雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

あの夏、二人のルカ

2019-03-23 21:00:00 | 

誉田哲也著"あの夏、二人のルカ"を読みました。
現在と14年前の出来事を別々の語り手で
綴られています。

現在の話は沢口遥が語り手です。
東京から名古屋に移り住んでいましたが、離婚し
職も辞めたため、東京に戻ってきました。
母親が残してくれた貸しビルのワンフロアに
住むことにしました。
近くにギターのリペアの店があることに気が
つきました。
店の名前はルーカス・ギタークラフトです。
店主は乾滉一です。

14年前の話の部分は佐藤久美子が語り手で、
当時高校生です。
父親が貸しスタジオを経営しています。
彼女はドラマーです。
二人でギターを弾いている美悠と翔子に
出会います。
久美子は二人を誘ってグループとなりました。
練習場所は自宅の空きスタジオを使わせて
もらいました。
転校生としてきたヨウの歌声のすばらしさに
気づいた美悠らは彼女を仲間に誘いました。
もう一人演奏には関わらずに側にいてくれる
瑠香という仲間がいました。

遙はギター修理屋の乾と知り合いになりました。
乾は若いころ父親とはそりが合わず喧嘩ばかり
でした。
そのとばっちりで妹の指に怪我をさせてしまい
妹は好きなピアノができなくなりました。

久美子らのグループは高校の文化祭で評判を
取りました。
久美子には音楽プロデューサの従兄がいます。
久美子はどうしてもプロになりたいと思っています。

ある出来事があってヨウは仲間からも音楽からも
遠ざかってしまいます。
以来ヨウは彼女らに会っていません。

過去と現在が交わってきます。
不思議な巡り合わせで再会がかないます。

離れていた期間があっても仲間なんですね。
二人のルカの意味は読んでみてください。

火花散る おいち不思議がたり

2019-03-22 21:00:00 | 

あさのあつこ著"火花散る おいち不思議がたり"
を読みました。
藍野松庵は菖蒲長屋で町医者をしています。
おいちは松庵の娘で父を手伝いながら医者の
勉強中です。

おいちは往診の帰りに追われている女性に
出会いました。
女性はもう間もなく赤ん坊が生まれそうな
状態です。
ついてきてくれた新吉と共に彼女を長屋に
運び入れました。
長屋に住む子供を産んだことのあるおかみさん
達と共に出産の手伝いをします。

生まれた赤ん坊は十助と名付けられました。
女性は滝代と名乗りました。
体が弱っているにもかかわらず十助に
乳を与えます。
そして姿を消しました。

滝代は侍たちに殺されました。
おいちは十助の面倒をみていましたが
将来を考え浸炭屋の吾妻屋の夫婦に養子と
して預けました。

滝代と十助はある藩の御家騒動に巻き込ま
れていました。
十助の命まで狙われています。

藩主の子供を宿した女性と赤ん坊を亡き者と
しようとする人々と、彼女の残した赤ん坊の
命を守ろうとするおいちたちの話です。

浮雲 心霊奇譚 白蛇の理

2019-03-21 21:00:00 | 

神永学著"浮雲 心霊奇譚 白蛇の理"を
読みました。
幽霊が見える憑き物落とし浮雲が登場する
話です。

"白蛇の理"
八十八は激しい雨で廃寺に雨宿りしました。
白い蛇が這っているのを見ました。
美しい女が現れました。
彼女は八十八にこの寺の住職だった宗玄を
探して欲しいと頼みます。
白い蛇は八十八にまとわりついています。
女性は朝霧といい、吉原を逃げて寺に匿わ
れていました。

"猫又の理"
弥七郎の部屋の中に多くの猫が現れました。
そのうちの一匹が大きくなり牙をむきシャーと
威嚇しました。
市ヶ谷に住む猫をたくさん飼っていた女性が
猫もろともに殺されることがありました。
土方が浮雲に猫又を退治してくれるよう頼みに
きました。
浮雲は自分は幽霊が相手で、妖怪は相手では
ないと気がのりません。

"狐憑の理"
大店の三川屋の娘のお初が狐憑きになったと
浮雲に助けを求めてきました。
神田の放置された小山稲荷神社に男であったり
女であったりと幽霊が現れると見に行きました。
お初の狐憑きと幽霊騒ぎが関係があるのではと
考えます。

赤い目をして神社でぐだぐだとしている浮雲
ですが、いやだいやだと言いながら事件に
巻き込まれていきます。
一旦関わってしまうと力を発揮します。
気楽に読める本です。

