雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

駐在刑事

2015-07-31 21:00:00 | 

笹本稜平著"駐在刑事"を読みました。
江波は青梅警察所水根駐在所でお巡りさんをしています。
元は捜査一課の刑事でしたが、上司の加倉井の強引な
捜査方法を無視できずに取り調べた女性を自殺させてしまいます。
江波は責任を押し付けられて現在の職場に来ました。
旅館の息子の池原孝夫は大学時代に登山をしていました。
彼に連れられ休日には山に登るようになりました。
水根駐在所の管轄内で起きた事件の連作です。
山に登る必要も多く、登山経験が生きます。
警察庁がやってくる時はどういうわけかいつも因縁の加倉井が
指揮官で、見当はずれのことを言ってはまわりのひんしゅくを
かっています。

仲の良かった人を気の迷いから山で突き落としてしまった事件。

殺された人の側には老人性鬱病だとして物事がわからなく
なっている人がいました。
彼をよく知る人たちはそういう状態でも人は殺さないと
彼の無実を信じます。

休暇で山に登った江波と孝夫は装備も持たない少年に
出会います。
山を下りるよう諭して別れますが彼は山を登ってきます。
山を登るには理由があります。

小学生の真紀が学校のプールでゴールデン・レトリバーの犬を
見つけ連れてきます。
プールと名付けられ駐在所でしばらく暮らすことになります。
プールはよく訓練され介助犬ではないかと思われます。
プールがいなくなります。
真紀も行方不明になりました。

盗難車が事故を起こし止まっています。
この車は少年が乗ったままなくなりました。
80過ぎの一人暮らしの女性宅で子供と話しているのが
聞かれました。

刑事を辞めることになりましたが、駐在の仕事に満足感を
感じるようになった江波です。
こんなテレビドラマありましたね。
これは原作本なんでしょうか。

特等添乗員αの難事件 Ⅴ

2015-07-30 21:00:00 | 

松岡佳祐著"特等添乗員αの難事件 Ⅴ"を読みました。
ラテラル・シンキングが出来る添乗員の絢奈の話のⅤ巻です。
恋人の沖仲に思われ、自分も惹かれているのにいまいち
はっきりしない絢奈です。
結婚に向けてマンションを購入しようとしています。
絢奈の先生で沖仲の運転手をしている能登先生は引っ越して
しまったら送り迎えができなくなることをさみしく思っています。

やくざのシンジケートのトップの息子の鮫吹基成が絢奈に
恋をし、婚約者があることを承知で結婚をしたいと言い出します。
絢奈は組織に属する自動車の窃盗犯を捕まえたばかりです。
父親の俊学は親ばかを発揮して組織の暴力団の各組に知恵を
働かせて絢奈と基成との仲を取り持つよう指示します。
しかしどのたくらみも絢奈の能力の前には失敗してしまいます。

社内では絢奈に嫌悪を抱いている絵梨子のたくらみで女性社員の
無視にあっています。
絢奈な負けない強い心で過ごしています。
新入社員たちが仲間外れにするよう先輩社員にいわれたことを
破って絢奈と仲良くなります。
無視している者たちもしだいに苦しい気分になっていきます。

絵梨子と対決し、排除するのではなく心を通わせるように
なります。

俊学と基成はむりやりさらうという乱暴なやり方で絢奈を
監禁します。
彼らの本当の目的を絢奈は見破ります。

おもしろいです。
よくこういう話を思いつくもんだと感心します。
ラテラル・シンキングいいですね。

くじらの姿焼き騒動 隠密味見方同心

2015-07-29 21:00:00 | 

風野真知雄著"くじらの姿焼き騒動 隠密味見方同心"を読みました。
見麻美町奉行所の同心の月浦波之進は特命の味見方になりました。
食べ物屋がらみの事件を扱うことになります。
波之進は人がみつめるいい顔をしていて、剣術も学問も
出来ます。
町人だった妻のお静がいます。
父の壮右衛門と弟の魚之進といっしょに住んでいます。
魚之進は顔はよくなく剣術や学問で兄に劣ります。


