三時間が長いなあと
思わせない映画を私は今まで全然知らない。
小説を読んだので、改めてまたあの映画を観たい。
その時はまた違った発見がきっとあるだろう。

第二篇の「イエスタデイ」。
ノルウェイの森らしいシチュエーションというか
タッチがなんか懐かしくて好きだな。
こういう女学生が実は私は好きなのだと改めで思う。

■女のいない男たち 村上春樹 文春文庫
単行本 初版 2014年4月
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