見るべき眼を持った人が見ると、凄い事に発展するのだと実感する場面に遭遇しました。昨日の勤務帰り、日暮里駅で下車し、夕やけだんだんを下り、谷中銀座を素通り、「Cafe Vulgar」のコーヒー一杯で疲れを癒した後、夕食の食材の買い物がてら,、よみせ通りを散策していた時のことです。「吉田敬子 鋸屋根写真展」に出会いました。今までに何度もその前を通った事のある、”妙な”形をした屋根のある建物の中での写真展です。「鋸屋根写真展」と題された写真展、10月18日から25日までの開催です。
(建物に貼られたポスター)
(写真展より)
(写真展より)
(ポスターには第二会場地図も)
実は私が妙な屋根としか見ていなかった屋根、「鋸屋根」だそうです。鋸(のこぎり)の形をしたこの鋸屋根とは工場建築に用いられた屋根の一形式で、ギザギザの形をした三角屋根のこと。通常、北側のガラス面(採光面)から光を取り入れ、天候に関わらず均一の明るさを得て糸を織る事が出来る、という大きな利点があるので、織物工場に多く採用されているそうです。その屋根が、このよみせ通りに面する谷中に現存していたのです。
この建物は明治43年に建築され、1954年までは「千代田リボン製織」の織物工場であったが、今現在は印刷会社の所有だそうです。
その「鋸屋根」に魅せられた写真家の吉田敬子さんは、300余りの鋸屋根の現存する桐生市をはじめ、日本に残るこの屋根を訪ね、その撮影した鋸屋根工場は1000棟を超えるとの事。こことは場所を別にした第二会場ではそれらの写真が展示されていて、10月24日(土)夕方には彼女のスライドトークも開催されるとの事。夜の谷中散歩も良いなと思います。
その第一会場には山崎範子さんの「月刊 のこぎり屋根0号」が置かれていました。もうお一方鋸屋根に魅せられた方がいたのです。桐生市の「のこぎり屋根」の写真の数々が登場するこのパンフレットで、山崎さんは語ります「彼女(吉田敬子)の写した鋸屋根を自分の目で見てみたい。そして、まだまだ知らない鋸屋根を、彼女のあとを追いながら探し歩きたい」と。0号と書かれた決意表明号、1号からは旅の様子が載るものと期待します。
この建物の現存する台東区谷中、よみせ通りを境に文京区千駄木と接します。今は区界のこの道、かっては藍染川が流れていました。パンフレットはその事にも触れ「藍染の反物を洗った川沿いには、染物屋が散見した。そして明治のこのころ日暮里・谷中辺りは、ネクタイ工場が集積する織物の町という顔もあった」
(谷中ののこぎり屋根:今朝写す)
(建物反対側駐車場より撮影)
(朝日を浴びる鋸屋根)
谷中の知らない面を教えてくれた写真展、吉田さん、山崎さん、有難うございました。
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とても好きな場所だったのに、そういえばまだ1枚の絵も描いていません。
よみせ通りが曲がりくねっているうえに、けっこう車の量が多かったせいかもしれません。
でも、建物の裏側から撮った魅力的な写真を拝見し、ぜひこのアングルをマネさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか★