いよいよこの時が来ました。
というわけで、間違いなく2022年最大の話題作「シン・ウルトラマン」、ついに公開!
「シン・エヴァンゲリオン」と同じく公開日に見てきました。
朝イチではなく夕方からの回、平日で雨も降ってたことから客席は満席ではありませんでしたがなかなかの盛況でした。
やはりというかなんというか売店は行列ができていたのでチケットを買う前にパンフレットを入手。
そしてシートにつき、いよいよ上映開始。
もちろんネタバレ全開の感想を書いていきますので、ネタバレ開始ゾーンを設けます。
ネタバレなしの結論から言うといやー面白かった!
お約束とサプライズの配合バランスが非常に良く、ウルトラマン作品としてはもちろんのこと、空想特撮映画として素直に楽しく面白い作品でした。
ネタバレなしの感想を一言で言うなら、シン・ゴジラが「誰も見たことがないゴジラ」なら、シン・ウルトラマンは「誰もが見たことがあるウルトラマン」といったところでしょうか。
それでは以下からはネタバレ全開感想開始!……のハズでしたが、初見感想を書き終わらないままだいぶ時間が経ってて(※この日記を書いているのは5月25日)もうすでに当たり前にネタバレが流れてきてるのでネタバレ反転はなしでいきます。
この令和の世に制作された映画で、スクリーンにデカデカと映し出される「東方映画作品」の文字。これを見た時点でなんかサブリミナル的ななんとかで意識が強制的に昭和に引きずり込まれるのを感じます。
あーもうタイトル段階からマーブリングのぐにゃあああ~でウルトラQじゃねーか!と思わせといて「シン・ゴジラ」のタイトルがドーン! と思いきや「空想特撮映画シン・ウルトラマン」のタイトルがドドーン!!
そして本編開始……って早い早い早い早い展開が早い!! 開始1分で巨大不明生物出現! 「ゴメス」と命名! 自衛隊が駆除! 巨大不明生物第2号「マンモスフラワー」出現! 炭酸ガスと火炎放射で駆除! 巨大不明生物第3号「ペギラ」出現! 東京氷河期! 大パニック! 女性生物学者が弱点を発見して駆除! 巨大不明生物を「禍威獣(カイジュウ)」と命名! 敵性大型生物第4号・飛翔禍威獣「ラルゲユウス」出現! 逃げられた! 防災庁内に禍威獣特設対策室・通称「禍特対(カトクタイ)」設置! 敵性大型生物第5号・溶解禍威獣「カイゲル」出現! 自衛隊と連携して駆除! 敵性大型生物第6号・地底禍威獣「パゴス」出現! 禍特対の指揮により駆除! ――そして、現在。
ここまで開始1分でぶっ込んできますバカじゃないの? 「――そして、現在。」じゃあないんだよこの開始1分の情報量でテレビドラマ5本くらい作れるわ。
と言った感じで始まりましたシン・ウルトラマン。なんかもうのっけから「あーこれガチの人が作ったやつだ……」とボーゼンとなるほかない。まあガチ中のガチの人が作ってるからなあこれ……。
ウルトラマンのファーストバトルの相手となるのは、禍威獣第7号ネロンガ。透明化し電気を吸収するネロンガに苦戦する自衛隊と禍特対。しかもそこには逃げ遅れた子供が!
もうここからの流れは皆さん知っての通りの流れであるせいか、お約束の「ヘッヘッヘシンパイスルコトハナイ」は省略。というか本作、日本人なら本編を見てなくても大体の設定を知っている「ウルトラマン」という作品を下敷きにしているからこそできる大胆な省略で、ジェットコースター的テンポで最初から最後まで突っ走ります。
ハヤタ隊員ポジションである神永が子供をかばって死亡したところにウルトラマンが融合して……というのはもうウルトラマンにおける大前提の設定なので、そこにいちいち尺は取りません。しかし明らかにそうであることは行間からわかるようになっており、そのへんの手腕はもうさすがの一言。
そして予告映像でもあったウルトラマン初登場のシーン。この異物感よ!
