加納朋子著"はるひのの、はる"を読みました。
幽霊が出てきたり時間を超えたりする現実の世界とは
違う話です。
ユウスケが年齢を経ながら春、夏、秋、冬と不思議な
体験をします。
はるひのという河原とはるひという女の子がいつも
関係しています。
春、河原で女の子が死んでいるのに出会います。
ユースケは小さな子供です。
はるひに出会って死んだ女の子が死なないようにする
手伝いをします。
夏、漫画家は画けなくなっています。
妻は幽霊になって側にいます。
ユースケは翼と共に漫画家が行った肝試しに参加します。
秋、ユウスケは女の人に声をかけられます。
愛していた男に殺されたといいます。
その男を殺して欲しいと頼みます。
彼をはるひのへ導くことになります。
冬、美鳥は孤独な少女です。
おじいさんが残したチョウヒというヨルと名付けたタカ科の鳥を
飼っています。
近所には翼という同級生がいます。
大人のはるひが現れ、ヨルを野生に帰した方がいいと
助言されます。
このあと二つの春が語られます。
ユースケは高校生になっています。
はるひにそっくりな華という同級生がいます。
彼女はユースケを知らないといいます。
過去の不思議な出来事が繋がってユースケにはどういうこと
だったのかわかります。
ユースケは時々出会って頼まれごとをする、はるひに会いたいと
思っていました。
やっと会えてはるひから真相が語られます。
繋がりがなさそうな話が繋がります。
美鳥や翼も過去に出会った人たちです。
不思議な話だと思って読んでいました。
こういうまとまり方をするのかと、終わりまで読んで
全体が違った様相を現してくる本でした。
もう一度読み返したらきっとおもしろさが増すでしょう。