六月尽、御祓(みそぎ)とは
陰暦六月晦日に諸社で行われる神事である。
名越(なごし)の祓、夏越の祓とも言う。
今は新暦の六月三十日にほとんど行われている。
茅の輪が設えられて、お参りに来た人は
病気、厄除の祓いとして八の字に茅の輪を潜る。
御祓は十二月にもあるが、夏祓をもって
季とすると歳時記にある。
昔の人は半年ごとに息災を祈ったのだ。
御祓のときに、白紙を人の形に切ったものに
自らの名を記して、身体に触れたり、息を
吹きかけたりする。それを神官が集めて
川などに流す。人形を形代(かたしろ)と言い
それに穢れを移すのだと言う。
茅の輪は菅貫(すがぬき)とも言う。
夏越の祓、形代、茅の輪もそれぞれ季題である。
草の戸や畳かへたる夏祓 太祇
(写真)保久良神社 2007年撮影
茅の輪から灘の一つ灯を望む