マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

「凹みが語る縄文文化」(その2)

2020年02月25日 | 考古学

 飛鳥山博物館の展示内容と12日の朝日新聞の記事を併せ読むと「凹みが語る縄文文化」や古代の植物の一端の理解が進んだ。(写真は浅鉢形土器。再掲)
 新しい観察法「レプリカ法」の利点は初学者の私にも分かり易い内容だったし、しかも話は食用に用いられるツルマメに及んでいたので、ここに記しておきたい。


 

 この手法の利点の一つが、分析対象である試料の年代を決めやすいことにあるそうな。土器自体に種や実の跡があれば後世の混入を否定でき、土器の時代から種・実の時代もそのまま決められる。
 七社神社遺跡の浅鉢形土器について、学芸員鈴木氏は「種子は土器内部にもまんべんなく広がっており、粘土を練り込む段階で意図的に混ぜたと考えられる」と話していた。(写真は朝日新聞より)



 土器は今から約6000年前のものと考えられるから、その土器から確認されたダイズは当然6000年前には存在していたことになる。
 植物考古学が専門の佐々木由香氏(明治大学黒曜石研究センター研究員)は「ダイズは約5000年前の縄文中期には栽培されていたと考えられる。栽培種になるまでに約1000年かかるとの見方もある。縄文時代中期から1000年さかのぼった時期が縄文時代前期、すなわち今回分析した土器が作られた時期にあたる。七社神社前遺跡のころにはダイズの栽培行為が始まっていたかもしれない」と語っている。そのダイズは現代の野生種のツルマメに近いとも。(写真は展示されていたものより。ツルマメ)

 その混入理由として2つの説が紹介されていた。(1)土器を焼く際に縮むのを防ぐための混和剤として混入した。(2)種子や実が再び生まれるという、再生・豊饒を願って混入した。
 従来、食物の管理や栽培は弥生時代から始まると考えられてきた。ところが最近の研究では、縄文時代にも食物を管理・栽培していたことがわかってきています、とも記されていた。
 


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