個人的には今年最後のマサラ上映となる「犬王無発声マサラ上映」行ってきました!
29日には全人類待望の発声解禁マサラ上映が開催されるものの、コミケへの出発日とダダかぶりだったので泣く泣く諦めました。時間だけ見ればぎりぎり夜行バスの出発に間に合うんですが……。
サンサン劇場と付き合ってると相談相手がお財布でも時間でもなく最終的に命になってしまうのが困りもの。いのちだいじに。
というわけで今回のマサラ上映にすべての力をつぎ込むべくサンサン劇場へ。
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塚口のファッションリーダーこと秋山殿、今日は犬王仕様。
絶賛上映中のスラムダンクの上にはクリスマスリース。
それと同時に展示されている例のダンボール琵琶。
クリスマスリースと琵琶が同時に展示されている映画館とか全宇宙でここだけだろ。
そしてこないだの「RRRマサラ上映」でも炸裂していたサンサン劇場の常軌を逸したホスピタリティが火を吹くぜ!
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来場者に紙吹雪パックを配ってる人がいるかと思えば、一口まんじゅうを配っている人あり。
ほんとにこの映画館の来場者のホスピタリティはどうなってるんだ。
そして開場時間。館内はこんな感じ。
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今回のレギュレーションは以下の通り。
・今回は無発声上映
・鳴り物、手拍子、紙吹雪はOK
・サイリウムなどの光り物、クラッカーはNG、なぜなら600年前にはなかったから
世界観を大切にする映画館、サンサン劇場。
発声はできなくとも、我らにはこの身ひとつあればいい!!
そんな客席からの思いを受けて、戸村支配人、鈴を手に登場!
「割れんばかりの拍手」という表現がありますが、このときの拍手はまさに天を裂き地を割る如くでした。
そして、そんな客席からの拍手に負けない力強い戸村支配人のMCが、クリスマスイブの夜空に響き渡る!
その勢いのまま、琵琶の音響き渡る「犬王」上映開始!!
この作品は今回で通算3回、うち2回はマサラ上映なんですが、いやー飽きません。
もう最初の「ANIPLEX」の段階で拍手喝采、ボルテージは一気に龍のごとくうなぎのぼり。
そして、前のマサラ上映のときにも書いたと思うんですが、この映画の作風に紙吹雪がまた合うんだ……。
舞い散る桜、稲光、血しぶきなどなど、要所要所で客席から舞い上がる紙吹雪がまるで舞台装置のようで、塚口のマサラ上映の大きな魅力である「観客が上映作品と一体になる」をブッ倒れるまで堪能できました。
そして今回強く感じたことがありまして。
前述の通り、29日のマサラ上映では待望の発声解禁となっていますが、今回までは発声は禁じられています。
しかし、我々観客が歓声を上げられないぶん、「犬王」から連続する犬王と友魚の600年ほど時代を先取りしたやたらディストーションが効いてるサウンドとロックなパフォーマンスに狂騒する平安の世の人々が、我々の代わりに声を上げてくれていました。
映画の魅力のひとつには「現実を生きる観客にはできないことを代わりにやってくれる」があると思うんですが、今回の無発声マサラ上映がまさにそれでした。
そしてこの「誰かができないこと、できなかったことを他の誰かが代わりにやる」というのがまさに劇中で犬王と友魚の語る「滅んだ者たちの物語を拾う」というところに重なるわけですよ。
もう何回も書いてますが、塚口のマサラ上映はただ単に大騒ぎするだけでなく、「映画と一体になる」という稀有な経験をできる場です。そしてこの「映画と一体になる」という経験にはさまざまな形があります。しかるに今回の「犬王」では、平安の世を生きる人々に我々の代わりに歓声を上げてもらうという形で映画と一体になることができました。
そしてもうひとつ言及しておきたいのがラスト。正本以外の平家物語を演じることが禁じられ、最終的に友魚は河原で処刑されてしまいます。そのあとの、人間の姿を取り戻した犬王が舞い散る桜の花びらの中で踊る無音のシーン。
ここで、同じく無言の客席から振りまかれる紙吹雪の舞う音の美しさよ……。ここで誰一人鳴り物や拍手なく、ただひたすら紙吹雪を撒くだけにした客席の統一感こそ美しい。
いやー今回も通常の上映、そして普通の映画館では決して味わえない体験をさせていただきました。
参加者の皆さん、サンサン劇場の皆さん、楽しいひとときをありがとうございました。
とか言ってたらもう来年のRRRマサラ上映の日程が決まってるじゃねーか!!