江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

害虫とは

2010-01-08 00:11:04 | 日記
「害虫の誕生――虫から見た日本史」(ちくま新書)を読んだ。
歴史はいろんな角度から見ると様々なつながりが見えてきて、面白い。
「害虫」という概念が生まれたのは、近代になってからというのは
よくわかる。

チフスの流行に対し、蝿捕りに乗り出したアメリカ政府、
これに異議を唱えたのが動物愛護団体、
「あんな可愛いものを殺すなんて・・」

日本も蝿捕りに乗り出した。
捕まえてきたら役所が買い取ったという。
すると役所から盗み出し、別の役所に売って儲けた者まで出てきた。

戦中アメリカでニホンシラミが流行したらしい。
そこで政府は、日本兵はシラミと同じ害虫である、と宣伝し、
殺戮しても耐えられる精神構造を作り上げる。
そこで私は考えた。
それに対する日本は、「鬼畜米英」。
鬼に立ち向かう桃太郎の心算だったのかと。

それにしても驚くのは、昔ゴキブリは害虫とは思われていなかったことだ。
ゴキブリが居るのは金持ちの象徴だったというのだ。
ゴキブリとは、御器かぶりが転じた言葉で、御器(=うつわ)でも食物でも
何でもかじりつく姿から呼ばれたらしい。
ところが貧乏人はかじられるものを持ち合わせていない。
群馬県高崎では、チャバネゴキブリを「コガネムシ」というらしい。
「コガネムシは金持ちだ」というのは、チャバネゴキブリの歌らしい
ときた。

時代と共に新しい概念が生まれるのは分かるが、必ずその概念が「絶対」と
なるときがある。だがもう少し時間が経てば絶対ではない事が分かるのだ。

落ち着いた行動を求めたい、シーシェパードの諸君。

コメント
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