雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

イエロー

2010-07-31 15:17:10 | 
松井 雪子
講談社
発売日:2003-08


松井雪子著"イエロー"をぱらぱらと見ました。
こういう本を今は読めません。
気分が鬱々としてきます。
帯に芥川賞候補作とあります。
賞をとるのはこのようなわかりにくい本なんでしょうか。
生きているのをエンジョイしているとはいえない主人公
のそういう心の中に入り込んでしまうような話です。
でも本の中に取り込まれてしまい抜け出せないというほど
重苦しいものではありません。
今は人の心の中に入っていくという話は避けたいです。
若い時は悩んだり苦しんだりという難しい話も
読みました。
明るく楽しく生きるというのが幸せだとは言い切れ
ませんが今はそちらを向いていたいです。
いろんな種類の本を読んで広い世界を知るというのも
読書です。
でも、もう楽しい本を読むという選択だけでもいいかなと
思います。

消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの事件簿

2010-07-31 14:37:48 | 

翔田寛著"消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの
事件簿"を読みました。
題名から外国人が書いたものだと思いました。
そうではなかったです。
舞台は明治維新のころの横浜居留地です。
連作短編集のミスティです。
ワーグマンは新聞記者です。
ジョナサン・ウィリスは医者です。
シャーロック・ホームズとワトソンを思わせる設定です。

"坂の上のゴースト"
仇討ち禁止令が発令される数日前に仇討ちをはたしたと、
切り取った指を持ってジョナサンを訪ねてきた山際という
侍がいます。幽霊が現れるといううわさとあわせて
何が起こったかを見出していきます。

"ジェントルマン・ハラキリ事件"
アルフレッド・ウィラー、生糸貿易に関する投資家です。
金貸しできびしい取立てでも知られています。
この男が自宅で死んでいました。着物を左前に着てあたかも
腹切りをしたみたいの状態で見つかりました。

"消えた山高帽"
この話はワーグマンとジョナサンが主役ではなく歌舞伎役者の
升蔵です。
イギリス人ラムゼー家の娘ジュリアとアメリカ人スミス家の
ウィリアムは恋に落ちます。この両家はいがみ合っています。
チャリティの演劇会の時にスミス家の帽子が3つ消えて
しまいました。
この謎を解いてラムゼー家とスミス家の仲を取り持ち若い
二人を助けるのは弁蔵です。

"神無月のララバイ"
お沙紀と平吉は異父姉弟です。8年前に伝蔵が殺されました。
お沙紀は精神を病んでいます。お沙紀は母親が何か関わって
いると考えます。8年経って平吉は姉があの事件に関係
していたのではと疑います。

"ウェンズデーの悪魔"
マロン司祭の甥のアンリと日本語を教えるため教会に
出入りしていた亭次郎が鍵が掛かった教会内で死んで
いました。
マロン司祭は捜査に非協力的です。亭次郎がアンリが
殺して自殺したといいはります。
実際に何が起こったのかを調べます。

明治時代にこんなふうに外国人が作り上げた町があり
日本とは違った生活が営まれていたということを
考えたことがありません。
小説ですからどこまでが事実かわかりませんがおそらく
大部分本当なんでしょう。
日本人からしたら別世界です。
歴史は学校でやったはずですが習った覚えがありません。
でも遠く祖国を離れて日本で暮らすのも勇気がいる
ことだったでしょうね。
帰りたいと思っても何ヶ月もかかって命がけですから
よくやってきたものです。

