雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

ささいなことで切れるみたい

2015-05-31 15:01:26 | 日常の出来事
スーパーに買い物に行きました。
普段はバーコード読み取りと料金の受け渡しは同じ一人の
人がおこないますが、混む時は二人のキャッシャーが直列に
並んで最初の人がバーコードの読み取り、次の人がお金の
受け渡しと分業します。
最初の人が「xxxxx円です。用意してお待ちください。」と
言いました。
次のお金の受け渡しの方で滞っていました。

言われた金額に見合うようお金を用意して次の人に
渡しました。
そしたらへんな顔をして足りないというのです。
だいたい消費税分ぐらい足りないみたいだったので
税抜きの金額を伝えたのかと思いました。
あとでレシートを見たら税抜きの金額とも違っていました。
いったい何を見て伝えたのでしょう。

今回は私の聞き間違いでも、お金の出し間違いでもなかったと
思います。
少し前の自分だったらしょうがない人たちだねぇで
終わっていました。
ところが今日はむかっと腹が立ちました。
ほんの瞬間のことです。
とはいっても心の中だけのことで実際に態度に出したわけでは
ありません。
すぐに何をかっかする必要があるのだろうと冷静に戻りました。
こんな間違いどこにでもあることです。

新聞に切れる老人の記事がよく載ります。
私もその仲間入りをしようとしているようです。
切れる人たちはこんな感じなんだろうなとわかった気がします。
年取ると物の受け取り方が違ってしまって、すぐ沸騰してしまう
ことを覚えて置くことにします。
怒らない、怒らない、冷静に。

にじいろガーデン

2015-05-27 21:00:00 | 

小川糸著"にじいろガーデン"を読みました。
同性愛がテーマです。
高橋泉は35歳、小学1年の草介という子供がいます。
夫から離婚を突きつけられています。
島原千代子は高校生、19歳です。
千代子は電車のホームで飛び込みそうなところを泉に声を
かけられます。
千代子はレスビアンだと両親に打ち明けましたがわかって
もらえません。
泉は千代子によって自分もレスビアンで千代子が好きなことを
気づかされます。
泉は離婚し、千代子は学校を休学し草介をつれ三人で星の
きれいな場所を求めて出発しました。

廃校になった建物を借り手入れをして住むことになりました。
家族の名を高島とし、住んでいる場所をマチュピチュ村と
呼びます。
すぐに千代子の妊娠が発覚します。
泉に出会う前に男性とつきあうことができるのかと、誰でも
いいとつきあった時の子です。
女の子が生まれ草介が宝と名付けます。

最初のうちは泉がガソリンスタンドで働き生活を支えました。
そののち家を改装してゲストハウスを始めます。

草介は高校を卒業後家を出ました。

偏見から一時は鍋が投げ込まれることがありましたが、
のちに当事者とは仲良くなっています。
特にひどいいじめを受けることはありません。
4人は家族として暮らしてきました。

後半は不幸せなことが次々と起こります。
これは同性愛の家族だから起こったというわけではないと
思います。
草介はやさしい子だったがためこんなことになったのか
たまたま起こった出来事だったのか。

同性愛など性的少数者に対する世間の見方もどんどん
変わっていってます。
近い将来、普通に受け入れられるようになると思います。
法律的に家族になれないことをなげいていますが、これも
きっと変わることでしょう。

私は性的なことはなしに、信頼できる、いっしょにいたいと
いう友人と呼ばれる関係でも法律的に家族になれてもいいような
気がします。
いまのところそういうことを願う人は見かけませんけどね。

最後の方はどうしてこういう終わり方をするのだろと思います。
ハッピーエンドを望むわけではありませんが、なんか違うと
いう気がします。

外田警部、TGVに乗る

2015-05-26 21:00:00 | 

古野まほろ著"外田警部、TGVに乗る"を読みました。
"外田警部、カシオペアに乗る"の続編です。
今回は長編で舞台はパリです。
外田警部は永年勤続休暇でパリを訪れています。
知り合いのフランス国家警察のポンメルシー警視正に案内を
してもらっています。
リヨンに行くためにポンメルシーと共にパリ―リヨン間の
高速鉄道TGVに乗りました。
外田たちが乗っていた車両の一階で日本大使館に勤める医師が
殺害されました。
倒叙形式のミステリーですので犯人は最初からわかっています。
その理由も殺されたのが医師で、犯人とはよく話し合っていたと
いうことですから想像がつきます。
犯人は大使館員です。
大使館員には外交特権があってたとえ犯人だとわかっても
捕まえることができません。
どうやって犯人に自発的に出頭させるかです。