"禿そば"
金貸しの得蔵が殺されました。
当たった富くじを元手に食い物屋にお金と口出しをして利益を
手にして大きくなりました。
下手人とそばの名前について議論しているのを人が聞いていました。
禿そばといったのではと波之進は考えます。
つるつると食べられるそばのことかと思います。

"うなぎのとぐろ焼き"
うなぎをとぐろを巻いたように料理したものを出す店があります。
マムシの剛助と呼ばれた男が5年間どこかで修行をしたのち
戻ってきて店を出しました。
店に来ていた男が殺されて見つかります。
にゃんこの麻次という岡っ引きが波之進の仕事を手伝うように
なります。

"くじらの姿焼き"
波之進はくじらの店で鯨料理を食べました。
くじらの姿焼きを食べたという話を聞きます。
浜で漁師たちがいけにえを捧げるお祭りとして行うのだといいます。
くじらといっても大きなものではなくいるかかそのくらいの
大きさのものです。
くじらの周りに火を焚いて焼き通りがかりの者たちに無料で
振舞いました。
波之進は何かのたくらみがあって行われていることを
見破ります。

"鍋焼き寿司"
江戸あ鍋焼きうどんの屋台が登場するようになりました。
鍋焼き寿司の屋台もあると聞きますが、なかなか出会うことが
できません。
暖かいご飯に煮たアナゴを混ぜたものです。
食べた人はおいしいと言います。
算盤屋の主人が殺される事件が起きました。
その家のまわりで鍋焼き寿司の声がしたといいます。

最後はびっくりの出来事です。
シリーズ物になると聞かされているのにこれはないよね。
主人公に慣れてきたというのに次はまた初めから気持ちを
切り替えてかからなくてはいけないではないですか。

ブラック・コール 行動心理捜査官・楯岡絵麻

2015-07-28 21:00:00 | 

佐藤青南著"ブラック・コール 行動心理捜査官・楯岡絵麻"を
読みました。
"サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻"の続編です。
絵麻はしぐさや表情から嘘を言っているのかどうかがわかります。
でかい態度で自信家です。
一つ年下の西野をあごで使っています。
4話で独立した話ですが全体に続いている話が第4話に繋がり
ます。

"イヤよイヤよも隙のうち"
教え子の中学生を八年も監禁して、逃げ出した女性を交通
事故死させた元教師が絵麻の元に連れてこられました。
女性が死んでしまっていることをいいことに自分から家に
来たのだといいます。
男の過去を調べどういう心境だったのかを読み解きます。

"トロイの落馬"
パソコンにトロイの木馬を仕込んだとしてコンピュータ・
エンジニアの高山が捕まりました。
高山は過去に掲示板に書き込んだことで捕まり実刑を受けて
います。
今は小さな会社で満足して働いています。
逮捕されたら松岡という目立ちがりの弁護士が即座に弁護士に
名乗り出て冤罪だと騒ぎ立てます。

"アブナい十代"
高校に体育際を中止しなければ爆弾を爆発させるとの脅しが
ありました。
学校は家族だけの入場を許し開催しました。
爆弾が爆発しました。
爆弾は仕掛けられた場所から先生に移動されて怪我人が出た
だけですみました。
生徒の一人が犯人として捕まりました。
以前に自殺した生徒がいました。
誰か特定の人物を狙ったものです。
そしてもう一個の爆弾がある人に仕掛けられました。
いつ、誰に対してどこに仕掛けたか絵麻は探ります。

"エンマ様の敗北"
15年前に絵麻の尊敬していた先生が殺されました。
絵麻はそれとは知らずに犯人に会い会話をしています。
当時担当していた山下刑事と共にあきらめず今も犯人を
探しています。
犯人の方も絵麻のことを忘れてはいません。
犯人はサイコ・キラーできっと何人もの人を殺しているに
違いないと思っています。
犯人が絵麻の接触してきます。
敗北というからには逃げられたのかと思いました。
違った意味での敗北です。