たしかに人型で、暴れまわる禍威獣とは異なり行動に明らかな知性を感じさせるものの、反動や慣性を感じさせない空中機動や、どんな生物のそれとも異なる体表の質感などなど、巨大な存在同士のアクションはもとより、ウルトラマンという存在の圧倒的異物感を見せつけるファーストバトルでした。
明らかにウルトラマンの動作を意図的に非人間的にしてるよなこのバトル。特に棒立ちの状態からスペシウム光線の構えに入るときとか妙に機械的な感じだし、飛び方も重量を感じさせないいかにも重力を偏向させて移動している感があります。
対するネロンガがいかにも怪獣って感じの暴れ方をしているので、両者の動作は非常に対照的。であると同時に、両者がそもそも全く異なる存在であることを伺わせるファーストバトルでした。
ゴジラの放射線流に相当する誰もが知る必殺技、スペシウム光線炸裂! ここ、明らかに初代ウルトラマンの、というか、初代ウルトラマンの時代の特撮エフェクトに寄せてるよな。
ファーストバトル後、今回のヒロイン枠である女性分析官・浅見弘子が禍特対に合流。神永とバディを組むことになるものの、二人は噛み合わない。
ここ……というか本作における人間としての神永は早々に死亡し、以降の神永は「ウルトラマンと融合した人間」というではなく「人間の姿をした外星人」というキャラになっています。そのため、浅見とのバディ関係は必然的に人間と人間でない存在の関係ということになりますそういうの大好き!!!!
この神永の「人間の姿をしてるけど明らかに中身は人間じゃない」という存在の存在感、本作では非常に印象的です。なんか、いきなり脇腹を包丁でブッ刺しても眉ひとつ動かさなそう。
また、予告や本編冒頭で、神永は色んな本を読んでいるんですが、あれって禍特対の仕事で調べ物してると思わせといて実は……なのがあまりにも構成というかダマしが上手い。
セカンドバトル、外星人ザラブ襲来! 出現と同時に電磁波で周囲のデジタルデータ全部消すという超絶ハタ迷惑な宇宙人だ! さすが凶悪宇宙人。そういう意味で凶悪なのかよ!
このへん、ウルトラマンと言うよりむしろウルトラQに寄せてた感じがします。なんの前触れもなくいきなり出現する異存在、見せつけられる圧倒的科学力の差、そして首脳部に接触して人間社会を支配しようとする悪いやつ。しかもザラブ星人は変装のつもりなのかなんなのか、トレンチコートに帽子という由緒正しい不審者の出で立ち。まあどれもなんら新奇性のない展開といえばそれまでですがこういうのが好きな人(つまり俺)にはもうたまらん。
よくフィクションに対して新奇性だけしか見えてなくて、少しでも他の作品との類似点があったらパクリだなんだと騒ぎ出すXXXX(好きな罵倒語を入れてね!)がいますが、王道展開中の王道をこれだけのクオリティでお出しされたらそりゃもう我々オタクとしては両手を上げて喝采する以外できることはないわけですよ。
ザラブ星人の登場自体はトレーラーやニュースで明かされてましたが、改めてそのデザインを見るとまさに異形そのものといった趣でSUKI。なんだよその焼き芋を包んだあとのアルミホイルみたいな体は。
そしてザラブ星人と言えばアレなわけですが、いやーまさかこの作品のこのノリではさすがに出ないだろうと思ってたら出てきたじゃねーかにせウルトラマン!!
確かにザラブ星人といえばにせウルトラマンではあるものの、だからこそこの展開は完全に予想外でした。トレーラーなどでもきっちり情報統制されてましたし、なにより上映初日のネタバレゼロの状態で見たのでふっとばされました。
……と同時に、このあたりからようやく本作のノリがシン・ゴジラとは違う方向性であるということが分かってきました。シン・ゴジラは取り扱っている題材が題材であることもあって、あくまでシリアスなSFかつポリティカル・フィクションであったのに対し、シン・ウルトラマンの方はシン。ゴジラと同じ「空想特撮映画」ではあるものの、「娯楽」の側面がかなり前面に出ている作品だと感じました。言い方を変えるなら、今回のシン・ウルトラマンは「いつものウルトラマン」でした。
この記事の冒頭に上げた、シン・ゴジラが「誰も見たことがないゴジラ」なら、シン・ウルトラマンは「誰もが見たことがあるウルトラマン」という一言感想はそのへんの印象から来たものです。
この辺からもう展開はみんなが待っていたお約束の釣瓶打ち。本物ウルトラマンVSにせウルトラマンの格闘戦、正体を表すザラブ星人、重力を感じさせない空中戦、困ったら回る、そして八つ裂き光輪でザラブ星人真っ二つ!