この本の雰囲気好きです。
ワーグマンとジョナサンもいいですし、升蔵はもっと
すっきりとかっこいい人です。

一時だけの豪雨

2010-07-30 21:25:30 | 日常の出来事
朝は雨が降るなんて思いませんでした。
快晴とはいえませんがまあまあの晴れで一日このような
天気だろうと思いました。
帰宅時に地面を見るとぬれています。打ち水をした
のかと思ったのですが全体がぬれているので知らない間に
雨が降ったのだとわかりました。
空はどんよりと暗い色をしています。
降ってはいません。家に帰りつくまではだいじょうぶと
どこからくるのかわからない自信で自転車で帰りました。
ところが会社を出てすぐにポツポツと降り出しました。
それからすぐにざあざあ降りに変わりました。
ものすごい雨の勢いで全身びしょぬれです。
服を着たままシャワーをあびたみたいです。
服を着たまま川に落ちると体が思うように動かせないと
いいますが、なるほど川に落ちたわけではないのに動きが
にぶります。
傘を持っていましたので顔だけは雨にぬれずにすみました。
家に近づいたらだんだん小降りになってきました。
帰宅途中だけの豪雨です。
なんとも意地の悪い雨です。

荷物もびしょびしょです。雨が降ってきた時のために
大きなゴミ袋が、かごに用意してあったのですが立ち
止まって中に入れるのがたいへんそうで荷物の上から
この袋で覆っておきました。
あまり効き目はなかったようで中の物までぬれてしまい
ました。仕事用に持ち歩いていた本もぬれてふやけて
しまいました。
後始末がたいへんでした。
やれやれ。

幸子の庭

2010-07-29 20:56:53 | 

本田明著"幸子の庭"を読みました。
たぶん小学生を対象に書かれた本だと思いますが大人が
読んでも充分楽しめます。

幸子は小学六年生です。いじめにあって引きこもり中です。
幸子の家の庭は二百六十坪もあります。手入れをしてくれて
いた祖父が亡くなってから二年手入れをしていません。
気がついたらぼうぼうのお化け屋敷となっていました。
九十六歳の久子曾お婆ちゃんが昔暮らしていた幸子の家に
最後の旅としてやってくることに鳴っています。
手入れをすることを忘れていたお母さんは数日前になって
造園会社を探すのにパニック状態になっています。
幸子が電話帳でみた小橋造園へ電話をして状況を夢中で
話してきてもらえることになりました。

市村と田坂という職人がやってきます。市村は途中で
帰りあとは田坂一人で作業をします。
まだ20代後半の若い職人です。
幸子は夢中になって作業をみまもります。
そして田坂と庭のこと、植物について語ります。
庭師の若者、仕事にほこりと愛情を持っています。
二日間の作業で庭はよみがえります。
そして幸子も元気を取り戻します。

庭師という仕事について知ることができました。
本を読むことでいままで知らなかったいろんな職業の
人たちを知ることができました。
庭師という職業に打ち込む田坂、楽しそうです。
没頭する仕事に出会えた人は幸せですね。
選んで仕事につく人もいれば、なんだかわからずに
仕事に就いてやっているうちにその仕事にのめり
込む人もいるでしょう。
この仕事が好き、もっともっと奥深く分け入りたい
と思えたらいい仕事人生です。

やって来た久子お婆ちゃんはとてもよろこんでくれました。

たまさか人形堂物語

2010-07-28 21:08:28 | 
津原 泰水
文藝春秋
発売日:2009-01


津原泰水著"たまさか人形堂物語"を読みました。
澪はリストラされた30代の女性です。
祖父は人形屋を営んでいました。病気になって孫の
澪に店をゆずりました。
店は小売店から修復に中心を移しました。
職人は新卒で入ってきた冨永君と、「あらゆる人形を
修理できる人」という新聞広告をみて応募してきた中年の
師村さんの二人がいます。
二人の人形にのめりこんだ職人を得て人形店はいろんな
人形を持ち込む人たちが訪れます。
テディベアをいくら修理しても壊してしまう幼い男の子。
自分の顔そっくりの顔を持つ人形の修理を依頼してくる女性。

人形の修理に心血を注ぐ人たちがいる。
知らなかった職業の人がいる、心から仕事を愛している
人たちがいる。
本を読んで新しいことを知りました。

澪、冨永君、師村さん、いい仲間になりました。

毎日 トマト

2010-07-27 20:30:08 | 日常の出来事
宮下奈都著"遠くの声に耳をすませて"
柴田よしき著"いつか響く足音"
あまり好みのものでなかったので感想は省略します。
読んだという記録だけ残します。

