ゲーム自体は短いので通算3時間程度でクリアしました。
いやー……これはちょっと近年まれに見る良作雰囲気ゲーだと思います。
個人的良ゲー選定基準のひとつに、「キャラを動かしてるだけで楽しい」というものがありますが、本作はまさにそのポイントを押さえています。
といっても、本作は豊富なアクションがあるわけではありません。
プレイヤーができることと言えば、移動と制限付きの飛行と音を出すことのたった3つだけ。
さらに、ゲーム内でやることと言えば「目的地に向かって進む」これだけ。
しかしながら、この極限まで削って削って削り切ったシンプルさが刺さるわけですよ。
「キャラを動かしているだけで楽しい」という感覚は、1週クリアする前なら何もわからない状態で謎の世界を探索する楽しさでした。
しかし、1週クリアした今だと「この世界を目的地に向かって進んでいく」という行為そのものにある種の神聖さを感じます。
そして本作の最大の特徴であるオンラインシステム。
といっても、対戦や協力プレイができるわけではなく、ほかのプレイヤーがゲーム中に出現するというだけ。
さらに、本作にはチャットシステムのようなコミュニケーションツールは一切ないうえ、ほかのプレイヤーと自分の姿はスカーフの長さ以外まったく同じ。
そこに生じるのが、前述の「音を出す」というアクション。
これだけでほかのプレイヤーとなんとか意思伝達を図りつつ、時には別れ、時には合流しながら進んでいきます。
このシステムがたまらなくいいんですよ……。
広大な謎の世界をたった一人で進んでいるときにほかのプレイヤーを見かけたときの安心感は筆舌に尽くしがたいものがありますし、見知らぬ旅ビトとともに歩んでいく心強さはこのゲームでしか味わえないでしょう。
途中でこちらが道を踏み外したときには追い付くまで待っててくれたり、逆にこちらが相手が復帰するまで待ってみたりと、対戦や協力プレイとは全く異なるオンラインプレイが楽しめます。
そしてクリア後、スタッフロールの最後になって初めてこれまでの旅路で出会ったプレイヤーのIDが示されます。これがまたニクい。
ゲーム中ではプレイヤーを特定できる情報は一切表示されないだけに、このタイミングでIDが表示されるのは本当に感動しました。
オンライン要素はプレイヤーが減少してくると楽しめないという欠点があるものの、このご時世ならたくさんのプレイヤーが旅をしているでしょう。
周回要素もあるので、プレイ継続していきたいと思います。
・ASSORTED BOX WEB再録404 Not Found(ツミがバツ)
同じバロック小説サークルとして一方的に親近感を抱いているサークルさん。
前者はバロック&バロシンの短編小説集、後者はかなり分厚いWEB再録の掌編小説集です。
それでは感想を。
まず「ASSORTED BOX」、8篇の短編小説が収録されています。
・培養液はプロテイン
まさかのブートキャンプ。
カンオケ男に違和感がない……。
マッチョ天使虫にはなんだか超兄貴みを感じます。
・番外:欲骨はプロテイン!?
なんでライ〇ップごっこなんだ……ネタのチョイスが予想外過ぎる。
・十二、十三
「十二は十三を止めるための数字である」というのがなんとも示唆的。
こういう掌編は締めが肝心だと思ってるんですが、ラストでバロック屋をだしてバロシンとのつながりを見せているのが好き。
・個性/型
1ページの範囲に話を収めるって何気に高等技術だよな。
異形と人間の対応はバロッカーなら一度は考えることだと思いますが、「個性的過ぎて異形になれなかった」というのは印象的な一文です。
・個性/A
そしてそのあとにこの話を配置してるのが上手い。
クローン体であるアミならではのメンタリティからくるセリフがいいですね。
・扉越しの風景・一
二次創作の魅力の一つが「原作では描写されていない部分が見られる」なわけですが、この掌編はバロシンにおけるアミ編の前日譚として秀逸です。
「扉越しの風景」というタイトルがまたいい。
・アリアドネの糸
バロシン二次創作では、バロック屋であるキツネと依頼者の会話から始まるのがお約束ですが、それを組み立てるのはかなり難しいですし、ぶっちゃけバロック考えるのが大変。
この掌編では短い中にそれらがしっかりまとまってて、なおかつオチが不気味でまさに「歪んだ妄想」といった感じ。
・扉越しの風景・二
締めにこれを持ってくる配置が完璧と言えるでしょう。
続けて「404 Not Found」、こちらはバロシン・バロック合わせて30篇の短編が収録されています。
まずバロシンの二次創作小説についてですが、この「短編小説集」という形態がいかにも「バロック屋の業務記録」といった感じでバロシンの二次創作によく合っていると思います。
前述の通りバロシン二次創作はキツネが依頼を受けるという形態で書くと、依頼者のバロック、そしてその解決法を考えなくてはいけないのがすごく大変。