絵麻が心理学の能力を使って犯人を問い詰めていく場面は
なかなかおもしろいです。
絵麻と西野とのやり取りも楽しいです。
おもしろかったです。

the SIX

2015-07-27 21:00:00 | 

井上夢人著"the SIX"を読みました。
不思議な能力を持った子供たちが6人登場します。

春香の不思議な力は明日の出来事が見えることです。

克徳は頭の中でいろんな声が聞こえています。

健太は施設で暮らしていましたが逃げたして公園で暮らしています。
彼には怒ると相手を切られたような怪我をさせてしまう力が
あります。

みさきには家の壁にびっしりつくほどの虫が寄ってきます。

真生は電気を帯びています。
人に怪我をさせたり火事を起こす力があります。

柳綾は怪我や病気を治す力があります。

最後の章は心理学の先生や記者などの大人と6人が集まって
合宿します。
中の一人の家族がトンネルのような場所で事故にあったことを
感知します。
それぞれの力で救出に力を注ぎます。

学校にもいけないし普通の生活がしにくいです。
力があってもあまり幸せとはいえないようです。
力を有効に使い満足した人生を送る方法を大人たちは用意
してやれるのでしょうか。
不思議な力があっていいね、とは言えないです。

Nのために

2015-07-26 21:00:00 | 
著者 : 湊かなえ
東京創元社
発売日 : 2010-01-27

湊かなえ著"Nのために"を読みました。
幸せではなく壊れたような人たちばかりが登場して読み心地は
よくありません。
登場人物は気を付けて読まないと男性なのか女性なのか最初の
うちは戸惑います。
杉下は高校時代までは島で暮らしていた女性で学生です。
裕福な家でしたが父親に母、弟と共に家を追い出されました。
母は生きていく能力のない人で島を出るまで屈辱的な思いを
しています。
西崎は杉下のアパートの隣人で男性です。
母の虐待で痣や煙草を押し付けられた跡が残っています。
学生ですが作家を目指しています。
虐待をテーマにした作品を書きました。
安藤は杉下、西崎と同じアパートの2階にすむ男性の学生です。
三人は台風がきっかけで仲良くなりました。

野口は安藤が内定をもらった大企業のやり手の社員です。
安藤と杉下は野口夫妻と石垣島で出会いました。
安藤と野口は同じ会社でいっしょに仕事をすることもありました。
野口の妻の奈央子は夫に支配され虐待を受けています。

成瀬は杉下の高校時代の同級生で同じように家の没落を経験
しています。
有名レストランの出張サービスをまかされています。
島へ帰った時に杉下と再会し仕事のことを話します。

野口の家で成瀬のレストランの出張料理でパーティを開くことに
なります。
杉下と安藤も呼ばれています。
西崎は花屋として訪れて奈央子を家から連れ出す計画でした。

成瀬が野口家を訪れた時には野口夫妻は死んでいました。

それぞれに思惑があります。
実際に何が起こったのかを知る人は数人です。
十年後にそれぞれの過去を語る形式です。

ずっとされてきた虐待や暴力は人を狂わせてしまいます。
何十年も続いたなら抜け出すことはかなわなくなるでしょう。
受けていた人は被害者ではありますが、周りの人を不幸にも
させてしまいます。
子供が受けていた場合は悲惨です。
逃げ場がないのですから。
大人ですら逃げるという判断が出来なくなり暴力を受けることが
幸せなどという狂った思考をするようになります。

虐待や暴力はおかしいという判断を失いたくないものです。
被害者にも加害者にもならないように気を付けなければいけません。

テレビドラマになったそうですが見ていません。
見たかったという気は起きませんでした。

正しいパンツのたたみ方 新しい家庭科勉強法

2015-07-25 21:00:00 | 

南野忠晴著"正しいパンツのたたみ方 新しい家庭科勉強法"を
読みました。
南野さんは高校の英語教師から家庭科教師に転向した人
だそうです。
題名からは家庭生活のノウハウ本みたいですがそうでは
ありません。
第一、正しいパンツのたたみ方なんて存在しません。
高校生に向けて家庭生活のこと、人生のことを考えてみようと
いっている本です。
考えてみれば家族間でも友人同士でも、教科の中でも大切な
ことなのに語られないことが多いです。
生活を人に頼るのではなく自立して生きていくのは当然の
ことですが、母親がするのが当然のこととしてやってもらって
いるのが現代の子供たちです。
それが当たり前のことかどうか考えてみることはいいことです。