4,5日前にスーパーでトマトを1箱買いました。
780円で40個ぐらい入っていました。
ちょっと小ぶりのトマトです。
トマトってけっこう高いんです。
最近だと大きなの1個が100円します。
そうむしゃむしゃとは食べられません。
40個も買って傷む前に食べきれるだろうかとは
いっしゅん頭をよぎりましたがトマトを満足するまで
食べたいという欲望が勝って買いました。
休日は朝昼晩と2個ずつ6個食べました。
満足するまで食べたいという欲望は達せられました。
安かったけどおいしいトマトです。
まだ残っています。
それで今日はトマトを刻み、たまねぎ、人参、コンソメを
入れスープスパゲティにしてみました。
ちょっとすっぱくておいしかったです。
トマト料理にはボイルドトマトの缶詰を使いますが生の
トマトで作ると格別です。
初めて作る料理は失敗する確率が大きいのですがこれは
成功です。
あと数日はトマトがあります。

聖女救済

2010-07-26 21:10:47 | 
東野 圭吾
文藝春秋
発売日:2008-10-23

東野圭吾著"聖女救済"を読みました。
湯川準教授が出てくるガリレオシリーズの1冊です。
長編です。
いままで出てこなかった女性刑事の内海薫が登場します。
湯川の大学時代の友人の草薙も健在です。
長編ですがすらすらと読めます。
義孝とその妻綾音と綾音のパッチワークの弟子の宏美が
主な事件関係者です。
義孝は結婚する時1年後に子供ができなかったら離婚を
するという条件をつけます。
その1年が過ぎ子供はできませんでした。
約束どおり離婚をすると綾音に宣言します。
義孝は宏美と不倫の関係にあります。
綾音が北海道の実家へ帰っている間に義孝は毒を
飲まされて死にます。
内海は綾音を疑いますが完璧なアリバイがあります。
そこで湯川にこの問題を解いてくれるよう依頼します。
草薙は綾音に心が引かれています。犯人とは思いたく
ない気持ちが強く持っています。

犯人は綾音だろうということは早い時点からにおわせて
います。
どうやって不可能なことを可能にしたかをつきつめて
いく話です。

綾音の心理がわかるような、わからないような感じです。
最初から結婚しなければいいようなものですがつらい
状況になることが予想できてもその中に飛び込むしか
なかったのでしょう。
もしかして気持ちを切り替えて夫婦で生きていこうと
思ってくれるかもしれないとの淡い期待を持って
生活を始めたのでしょう。
結局その望みはかなえられませんでした。
義孝はばかとしかいいようがない男ですが、自分の理想
としていたように子供を持てていれば形だけの家庭を
維持していけたのかもしれません。
このタイプの人はなぜ殺されるはめになったか絶対
理解できないでしょう。
そんな人を殺してみてもむなしいだけのような気が
します。

暑い日の家事

2010-07-25 20:40:17 | 日常の出来事
暑い日が続きます。外へは出たくありません。
職場では冷房の寒さにふるえていますから家では
冷房はなるべく使いたくありません。
少々やせ我慢ぎみではありますがぎりぎりまで
スイッチは入れません。
テレビのニュースで屋外を歩いている人にインタビュー
していました。「暑さで肌を針で刺されているように
チクチクする」と答えていました。
あぁ、やっぱり。家の中にいても腕にチクチクした
痛みを時に感じます。

この天気を利用して今日はカーテンの洗濯をしました。
薄地のほうは洗ってそのまま元の場所に戻してまわると
最初に取り付けたものは戻ってくるともう乾いて
います。いったい何秒で乾くんだとあきれます。
厚地の方は何秒ではありませんが何分かで乾いて
しまいます。