かなりのページがパリの鉄道についての説明になっています。
パリには、というかヨーロッパにもアメリカにも行ったことが
ありません。
パリとは耳にしてもどんな都市なのかまったく知らないのだと
わかりました。
外国の一人旅なんてとてもできそうにないですが、きっぷの
買い方、電車への乗り方、難しそうです。
パリ―リヨン間はほとんど停車駅がありません。
パル=デュー駅でほとんどの人は下ります。
ここで5分停車して終点のペラージュ駅へ出発します。
殺人は停車中の5分間に起こりました。

犯人は朝にパリで被害者を見送っています。
午後には大使館に入っています。
列車には目の見えない人が乗っていて見てはいませんが
音を聞いています。
盲目の人だから何もわからないだろうと彼に危害は加えて
いません。

外田は大使館に掃除人として入り込みます。
大使館の人たちと親しく話をする関係になります。

時代は現代なんですが戦前なのかと思わせるようなことが
あちこちにでてきます。
ですので日本でありながら現実の日本ではないという
感じです。
外田警部の会話は愛媛弁です。
このへんがすごく読みずらいです。
なんでこんな変な設定にしてあるのか理解できません。

電車に追いつき早く帰ってくる方法は聞いてしまえば
なんだということです。
でもこの方法の方が早いなら直通で行く意味がないような
気がします。
おもしろかったです。

ちっぽけな恋 珈琲屋の人々

2015-05-25 21:00:00 | 

池永陽著"ちっぽけな恋 珈琲屋の人々"を読みました。
"珈琲屋の人々"の続編です。
殺人という罪を犯し服役したことがある行介が珈琲屋という
喫茶店のマスターをしています。
いろんな人がやってきます。
殺人を犯したとしょっちゅう言われています。
罪は消えないといえど、そっとしておく心遣いをしてもいい
ではないかと思ってうんざりします。

"特等席"
文江ばあさんがやっていたおでん屋の伊呂波を、遠縁の女性の
木綿子が引き継ぎました。
店を潰し妻子に去られた山下が毎夜木綿子が見られる特等席に
座って過ごしています。
山下の様子に危険なものを感じます。

"左手の夢"
鍵を開けるのを得意としている茂蔵が出獄してきました。
妻の君代は待っていました。
泥棒仲間が近づいてきて仕事に引き戻されそうです。
行介は箱根細工の箱を開けてくれるよう茂蔵に頼みます。

"大人の言い分"
理世子は夫の暴力が原因で息子の勇樹を連れて離婚しました。
夫は約束の養育費を払おうとしません。
しだいに理世子は勇樹に暴力を振るうようになります。

"ちっぽけな恋"
中学生の千明は同学年の芳樹とつきあっています。
千明と芳樹の両親は離婚しており、千明は母親と暮らし、芳樹は
父親と暮らしています。
千明の母が、芳樹とのつきあいに反対しています。
二人はちょっとした家出を計画し実行します。

"崩れた豆腐"
邦子は夫の雄三と三十数年豆腐屋をやってきました。
夫や豆腐屋の仕事につかれてきました。
やってくる男性客に魅かれ会話するようになりました。

"はみだし純情"
圭次は高校生ですが、恐喝をするような子です。
女子高生の佳子がチンピラに襲われているのを助けました。
圭次の両親は成績優秀な兄のことばかり注目して圭次の
ことは出来の悪い息子と扱っています。
佳子を助けたことによってトラブルに巻き込まれます。

"指定席"
最初の話の木綿子の話です。
彼女の夫の佐川は妻に暴力を振るっていました。
木綿子は佐川を刺し殺そうとしました。
佐川は死にませんでした。
木綿子は殺人未遂犯として追われています。
佐川が姿を見せるようになりました。

暴力的な話が多いです。
行介は腕力がありそれを期待しての相談も多いです。
なんだかなぁ、力が強くなければ生きてはいけないみたいで
あまり納得できません。
行介のことが好きな冬子がどうなるか、続きそうです。

