雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

つかまえてたもれ 姫様お忍び事件帖

2014-01-31 21:00:00 | 

沖田正午著"つかまえてたもれ 姫様お忍び事件帖"を
読みました。
軽い娯楽小説です。
読んでいて楽しかったです。
清水徳川家の四女鶴姫が顔も知らない人との婚礼を
嫌って家出をします。
武州槻山藩の小坂亀治郎はたまたま江戸にお供で来て
いました。
鶴姫が探しにきた清水藩の侍と揉めていたのを乱暴者に
おそわれりると勘違いした亀治朗が助けました。
彼らは美人の娘達が何人もかどわかされている出来事に
遭遇します。
善六、徳五郎という元やくざの親分や口入屋に出会います。
鬼雲一家やその配下の赤鬼組という乱暴者が町を支配して
います。
善六、徳五郎は彼らを排除したいと願っています。
清水徳川家の侍たちややくざ者たちもかかわって
大騒動です。
鶴姫はここ一番という時にするどい知恵を発揮します。
ただただたのしいという読み物です。

菩提樹荘の殺人

2014-01-30 21:00:00 | 
有栖川有栖著"菩提樹荘の殺人"を読みました。
臨床犯罪学者の火村と推理作家の有栖川が登場する
ミステリーです。
4編あります。
気楽に読める話です。

"アポロンのナイフ"
少年の連続殺人が起きます。
東京で起り少年は逃げています。
大阪でも似たような殺人があり同じ犯人なのかと考え
られています。

"雛人形を笑え"
雛人形という男女の漫才コンビの女性が自宅で殺され
ました。
これから売れ出しそうな状況にいます。
二人ともコンビを組む前は別の人とコンビを組んでいました。

"探偵、青の時代"
火村が大学時代に遭遇した出来事を、同窓生が偶然
出会った有栖川に話してきかせます。
友人宅で開かれた飲み会に遅れて行った火村はそれまで
話されたいたことを見抜きます。

"菩提樹荘の殺人"
若さを誇っていた男性が別荘で殺されました。
女性と次々と付き合っていたためそのトラブルかと
考えられました。

漂砂のうたう

2014-01-29 22:00:00 | 

木内昇著"漂砂のうたう"を読みました。
江戸時代から明治に変わったころの根津遊郭が舞台です。
定九郎は元武士でしたがそれを隠して美仙楼でお客を
呼び込む立番をしています。
龍造の下で働いています。
店には小野菊という凛とした花魁がいます。
定九郎のまわりにはぽん太という噺家の弟子をしている
男が付きまとっています。
定九郎はほかに生きる方法はなく仕方なしにやっている
という感じの男です。
昔の仲間に小野菊のを手伝うよう強要されます。
定九郎はポン太を引き入れ仲間とは別の計画を立てます。

小野菊は見受けしてもらえる話を断ります。
間男がいるという噂ですがそれが誰だかは誰も知りません。
小野菊をめぐっていくつもの計略が計られます。
小野菊は川に飛び込んで死体は上がりませんでした。

ポン太が一番興味深い人物です。
あまり芸がない人物のように思われていますが、師匠が
おもしろがる人物です。
彼の動向には注意して読んだ方がいいです。
考えてみればする必要のないことをしているわけで
ただおもしろいことをやってみたいという興味だけで
やったのでしょう。

小野菊のようなしっかり者をうまく騙して足抜けさせ
ようなんて計画が成功するわけないと思うのに絶対
できることを前提に動く人たちを不思議に思います。

急に武士階級がなくなって生きていく方向や方法を
失った人の息苦しさが感じられます。

夢も定かに

2014-01-28 20:00:00 | 
著者 : 澤田瞳子
中央公論新社
発売日 : 2013-08-25

澤田瞳子著"夢も定かに"を読みました。
藤原氏の勢力が強くなった平安時代の物語です。
天皇の後宮で働く采女たちが主要人物です。
若子は妹が働くはずだったのに妊娠してしまい変わりに
都へ出てきました。
容姿も知性もありません。
天皇の食事を準備する仕事をしています。
笠女は知性に溢れた女性です。書籍に精通していますし
毛筆も人をうならせます。
春代は藤原麻呂と愛人関係になり息子を産んでいます。
しかし息子は正妻に渡しそのまま仕事を続けています。
言い寄る男性が後を絶ちません。
縫い物を仕事としています。
この三人が同室で暮らしています。

