小川糸著"つるかめ助産院"を読みました。
まりあの夫の小野寺君はある日突然失踪しました。
まりあは以前に二人で行ったことのあるハート型の
南の島へ一人で出かけて行きました。
海岸をふらふらしている時に女性に声をかけられ
食事会に招かれます。
そこはつるかめ助産院でした。
声をかけてくれた先生は鶴田亀子です。
フィリピン人の看護師のパクチー嬢、長老、畑仕事を
手伝うサミーがいます。
明るい雰囲気のただよう場所です。
まりあは先生に妊娠していると告げられます。
ここに居ていいのだよと先生はいいます。
まりあは仕事を手伝うことにしてつるかめ助産院で
暮らすことにします。
明るい人たちですがみんな過去にはつらいことを
経験しています。
まりあは捨て子でした。里子として引き取られましたが
里親になじめませんでした。
本当の娘は海で事故で亡くなりました。
その娘の替わりだと思われて本当の自分をみてくれて
いないと苦しみました。
先生もパクチー上もそれぞれ苦しい過去があります。
この島で先生や長老、パクチー嬢、サミー、島の人々と
交わるうち自分を見つていきます。
人間として成長記であり、妊娠、出産というものが
詳しく語られます。
まりあと共に日々変っていく妊娠の状態を経験している
感じがします。
いい本でした。
ただ最後はちょっと安易な終わり方だという気がします。
まりあがしっかりと生きていってくれるといいね。