見た目は前と変りませんが手にとると手触りがさらさら
すっきりしてます。
これはまあ、きれいになったという自己満足ですね。

烏金

2010-07-24 21:07:27 | 
西條 奈加
光文社
発売日:2007-07


西條奈加著"烏金"を読みました。
この本の続編である""はむ・はたる"
を先に読んでしまいました。
子供達とどうして出あったかはこの本でわかります。
でもどちらを先に読んでも楽しめます。

お吟はお婆さんで金貸しをしています。
さほど大金でなく小口の金貸しです。
烏金というのは烏が鳴く朝一番にお金をかしそれで
商売をして夕方にお金を返すという貸し方をいいます。

貸した金を取り立てに行って相手に斬られそうになって
いたところを助けたのが浅吉です。
お吟のところに居ついて仕事を助けます。
その方法がお金を借りた人たちにもうかる仕事の方法を
教えたり、仕事を新しく生み出したり、倹約の方法を
教えたりと金貸しらしくない現代でいうなら経営
コンサルティングのようなことを始めます。
それでお吟ももうけが増えていきます。

そんな時に子供達が協力しあって盗みをはたらいて
いる場面に出会います。
武士の長谷部家の母君とご新造さんが稲荷寿司を
作り子供達が売り歩くという商売を考え出し
実施できるよう手助けしまう。

仕事が起動に乗り出したころ子供たちのリーダ格の
勝平が昔の罪で捕まってしまいます。
子供たちをかばって浅吉は所払いとなり生まれ故郷の
甲州へ帰っていきました。
ぶどう作りの夢をかなえるために。
お吟は浅吉の実の祖母でした。

浅吉がお金を借りた人たちのため、いろいろとお金を
稼げるよう考えてやるのを読むのは楽しいです。
長谷部家の人々はいい人たちです。お吟も最初の
うちはあこぎな金貸しという雰囲気でしたがしだいに
味のある人に変ってきました。
楽しい本でした

三人目の幽霊

2010-07-23 20:52:30 | 

大倉崇裕著"三人目の幽霊"を読みました。
幽霊とありますが怪談ではありません。
落語の世界で起きるいろいろな出来事を書いたものです。
題名の三人目の幽霊というのは、落語で怪談を演じる時に
助手が幽霊に扮して舞台に上がる演目があるのですが
二人のはずの幽霊が三人いたということからきています。

間宮緑は憧れの出版社に就職しました。
辞令は「季刊落語」編集部勤務です。
編集長はこの道三十年の牧大路です。
"三人目の幽霊"、"不機嫌なソムリエ"、"三鶯荘奇談"、
"崩壊する喫茶店"、"患う時計"の連作短編集です。
"三人目の幽霊"と"患う時計"は落語界の話です。
あと三作は落語とはあまり関係がない話です。

読みやすい本です。
緑と牧とのコンビはいい組み合わせです。
牧が話を聞いて真実を見抜いていくという推理物の
要素があります。
"不機嫌なソムリエ"、"崩壊する喫茶店"は落語を離れて
緑の個人的な話になります。
どちらかというとこの2つの方が他のよりいいかな。

静子の日常

2010-07-22 21:59:50 | 
井上 荒野
中央公論新社
発売日:2009-07


井上荒野著"静子の日常"を読みました。
静子は70歳ぐらいの人です。
家を売って息子の家族といっしょに暮らすことにしました。
息子の愛一郎とお嫁さんの薫子、孫のるかの4人です。
薫子とはうまくやっています。
フィットネスクラブへ水泳を習いに行ったり、新聞配達の
今時の若者と友達になってパソコンの使い方を教えて
もらったりと生活を楽しんでいます。
夫は何もしない人でなんでも自分でしてきました。
夫に愛情を感じてはいませんでした。
それでも夫が望むような生き方をしてきました。
夫は浮気をしていました。静子にもずっと会っていた
男性がいます。大二郎といいます。この人との方が
心の交流は深かったようです。
夫が亡くなってからのびのびと自分らしく静子は
生きるようになってきました。
息子家族をそっと助けています。