櫻子さんの足元には死体が埋まっている 骨と柘榴と夏休み

2015-05-24 21:00:00 | 

太田紫織著"櫻子さんの足元には死体が埋まっている 骨と
柘榴と夏休み"を読みました。
シリーズ二冊目です。
一冊目を飛ばして二冊目を読んでしまいました。
ですので一冊目に書かれているであろう、骨を愛する九条櫻子や、
高校生の舘脇正太郎の説明部分を読んでいません。
どういう関係なんだろうと思うところはありますが読み進むのに
支障はありません。

"夏に眠る骨"
彼らの住んでいるのは北海道です。
夏の休日に正太郎は櫻子と当麻の鍾乳洞へ行きました。
散策コースを歩いていて白骨死体に出会います。
櫻子は骨を見て俄然はりきり、去年の秋ごろ亡くなった老女だと
判断します。
同じ学校の女子生徒の鴻上が、亡くなったのは自分の祖母だと
正太郎に打ち明けます。
警察は自殺だと判断します。
櫻子、正太郎、鴻上は見つかった場所を訪れます。

"あなたのおうちはどこですか"
正太郎は暑くて眠れない夜にコンビニに行って一人で歩いている
幼い女の子を保護しました。
出会ったお巡りさんと一緒に子供の家を探しました。
翌日櫻子さんとやっとわかった子供の家へ行きました。
母親が殺されているのが発見されました。

"殺されてもいい人"
櫻子には在原という許婚がいます。
在原の叔母の薔子に頼まれて彼女の祖父の卒寿のパーティーに、
櫻子と正太郎は泊りがけで行くことになりました。
祖父の清治郎は誰かれなく女性に手をだして母親の違う子供を
いっぱい産ませています。
妻の君子は生まれた子や孫を可愛がってきました。
清治郎は誰もに死を望まれていました。
その清治郎が死にました。

櫻子は学生でもなく研究者でもないようです。
骨に関する知識は豊富です。
お嬢様で傍若無人な振る舞いをする人ですが、他人の心中も
察せられる人です。
おもしろかったです。

蜂の巣

2015-05-23 17:02:41 | 日常の出来事
玄関の軒下に蜂が巣を作ろうとしています。
何年か前からよく巣を作られます。
これからは陽がカンカンと照り付けるようになります。
こんな所に巣を作ったら卵はゆで卵になるのではないかと
思うのになんでここを選ぶんでしょう。
蜂一匹が中に入れないほどのまだ小さな巣でした。
一匹だけで巣を作っているようです。
中に入れないので巣の上に止まって休んでいます。
気にして何度も見ていたのですがほとんど巣から離れません。
かわいそうですが巣から離れたら巣を壊してやろうと思って
いました。
巣が大きくなって多くの蜂が飛び交う様になったら、家へ
出入りする時に危険です。
何日か見てたら蜂がいない時がありました。
きっと巣を捨てたのだと思いました。
ほっとして巣を撤去しました。

でも捨てたわけではありませんでした。
しばらくしたら蜂が戻ってきていてどうしたのだという風に
飛び回っていました。
蜂にも怒りの感情はあるのでしょうか。
怒っておそってくるのではと恐ろしくなりました。
その後しばらく姿を消していましたが、驚いたことに数日後に
またしても巣作りを再開しています。

ミツバチです。
健気に巣作りしているのを見ていると、殺虫剤で殺すことは
したくないです。
どうか諦めてどこかへ行ってくれと願っているのですが。

一匹だけしかいないので女王蜂が自ら巣を作っているのかなと
思ったら、本当に最初は女王蜂が自分の巣を作るらしいです。
家来が付いてきてくれなかった人望のないさみしい女王なのかと
思っていました。
蜂の巣の蜂は一匹の女王から生まれたみんな血のつながった家族
なんですね。
なんだかすごいですね。
感心している場合ではないです。
何回か、壊しているとそのうちに諦めてどこかへ行くという
情報もあったのであと数回は攻防戦をやりますか。

