陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

安芸の旅人 音戸の瀬戸

2007年07月08日 | slow journey

休日にゆっくり呉を訪れた。
呉は海軍さんの街だ。
あの円形の海軍帽を被り
まばゆい真っ白な制服の若者が
駅前の道を恋人と仲良く歩いていた。
そういう光景が絵になる街が呉である。

てつのくじら館から大和ミュージアムと観て
アレイからすこじまへ立ち寄り
さらにバスで音戸の瀬戸へやってきた。
ここは日本一短い定期航路
“音戸の渡し舟”で有名なところで
平清盛が切り開いたという名勝地である。

音戸の瀬戸公園を散策した。
この狭い水道を抜けてフェリーをはじめ
多くのいろんな船が行き交っていた。
しばしぼんやりと海を眺めていた。
多島美の瀬戸内海は本当に美しい。

“ともすれば君くちなしになりたまふ
 海な眺めそ 海にとられむ”若山牧水

あれは忘れもしない中学二年の時
国語の授業で先生がこの歌を披露した。

「恋人よ、海ばかりみないでくれ
君を海にとられてしまいそうだ…。」

その先生は感情を込めてそう解説してくれた。
私は鳥肌が立つほど感動して、それ以来
牧水好きになり、自ら短歌に嵌ったのである。

その歌を思い出すほど、ここから眺めた海は
それほどに美しかった。ただし私の場合は
ひとり旅であったのが牧水と違うところ。
残念だが、こればかりは仕方がない。
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