静子は年取ってからやっと自分らしく生き始めます。
遅いじゃないのと言いたいところですが、夫との
生活は不本意なものだったでしょが、続けてきたと
いうことはそんな生活もまんざらではなかったという
ことでしょう。
嫌ならどんなことをしてでも抜け出そうとするでしょうから。
人生ってそんなものなのかなぁ。
自分の思うままに生きてはだめ、人のために生きる人生も
あるということなのかなぁ。

老後の静子さんはすてきです。

切れない糸

2010-07-21 21:55:56 | 

坂木司著"切れない糸"を読みました。坂木さんは"青空の卵"、
"子羊の巣"、"動物園の烏"の著者です。

新井和也の実家はアライクリーニング店です。大学卒業
まじかにお父さんが急死してしまいます。
和也はクリーニング店を手伝うことにします。
お母さんと古くから勤めるアイロン職人のシゲさん、
長年パートでフロントで働く松岡さん、竹田だん、梅本さん
の松竹梅コンビと仕事をすることになりました。
和也は洗濯物をお客さんの家へ集荷、配達を担当します。
喫茶店ロッキーでアルバイトしている大学の友人の沢田
も重要な登場人物です。
沢田は人あたりがよく人の話をよく聞きます。人から相談を
持ちかけられることがよくあり困っていることを解決して
やります。それなのに誰とも親しくなることはありませんでした。
"グッドバイからはじめよう"、"東京、東京"、"秋祭りの夜"、
"商店街の歳末"からなる連作短編集です。
ちょっとした謎を和也がロッキーの沢田に持ち込むという
形をとります。謎といってもちょっとした疑問です。
和也と沢田との関係は"青空の卵"のシリーズの鳥井と坂木
の関係に似ています。
いつかは沢田がどこかへ行ってしまうのだろうと覚悟している
和也ですが、沢田は和也との交流で根っこが出来たようです。

クリーニングというのも奥が深いですね。
真剣に仕事に向き合えばどんどん学ぶことが出てきます。
本によっていろんな仕事の見えない部分を知ることができます。

この本好きです。

あかんべえ

2010-07-17 22:35:20 | 

宮部みゆき著"あかんべえ"を読みました。
江戸時代の物語です。
これから開店しようとしている料理屋ふね屋の娘おりんが
主人公です。
開店準備で忙しい時におりんは熱を出し生死をさまよいます。
あの世の入り口まで行って戻ってきます。
ふね屋はいわくつきの建物でここには5人のお化けが住み
ついています。
おりんにはこのお化けが見えます。
最初に現れたのが小さな子供のお化けでお梅です。
おりんにしゃべらずあかんべえをします。
玄之介は若く美男子のお化けです。
按摩のおじいさんも笑い坊、おりんは死にかけていた
時に笑い坊に体をもんでもらって生き返ります。
おどろ髪は乱暴者のお化けです。
おみつは美しくあでやかな女のお化けです。
この5人はどうして自分たちが成仏できずにこの家に
とどまっているのかわからずにいます。
このほかに弟の島次に殺されたと思い込んでうらみで
いっぱいでお化けになった銀次がでてきます。

お化けはその人と同じような境遇の人に見えます。
おみつは全員見えますので別です。
島次が弟の体を乗っ取ろうとする騒動があります。
おりんのおかあさんの仕事の先輩にあたるおつたが
おりんのおとうさんに横恋慕する騒動があります。
お化けたちがどうしてこの世に縛り付けられて
いるのか原因を突き止めようとします。

長い話なんですがしっかり辻褄があっています。
いくつかの話がからまっていますがうまく解決
されていきます。
玄乃介はかっこいいお化けです。
おみつは人のこころの動きがわかるようなしっかり
したお化けです。
玄之介の家は甥の代になっていますが玄之介のせいで
左遷させられぼろぼろの家に住んでいます。
でもこれは腑に落ちない話です。玄之介が死ぬことに
なった原因は、非難されるようなことではないのです。
これだけはなぜと疑問に思います。