家族とはなんだろう、社会で生きることは、働くのは何のため
とか考えてみることは必要なことだと思います。

あなたは、誰かの大切な人

2015-07-24 21:00:00 | 

原田マハ著"あなたは、誰かの大切な人"を読みました。
短編集です。
最初の"最後の伝言"が一番良かったです。
美容院を経営していた女性が危篤状態です。
夫は髪結いの亭主でどこかへ出かけたまま連絡が付きません。
とてもハンサムな男で若いころから人にちやほやされる
人でした。
お通夜の日に顔を出しましたが会わずに姿を消しました。
出棺の時にやってきて大声で泣きました。
会場には女性が葬儀社の人に言づけた最後の伝言が流れました。

外国の知り合いの女性の家を訪ね料理を教えてもらいました。
彼女の二度目の結婚の話を聞きます。
長い年月をかけた恋で結婚生活は4年でした。
自分も長い付き合いの男性がいます。

両親が離婚して父とは疎遠になりました。
美術館の学芸員になったきっかけは父の愛読書だった岡倉天心の
「茶の本」です。
父が亡くなってニケ月後の誕生日に荷物が届きました。

日本在住のトルコの女性との交流で、トルコのことを本に
書きたいと思うに至りました。
トルコに長期滞在する手はずをしてもらい、最初の何日かを
トルコでいっしょに過ごします。

最後の話は独立して何年かをいっしょに仕事をした男女の
話です。
恋愛関係には至っていません。
何年かの後再会しました。

人と人との関係が暖かく描かれています。
人の幸せは心が通じる人との交流ですよね。
読みやすいです。

起き姫 口入れ屋のおんな

2015-07-23 21:00:00 | 

杉本章子著"起き姫 口入れ屋のおんな"を読みました。
おこうは金物問屋の金長の若旦那の女房でした。
夫は親戚にあたるおけいと浮気をし子供を作りました。
追い出されるようにして婚家を出ました。
実家は兄夫婦が実権を握っています。
返された持参金を出せと責められます。

昔めんどうを見てくれた乳母のおとわのことを思い出し
訪ねます。
おとわは病気です。
口入れ屋三春屋を一人で経営しています。
おこうはおとわに雇ってもらい口入れ屋の仕事を教えて
もらいます。
やがておとわは亡くなり、おこうは三春屋を引き継ぎます。

お島は美しい人で女中奉公を紹介しましたが長くは続きません。
いずれも美しさに魅かれて手を出す男が出てきたためです。
妾奉公を勧めますがきっぱりと断られ別の口入れ屋に行って
しまいました。
おこうの手を離れてからお島は妾の斡旋を頼んだ人と出会い
幸せを手にします。

お雪はお島の幸せを知って妾奉公を希望してきました。
伊豆甚の旦那を引き合わせましたが、断られました。
そののち、伊豆甚がお雪を囲っていることを知ります。
伊豆甚がお雪が死んでいると取り乱して三春屋へやって
きました。

米吉は相撲取りでしたが力を出せず、見限られました。
動きが鈍いので仲間からいじめられて仕事は長続きしません。
給金が安い老人の介護と子供の相手の仕事を紹介します。