番号の数字について

2019-03-20 10:42:18 | 日常の出来事
最近図書館のカードの番号が新しくなりました。
予約状況の確認などに使います。
何回か入力していてあれっと感じました。
ほとんどの数字キーをまんべんなく打っている
ような気がしました。
番号をじっくり見てみました。
番号は10桁あります。
被る数字は1つたけでした。
ということは使われていない数字は一つだけです。
全部の数字を使っているというのが一番すごい
けど、九つ使っているっていうのもすごいと
思いませんか。
きっと数式でどのくらいの確率って表せるんで
しょうね。
数学は弱いのでわかりませんが、そんなに高く
ないのではないかと思います。

数字を入力していて思ったことです。

桜おこわ 料理人季蔵捕物控

2019-03-19 14:42:20 | 

和田はつ子著"桜おこわ 料理人季蔵捕物控"を
読みました。
季蔵の許婚だった瑠璃は心を壊しています。
北町奉行烏谷に庇護されてお涼の元で暮らして
います。
季蔵は烏谷に町人たちにお花見のお弁当を作る
ように頼まれます。
お金をあまりかけずに美味しいものを作れと
いう注文です。
田畑と松次は、よからぬ仕事をしている大津屋と
作蔵の殺害の事件を調べています。

町人だけという話でしたが、八坂藩藩主北尾
周防守も招かれました。
にゃん饅屋のおやすが歌って踊ってみせます。

瑠璃も花見に参加しました。
北尾から瑠璃を輿入れさせるよう話がありました。
烏谷は瑠璃の状況や季蔵の気持ちを知っていながら
話をまとめようとします。

いろんな話が混ざり合っていて読み終わってみると
どんな話だったのか思い出せません。
楽しく読める時間が持てればそれでいいです。

変死体 上

2019-03-14 15:38:08 | 

パトリシア・コーンウェル著"変死体 上"を
読みました。
有名なシリーズ物だそうです。
この本はシリーズ18作目だそうです。

ケンブリッジ法病理学センター(CFC)の局長の
ケイ・スカーベッタはその時研修でCFCを
離れていました。
終了した日、CFCのマリーノと姪でもある
ルーシーがヘリコプターで迎えにきました。
犬と散歩中だった青年が死体で見つかりました。
死亡が確認されていたのに、翌日モグルの冷蔵庫で
大量の出血しているのが見つかりました。
生きていたのに死亡としたのかと問題になるのを
恐れてケイを迎えにきたのです。

彼は自分でつけたのか、誰かにつけられたのか
ヘッドホンに隠しカメラがセットされていました。
最後の部分に襲われたようなところが写って
いました。
CTスキャンで検査したことろ青年の死亡原因は
説明がつかないものでした。
体内は激しく傷つけられているのに何でつけられ
たものかわかりません。

ルーシーは蠅の羽のようなものを青年の衣服から
見つけました。
作られたものでフライボットと言われるものの
一部だと思われます。
蠅のように見えるロボットで録画や録音が
できるものです。

迎えから、青年の体に会うまで厚い本の半分
ぐらいかかっています。
副局長のジャック・フィールディングはなぜか
仕事をほかって逃亡しています。
夫のベントンとも何かすっきりしません。

話しが大きすぎてSF小説かスパイ小説のようです。
フライボットはきっと近い将来作られるでしょうね。
こんなのに見張られる社会なんて、なんて窮屈な
ものでしょう。
青年の殺された方法も現実ばなれしたものなんで
しょうね。
読むのにくたびれました。
下を読む元気は出るかな。

ファイア・サイン 女性消防士・ 高柳蘭の奮闘

2019-03-09 15:58:07 | 

佐藤青南著"ファイア・サイン 女性消防士・
高柳蘭の奮闘"を読みました。
横浜市消防局湊消防署に勤める高橋蘭、女性
消防士が主人公です。
原因がわからない火事が16、7件続いています。
同僚の永井は年下ですが、仕事では先輩です。
防火服を着て逃げ遅れた人の救助に火の中へ
飛び込んで行きます。
木場は蘭の父の同期で親友でした。
父は殉職しています。
木場は今は火災原因調査員をしています。
県警本部の松永は連続した不審火を放火と
見なして調査しています。
警察と消防は協力して事にあたらなければ
いけないのに警察は消防の邪魔をします。
第一発見者を警察に止め消防に話を聞かせ
まいとします。