チャーメインと魔法の家 ハウルの動く家 3

2015-05-21 21:00:00 | 

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著"チャーメインと魔法の家
ハウルの動く家 3"を読みました。
今回の主人公はチャーメインという少女です。
大おはさんの魔法使いの大おじさんが病気で家をあけることに
なりチャーメインはおじさんの家の留守番を頼まれます。
その家は魔法使いの不思議な家です。
チャーメインは料理も選択も掃除もしたことがありません。
家の中は汚れてめちゃくちゃになっています。
家にはおじさんが拾った宿無しという犬がいます。
ピーターという少年がおじさんの弟子にしてもらう約束だったと
やってきていっしょに暮らすことになります。

チャーメインは本を読むのが大好きです。
王様に図書館の整理の助手にして欲しいと手紙を出しました。
王様から来てくれるように返事がきました。
チャーメインはおじさんの家からお城に通うことに
なります。

お城にはソフィーが頼まれてきています。
赤ちゃんのモーガンとキラキラという少年もいっしょです。
王様のお金がどこかへ消えていきます。
宝がどこかに隠されているはずです。
お金の行方と宝探しを頼まれています。

ハウルの動く城のシリーズのどれもそうですが前半は
まだるこしいです。
後半になるとめまぐるしく話は進んでほぉー、となります。
わくわくとしてとても楽しくなってくるお話です。
ぜひ読んでください。

ハウルも出てきます。
カルシファも大活躍します。
これがシリーズ最後となってさみしいです。

まほろ駅前狂騒曲

2015-05-20 21:00:00 | 

三浦しおん著"まほろ駅前狂騒曲"を読みました。
シリーズ三冊目です。
二作目の映画の原作はこの本なんですね。
映画は見ていませんが予告編は見ました。
二作目までの本には出てこない内容だったので本とは離れた
内容の映画になったのかと思っていました。

読み終わってなんだか疲れました。
自分とは別の世界の人々だなと感じました。
彼らはそれぞれ満足した人生を送っているのでしょうが、この
中に混じることはできないなと思います。

今回ははるちゃんが登場します。
父親は行天です。
はるちゃんの母親は女性のパートナーと暮らしています。
行天はすべての子供が嫌いです。
宗教にはまっていた親に虐待を受けて育ちました。
子供に暴力をふるうのではないかと思っています。
はるちゃんの母もパートナーも仕事で海外に行くことになりました。
それで一月半はるちゃんを預かってほしいと多田に依頼がありました。
事前に行天に打ち明けることなく預かることになりました。

HHFAという無農薬野菜を作り売る団体がまほろの町に
出没するようになりました。
星良一は暴力団ではありませんが、まっとうな仕事はしていません。
多田便利軒のお得意の岡は家の前を通る横中中央交通のバスが
間引き運転をしていると近所の年寄を集めて団体で抗議に
行こうとしています。
HHFAは行天の母が入っていた解散した宗教団体の元信者が
率いています。
多田と行天はHHFAが実際には農薬を使っていることを
星の依頼で突き止めました。

横中バスに団体で抗議に行こうとしている岡たち老人がチャーター
したバスに行天、はるちゃん、HHFAの母親を持つ小学生の
悠也が乗り合わせました。
駅前のロータリーで宣伝をしようとしているHHFA、それを
阻止しようとする星たちと星に連れてこられた多田がロータリ
で衝突します。
老人たちもロータリにやってきて三つ巴の大騒動です。

興奮したHHFAの一人が鎌を振り下ろします。
その下にははるちゃんがいます。

進んで働こうとはしないぐだぐだの行天ですが、ここぞと
いう時にはいいこと言いますし、体が反応します。
自分一人ではまともに生きていかれないタイプの人かもしれ
ませんがまわりの人がなんとかしてやりたいと思う人なの
でしょうね。
しゃきっとして生きていかなくてもこれはこれでいいのかもと
思えてきます。