おこうは近所の酒屋の亀屋の主人の友次郎と付き合うように
なります。
友次郎は二度離婚しています。
母のお久米が追い出したということになっています。

兄夫婦は前の婚家が離婚の際に出すと言った今でいう慰謝料を
いらないと断りました。
持参金を取り上げただけでは飽き足らなく慰謝料をもらってこいと
言い出します。

金長の若女将に収まったおけいは昔の放埓な生き方が
義父母にわかってしまいます。
しかしいまさらどうすることもできません。

おこうは子供を身ごもります。

口入れ屋の仕事で出会った出来事や、利用だけしようとする
家族、元婚家のうつろいなどが描かれます。
離婚した女性が仕事を持ちしっかりと自立して生きていきます。
自分で生きていけてこその安定です。
不幸を嘆いていただけだったら得られなかった人生を手にします。
いい本でした。

虹猫喫茶店

2015-07-22 21:00:00 | 

酒井希久子著"虹猫喫茶店"を読みました。
猫の好きな人、猫の里親探しのボランティアをしている人には
わかる、わかるという本ではないでしょうか。

玉置翔は医学部へ行きたかったのですが浪人したあげくに
受からず、武蔵野獣医大学へ行くことになりました。
勉強一筋だったため人付き合いができず友人がいません。
大学で紹介された喫茶店「虹猫」でアルバイトをすることに
しました。
店主は三十歳近くの鈴影サヨリです。
仕事は近所の高齢の女性の東丸宅で猫の世話をすることです。
認知症で40匹あまりの猫が家にいます。
猫を増やさないための避妊も、里親探しも受け入れません。
翔はトイレや餌を運び家の掃除をします。

動物病院の医師の相田はサヨリをめあてによくやってきますが
手ひどい扱いを受けでも平気です。
いつも店にやってきて彼にしかなつかない白い猫のアイを膝に
抱いているのがヒカリです。
榎田の奥さんは猫虹から猫を引き取った後に赤ちゃんを産み
ました。
猫が赤ちゃんをひっかいたと夫が猫を返しにきました。
井澤さんは地域猫の会を主宰していて野良猫の避妊、去勢や
里親募集の活動を積極的に行っています。
同じことをしているようですがサヨリは井澤のやり方が
気に入らずに嫌っています。

問題を抱えていたり癖のある登場人物ばかりです。
そういう人たちが知り合い繋がりをもっていきます。
それぞれの人たちが個性的でいいですね。
人生相談的なサイトを見ると相手は変わることはないのだと
いう意見が主流をしめています。
でも人間は変われるのだということを完全否定はして欲しく
ないものだと思います。
この本の登場人物たちは変わっていっています。

0の殺人

2015-07-21 21:00:00 | 

安孫子武丸著"0の殺人"を読みました。
かなり前の作品です。
刑事の速水恭三が捜査に当たります。
恭三の弟の慎二は喫茶店のマスターです。
妹のいちおは喫茶店を手伝っています。

恭三が弟と妹に事件の内容を話して推理してもらうという
形式の話です。
この兄弟が出てくる本を読んだ記憶がありますが、この本では
なかったと思います。

10年ほど前の事件ですが犯人がわかっていない事件です。
藤田カツというお金持ちの老女の誕生日パーティに
姪の串田浩子と甥で浩子の弟の辰夫、弟の三浦源治と
弁護士とかかりつけの医者が参加しました。
お手伝いの沙由里が給仕をしています。

コーヒーを飲んだ浩子が青酸で死亡しました。
砂糖が怪しまれます。
辰治がアパートの屋上から転落死しました。
同じようなアパートの人がすれ違えるだけの幅しかないところに
落ちていました。
弟の源治は飛行機に乗って大阪へ向かう途中で飛行機が
爆破され死んだとみなされます。
カツは飛行機が爆破したころ死んでいます。
ナイフが刺さって見つかりましたが病死したのち刺されたと
わかりました。

事件の起こった時の話と、恭三が弟と妹に話す場面が交互に
出てきます。
推理力が一番あるのは弟の慎二です。次がいちおで実際に捜査を
している恭三が一番ないというのは傑作です。
0の殺人という題名の意味が最後にわかりました。
なるほど。
しかしまあ、人のお金を当てにして生きるなんてつまらない
じゃないですか。