江戸時代か現代に小説の時代設定がされているものを
読むのがほとんどです。
めずらしい時代の話です。
過去の女性達がどのように考えていたのだろうと
興味はあります。
働く女性達がいたのですね。
当たり前といえば当たり前のことですけど。
三人は自立する生き方を模索しています。
笠女は能力で男と同じように認められたいとがんばって
いますが、ただ女性であるということで認められません。
春代は仲間から男性遍歴が多いとよく思われていませんが
女性が生きていく道を必死で探しています。
若子は世間を何も知らずに後宮に来ましたがしだいに
物事がわかってきます。
一生懸命生きている若い女性たちです。

彼女たちがどのようにこの後生きたのか興味があります。
この時代の女性が幸せを感じる生き方はあったのでしょうか。

残月 みをつくし料理帖

2014-01-26 22:00:00 | 

高田郁著"残月 みをつくし料理帖"を読みました。
吉原の火事でつる屋の助っ人料理人又八が亡くなりました。
つる屋の人々は悲しみから抜け出せません。
芳の息子の佐兵衛は行方不明になっていて芳は必死で
息子を探してきました。
佐兵衛の行方がわかります。

焼け出された幼馴染のあさひ太夫こと野江とはどう
なったのか。
新しい料理に精進する澪です。
若い時に父親と対立して家を飛び出した坂村堂と父の
柳吾との仲直りの場のための料理作りをします。

澪は新しいところへ進もうとしています。
今までの人々との交流はどうなるのでしょうね。
別れが多くまだまだ試練の時です。

シャーロック・ホームズ 絹の家

2014-01-25 22:00:00 | 

アンソニー・ホロヴィッツ著"シャーロック・ホームズ
絹の家"を読みました。
コナン・ドイル財団公式認定、80年ぶりの新作と
帯にうたわれています。
長編です。
違和感なく読めておもしろかったです。
探偵としてホームズらしく活躍したのかなと思わない
ではないですが不満はありません。
アメリカで事件に遭遇した美術商が命を狙われていると
ホームズの元を訪れてきます。
強盗で警察に兄を殺された双子の生き残りが復讐に
イギリスに現れたといいます。
事件を調べている最中にホームズが時々事件の調査に
使っているイレギュラーズの一人のロスが無残に殺されて
見つかります。
ロスの姉が訪ねていったホームズにシルク オブ ハウスと
口走ります。
ホームズの兄のマイクロフトに相談に行きます。
マイクロフトは手を引けと警告します。
政府の高官、警察内部、上層階級の事件を握りつぶせる
権力を持った人々が関わっていると察せられます。

ロスの姉も殺されその場にいたホームズが犯人として
拘留されました。
ホームズが殺したところを見たという信頼されている
目撃者が何人もいて絶体絶命です。

ホームズは脱走してシルク オブ ハウスの正体を
暴きます。
そして途中から別の事件へ逸れていってしまった最初の
美術商の事件にも決着をつけます。

忌まわしい事件です。
当時のイギリスの貧困の様子が描かれています。
ホームズの最大の敵のモリアティー教授も登場しますよ。

図書館のキリギリス

2014-01-23 22:00:00 | 

竹内真著"図書館のキリギリス"を読みました。
詩織は三年前に夫が蒸発しました。
法定離婚事由が成立して離婚しました。
就職先を探していた所で高校教師をしている友人から
司書を募集していると聞き応募しました。
司書の資格は持っていません。
一年契約の不安定な司書です。

前半は高校で契約で働く司書の様子が描かれています。
前任者はしっかりしたマニュアルを残してくれています。
それなのに契約の途中で辞めています。
やる気のある人が働く気をなくしてしまうような労働
形態です。
安く安くと賃金を削られてぎりぎりの生活を余儀なく
される人と、そんな大金をもらえるほど仕事している
わけではないだろうといいたい人といて世の中は
矛盾しているなぁ。

後半は生徒達に本を好きになってもらうためいろいろな
ことをして仕事に打ち込む姿が描かれます。

自分の学生時代の図書館てどうだったのだろう。
どの時点の図書館も司書がいたなんて記憶はありません。
借りたい本の貸し出しカードに記入してカードを置いて
本を借りてくるというような感じだったと思います。

