映画「ドライブ・マイ・カー」を観たこともあって
そしてまだこの短編集を読んでいなかったこともあり
久しぶりに村上春樹さんを読む。春樹さんと親しく
さん付けで呼ぶのは私と同じ学校の同窓だから。
春樹さんにとってはどうでもいいことだろうけれど
私には親しみとちょっとした優越なのである。
(こういうのを下心と世間では言うのだ。)
第一篇は勿論「ドライブ・マイ・カー」。
先ずこの小説ありきの短編集なのだとか。
私は小説にしろ、映画にしろ感銘を受けたものは
必ず両方観たり読んだりしている。それが後先に
なることもあるが。この物語に限って言えば
小説より映画の方が奥行があった。それは小説が
短編だから或る意味仕方がないと思う。かたや
映画はほぼ三時間である。大概の場合はやはり
映画より小説の方が奥行が深いものだ。
情報量が圧倒的に違うからもあるし、それに映画は
小説を忠実になぞって展開するものではない。
あくまで脚本が勝負だ。
それ故、小説に比べてどうのこうのと言わせないほど
この映画は本当に秀逸なのだと、今更ながら強く
思ったのである。あんなに三時間が長いなあと
思わせない映画を私は今まで全然知らない。
小説を読んだので、改めてまたあの映画を観たい。
その時はまた違った発見がきっとあるだろう。
第二篇の「イエスタデイ」。
ノルウェイの森らしいシチュエーションというか
タッチがなんか懐かしくて好きだな。
こういう女学生が実は私は好きなのだと改めで思う。
■女のいない男たち 村上春樹 文春文庫
単行本 初版 2014年4月