もう寝落ちは気にしない方向で。
・阿求と二三シリーズ④永久に、となりに―― 阿求と二三シリーズ⑤過去の私を、想い人 秘封倶楽部・ロストメモリーVSサナエさん(涼来来!)
前回の紅楼夢で手に取らせてもらったサークルさんの小説本。
3冊ありましたがどれもとても読みやすく、読み始めて一気に3冊読み終わってしまいました。
「阿求と二三シリーズ」は、稗田家の書庫から生まれた文車妖妃の少女・二三と、彼女の母親役を買って出た阿求とのお話。
東方に限らず、二次創作へのオリキャラ投入は人が思う以上にリスキーな手段であり、特にそのポジショニングが非常に難しいわけですが、本作ではそこらへんがうまく調整できているように思います。
オリキャラにも既存の東方キャラにも偏らないように、というのは言うほど簡単ではないはず。
そして今回のお話ですが徹底的にあきゅもこ! むせ返るほどのあきゅもこ!
一般的成人男性が一生のうちに必要とするあきゅもこ分3千年分が含まれています。
妹紅を慕う阿求、そしてそのすれ違いが丁寧に描かれています。
このように特定のキャラ・カップリングを主眼とすると、どうしてもそれ以外のキャラ・カップリングが置いてけぼりに鳴ってしまいがちですが、本作ではうまく阿求と妹紅のエピソードに二三をうまく絡めているのはさすが。
そして⑤では、先代阿礼乙女である稗田阿弥が登場するわけですが、もーこの子いいキャラしすぎ。
初登場でいきなり妹紅の頭にサッカーボールキックしたかと思えば家に引っ張っていってこき使う、とにかく言動がえらくエキセントリックなキャラで、十分過ぎるインパクトがありました。
ラスト、妹紅への手紙のシーンは素晴らしかった……。
秘封本の方は、秘封倶楽部の二人が都市伝説「サナエさん」の秘密を暴きに行くというもの。
オーソドックスな叙述トリックという感じで楽しめました。
こうしたミステリーものでは、得てしてギミックを詰め込みすぎて読みにくくなってしまうものですが、 その辺もすっきりした構成になっていて読後感もすっきり。
あと二人の夫婦漫才感もステキ。要所要所で欲望が漏れ出してるメリーがナイスでした。
ラストもオカルトもののお約束で締めてくれてるのがいいですね。
今日はここまで。