このへんはもう完全に「ウルトラマンの新作」ではなく「初代ウルトラマン令和リメイク版」といった感じでしたね。というか本作、全体的に「初代ウルトラマンの美味しいところを厳選して令和の技術で調理した」という作品でした。
そして次に来るお約束は、ウルトラマン、というか特撮ヒーローの大切なお約束のひとつ「正体バレ」。そのきっかけとなるのが大量に投稿された無断撮影動画というのが実に現代的。このへんはシン・ゴジラでも同じような描写がありましたし、SNSや動画配信は新しい「現代」のアイコンとなったんだなあと感じます。
一難去ってまた一難。次に襲い来るお約束は……まさかまさかの巨大フジ隊員ならぬ浅見弘子!!
今まで前情報ゼロで映画本編を見て愕然となったサプライズはたくさんありますが、これはさすがに予想外中の予想外でひっくり返りました。いや確かにメフィラスが出るんだったらこのネタは必須だけどさあ……。こんなの誰が予想できるんだよ劇場で腰抜かしたわ。
そしてサラリーマンの神聖なる儀式である名刺交換とともに登場! 悪質宇宙人メフィラス星人!
ザラブ星人とは違ってこちらは最初は人間の姿に擬態してるんですが、山本耕史氏演じる人間モードメフィラスのこの胡散臭いこと。もう頭の天辺からつま先まで胡散臭さの煮こごり。さらには名刺には「全権特命大使メフィラス」と来たもんだ。こんな胡散臭い名刺喪黒福造しか持ってないぞ。
いやーしかしこのメフィラスほんといいキャラしてるんだよなあ。twitterの反応とか見てるともう完全に主役であるウルトラマン=神永を差し置いて人気キャラになってるし。
人間の姿をしてても明らかな異物感のある神永に対して、メフィラスは事あるごとにことわざを披露するし慇懃な態度を崩さないし、あろうことか居酒屋に行って「大将、おあいそ」とか言ってるしと、挙句の果てには「割り勘でいいか? ウルトラマン」とか言ってるしで一見宇宙人には見えない……ところが逆説的にウルトラマンとはまた違う方向性の異物感があって最高にキャラが立ってます。もうここまでやるなら「卑怯もラッキョウもあるものか!」までやってくれても観客は納得したと思うよ庵野監督……。
本作のメフィラス星人がもう本当にメフィラスで最高。直接的な武力行使には至らず、終始慇懃な態度を崩さない。そして地球への来訪目的が「生物兵器へと転用可能な『資源』である人類の一括管理」という、ああ~上位存在特有の上から目線~~~!!!! とわたくし劇場で身悶えしておりました。
この辺が、子供一人を助けるために自分の命をなげうった神永という人類の一個人の行動に大きな影響を受けたウルトラマンとの対比になってて実に良かった。「地球全土に文明社会を築いている人類は、宇宙全体から見れば未熟で原始的な生物でしかない」というのはこれまたSFのお約束のひとつですが、これまた今まで無数の作品で取り上げられてきたテーマを、ウルトラマンとメフィラスの考え方やキャラ造形の違いという形で鮮やかに対比させているのが見事というほかありません。
そして最終的に正体を表し、ウルトラマンとの直接対決に入るメフィラス。両者一歩も譲らない激しい戦いの最中、ウルトラマンの背後にもう一人の光の巨人の姿が……!?