まだまだ続きそうな感じです。

東京帝大叡古教授

2015-05-19 21:00:00 | 

門井慶喜著"東京帝大叡古教授"を読みました。
明治38年の話です。
阿蘇藤太は熊本の五高から夏休みに帝大の叡古教授の助手として
上京してきました。
阿蘇藤太は叡古教授が初めて会った時に本名が知られるのは
まずいととっさにつけた名前です。
藤太は叡古教授との最初の待ち合わせ場所の図書館で高梨
教授が殺されているのを発見します。
犯人は叡古教授が親しくしている国民新聞の社主の徳富蘇峰が
見つけて連れてきました。
香具師をしているおはつという老婆です。
続いて鳥居久章教授、中倉金吾教授が毒殺されます。
鳥居殺害の犯人として夏目金之助、小説家の夏目漱石が犯人と
疑われます。
時は日露戦争が勝利で終わり交渉に入ったところです。
殺された人物たちは七博士のうちの三人です。
彼らは国民を扇動して戦争を開始させました。
勝利した今は敗戦国からの賠償金や領土の分割を求めて政府の
方針に反対し、それぐらいなら戦争をずっと続けろと論じて
います。
国民は彼らに賛同して暴動が起きています。

日本の近代の歴史を知らないなと感じました。
実在した政治家が登場してきます。
ここに書かれているようなことが実際に起こったのか
全くのフィクションなのかの判断がつきません。
では直近の自国の歴史のことを知れよということに
なりますが、どうにも億劫です。
どうしてなんでしょうか。
中学でも高校でも日本史の授業はあったのにどちらでも
近代史まではたどり着きませんでした。
これはそうするようにとの配慮があるのかと感じます。

政府のとった方針に国民が反発してデモや暴動が起こったと
いうのは本当のこととは思えません。
国は間違っていると言える人たちが当時いたとは思えないです。
結局この時は国のトップの方針は間違っていませんでした。
国を引っ張っていくトップのいうことに国民はだまって従えば
いいのだというみたいであまりすっきりした気分ではありません。
トップは絶対正しいわけではなく、間違うこともあります。
情報がきちんと開示されて、自分たちで考えられる社会であって
欲しいと願います。

森に願いを

2015-05-16 21:00:00 | 
著者 : 乾ルカ
実業之日本社
発売日 : 2015-02-05

乾ルカ著"森に願いを"を読みました。
たぶん北海道の都市部にあるあまり人に知られていなくて
人がやってこない森です。
森には森番の若い男性がいます。
森にやってくる人はどうやって生きていったらいいのか
分からなくなった人、いきずまってしまってそこからどう
やって抜け出したらいいかわからなくなってしまった人々です。
森に入っていって森番に声をかけられます。
森番は特にどうしなさいというアドバイスをするわけでは
ないのですが、人々は少し違った見方ができるようになります。

学校へ行けなくなった男の子、両親は彼をせめるばかりです。
自分は優秀だと、自分に見合った仕事ではないとはねつける女性。
病気で死期が迫っていると知らされた男性。
地方から有名校に入った高校生、自分の能力がこの中では
さほどではないと知ります。
会社で目立たない男性、リストラに会います。
過去の嫌だったことにとらわれいつまでも恨んでいる女性。
同性の友人から好きだと打ち明けられ、軽々しく傷つける
言葉を口にした高校生。

なんだかつらくなるそれぞれの状況です。
自分のことを見ているみたいです。
ここまで追い詰められなくても似たような状況に遇ったことは
あるのではないでしょうか。
誰かが手を差し伸べてくれて、その手をつかむことができれば
なんとか抜け出せるものなのかもしれません。

黒い駱駝

2015-05-15 21:00:00 | 

E・D・ビガーズ著"黒い駱駝"を読みました。
ハワイの中国系の警部のチャーリー・チャンが活躍する
シリーズの1冊です。
黒い駱駝というのは家の前に黒い駱駝が座っていたらその家の
人が死ぬという言い伝えがあるということです。
黒い駱駝は死神みたいなものというわけです。


女優のシェーラはハワイに撮影を兼ねてやってきました。
船中でアランにプロポーズされました。
シェーラは相談するために懇意にしている占い師の
ターネヴェロをハワイに呼びました。
ターネヴェロは三年前のデニー・マヨが殺された事件が
起きた時にシェーラがその場所にいたことを聞きます。

シェーラは借りている家でパーティを開くことにしました。
パーティが始まる前にシェーラはラナイ(離れ)で殺されて
しまいました。
チャーリー・チャンが捜査にあたります。
映画の関係者、プロポーズしたアラン、シェーラの若い
女性秘書、ハワイの観光局の者、ハワイ在住の友人のリタと
有力者の夫などが集まっています。
シェーラの元夫のボブもハワイで役者をしており連絡を取って
います。

