雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

新参者

2011-12-21 19:37:59 | 
東野 圭吾
講談社
発売日:2009-09-18

東野圭吾著"新参者"を読みました。
阿部寛さん主演でテレビドラマになりました。
先にテレビで見ました。
おもしろかったです。
本はどうかなと思いながら読みました。
本もよかったです。でも本が普通の魚ならドラマは
肉付きがいい魚です。うまい具合に膨らませてあります。

小伝馬町のマンションで中年の女性が殺されているのが
発見されます。
捜査にあたる所轄の刑事が加賀です。
捜査で出会う殺された峯子と接点があった人形町の人々
との交流が描かれます。
ミステリーというより人情話といった方がいいです。
加賀は不思議な出来事の解説をして人々がほっとしたり
温かな心になります。

"煎餅屋の娘"
保険屋は疑われているのにどうして本当のことをいわないのか。

"料亭の小僧"
人形焼を店主に頼まれて買っていた小僧。
現場にその人形焼が置かれていました。

"瀬戸物屋の嫁"
キャバクラに勤めていた麻紀と結婚しました。
瀬戸物屋をしている母親と同居しています。
仲が悪そうな二人ですが本当のところは。

"時計屋の犬"
娘が家を出て気に入らない男のところへ行ってしまいました。
いつも犬を散歩させている父親の心境は。

"洋菓子屋の店員"
殺された峯子は勘違いして洋菓子屋の店員を息子の恋人
だと思い込みました。彼女は妊娠しています。
店員はいつもやさしく接してくれる峯子を不思議に
思っていました。
息子は演劇をやりたいと何年か前に家を出ています。

"翻訳家の友"
峯子は主婦の生活に不満を抱いていました。
離婚をして翻訳家の友の下請けをして生活をしていける
よう努力をしていました。
その友が仕事を辞め結婚して外国へ行こうとしています。

"清掃屋の社長"
峯子の夫は清掃会社の社長です。離婚後若い娘を秘書と
して雇いました。峯子は離婚前から付き合いがある愛人
ではないかと疑います。

"民芸品屋の客"
独楽を買っていったのは清掃会社の経理をみている
男でした。
息子の家庭を訪ねます。小さな男の子がいます。
息子夫婦は不相応に贅沢な生活をしています。

"日本橋の刑事"
大事に育てた息子が無免許運転をして警官に捕まったのを
見逃してくれるようたのみます。
そのせいで息子はバイク事故で死にました。

事件は息子の育て方を間違った男が引き起こしたもので
やりきれないものです。
人を信用してまかせっぱなしにするのは却って悪い
結果をうみます。
きちんと監査していたなら事件の発生を防げたでしょうに。

加賀はやさしい人です。
たぶんこんな刑事さんはいないでしょうね。
ミステリーは苦手な人でもこの本は気に入ると
思います。