消防署の人々の話ではなく、時々新聞配達所で
働く人の話が差し挟まれます。
この誰かが火事と関係あるのだろうなと
感じさせられます。

老人宅で火事があり救助に家に入った荒川、
蘭、永井ですが、床が抜け荒川は落ちて
しまいます。
蘭、永井が救助しようとしますが荒川は
殉職してしまいます。

放火の方法が解明されます。
連続放火犯は捕まりますが、そのうちの2件は
自分ではないといいます。

地下街で火災が発生します。
地下街の火災は防火も消火もしっかりしていて
大災害にはならないと言われていたにも
関わらず大災害となりました。
助け出された人々は亡くなっている人が
ほとんどです。

中に入った蘭は店の中に少年がいるのに
気がつきました。
一旦は外に出た消防隊員ですが、危険を冒して
助けに入ります。

消防隊員とは、毎日が命がけです。
神経がすり減ってしまうでしょうね。

どこか読んだことがあるような気がすると
ちらちら思っていました。
"灰と話す男 消防女子!! 高柳蘭の奮闘"を
改題したものだったのですね。

以前書いたものと同じような内容となって
しまいましたがせっかく書いたので載せます。

玉村警部補の巡礼

2019-03-03 21:00:00 | 

海堂尊著"玉村警部補の巡礼"を読みました。
"チーム・バチスタの栄光"のシリーズに登場
している刑事です。
玉村が有給休暇などを使って四国八十八ヶ所
の巡礼をしようと決意しました。
歩いて廻るのが望みです。
1回では出来ないので休みを取っては何度も
四国へやってきます。
一人で廻りたいのにいつもついてくるのは
加納警視正です。
加納には巡礼だけではなく別の目的があります。
歩きたいのに車に乗せられたり散々文句を
いったりと、二人の巡礼は続きます。

"阿波 発心のアリバイ"
弾丸ツアーで廻っているクループが賽銭と
して各寺に百万円を置いて行きました。
ある寺に置かれたそのお金がなくなりました。
百万円を持って遍路をしていた女性が犯人と
見なされました。

"土佐 修行のハーフ・ムーン"
加納は十二年前に起きた事件を解決しようと
します。
疑わしい人物にはアリバイとなる写真が
あってつかまえられませんでした。
加納は写真の真実を読み解きました。

"伊予 菩提のヘレシー"
泊まった宿の主人は近くの寺の地下の岩屋へ
行きました。
蚊に刺され血を吸い取られることで煩悩や
邪念を払われると信じられています。
蚊は刺されても痒くないよう変えられた
ものです。
翌日主人は死体で見つかりました。

"讃岐 涅槃のアクアリウム"
爆破予告の脅迫状が警察に送られてきました。
警察はひょうげ祭りの最中を狙っていると
判断しました。
屋島水族館の別館は閉鎖が決まっています。
すでに使われていない地下室には歯科医の
設備が整えられて、何か悪いことが行われて
いるようです。

"高知 結願は遠く果てしなく"
巡礼の最後には総本山の高野山の金剛寺へ
行かなくてはならないと加納が言い
玉村を連れて行きます。

題名が玉村警部補ですが、目立っていて
活躍するのは狩野警視正の方です。
玉村はさんざん加納に振り回されています。

奈良まち はじまり朝ごはん3

2019-03-02 21:00:00 | 

いぬじゅん著"奈良まち はじまり朝ごはん3"
を読みました。
シリーズ最終巻だそうですが、最終巻を
最初に読みました。
詩織は奈良のならまちにある朝ごはん屋の
和温食堂で働いて1年になります。
大学を出て就職するはずだった会社が
倒産し途方に暮れていた時にこの店に
出会って働くことになったらしいです。

"しきしきを覚えていますか"
ならまちはさびれていきます。
そこに住んでいる新太郎は息子の翔太から
いっしょに住もうという申し出を拒んでいます。
住み慣れた家を離れたくありません。
大正時代に建てられた家は大きな維持費が
かかります。
和温食堂の雄也はしきしきを作って新太郎と
翔太にだしました。
小麦粉を溶いて焼いたものです。

"七色お和えと香子の恋"
和豆は食堂の前にある千葉院という寺の住職です。
人々の相談事をよく聞いてくれます。
彼の前に大橋麻衣が現れます。
和豆は冷たく彼女を拒否します。
十年前の燈花会であったきりだといいます。
和豆を燈火会に連れ出そうとします。
雄也は奈良の精進料理の七色お和えを作って
待っていてくれます。