これまた初代ウルトラマンのとおり、もうひとりの光の巨人の姿を認めたメフィラスは戦いを中止。そのまま逃げ去ってしまいます。もう一人の光の巨人はゾフィー。
……のハズなんですが、ウルトラマンは明らかに彼のことを「ゾーフィ」と発音しています。聞き間違いか?と思ったんですが……。これについては後述。
光の星から地球に来訪したもう一人のウルトラマンであるゾーフィは、ウルトラマンを「リピア」という本名で呼びます。これは本作でのオリジナル設定でしょうかね。これについても後述。
ゾーフィが言うには、ウルトラマンが光の星で禁じられていた地球人類との融合を行ったことで、宇宙どころかマルチバース全体の知的存在に地球人類が生物兵器として転用可能であることを知られてしまったとのこと。そのため、地球はこの時点で廃棄処分となるとゾーフィは告げます。この辺、ウルトラマンことリピアが「みんなのヒーロー」たるウルトラマンなら、ゾーフィは「冷徹なる裁定者」たるウルトラマンとしての側面を担っていると言えるでしょう。
地球を廃棄処分することは過ちだと答えるウルトラマンに対してゾーフィは裁定を覆すことなく、天体制圧用最終兵器ゼットンを起動!
いやいやいやなんでゾフィーがそんなもん持ってきてるの!? と劇場では大混乱でしたが、後で調べてみるとどうもこれ、ゾフィーの情報が児童誌に誤って「宇宙恐竜ゼットンを操る宇宙人ゾーフィ」と記載されてたのが元ネタなんだそうですね。そんなネタわかるか!!!!
徹頭徹尾ウルトラマンのガチオタが作ってるんだなあこれ……。
あと、今回のウルトラマンの本名である「リピア」についてもあとから調べてみましたが、こちらはpixiv百科事典によればリピアとはヒメイワダレソウの別名で、「繁殖力が非常に強く、既存の生態系に極めて重大な悪影響を及ぼす重点対策外来種とされる一方、その生命力から雑草避けにもなるグランドカバーで庭の守護者という二面性を持つ」とのこと。あーもうガチオタはすーぐそういうことする~!!!
本作におけるゼットンは小さなカプセル状の物体から徐々にその巨軀を構成していくというシステム。ウルトラマンシリーズでは、同じ名前の怪獣がリデザインされて登場することは別段珍しくはありませんが、今回のゼットンは設定からデザインから今までのゼットンとは大きくかけ離れているものの、やはり見ればひと目でゼットンだと分かるこのデザイン! そしてこの見ただけでわかるやべーやつ感! 今までゼットンのデザインも色々出てきましたが、このデザイン一番好きかも。
今回のゼットンは起動してから時間をかけてその体を構成していくんですが、少しずつ体ができていくに従ってだんだんゼットンっぽくなっていき、あの特徴的な「ピポポポポ……」という電子音が聞こえてきたときは脊髄反射でテンションが上ってきました。
そして体が完成したと思ったら「ゼット~ン……ゼット~ン……」って、この令和の世に「自分の名前が鳴き声の怪獣」!!!? 嘘だろ承太郎!!?
シン・ウルトラマン、エキサイトポイントは無数にあるわけですが、いちばんエキサイトしたのはここかもしれません……令和どころか平成にもなかなかいなかっただろ自分の名前が鳴き声の怪獣って……。
完成したゼットンは、彼の代名詞でもある1兆度の火球で地球どころか太陽系をふっとばそうとします! まあ天の川銀河もろとも吹っ飛ばせるブツを持ってるネコ型ロボットよりマシか……。
とはいえ地球が大ピンチなのに変わりはありません。危険を承知で飛び立ったウルトラマンも、一切の攻撃が効かないゼットンの前に歯が立たず敗北してしまいます。
絶望に打ちひしがれる禍特対、そして首脳陣。
彼らの出した結論は、このまま何もせずに静かに終焉を受け入れること。
当然、民間には情報統制が敷かれ、何も知らない市井の人々はいつもと同じ日常を過ごしていきます。
もうね、よりにもよってこの局面で映し出される「(見た目だけは)平和な日常」のなんとグロテスクなことか。
今の今まで科特隊とウルトラマンに向けられていたカメラがこの段階ではじめてそれ以外の市井の人々に向けられるんですが、それがよりにもよってこのタイミングとか……。
シン・ゴジラでいったんゴジラが海に帰ったあとのシーンでも思ったんですが、こうまであっさりと今までの事件、そして誰も知らないとは言え現在進行系の事件を覆い隠してしまう「日常」。
現実でも、誰もが知る有名人の訃報が世間を騒がせてもそれはいっときのことで、1週間もすれば別の話題でニュースが盛り上がってるなんてことも珍しくはありません。
「怪獣」という非日常の極みのような存在を主題とするこれらの作品で描かれている「日常」こそ、それらの非日常を覆い隠してしまう怪獣以上の怪物のように思えてきます。
そんな中発見される、禍特対本部に残された神永のメッセージ。
それは、ベーターシステムの基礎原理とスペシウム133のデータを翻訳したもの。禍特対はkロエを元にゼットン攻略の糸口を掴みます。
これよこれ。ゼットン出現から完全にウルトラマンに頼るしかない状況から、人類の最大の武器である「知恵」を振るう展開。**シン・ゴジラ、そして個人的にもっとも好きな怪獣映画である「ガメラ2レギオン襲来」でもあったこの展開よ!
