江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

16年ぶりの出会い

2011-05-04 18:03:41 | 日記
大道芸ではいろんな人に出会う。
今日会った人は、独立してからお世話になったバイト先の先輩だった。

独立したとき、私は人形を続けられるかどうかも分からない状態だった。
人形はもちろん無いし、作れるかどうかもわからない。
そして人形が遣えるのか、それが最も不安だった。
そんな時、劇場付きの仕事の話をもらった。
とても有難い話だったが、演劇の周辺にいると、結局人形を作らないで
終わってしまうのではないかと思われた。
この辺の話しは以前にも書いたことがあるので、この後は省略。

そのバイト先は、3トントラックを運転してビールを運ぶ仕事だった。
肉体労働がしたかったこともあるし、ともかくバイト料が良かった。
私の修業したところは月給制で、研修生は4万5千円、準座員は5万5千円
入ってから2年近く経って、晴れて座員に昇格すると7万円だった。
それから9年、少しずつ上がって辞める数ヶ月前に14万円になったのだが、
バイト先では10日間で稼げた。
世の中こんなにも稼げるのだ、と、純粋に感動した。
まだバブルが弾けたばかりなのでバイト料は高い、そして暇になり出していたから
私は月に16日間だけ働く事にしても、そんな勝手が言えた。
お陰で意外と早いうちに人形を作りあげることができた。

先輩たちは癖のある人が多かったが、嫌味のある人はいなかった。
結構優しかったし、みんなさっぱりしていた。
そして賑やかだった。
助手として乗ることも多かったが、先輩の話を聞くのも楽しかった。
皆何か自慢があって、その話しになると止まらないし、私も飽きなかった。
歌自慢、マラソンの役員をしている人、写真自慢、スキー自慢、野球自慢・・・

そのほとんどの人が辞めてしまったとか。
ビールの配達量が減ったので、会社の敷地も縮小された。
私が辞めて16年、その年月の長さを感じたひと時だった。
コメント
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