江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

益田の糸あやつり

2010-01-22 00:09:03 | 人形について
島根県の益田市に糸操り人形が民俗芸能として伝わっている。
今回島根県からの依頼で、人形操作の技術を伝える事になって、
20日に1回目の稽古があった。

ここには9代目結城孫三郎以前の人形が伝わっているだろうと、考えていた。
またいろんな人から技術を教える人が必要だと、聞いていた。
一度見てみたいと、かなり前から興味を抱いていた。

それが叶ったのだ。

でも、お互い初対面。
へたをすると、私は受け入れてもらえないかもしれない。
ところが、人形がすばらしいのだ。
その素晴らしさのお陰で、あっという間に打ち解けてしまった。
3月28日(日)13時半から公演がある。
それまで何回か通って、稽古に付き合うことになっている。
お近くにお住まいの方は、是非ご覧になって欲しい。

伝承の難しさは、だんだんと忘れ去られてしまう事に有る。
人形自体を直さなければならないところがあるのだが、かしらや胴は文化財に
指定されていて、手を加えることはできないらしい。
これは変な話である。
博物館で展示されているものならいざ知らず、実際に遣っている物なのだ。
直さないと遣えない物を直させないとは、何と言う法律なのだろう。

2回目の稽古のときは、人形の直しから始めなければならない。
でもここの伝承者は、とても熱心だ。何人もの人が、私の言う事を漏らさない
ようにと、一生懸命メモを取っている。
この熱心さに応え、よりよい舞台になるようできる限りのことをしたいと思っている。

こういう関わりが持て、嬉しい限りだ。
コメント
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