チャーリーはターネヴェロとホテルで知り合って話しています。
その時に過去のデニー・マヨ殺しの犯人が分かるかもしれないと
話しています。
ターネヴェロがチャーリーの手伝いをするといっていろいろ
意見を言ってきます。
この男が怪しさをぷんぷん匂わせています。
しかしながら完璧なアリバイを持っています。

アーチーという元画家志望だったビーチコマー(ビーチに寝泊りして
いるホームレス)が事件の起こったころにラナイの側にいたことが
わかります。

100年ほど前のハワイです。
現在なら殺人といえば鑑識の人たちがわんさかと集まるイメージが
ありますがこの本には一人か二人しか出てきません。
指紋のことがでてきますがほとんど科学捜査とは縁がありません。
シェーラのまわりの人々の関係が興味深いです。
シェーラが殺されたのにはデニー・マヨ殺しのことが深く
かかわっていることは間違いありません。

最後の犯人の指摘の場面では論理的に推理して指摘されるのかと
思っていましたがあにはからんや…
しかし結構意外な人物でした。
ターネヴェロがどう関わっていたかは結構想像できたんですけどね。
おもしろかったです。

迎え猫 古道具屋皆塵堂

2015-05-14 21:00:00 | 

輪渡颯介著"迎え猫 古道具屋皆塵堂"を読みました。
古道具屋皆塵堂シリーズ4冊目です。
今回は猫がどんどん増えていきます。
猫好きな魚屋の巳之助に、猫大嫌いなのに猫が寄ってくる
太一郎です。
江戸時代にこんなに猫を飼っていたら一年後にはいったい
猫の数はどれぐらいになるんだろうと余計なこと考えて
しまいました。

"次に死ぬのは"
経師屋に奉公していた宇吉は仕事仲間にいじめられ怪我をして
田舎に帰り、自殺しました。
そのときいじめた男たちが次々と死んでいきます。
皆塵堂には雉虎の雷鼓と野分の二匹の子猫が増えました。

"肝試しの後に"
蕎麦屋の竹次郎は子どものころからの友達の豊藏と春吉と
今は空家になっている蝋燭屋の隠居の家に肝試しに
行きました。
残っていた将棋の駒を持ち出し、川に捨ててしまいました。
夜な夜なお爺さんの幽霊が現れるようになりました。
茶色と白の猫の茶四朗が増えました。

"観音像に呪われた男"
益治郎の店の大黒屋で働いている茂蔵は子供のころに
猫を助けたことがあります。
飼い主の爺さんには茂蔵もいっしょにいじめていたと思われて
いました。
爺さんが引っ越していく時に茂蔵は爺さんが作った木彫りの
観音様をもらいました。
観音様が夢に現れるようになりました。
黒猫の黒兵衛が増えました。

"煙草の味"
益次郎は料理屋で厠に行って部屋に帰るのに迷子になり
欄間のある部屋で幽霊を見ました。
伊平次は皆塵堂から持って行った煙管で主が煙草を吸うと
味が辛くなるといってきました。
欄間を作った彫物大工は甲斐の和七といいます。
煙管といっしょにあった根付も和七の作です。
前話の観音様も和七の作ではないかと思われます。
和七に何かがあったのではないかと考えます。
四匹の白黒猫の春疾風、夏木立、秋時雨、冬日和が増えました。

"三途の川で釣り三昧"
巳之助は猫を引き取って長屋で飼いたいと、根回しをしています。
庄三郎は昔の知り合いの喜八に頼まれて荷物の片づけをしています。
喜八は幽霊で庄三郎に首をくくるよう勧めます。
三毛猫の玉が増えました。

玉は庄三郎の元へ、あと数匹は茂蔵などへ押し付けることとして
ほとんどの子猫を巳之助は飼えることとなりました。
猫がいっぱい出てきて幽霊話とはいえ楽しいものでした。