図書委員たちが本好きになっていきます。
ブックトークとかブックテーブルとか本を紹介したり
話し合ったりする催しにも参加者が集まってきます。
詩織はいきいきと働いています。

オーダーは探偵に 謎解き薫る喫茶店

2014-01-22 22:00:00 | 

近江泉美著"オーダーは探偵に 謎解き薫る喫茶店"を
読みました。
女子大生で就活中の小野田美久は喫茶店の前で貧血を
起こして倒れてしまいます。
若く美しい男性に抱き上げられいい気持ちだったのに
ごみの上にほうり投げられてしまいます。
気がついたのは喫茶店の中。
店長の上倉真紘と出会います。
喫茶店では探偵もやっています。
探偵は上倉悠貴、高校二年の真紘の弟です。
事件といっても日常の中の謎といったものです。

赤ちゃんをおいて妻を事故死で亡くしたばかりの人から
妻の幽霊が来て赤ちゃんをあやしてくれていた。
妻が消えてしまったから探して欲しいと依頼を受けます。

子供の時うたたねから目を覚ますとお雛様がいて
楽しい時を過ごした。
会ったことは家族に内緒と言われたのにあくる日に
親についしゃべってしまいました。
お雛様の顔を見たらこわい目をしていました。
大人になった依頼人があの時のお雛様に会いたいと
依頼してきます。

悠貴が生意気で口が悪く嫌な感じの男の子です。
読むのが嫌になります。
どうして高校生を探偵役にしたのかなぁ。
これが40歳とか50歳の疲れた感じのする男なら
多少口が悪くてもしょうがないと思えるかもしれません。
たかだか16、7歳でこの生意気さは嫌です。
雑学と人の心の機微を読み取ることで何があったのか
追及していくわけですが、高校生ではそういうことを
学ぶ時間はないでしょうと思ってしまいます。

よかったとはあまりいえないです。

竜の降る探偵社

2014-01-21 22:00:00 | 

三木笙子著"竜の降る探偵社"を読みました。
昭和30年代の新宿で珈琲店の二階で営業している
水上櫂は探偵社を開いています。
和田慎吾は水上が故郷を捨て東京に出てくることに
なったことを後ろめたく感じています。
水上はやる気がなく冷めた感じの探偵です。

"竜の雨降る探偵社"
雑誌のアンケートに答えた女性社員が行方不明に
なりました。
会社での郵便の取り扱いに対するこまごまとした問いが
ありました。
間違い郵便が多く届くようになり郵便配達人が取りに
くるようになります。

"沈澄池のほとり"
麻薬犯罪で捕まった犯人が持っていた手帳が見つかりません。
新宿の沈澄池に自殺した友人を偲んでよく訪れる女性が
います。
手帳が池にあるのではと思われます。

"好条件の求人"
学生が変な出来事に会った話を持ってきます。
新聞社がカメラ好きの学生を雇って写真を撮らせ
ようと企画します。
テスト撮影のためバス1台に応募者を乗せて江ノ島へ
撮影に出かけました。
しかし日が経っても音沙汰がありません。
新聞社に連絡するとそんな話はないといいます。
バスでの撮影会はなんだったのか?

"月下の氷湖"
和田慎吾と水上櫂は同じ故郷です。
水上は池のほとりにある神社の神主です。
ずっと池のほとりで暮らすつもりでした。
池の干拓事業が始まりました。
和田はその仕事に関係しています。
和田は池でおぼれかけたことがあります。
兄のこと、母のことでわだかまりを抱えています。
水上がそのわだかまりを解きほぐしてやります。

最後の話は幻想的な話です。
こんなことがあったらおもしろいなと思います。
住む場所を追われて東京暮らしですが本人は淡々と
しています。
和田の幼いころの話はいったい何が本当のことだった
のでしょう。
和田が水上から聞いた話はこうだったらいいなという
話なんでしょうか。

問題物件

2014-01-20 22:00:00 | 

大倉崇裕著"問題物件"を読みました。
現実離れした話ですが楽しい本でした。
若宮恵美子は大島不動産販売に就職しました。
仕事は創始者の後継者である大島雅弘の介護です。
雅弘は二十歳で難病で寝たっきりです。
ずっと大事にしてきた犬のぬいぐるみの犬太が戸棚に
飾られています。
雅弘を会社から追い出そうとする一派がいます。
恵美子は販売特別室へ移動になりクレーム処理を
行うことになります。
名目上は雅弘が上司で恵美子が失敗したら雅弘を追い
出す理由となります。
連作短編集です。
恵美子が困っていると犬頭という探偵が現れてたちまち
難題を解決してくれます。