"弟とまめまめ焼きのこと"
詩織が店に行ってみると弟の俊哉がいました。
大学生の俊哉は大学を辞めたいと言って
家出をしてきました。
彼は働く人々を観察しました。
雄也は豆を使った料理をいくつも出してやります。

"雪の色に似ている"
店に山本さんがやってきました。
詩織のアパートに越してきた人で、奥さんと
双子の女の赤ちゃんと暮らしています。
妻の様子がおかしいと言います。
雄也には妹の穂香がいます。
仲違いしてどこにいるのかわかりません。

料理と店にやってくる人が起こす問題が
描かれています。
シリーズの前に戻って読んでみたいと思います。

隠密味見方同心 九 殿さま漬け

2019-03-01 21:00:00 | 

風野真知雄著"隠密味見方同心 九 殿さま漬け"
を読みました。
シリーズ最終巻です。
兄が殺され後を継いで味見方同心となった
月浦魚之進が主人公です。
兄の敵を見つけ敵討ちが死体魚之進です。
敵が誰かはわかりました。
ただ大物過ぎて手がだせません。

"串刺し大福"
魚之進と岡っ引きの麻次は殺人事件の探索中に
串刺し大福の看板を見ました。
大福を買ってみました。
大福に串が刺さっています。
串が刺さっている理由がわかりません。
いい豆が使われています。
大福から店の主六兵衛を調べてみます。

"海苔巻きうどん"
けんかを見つけました。
煎餅屋の次郎吉が黒江屋に頼まれたらしい男
とのけんかでした。
黒江屋のおかきめぐりは有名な菓子です。
次郎吉の店のおかきはそっくりな味です。
どうにかして味を盗んだと疑われています。
うどん屋で海苔巻きうどんというものを
見かけました。
1本のうどんに海苔が巻きつけられいます。
次郎吉に頼まれて作ったと店のものは言います。
どうして依頼したのか疑問に思います。

"梅干し饅頭"
御茶会の最中に饅頭を食べて若い女性の
弟子が死にました。
この師匠のところではお菓子屋に頼んで
梅干しを入れた梅干し饅頭を一個だけ注文の
品の中に忍ばせてもらっています。
毒が入っていたのは梅干し饅頭の中だった
のではないのかと思われました。
すっぱくても顔に出さない訓練のためだと
言います。
味がおかしくてもがまんして食べたのでは
いうわけです。

"殿さま漬け"
兄の敵を誘き出すためには是非食べたいと
思うものを考え出さなくてはいけません。
女髪結の家の二階で手品師の男がが漬物石で
殺されました。
魚之進は贅沢で珍しい漬物で誘き出したらと
思いつきます。
敵は水戸家の中にいます。
水戸家の中で敵の中山丹後と対立している
立場の用人を味方につけて中山の引っ張り
出しが計画されました。

魚之進はようやくに兄の敵をつきとめ、
対決することができました。

兄が死んで一年経ち兄嫁のお静は実家に
帰ろうとします。
お静に帰って欲しくない魚之進は言います。

いろんな食べ物が関わった捕物の話が
終わってしまいました。
兄と比較して自信なさげだった魚之進は
進歩しました。

サラバ! 下

2019-02-28 21:00:00 | 

西加奈子著"サラバ! 下"を読みました。
ウズマキの巻貝の造形物の中に入って
あちこちに出没する者があらわれました。
ネットで情報が広がって大勢のシンパが
できました。
歩はそれが姉だとすぐわかりました。

付き合っていた写真家の紗智子が姉の写真を
撮りたいと願いました。
歩は断りましたが紗智子は貴子と歩抜きで
交渉し写真を雑誌に載せました。
この写真がもとで貴子はネットで叩かれ、
あっさりと見放されました。

こんな時に矢田のおばちゃんが亡くなりました。
姉に遺言が残されました。
「自分で自分の信じるものをみつけなあかん」
矢田のおばちゃんが言った言葉でした。
姉は海外へ立ちました。

歩は30歳を超えました。
多かった仕事はほとんどなくなりました。
母は再婚相手と離婚しています。

須玖と再会しました。
二人でいる時に鴻上とも再開し、三人での
付き合いが始まりました。

姉が夫を伴って一時帰国してきました。
姉は落ち着いた女性になっていました。
海外の多くの国を巡ってアメリカで
結婚しました。
母ともうまくつきあっています。

歩は姉から忠告されます。
「自分だけが信じられるもの、それが
あなたにはない」
「あなたには芯がない」
と言われます。

いままでとここで物事ががらりと逆転
します。
問題児だった姉が悩んだ末に突き抜けて、
反対に歩は自信を失っています。
仕事をせず図書館に入り浸っています。

姉はあっさりと変貌を遂げて登場します。
人は何かのきっかけで変わるものですから
それもありですね。
歩は今まで姉に翻弄されながらも頑張って
生きている風に見えました。
でも見方を変えると波風立てないように
生きてきただけという風にも見えます。
歩は、姉によって見ないようにしていた
現実をはっきりと突きつけられました。

