A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

「ランペイジ 巨獣大乱闘」見てきました!

2018-05-22 21:32:18 | 映画感想

 ゴジラとこっち、どっちを先に見ようか迷っていましたが、今日はこっちを見ることに。
 さて感想ですが、バレが気になるタイプの映画ではないので今回はネタバレはあまり気にしない方向で。

 いやー面白かった。
 どうして面白かったかを鑑みるに、「面白さを感じるのを阻害する要因が最小限に抑えられていた」からだと思われます。
 本作はもうここで言うまでもなく「こまけえこたあいいんだよ!」タイプの映画なんですが、いやほんとに引っかかる部分がぜんぜんありません。
 大脳旧皮質を使って楽しむタイプの作品で、新皮質の出番は基本的にありません。
 作品の構成要素はもう完全にお約束のオンパレード。
 相変わらず宇宙ステーションは破壊されるし、相変わらずDNA関連の研究は軍事転用されるし、相変わらずヤバい病原体は拡散するし、相変わらず主人公はマッチョでもと特殊部隊で生物学者とかいう盛り過ぎ設定だし、軍は言う事聞いてくれないし、怪物乗せた輸送機は墜落するし、相変わらず最後の手段は核攻撃だし。
 この辺に命の尊厳がどうとか人間関係がどうとか人間と動物の絆がどうとかをいちいち説明する部分がないので、頭空っぽにして見られますし、見た後は頭空っぽになってます。
 いやほんとに話自体はスゲー単純なので、エビカニくらいまでなら視聴可能なのでは。
 登場人物も、

・ゴリラ!(人間) つよいぞ!
・ヒロイン!(人間) ふつうだぞ!
・ゴリラ!(ゴリラ) つよいぞ!
・わるいやつ!(姉)
・わるいやつ!(弟)
・わかもと!(吹き替え)
・ワニだぞ!(アンギラス)
・オオカミだぞ!(バラン)

