寒さが増すに反比例して、ラジオ体操参加者は減少しています。しかし日曜日やお正月を除き、毎日ラジカセを運んでくださる86歳のSさんは当然のことながら皆勤です。そのSさん、曰く「ロトシックスに凝っています」と。ロト6とは1~43の数字から6つの数を選び、この数が当選番号の6つ全てと一致すれば最高3億円前後の賞金が当たるという形式の宝くじ。もう86歳にもなって何に使うのか不思議に思った私は聞いてみました。「3億円当たったら、何に使うお積りですかと」
「当たりっこないよ」とはぐらかされましたが、次の一言は予想外でした。「なんでも、この籤全部買うと12億円くらいかかるんだそうでね。どういう計算式でそうなるか教えて下さいよ。是非知りたいです」と。こちらが元数学の教員だったことは先刻ご存知。86歳にして、知識吸収への意欲些かも衰えずです。
当日、何故12億円かを、早速A4一枚の紙にまとめたものを作成し、翌日にお渡ししました。ロト6には興味があったのでネットで幾つかのことを調べてもみました。
まず「籤全てを購入すると12億円」については、概略次の様に書いてお渡ししました。
『①仮に1~9までの数から6個の数を選び6桁の数を作り、これを籤にすれば、籤は9×8×7×6×5×4=60、480通り出来、全て購入すれば60,480本の籤を購入することになります。
②仮に1~9の数から6個の数を選び、並び方は問題にしないで、ロト6の様に組合わせのみを考えれば、全部で(9×8×7×6×5×4)÷(6×5×4×3×2×1)=84本の籤が出来ます。
③ロトシックスでは②の1~9を1~43に変えれば、全部で(43×42×41×40×39×38)÷(6×5×4×3×2×1)=6、096、454個の籤が出来ます。そこでこれ1個200円の籤全てを購入すれば 6、096454×200=1、219、290、800円のお金が必要で、約12億円です』と。
①や②の式の説明をさせてもらおうと思いましたが、ただ式だけ分かればそれで良いのですとの事。既にファイルに閉じたと聞きました。
さてロト6ですが、発売元は「みずほ銀行」で毎週木曜日に発売されています。私は1度か2度買いましたが、はまってはいません。期待値は(全賞金÷6、096、454)で求まり、一説によれば90円。200円の投資に対し45%の期待値となります。ネットで様々な攻略方法が登場してきますが、確率論を学んだ身としては、その様な攻略論は成り立たないと思うのですがが如何。これとは別の年末ジャンボ宝籤にでも新春の夢を託したくなります。