"居座られた部屋"
取り壊しが予定されているマンションの一室に男が
居座っています。
信じていない宗派の新聞を取っています。
新聞屋さんとマンションの間には暴力団の事務所が
あります。
彼は何を狙って居座っているのでしょう。

"借りると必ず死ぬ部屋"
借りた人が続けて死んでいる部屋があります。
服毒自殺が二件、首吊り自殺、飛び降り自殺、飛び込み
自殺と続きました。
どうして続くのか、反対から見てみればその理由は
わかります。
死にたいと思っている人が部屋を借りるからです。

"ゴミだらけの部屋"
臭いがすごいからなんとかしてとクレームがありました。
その家は大島不動産の関係している家ではありません。
近所の関係者からの依頼です。
前から書籍などを溜め込んでいることは知られていましたが
生ゴミは最近です。
家の見張りで生ゴミは外部の人のしわざであることが
わかります。
書籍類を集めているのには大きなわけがありました。
大きな力がこの家に住む人に襲い掛かります。

"騒がしい部屋"
部屋に幽霊が出ると騒ぐ人がいます。
とうとう警察に連れて行かれてしまいました
部屋の住人を特定の日に追い出しておきたい者達が取った
方法とは。

"誰もいない部屋"
次々と借主が消えてしまう部屋の謎を追います。
別の部屋に住む木川絵里はマンションは住人は親切で
仕事が次々と入ってくるラッキースポットだと言います。
何も知らない絵里を餌にしてある団体は人を待っています。

犬頭は不思議な力を持っています。
犬頭がぬいぐるみの犬太の化身であろうことは口に出される
ことはありませんが恵美子も確信を持っています。
乱暴で人間離れした力を発揮し事件をあっさりと見抜く
犬頭は魅力があります。
犬頭に恵美子とも雅弘を助けたいと願っています。
この本で完結するのかと思ったら雅弘はアメリカで治療
に飛び立ちました。
続編があるみたいな感じです。

"ゴミだらけの部屋"が一番よかったです。
どういう風に話は進むのだろうと思っていましたが
こんなこともあるかもしれないとこの結果には驚きました。

ルーズベルト・ゲーム

2014-01-17 21:16:05 | 

池井戸潤著"ルーズベルト・ゲーム"を読みました。
楽しい本でした。一気に読めます。
青島製作所野球部の話です。
野球部のことと会社の進路の二つのことが交互に書か
れています。
会社としても野球部としてもミツワ電器がライバルです。
規模としてはミツワの方が大きな会社です。
青島の前監督の村野は主力選手の二人を引き連れて
ライバルのミツワへ移ってしまいました。
青島は大道を新監督に迎えました。
過去のデータを分析して作戦を立てる新しい野球を
目指します。
今まで控えにいた人物をデータ分析で起用します。

青島は不況の波を受けて業績が悪化してリストラを
しないことには立ち行かなくなります。
前社長は野球部に理解ある人でしたが新社長になって
野球部をよく思ってない人々からはお金が掛かるばかりの
部を廃部せよとの声が強くなります。

野球部は応援団の活躍もあり社員も集まって盛り上がって
きます。
社内の野球チームの試合の勝利チームと野球部との
試合が行われます。
そのチームの沖原というすばらしい投手がいます。
高校野球で投げていましたが上級生にねたまれて
野球部をやめさせられて野球から離れていました。

青島にはミツワから合併話が持ちかけられます。
青島の細川社長は青島に入って数年の人物ですが前社長に
見込まれた人物です。
規模はミツワが上でも技術では青島が勝っています。
合併後の青島がどうなるかは見えています。

ミツワはどうしても青島の技術が欲しいです。
悪辣なことをしかけてきます。
そういうことも解決していきます。
野球部は今期限りで廃部と言い渡されます。

最後の場面は青島とミツワとの野球の試合です。
大勢が応援にかけつけます。

野球は見ませんけど読んでいて楽しいです。
青島が窮地を切り抜けていく場面もいいです。
リストラを言い渡す場面はちょっと心が痛みます。
無断欠勤を繰り返すというような熱心でない社員がまず
対象になっていますが、それでもこんなふうにごく
あっさりとリストラしますなんてことが許されるもの
でしょうか。
あとは知らない、自力でなんとかしなさいとはずいぶん
ひどいなぁと感じます。