風のベーコンサンド

2015-05-13 21:00:00 | 

柴田よしき著"風のベーコンサンド"を読みました。
奈穂は百合が原高原の元ペンションだった建物を買い、改装して
カフェSon de vent を開店しました。
奈穂は夫のモラハラで心まで病むようになり離婚調停中です。
夫の滋は絶対に同意してくれません。
編集者でしたが退職しカフェスクールで学んだのちカフェを
開きました。
百合が原高原はスキー場が閉鎖されさびれていきます。
ひよこ農場から乳製品、ソーセージなど地元良い品を入れて
もらいます。
やはり東京から移ってきたあおぞらベーカリーから地元の
粉で作ったおいしいパンを使っています。
店にやってきた田中という男性からの注文でベーコンを焼いて
パンにはさむベーコンサンドの作り方を教わりました。

近くにリリーフィールドホテルがオープンしました。
ホテル内のレストランの料理は評判になりました。
ホテルの好評を高原全体の活性化につなげたいとがんばる
村岡もカフェにやってきます。

いくつものカフェでだされる料理の説明が詳しく書かれています。
おいしそうではありますが凝った料理などしない私にはよく理解
できません。
きっとお料理好きな人には楽しい本でしょうね。

つらい状況に陥った人が高原で新しい人生に立ち向かって
いく様が描かれています。

田舎で一人で店を開いておいしい料理を提供するというよく似た
話は多くて、時にどこかで読んだ気がしました。

奈穂が地域に馴染み友人を作り店を繁盛させていく様は
楽しく読めます。

ジュンのための6つの小曲

2015-05-12 21:00:00 | 

古谷田奈月著"ジュンのための6つの小曲"を読みました。
音楽から離れられない子供たちを描いたものです。
ジュンは聞こえてくる音のすべてが音楽として聞こえます。
拾った音を歌にして歌います。
人と交わることが苦手でとっぴな行動をします。
ジュンはクラスメートのトクがギターをかついで河原へ来て
ギターを弾くのを見ていました。
トクとはこうして知り合いました。
トクも音楽に魅入られている子です。
ジュンは自分が楽器だと思っています。

トクの両親はカンとエリで理容院を開いています。
二人は若い親で、カンも音楽をやっていました。
カンの知り合いの音楽家のイオ先生や吹奏楽団の後輩の
コマリとの交流があります。

音楽との関わりが描かれたものです。
音楽って聞くだけで演奏する側ではまったくないので本当は
書かれていることがよくわからないです。
雰囲気だけそんなことあるんだろうなって感じるのみです。
分かる人にはストンと分かるんだろうなと思います。

ジュンとトクは音楽を仕事とするかどうかはともかく一生
音楽から離れることはできない人たちなんだろうなと感じます。

占い屋重四郎江戸手控え

2015-05-11 21:00:00 | 

池永陽著"占い屋重四郎江戸手控え"を読みました。
図書館の棚から手に取りました。
初めて読む作家さんだと思ったら読んだことありましたね。
時代小説では初めてです。
おもしろかったです。
重四郎は天眼占い屋で、柳剛流の剣の使い手です。

天眼占いとは依頼人の顔をじっと見ていると将来のその人の
姿が見えてくるというものです。
あたる確率は5回に1回です。
しかし見えたものは実際に起こり、だたその解釈が違うだけと
いいます。

おみつは同じ長屋に住んでいます。
働いていた店に闇の三兄弟が押し入りおみつだけが殺されずに
生き残りました。
今は叔父の家に住み近所の煮売屋で働いています。
重四郎は彼女に背に何か暗いものがついているのが気になります。

売られそうになった娘をたすけたり、老剣士が30年来の約束で
果し合いをする結果を占ったりします。
煮売屋に入り浸っておみつを見ている若者の与一と太助います。
二人は十手持ちの仁吉が落とした十手を拾い、おもしろがって
いたのはいいのですが始末の仕方に困っていたのに助言してやります。
仁吉は重四郎に占ってもらいにきます。
見えるのはおそろしい場面です。

与一も占ってやります。
与一に見えるものも悪い未来の姿です。
知った未来を変えられるものかどうかは重四郎にはわかりません。
いつ起こるできごとかもわかりません。
危険は脱して変えられたのだと思ってもしばらくしてその場面は
現実のものとなって現れたりします。

おみつは何かを見たのではないか、それで三兄弟に狙われて
いるのではないかと重四郎や与一らは考えます。
最後の場面は三兄弟との対決です。

占ってもらって未来を知ってもいいことありませんね。
知らない方がいいかもしれません。