しかも相手には理屈が通じないのでこっちもバロック脳フル回転で妄想してなんとか理屈を合わせなくてはいけないんですが、それを考えるとこの短編集では30種類ものバロックが考えられてたってことになるんですよね。それはもう単純に引き出しがすごいなあと思います。
また、バロシンと言えば個人的にはキツネとルビのやり取りも魅力的なんですが、小生意気なルビとそれに振り回されがちなキツネのコンビは読んでて楽しいですね。
短編小説集という形態もあって、まるで連続テレビドラマを見ている気分になりました。
バロック二次創作の方は、本編前や本編中を舞台にした作品のほか、大熱波後の荒廃した世界で生きる歪んだ人々を描いているのが印象的でした。
覚えている限りでは少なくとも今までこの視点での作品は読んだことがなかったので新鮮でした。
二次創作にオリキャラを出すのはかなりリスキーなことだと思ってるんですが、本作での歪んだ人々は「ほかにもたくさんいる(であろう)歪んだ人々の一部」といった位置づけで、登場人物というよりはむしろ舞台設定の一部となっていました。
そのため、原作の世界観を邪魔しないようになっていたのが良かったんでしょうかね。
今日はここまで。
こないだ無料配信が始まったので、アンチャーテッドと一緒にやってます「風ノ旅ビト」。
いやーこれまた面白いですね。
タイトルと操作説明以外の文字情報を完全に廃したゲームデザインが素晴らしい。
こういう特定の目的地を目指すタイプのゲームは風景の移り変わりがキモだと思うんですが、本作は砂漠スタートから現在海中のような場所に来てます。
次はどんなところに行けるんだろうかという楽しみが出てくるんですよね。
あと、雰囲気ゲーと言えば世界観が非常に重要なわけですが、本作はなんだか布のような生き物が空中を飛んでいたりそもそも主人公が何者なのかもわからず謎だらけ。
膜間にはナウシカ的な絵が挿入されるので、それによってなんとなーく世界観がわかってきたようなそうでないような。
周回要素もあるっぽいので、じっくりプレイしていきたいと思います。
先日の日記で書いた通り、「風ノ旅ビト」と「アンチャーテッドコレクション」やってます。
いやーしかし「アンチャーテッドコレクション」面白いな……。
ストーリーはプレイ動画で全部知ってるんですが、それでもなお、いわゆる木曜洋画劇場のノリで楽しめます。というか千葉さんがしゃべるだけで楽しい。
まずは「エル・ドラドの秘宝」をプレイしてます。
HD画質になったことでグラフィックはさすがの一言。特に、いろんなゲームで言われてることですが水の表現がすごいと「おおっ!」と思いますね。
またアクション面も高品質。
基本的には道なき道を進んでいくタイプのゲームなんですが、掴まれる崖や岩の出っ張りなんかはゲームの雰囲気を崩さないように、ほんとうにさりげなーくわかるようにデザインされてるのが素晴らしい。
「プレイする映画」がコンセプトのようですが、そのひとつの完成形と言えるんじゃないでしょうかね。
ムービーシーンもあるものの長くないので、ありがちな「いいからプレイさせろ!」というイライラがないのが快適。
図らずも「風ノ旅ビト」と同じく冒険モノのゲームですが、なにせ3本セットなので数年は楽しめそうです。
自宅待機支援ということで、この2本がplaystationstoreで無料配布されるとのことで早速ダウンロードしてきました。
無料配布のゲーム自体は、コロナ騒ぎ以前からEPIC GAMESのストアで大量に配布されてましたが、そのほとんどがOSのせいでプレイ不可。
しかし今回は問題なくプレイできるので、まずは「風ノ旅ビト」からプレイしてみました。
余計なものを可能な限り排したゲームデザインは、いわゆる雰囲気ゲーの持つ雰囲気を十全にプレイヤーに伝えることに成功していると思います。
これで例えばHPゲージとかそういうUIがあったら全部台無しになってたでしょうね。
ゲームの目的も明示されませんが、それでも雰囲気やライティングで目指すべき場所がわかるようになっているのは素晴らしい。
意外にいろいろな仕掛けがあるようなので、まっすぐ目的地を目指すもよし、細かくフィールドを探索するもよしというプレイスタイルが分かれる感じになっています。
また、おそらくはこれオンライン状態のほかのプレイヤーだと思うんですが、自分と同じ姿をしたキャラが同じフィールド上にいるので、見知らぬ人と一緒に進んでいくという独特の楽しさがあります。
これだけシンプルなゲームなのになかなか奥が深そう。
「アンチャーテッドコレクション」の方は、全シリーズプレイ動画で視聴済みなんですが、やはりというかなんというか千葉さん目当てでプレイします。
何が終わったのかというと確定申告ですよ……。
今まではそんなに苦労することはなかったんですが、今回は改めて在宅ライターとしての収入について調べながら書類作成をしていたのでまあ時間がかかりました……。