リストラの部分以外はとても楽しいです。
ミツワが野球でも仕事でも悪役となっています。
最後はどうなるかはお楽しみです。
廃部の宣告をされた青島の野球部はどうなったでしょう。
ルーズヴェルト・ゲームとは8対7の試合が一番おもしろい
とルーズヴェルト大統領が言ったことから8対7の試合が
そう言われるようになったそうです。

バッハのコンサート

2014-01-15 23:04:46 | 音楽
自分から聞きに行こうとは思わないコンサートが
無料だったので聞きに行きました。
とてもよかったです。
チェンバロって楽器実際に使われるのを見ることは
あまりないと思います。
ピアノを小型にしたような形をしています。
バッハのバロック音楽というと使われている楽器です。
すべてバッハの曲でチェンバロが3台用意されていました。
最初の曲のチェンバロの設置が2台くっつけて縦に並べて
あって手前の人は後ろ向きで奥の人は前向きで弾きます。
1曲が終わってチェンバロを移動した時にはじめて
2台だったんだと気づきました。
1台で向き合って二人で弾ける楽器なのか、なんて
おかしな楽器なんだろう、どういう仕組み?って
思って見ていました。
2台だったのを知ってなあんだ。
私ってばかだな。
でもなんでそんな配置にするんだろう。
音の響きがその配置だといいのかな。

とてもよかったけど、聞いているとなんか物悲しく
なってきてしまいました。
ちょっとつらくて後半は聞かずに休憩に帰りました。
いっしょうけんめい演奏してくださる人達に申し訳
なかったです。

空気が澄んでいるのか、月がとてもきれいでした。
満月か、それに近い月です。
たまに月を見るのもいいものですよ。
星はほとんど見えないですが月のすぐ左上に一個だけ
きらきら光っていました。
なんていう星なのかな。

よごれちまった道

2014-01-14 21:37:34 | 

内田康夫著"よごれちまった道"を読みました。
浅見光彦が登場する話です。
舞台は山口県の防府市や萩などです。
新聞社の奥田が姿を消しました。
奥さんが浅見に探してくれるよう頼みました。
中原中也の記事を書く仕事がもちょうど入って浅見は
山口へ出かけます。
4年前に市役所の職員が二人亡くなっています。
二人は恋人で一人は酒を飲んでの車の事故で、もう
一人は恋人が亡くなったのの後追い自殺となりました。
萩・防府間の道路建設や関門海峡トンネルの工事を
めぐって談合が行われている疑いがあります。
奥田はこのことを4年前から追及していました。
会社からも疎まれ萩へ単身赴任していました。
潜んでいた工事計画が再始動しだし奥田はそのことを
キャッチして決定的な場面に出会います。

福岡にいた奥田を山口に引っ張った岡田は妻も自分も
病んでいて休職しています。
やがて浅見が接触した中原中也同好会の成松利香が
殺されました。
奥田の死体も見つかります。
浅見の親友の編集者の松田将明が見合いのため山口に
来ていて事件に巻き込まれて浅見に助けを求めてきます。
元市議会議員の生島が殺された事件に関わりができました。
この事件と浅見の追っている事件に繋がりが出てきます。

國田という男が接触してきます。
4年前奥田と同じく談合の事を追っていた人です。

新聞社や財政会や市政が絡んで事件がうやむやに
されてきました。
奥田は一人で探ろうとしていました。
題名の"汚れちまった道"は汚れちまった道を通って
しまった人がつぶやいた言葉です。
人の上に立つ人々が汚れた生き方をしている人たち
ばかりでやりきれない話です。
浅見と松田のやり取りは楽しいです。

悪魔の手毬歌

2014-01-13 21:40:12 | 

横溝正史著"悪魔の手毬歌"を読みました。
前にも書きましたが横溝さんの話は何回も映画やドラマで
見てますがどういうわけか内容を覚えていないんですよね。
この話もそうです。
でも読み終わってみると緻密に構成されてすごいなと
感じます。
また忘れてしまうかもしれませんけど。