 以上!
 こんなかんじ。
 内容については「巨獣大乱闘」のサブタイに偽りなしの大乱闘で大変満足しました。
 怪獣モノでは少なからず肝心の怪獣のバトルシーンが少なくて、「ええい! 人間ドラマ(笑)はいい! 怪獣を写せ怪獣を!」とテム・レイと化してしまうものですが、今作ではそんな心配はありません。
 常時ゴリラ(人間)かゴリラ(ゴリラ)が画面に写ってるので安心です。
 ラストはパシリムでもやってくれた、白昼堂々のシカゴ大爆破ぶっちぎりバトル!
 ほんとこの「真っ昼間にビルブッ壊しながら暴れまわる」をやってくれるのは素晴らしい。それだけでテンションが上ります。
 登場するモンスターも個性的でよかった。
 もうひとりの主人公とも言えるおさるのジョージは後述するとして、個人的には多芸なローンウルフ・ラルフがお気に入り。
 オオカミの俊敏さに加え、後半ではムササビのような被膜による飛行能力や背中のトゲによる射撃能力まで披露してくれる芸達者。
 少し前に見たパシリムでの不満点だった「KAIJUの戦闘能力が十分に差別化されてない」を完全に払拭してくれました。
 トゲ攻撃とかすっげーかっこいいのでもっとやってほしかったなあ。
 ワニのリジー君もそのビジュアルがもう完全にアンギラスで笑えました。
 作中で一番でかいので動くだけで周りは大惨事。「そこにいるだけで脅威」というのは怪獣にとって大切なことです。
 そして今回ドウェイン・ジョンソン演じるデイビスと共闘するおさるのジョージですが、こいつがもうすげーイイキャラです。
 冒頭でデイビスと手話で会話できるほどの高い知能があるという場面があるんですが、ここでまさかのファックサインをかますという。
 もちろんジョークなんですが、いやジョークとしてもそりゃどうなんだって感じですが、ここは個人的にいきなり衝撃的なシーンでした。
 いわゆる「動物モノ」だと、動物っていうのは(過度に)清らかで汚れのない存在、神聖なものとして描写されがちだと思うんですよね。
 実際本作でも、初登場時のジョージはそのアルビノの姿も相まって、すごく神聖不可侵な存在に見えたんです。
 そこでこんな下品なジョークをいきなりかましたもんだから仰天しました。
 本作でのこのジョージの描かれ方って、実はかなり思い切ったと言うか新しいんじゃないでしょうかね?
 他の2体はもう純粋にモンスターとしての立場ですしそう描写されていましたが、ジョージは巨大化し理性を失いつつもなんとか正気を取り戻します。
 そしてデイビスと共闘して残りの2体を止めるべく奮闘するんですが、この共闘もまた新しい。
 たとえばゴジラのような「敵の敵は味方」的な共闘でもなく、ガメラのような「神秘性を介した交信」でもなく、巨大化しているとは言えあくまで「人間と動物とが築いた純粋なパートナーシップ」の上での共闘っていうのは今まで実はなかったんじゃないか?
 この辺も、神聖性ではなくあくまで確固たる信頼を持ったというかたちでジョージを描写しているゆえだと言えるでしょう。
 そしてラスト、激しい戦いで傷ついたジョージはついに……と思わせといてそれかよ!!
 ここに及んでまた死んだと思ったら実は奇跡的に……ではないところが徹底してていいですよね。
 あそこはもう最高に台無しで素晴らしいラストシーンだったと思います。
 本作はもう徹底して、ヘンに高尚なところに話が行かず、一貫して「怪獣大暴れ!」ってところから離れてないのがステキです。
 ステキと言えばドウェイン・ジョンソンのあまりの脳筋描写。
 冒頭で拘束されて連行されてたかと思ったら速攻で拘束ぶっちぎったときにはあまりのことに脳の処理が追いつかず、笑いが遅れて来ました。
 そして終盤、腹を撃たれてぶっ倒れたので、死ぬのはないにせよ重症を負ったのは間違いなく、どうなるかなーと見ていたらひょっこり出てきて「弾は内臓を外れていた!」の一言で普通に飛んだり跳ねたりしてるんですけどこの人。
 わたくしてっきり重傷を負ったのにピンピンしてるのはなんかの伏線だと思ってたんですがそんなことはなかったぜ!
 ときどき思い出したかのように「あっ俺腹撃たれてたわ、いっけね。いててて」って感じでお腹押さえてるのが笑える。
 筋肉ってすごいなあ……。
 しかしわたくし、登場人物についてはラッセル捜査官が実はいちばん好きなのです。
 最初は事態にいらん横槍を入れてくる胡散臭い第三勢力のエージェントって感じのキャラで、展開的にも別に見せ場もなくあっさり退場するタイプのキャラだと思ってたんですがまさかああまで刺さるキャラだったとは。
 シニカルで皮肉屋な言動をしてるわりには「クズ同士協力し合おうじゃないか」「カウボーイは仲間を見捨てない」なんて熱いセリフを吐いてみたりとすげーイイキャラ。
 こういう主人公に付かず離れずのキャラっていいよね……。これもある種のツンデレなんだろうか。
 しかも吹き替えは若本さんと来たもんだ。吹き替え視聴確定ですよ。
 悪役姉弟も、最初から最後まで悪役として必要なアクションをきっちりやりきってくれたので100点満点。
 弟は自分だけ助かろうと逃げ出した直後にガレキに潰される、姉の方は解毒剤持たされてジョージに食われるという悪役として完璧な最期を遂げてくれました。
 総評としては、怪獣映画としてはもうベストの構成だと言っていいんじゃないですかねこの出来は。
 「こまけえこたあいいんだよ!」はこの映画のためにある言葉だと言い切っても過言でも華厳でもないと言ってしまいたい。
 さて次はゴジラを見なければ。

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