父母が離婚することになった原因も知ることに
なります。
両親もKさんも起きてしまったことはさっさと
忘れるべきでしょう。
悩むなら人に見せずに心の中だけにして
おくものです。
このことが子供たちに大きな影響を与えている
のは確かです。

歩が悩み、先へと進んでいく過程が描かれます。
幼いころの友人のヤコブとの再会があります。

サラバ! 中

2019-02-27 12:31:05 | 

西加奈子著"サラバ! 中"を読みました。
日本に帰って来て両親は離婚しました。
祖母の家の近くに住みました。
家は父が買ってくれ生活費も父が出して
くれました。
歩は小学校に転校しました。
必死で馴染むよう努力しました。
姉の貴子は中学校へ転校しましたが、
馴染むことはできませんでした。

以前からの知り合いの矢田のおばちゃんは
前と変わってませんでした。
ただ集まってきた人たちがサトラコヲモンサマ
というものを拝むようになっていました。
矢田のおばちゃんが中心にいますが彼女は
教祖でもないし教義を説くわけでもありません。

歩はサッカークラブに入りました。
友人も出来ました。
中学校で孤立した姉は学校へ行くのを止めて
しまいました。

高校は男子校を選びました。
クラブはサッカー部を選びました。
姉はサトラコヲモンサマに傾倒しました。
この場所で姉は信者らの注目を得、落ち着きを
得ていました。

高校で須玖という親友を得ました。
同じサッカー部で、サッカーはうまいのですが
目立たない人物でした。
本を読み、映画や音楽の知識も深いものが
ありました。
家にも泊まりにきて本や映画などの話をしました。

阪神・淡路大震災が起きました。
須玖は地震で精神的な衝撃を受けて学校へ出て
こなくなりました。
こうして須玖とは会わなくなりました。

東京ではサリンが撒かれる事件が起きました。
新興宗教であると見なされたサトラコヲモンサマは
人々から糾弾され信者は去っていきました。
貴子はまたしても不安定になり自室に閉じこもり
食事をせず風呂にも入りませんでした。

姉は矢田のおばちゃんと話をしたあと部屋を出て
ちょうど転勤する父についてドバイへ発ちました。
歩は東京の大学に行きました。
家族はバラバラになりました。

母は離婚後、何人もの恋人を持ちました。

大学の最初の年は女性に声をかけては付き合いました。
映画を見るクラブに入りました。
女性部員の鴻上とは友人となりました。
就職活動はせずアルバイトをしていた店で文章を
書いたりしていたことからライターの仕事を
するようになります。

父が日本に帰り姉も戻ってきました。
祖母が亡くなりました。
母は再婚すると言います
父は出家をすると言います。

家族それぞれ波乱があるなぁ。
歩は女性とはその場限りか、付き合っても
深くき合うことを避けています。
姉は何を求めているのか。

勤務中の服装

2019-02-22 10:04:26 | 昔話
他の人のブログで通勤時の服装について
書かれていたのを読んで昔を思い出しました。
年を取ると過去を反復すると言いますが
この話もたぶん書いたことがあるでしょう。

勤めていた会社は田舎でした。
住宅地で田畑がちらほらしました。
名古屋駅から近いのですがちょっと離れただけで
あれっ、という場所があります。
若い男性社員の中には短パンに遊び着のような
Tシャツでやって来る人たちもいました。
海辺か山にキャンプに行く恰好です。
服装は自由と考える私でさえ長いパンツに
おとなしめのTシャツにしてよと思いました。
あの恰好で電車に乗ってきたのでしょうか。
まあ、自分の恰好だって似たり寄ったりですから
とやかくは言えません。
社内では作業着に着替えますから仕事中も
その恰好というわけではありません。

ある時通勤の服装について通達がありました。
その中に作業着であるジャンパー姿で来るな、
会社で着替えよというものがありました。
たとえ車通勤であっても作業着禁止です。
車でもダメって、これは何故と思いました。