このあたりの展開、ある意味では本作最大の人類による戦闘シーンとも言えるでしょう。
そして禍特対の面々は、見事ゼットンの攻略法を見つけ出します。それは「ウルトラマンが変身後にもう一度ベーターカプセルを起動することで1ミリ秒だけ発生する、この世界と隔絶した異空間へのゲートにゼットンを押し込む」というもの。しかしその代償として、ウルトラマンは発生した異空間に飲み込まれてしまう。
班長は神永を犠牲にはできないと即刻その案を却下しますが、神永は反対を押し切りゼットンとの最後の戦いに赴きます。
ラストの辺の神永と浅見のシーン。ここ、凡百な映画なら……というか凡百な邦画ならキスシーンにするところだったのでけっこうヒヤヒヤしながら見てました。本作はシン・ゴジラに比べて人間個々人にカメラが向いていることが多く、特に神永……というかウルトラマンと浅見という2者間の関係性に大きく比重を置いた作りになっています。しかもこのコンビは男女なので、いわゆる悪い意味での「人間ドラマ」が展開するんじゃないかと思ってましたが、最後まで彼らの関係は徹頭徹尾「相棒」「仲間」の位置を堅持してくれてたのは本当にありがたい。
そしてウルトラマン、最後の変身! そして満を持して、まさに満を持してのぐんぐんカット! しかも赤バックに三段ズームの初代ウルトラマン完全再現!!! もーガチオタはすーぐこういう事する!!! もう大好き!!!!!
そういや今まで変身するときにお約束のこれがなかったなーと思ってたらこれですよ。隠してたんですねえ……。
そしていよいよラストバトル! ウルトラマンお約束の「とりあえず回っとけばなんとかなる」! ゼットンと激突! 色調反転! 潰れた楕円形の事象の地平面!
事前の予想通り、異空間に飲み込まれてしまうウルトラマン。そこへ姿を表したのはゾーフィ。異空間からウルトラマンを救い出したゾーフィは、ウルトラマンを光の星へと送還することを告げます。しかしウルトラマンはこれを拒否、神永に自身の命を託すようゾフィーに依頼します。
このふたりのやり取り、ふたりとも人間ではないためか終始声を荒らげたり感情的になったりせず終始平坦な声の調子なんですが、ラストのやり取りでは微妙な息遣いやニュアンスで感情がうかがえるようになっているのが見事。
本作のキャッチコピーでもある「ウルトラマン、そんなに地球人が好きになったのか」。これですよね本作のキモは。「好きに『なった』」なんですよ……。
禍特対のメンバーに見守られながら目を覚ます神永。終幕。
そして本作の主題歌「M八七」。これに関してはもうさんざん考察がなされているのでここでは割愛しますが、改めてパンフレットに掲載されている歌詞を見ると本当に本作を見事に表現していると言わざるをえない。
……とまあ、8,000字近く初見感想を書いてきましたがいかがだったでしょうか。
当然のことながら、本作は1回2回見たところで楽しみきれるものではありません。というかこの日記書いてる時点でもう2回め見に行ってるしな……。
例のメフィラス構文をはじめとして界隈を盛り上げている本作、まさにこの令和の時代に来てくれたわれらの、そしてこれからの未来を担う子供たちのウルトラマンと言える作品になったのではないでしょうか。
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