以前調べて忘れてた部分もあるかもしれませんが、改めて在宅ライターのめんどくささを味わいました。
そもそも在宅ライターの収入はどの種類の所得になるのか、なにが経費として計上できるのか、青色申告をするにはどうすれいいのか、人はどこから来てどこに行くのか、人類とは、ゲッターとは……とあとからあとから疑問が無限に湧いて出てきます。
ネットでもいろいろ調べてみたんですが、肝心なところの答えがお約束の「厳密には決まっていません」「解釈が分かれています」でああああああ1!!11 厳密に決めて!!11!と転げまわっていました。
しょうがないのでいろいろ試して還付金が一番高くなるように記入しました。所詮この世は金。
青色申告をする場合は帳簿を着けないといけないらしいので、これからは会計ソフトも導入せねば……。
あとなんか在宅仕事だとネット料金や自宅の家賃の一部は経費として計上できるらしいんですが、もうなんかわけわからないので来年からにします……。
今はただ休ませて……。
でもまあ、これで心理的負担の大きな部分を占めていた事柄が一つ解消されたのでめでたい。
この調子でやることリストをどんどん消化していこう。
冬コミ戦利品レビューはまだ残っているんですが、例大祭発行の本はいくつか手に入っているので、そっちのレビューも始めてしまいましょう。
・霊夢のニセモノが現れた!!(ニセキノコモドキ)
まあ古今東西主人公のニセモノ出現はお約束のひとつではありますがなんで表紙にそのニセモノが出てるんだ……。
というわけで今回のお話は、シリアス作品とは一転して霊夢のニセモノが現れるというシュールギャグです。
このサークルさんの霊夢はなんかこう……言い表す言葉が見つからないウザカワ系のキャラになってるんですが、その霊夢のニセモノが現れたことでツッコミ役の魔理沙の疲労度がみるみる上昇していきます。
「知ってるよー?」のコマの魔理沙の顔には言語化できない味わいを感じます。
さらにそこに、さらなる問題児アリスが登場!
このサークルさんのアリスはなんかこう……言い表す言葉というか適合するジャンルが見つからない異次元のキャラ付けがされているので登場するだけで場が混沌と化します。
そして始まる能力バトルっぽいボケとツッコミの応酬。後半がただの力技になってて笑う。
そして最後にどんでん返しが来るあたり抜け目がありません。
このサークルさんの霊夢と魔理沙は、なんか小学生の友達同士がぎゃーぎゃー騒いでるみたいで見ててほほえましいですね。
あとラストのニセ魔理沙はなんなんだ……。
今日はここまで。
コミケも例大祭も中止になってしまいましたが、書きたい作品は山ほど溜まっているのでちびちび進めてます。
現在進めているのは、書きかけの中でもっとも完成に近かろうと思われるけもフレ2SSと大熱波用SSです。
これもだいぶ引きずってるのでさっさと完成させたい……。
もう何度も言ってることですが執筆頻度がすっかり落ちてしまっているので、なかなかフィードバックを得られずエネルギーが消沈しています。
投稿サイトへの投稿もすっかり止まってしまってるので、正のフィードバックを取り戻すためにもため込んだネタをさっさと消化していきたいですね。
あと次回のコミケ原稿も進めておかねば……。
正直最近はモチベーション以前に書く楽しみが低減してしまっているので、さっさと心療内科なりなんなりを探すのが先決かとも思います。
キリーク・ザ・ブラッドって知ってる?
それはともかく、コロナで世間が静まり返って外は寒々しい雰囲気ですが、なんか実際に冬がぶり返してきてるみたいに寒いんですが……。
朝とか寒くて目を覚ます始末。
さらに夜は寒さのせいかなかなか寝付けず、またもや昼夜逆転しそう。
体調自体は悪くないんですが、こうなるとメンタルの方に影響が出てくるのが困りもの。
ほかにもメンタルに悪影響を及ぼしてる要素はいくらでもあるのに……。
まあできることと言えばせいぜいあったかくして寝るくらいなので、これ以上メンタルが崩れないように気を着けねば。
途中かなり長いインターバルがあったせいでかなり設定やキャラを忘れてしまいましたが、なんとかクリアしました「シルバー事件25区」。
いやこれ、クリアしたって言えるのか……?
いちおう全チャプターはクリアしたんですが、実質的なラストチャプターとなる「black out」ではなんか100種類の選択肢からなるマルチエンディングとかめちゃくちゃなこと言い出したんですが……。
なんというか、須田ゲーここに極まれりって感じです。このトンデモ感は正直好き。
前作である「シルバー事件」はまだなんとか理解できる範疇でしたが、今回の25区はなんというかいちおう述べるゲームの体裁を取ってはいるものの、とんでもない方向にぶっ飛んだ怪作となっている印象です。
これは考察サイトなりなんなりを調べないとワケがわからなさそう……。