江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

一音

2011-08-22 23:02:10 | 人形について
横浜にぎわい座「牡丹灯籠」を無事終える。
にぎわい座のスタッフが皆よい顔をしている。
手応えがあった証拠だろう。

構成と演出を私、企画・台本は浪曲に造詣の深い布目英一氏。
正直言って最初に台本を読んだとき、これほど面白くなるとは思わなかった。
萩原新三郎に仕える伴蔵とおみねという実直な夫婦。
そこに幽霊が尋ねてくる事で、”悪”に変わっていく。
そのドラマが面白い。
台本を読み込んでいくと、すれ違っていた二人の思いが色々に変化し、
最終的に一致していくのが分かる。
それに”悪”という役が、やっていて面白いのである。

以前このブログで紹介した曲師の伊丹秀敏師匠、
合間合間に程よく音を入れていく。
私の伴蔵の長ゼリフ、一息入って気が変わるというところに来たとき、
絶妙な間で、この音しか無いという一音が入った。
あっ!
ズバリと伴蔵に突き刺さる。
そしてその音に応えるように、次のセリフがこぼれだしていた。
音には付かず離れず、という鉄則がある。
しかしこの一音は、セリフそのものだった。
芸歴70年のなせる業。
私は至福のひとときを、舞台の上で味わった。
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休演のお詫び

2011-08-21 14:50:45 | 日記
19日のハンセン療養所・愛生園での公演、20日・21日の喜之助フェスティバル
での公演を、休演する事になってしまいました。
関係者には多大なご迷惑をお掛けし、
また観劇を楽しみにしていました方々には深い失望を与えてしまいましたこと、
心よりお詫び申し上げます。

かつてぎっくり腰や坐骨神経痛になったときは、
腰さえベルトで固定していれば、人形を持つと気が入るせいか痛みを感じなくなり、
いつもと変わらず人形を遣う事ができました。
ところが今回は様子が違います。
痛みには鍼と、打ってもらいましたがどうやっても抜けないところがあります。
冷えから来ていると暖めましたが、ダメ、
鎮痛坐薬も慰みにしかならず、
後は気力に頼るしかないと瀬戸内市まで車を走らせたのですが、
じっと立ち続けることができず、歩いても5歩ごとに休み、
椅子に坐ることも正座や胡坐もできず、寝ても痛みで寝返りが打てず、
もはや気力だけではどうする事もできないと悟ってしまいました。

車の運転は、坐骨神経痛のときに購入した車だけに、
最初の10分ほど痛みをこらえれば、腰がしっかりと固定されるので痛みがなくなり
苦痛ではありませんでした。

東京に帰って病院で拷問のようなレントゲン撮影、
6枚も撮って丁寧に見ましたが、
骨には全く異常なし。
診断を聞いて驚いてしまいました。
「神経痛」
思わず「爆弾を抱えてしまいましたね」と漏らしましたら、
医者に叱られてしまいました。
「命に別状無し、仕事ができないわけでなし」
鎮痛内服薬が残っていたので、薬の処方もなし。

今はひたすら暖めて休むことに専念しています。
久しぶりに読書三昧に浸ろうと思いましたが、
3行読んではうたた寝の世界にいます。
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530人の村

2011-08-13 17:04:31 | 日記


ここ平谷村は、国道153号線と418号線との交差点を中心に
集落が広がっている。
見たところ人口530人とは思えない。
ところが、本当に人の住んでいるところはその周辺だけで、
ちょっと外に目をやると、山また山、になっている。



ここは人形劇団ばんびとのジョイント公演。
この劇団は、いろんな手法を用いてテンポよく展開するから
次に私たちがやっても子供たちが付いてくるかしらと不安に駆られたが、
ここは大鹿村と同じように村歌舞伎の伝わっているところ、
実によく集中して見てくれた。

私の関心は、以前にも書いたけれども、自治の意識。
役場の人に尋ねると、
「村の奥まで関心を持ってもらいたいのですけれども・・・
この村の山奥には珍しい植物や動物、昆虫がいるんですよ」
そしてこう言った。
「村の予算は年間10億円です。あなたのところはいくらですか」
この村は冬になると零下20℃にもなるという。
条件を考えると、決して多くはない予算額なのだろう。

この村の特産は、ひまわりととうもろこし。
打ち上げで戴いたとうもろこしのスープは、きめが細かくてとても美味しかった。
そして出会った村の人々は、皆明るく屈託なく、
村の生活を存分に楽しんでいるようだった。
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8月15日は、浪曲の曲師に注目

2011-08-11 00:19:46 | 日本の文化について
浪曲で三味線を弾く人を、曲師という。
今回の浪曲で曲師と合わせるのは、今日だけ。
浪曲自体が芝居仕立てになっているので、随分勝手が違うと思われるが、
実に見事に手を入れていく。
そして舞台転換で時間の掛かるところがあるが、
そこが三味線の聞かせどころになってしまった。
自在である。

ここまで三味線の弾ける曲師は、東京では他に1人、沢村豊子さんのみ。
大阪にもいるそうだが、全員高齢なのだ。
他の曲師はぐんと落ちてしまうとまで言われている。
なぜか。
浪曲師と曲師とでは、待遇が段違いに違うのだ。
浪曲師が家一軒建てても、曲師は賃貸から出られない。
それほど差があるから、曲師になろうとする人はなかなか出てこないし、
曲師を育てる環境もなくなってきてしまう。

15日のにぎわい座は、三味線を聞くだけでも足を運ぶ価値がある。
曲師の名は、伊丹秀敏。
御年76歳。
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時間に追われる

2011-08-04 00:09:29 | 日記
明日から5日間、地方を回る。
それを考えて人形製作を進めてきたのだが、
1日遅れてしまった。
実はこの旅回りの間に、貼り抜いたカシラを乾燥する予定だったが、
それができなかったので、実質は3日ほどの遅れか。
東京に帰ってから強引に仕事を進めなければならなくなってしまった。
仕様がない。
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