この命令はトップが変わったら自然に忘れられ
また自由になってしまいました。
短い間だったと思います。

これもびっくりした服装です。
女性の派遣社員がやってきました。
彼女の服装に、えっと思いました。
お腹の部分がかなり見えているのです。
それも真冬にです。
その恰好何っという前に、寒くはないのという
思いが強かったです。
服装に関してどうこう言われる職場ではありません
でしたから誰も注意しませんでした。
彼女はいつの間にか来なくなっていました。

退職する間近にはジーンズで働いていました。
新卒で入社した時に男性社員にジーンズで
仕事したら駄目ですかと聞いたことがありました。
「うーん、ジーンズはねぇ…」って言われました。
女性はスカートが当然という時代でした。
時代は変わってジーンズ、というかパンツで働く
ことは何の問題もなくなっていました。

サラバ! 上

2019-02-20 13:46:55 | 

西加奈子著"サラバ! 上"を読みました。
中、下があってまだ読んでいません。
主人公は圷(あくつ)歩です。
上巻は歩が生まれた時から小学校の
低学年のころの話しです。
歩は父がイランに駐在している時に生まれました。
4歳上の姉がいます。
姉と母とは仲が良くありません。
姉は母に反抗し暴れ回ります。
父はおろおおし、歩はその流れに巻き込まれ
ないようそっと生きています。
一旦日本に帰り、母の家族の近くで過ごしました。
姉は小学校に行くようになっても問題を起こす
子でした。

再度エジプトへ4年の駐在ということで家族で
行くことになります。
家は素晴らしく広く、運転手とメイドがいます。
歩は日本人学校へ行くことになります。
姉はボーイフレンドが出来、彼と学校で一緒に
過ごし、家では電話をしています。
歩には同級生の友人ができます。
現地の人たちは人懐っこいですが交流はありません。

歩は現地の同年の男の子のヤコブと親友となります。
お互い言葉が通じ合うわけではないのですが、相手の
いうことが理解し合えます。
「サラバ」は二人の間で使われた言葉です。
日本語のさようならという意味でもあり、その他
いろんな意味を込めて二人の間で交わされます。

両親は不仲になっていき、家の中に不穏な空気が
漂います。
日本に帰りついには離婚することになります。

歩は心の友であるヤコブと別れることになります。

姉の方が一方的に母を嫌っています。
母も個性的な強い人です。
その理由ははっきりとはあらわされていません。
強い不満があるらしいです。
当事者もそうですが歩のような傍観者もこんな
家で暮らすのはつらいだろうなと思います。
でも母親は娘がこんなふうだったら悩んで苦しむ
のが普通でしょうが、この状態にそれほど
悩んでいる風はありません。
苦しんだりしたらこの家庭はもっともっと
悲惨な状況になったでしょう。
姉がこんなふうに自分の気持ちを暴れるという
形で現すことができることをうらやましく
思います。
子供であろうと自分の中に気持ちを押し殺して
生きるというのが多いのではと思います。
この二人はどうにも融け合わないのですから
家を出ていける年齢までやり過ごすしかない
のではと思います。

歩とヤコブの関係、人生でこんな風な相手に
出会えるのはまれでしょう。
こんな時間を過ごせたことは幸せなことですね。

お日柄もよく 日本橋物語8

2019-02-19 21:00:00 | 

森真沙子著"お日柄もよく 日本橋物語8"を
読みました。
蜻蛉屋のお瑛のもとに得意先の山城屋から
すぐ来て欲しいとの要請がありました。
行ってみると一人娘のお郁の結婚式当日でした。
しかしお郁は逃げたらしく探しても見つかり
ません。
顔形が似ているからと両親に身代わりを
頼まれます。
その間にお郁を見つけて辻褄を合わせると
いくことで無理やり引き受けされました。
庭先には池があり舟がもやってあります。
舟で出て行ったのではと乳兄弟権八が
追っていきました。

お郁のまわりにいる権八、夜番の猪蔵、女中のお珠、
桝屋伝兵衛、お郁自身、結婚相手の棚橋国義らの
それぞれの過去、未来が描かれています。

結局お郁は見つけ出され内緒でお瑛と入れ替わり
事なきを得ました。

お瑛はほとんと出番がありません。

最初は相手も承知の替え玉なんだろうと思って
いましたがそうではありません。
相手の家は武家です。
ばれたら命に関わるかもしれません。
そんな無茶な事をよく引き受けるなぁと思いました。
お郁がどうして逃げたのかははっきりとしません。
現代でいうマリッジブルーというものでしょうか。
それにしてもぎりぎりの時にこんな行動を起こす
なんて無茶です。