金田一耕介は長期間静養をしようと岡山の磯川警部を
訪ねます。
磯川警部に鬼首村を紹介されます。
二十三、四年前にこの村で殺人事件が起って犯人は
その後消息がわかりません。
恩田幾三という男が村人にモール生産を進めました。
最初はうまくいっていましたが状況が変わって失敗しました。
多々羅放庵という元村の有力者の離れに住んでいました。
詐欺師だと対決しに行った青池源次郎を殺して逐電しました。

金田一は源次郎の妻のリカが経営する亀の湯に逗留する
ことになります。
放庵は8人の妻を持ちましたが今は一人です。
5番目の妻だったおりんから復縁を求める手紙が届きます。
喜んで迎える返事を出します。
金田一はおりんと出会います。
「おりんでござります。お庄屋さんのところへ、もどって
まいりました。…」
事件を開始を告げる有名な場面です。
放庵は毒殺された跡を残しながらも死体は見つかりません。

有名な歌手・女優となった千恵子、芸名大空まゆみが
村に帰ってきます。
彼女は母春江と恩田の間に生まれた娘です。

村には由良と仁礼という二軒の有力者がいます。
由良の娘の泰子が殺されます。
小さな滝の下で枡から流れる水を漏斗で受ける姿で
見つかります。
由良の屋号は枡屋です。

翌日には仁礼の娘の文子が殺されます。
秤とマユ玉が置かれています。
彼女の家の屋号は秤屋です。

古い歌でもう知る人も少ない手毬歌の歌詞に合わせて
殺人が行われているのではないかと由良のお婆さんが
金田一に告げます。

泰子は亀の湯の歌名雄との縁談がありました。
文子の家からも縁談が持ち込まれていました。
歌名雄の妹の里子は美しいのですが顔や体に
痣があり人前に出るのを嫌っています。

里子が殺されます。
本来なら次に殺害されるのは千恵子のはずでした。
泰子、文子、千恵子、里子はみんな同い年です。

金田一は神戸まで行って青池源次郎という人を調べて
きます。
真実を突きとめたときに犯人は村人に追われて泥沼に
身を投げます。
二十数年前の事件の真相も明らかにされます。

こんな事件が起きる種を蒔いた人が一番の罪深いです。
殺した女性たちが美しいというのが耐えられないと
いうのはわかる気がしますが殺していい理由ではないです。
理由を話して結婚を阻止することができないことが
引き金をひいたのでしょう。

磯川警部にも秘めた思いがあったようです。
横溝作品は残酷な話が多いのですが何度見たり読んだり
しても飽きないなぁ。

願の糸 立場茶屋おりき

2014-01-12 19:52:08 | 

今井絵美子著"願の糸 立場茶屋おりき"を読みました。
前に読んだ"若菜摘み"との間に1冊あります。

"願いの糸"
火事で孤児になった子供達三人を引き取りことになり
使用人や子供達の住む家を普請することになります。
おみのが店を辞めたいといってきます。
理由を問いただすと流刑になっている兄の知り合いが
島抜けして兄のことをばらすとおどしていたのでした。

"夏の果"
善爺は体が不自由になって子供の面倒をみたりちょっと
したことをしています。
茶屋に用事で訪れそこにいた娘におこまと呼びかけ
抱きついてしまいました。
善爺はお店の娘と若い時結婚していましたが賭け事に
凝って妻を借金の方に取られました。
まだ幼い妻は舟から川に飛び込みました。
死体は見つかりませんでした。
七海が息子と共に会食にやってきてくれます。

"走り蕎麦"
蕎麦屋の前に讃岐うどん店が開店し客が少なくなりました。
芸者の幾千代は幾富士の売り出しにお金を出しています。
芸で生きていけるよう後押ししているのですが幾富士は
男と結婚すると言い出します。
亀蔵が調べを引き受けてくれました。

"柳散る"
大事な信楽の大壺が水漏れを起こしました。
幾富士の男は大店の主人ではなく女を引っ掛けることを
生きがいにしている男でした。
しかし幾富士は妊娠してしまいました。
常連客の加賀山と竹米がもうひとり連れて泊まりにくると
連絡がありました。
やってきたもう一人は絵師の修行中の三吉でした。
孫のようにかわいがっていた善爺は三吉に会えて
大喜びです。
三吉が帰ったある日床机に座っている膳爺をおりきは
みました。表紙の絵ですね。

おりきにはいろんな相談ごとが持ち込まれます。
従業員は家族のように大切にします。
理想的な職場ですね。