おもしろいことはおもしろいのですが、どうも読み終わって
ああ、読んだなぁいう満足感がないです。
内容だって悪くないし登場人物だっておもしろいけど
どうしてなんでしょう。

哄う合戦屋

2010-07-16 21:04:20 | 

北沢秋著"哄う(わらう)合戦屋"を読みました。
1549年ごろの戦国時代話となっています。
場所は信濃、主人公は石堂一徹です。
一徹は信州一円に名前の轟いているいくさ上手で
前線で指揮した合戦で負けたことがありません。
大男で静かで暗い雰囲気の人です。
遠藤吉弘の娘若菜と出会って館へ招かれます。
吉弘は人を使うことがうまく領民に好かれています。
一徹は1人の領主に家臣としてつかえても長続きしません。
いつのまにか領主にうとんじられ離れることになります。
一徹の思想がその時代の人々の思想よりはるかに先を
いっているので理解してくれる人がいないのです。
無欲で無禄で働く一徹に何か思惑があるのではと
かんぐられるありさまです。
一徹は吉弘の家臣として仕え、またたくまに国を
大きくしてゆきます。
一徹は人と調子を合わせ、まわりの人たちの信頼を勝ち得る
ということを行う能力に欠けています。
そのことをよく知っているので優れた領主の下で軍師と
して働きたいと願っています。
本を読み芸術にも能力を発揮します。

一徹を一番理解しているのが若菜です。
父吉弘をしのぐ広い目を持っています。そして人々の心を
つかんでいきます。
一徹と若菜はお互い同士よく理解できる関係です。
おそらく若菜が男で、その下で一徹が働くことができたら
彼の望みは満たされたことでしょう。
しかし最初のうちこそ一徹を重用してくれた吉弘は武田との
戦闘という重大な局面でがんとして一徹の言葉を聞こう
とはしません。
この時点で一徹は離れるべきですが、若菜を守るためだけに
残り先の先まで考えて行動をとります。
最後に死を覚悟して戦いにのぞむ時にそれまでは笑った
ことがなかった一徹が澄み切った声で哄笑するのでした。

戦術にかけては天才と誇っても誰にもその心のうちを
理解されずに生きてきた一徹が最後に守ったのは
若菜です。響きあう心をもった者を死なせないための
戦いです。

一徹かっこいいです。現代に生まれていたなら
企業人として成功したことでしょう。
哄ったのはその生き方に満足しているという
ことなのでしょう。

CAD利用技術者試験2級 合格です

2010-07-15 20:06:53 | コンピュータ
6月20日に"CAD利用技術者試験2級"の試験を
受けました。前に会社の発表会でこういう試験が
あると聞いて受けてみようと思いました。
今日結果が郵便で届きました。
"合格"です!

正直100%落ちたと思いました。
というのは、「あと10分で終了です」と言われた時
1/4近くまだ残っていたのです。
時計を見るということをしなかったのです。
ばかだなぁと思いました。10分で残りを大急ぎで
書き込みました。
60分で60問、1問1分で解いていかなければ
いけないのをゆっくり考え込んでやっていました。
選択式ですから残りの10分はとにかくぱっぱと
これだと感じたものを塗りつぶしていきました。
帰りはしょぼんとうなだれて帰りました。
よく受かったものです。これは勘のテストだったのかも
しれません。あまり喜べません。

この試験、難しいものではありません。
筆記だけで実技はありません。
私はCADは円が書ける、線が書ける程度です。
この試験ちょっとの勉強で受かると思います。
(受かったからどんと大きなこと言えます。)
試験にきていたのは二十歳前後の若者達です。
すべっても若い人たちに混じってもう一度うけるのは
もう嫌だと思いました。