酔ひもせず 其角と一蝶

2015-07-20 21:00:00 | 

田牧大和著"酔ひもせず 其角と一蝶"を読みました。
其角は松尾芭蕉の随一の弟子です。
暁運は絵師です。
暁運が芭蕉の集まりに出入りするようになり二人は知り
合いました。
暁運が九つ年上でしたが呼び捨てでの付き合いでした。
暁運は豪放磊落、心で思案し情で動きます。
涙した後けろりとしています。
其角は話し方から人の癇にさわってしまうらしいです。
二人はとても気があう友達でした。
暁運は吉原で狂運堂という名で幇間をいています。

吉原で奇怪な出来事が起こっています。
犬を描いた衝立の犬が夜中に動くと噂されています。
それを見た遊女が次々と消えていきます。
大黒屋の太夫の紅葉と花房の二人から狂運堂と狂雷堂こと
其角は不思議な出来事を調べて欲しいと頼まれます。

初音、千里、みゆきと消えました。
千里は首を絞められた姿で見つかりました。
その顔は幸せそうなものでした。

その後に花房も消えてしまいます。
初音は身受け話があって喜んでいたのですが、千里によって
潰されました。
大黒屋の遊女たちはみんな仲が良かったのですが、千里だけ
離れていました。

花房は吉原のしきたりをしらない大名を振ったことで恨まれて
いました。

其角と暁運はあちらこちらへ行っていろんな事を聞いて
まわります。
そして真実に行きつき奉行所の力をかりて事件は収まります。

其角と暁運の二人、とても好きです。
二人の付き合い方も好きです。
人の心を読み、知りたいことを話させる能力を持ち、座を
明るくする暁運の方が其角を引っ張っていくのかと
思っていました。
ワトスンの役割かと思っていた其角の方が聞くべきことを
質問し真実を見出していきます。

この事件のあとの出来事が、一生分すごいスピードで描かれて
います。
題名の一蝶は暁運の晩年の名前です。
もっと続きが読みたかったですが、一生分描かれてしまっては
続編はないのですね。
さみしいです。

東京近江寮食堂

2015-07-19 21:00:00 | 

渡辺淳子著"東京近江寮食堂"を読みました。
妙子は定年退職前の有給休暇を利用して滋賀から東京へ
10年前に蒸発した夫を探しにきました。
少し前に夫からばがきが届きました。
消印から東京の上野のあたりだとわかりました。
財布を落としてしまい途方にくれます。
地元の歯医者から財布を拾った人から連絡があったと
知らせがありました。
拾ってくれた人は滋賀県の宿泊施設の近江寮の管理人の
鈴木安江でした。
近江寮に泊まって夫を探すことになります。
食事は出してもらえるのですが安江の料理のまずさに
辟易として妙子は料理を手伝って食費無料と宿泊代をまけて
もらいます。

寮の近くに現れたホームレスの不審な行動から彼が妙子の
写真をもっていることがわかります。
彼の話から夫の秀一の行動を追っていきます。

妙子の料理は好評で長期宿泊者の光成や池花も食べるように
なりました。
近所に住む安江の姑のヨシ子も連れられてきて食事をする
ようになります。
ネットでおいしいと流れて外国人の旅行者たちも食事に
くるようになりました。

光成は望んでいた仕事にはつけなくて将来に希望がもてないで
います。
池花はパートナーが重病で地元から東京の医療を求めて
やってきました。

秀一がどうして家を出たのか考えるようになります。
探せば見つかるところにいることはわかりましたがそっと
しておくことにしました。

ヨシ子は物事がわからないようなところもありますが
悩みを抱えるみんなにはっとする意見をいいます。

夫を一緒に探してくれた安江を妙子は友達だと感じるように
なります。

休暇が終わり妙子は滋賀に帰ります。
一旦は客が増えた近江寮ですが安江が料理するように戻って
から客は減り元に戻ってしまいます。

妙子は近江寮で本格的に食堂をやるつもりで戻ってきます。

最初のうちはなんだかなぁと思っていましたが段々と
おもしろくなっていきました。
寮の人たちとの繋がりもいいですね。
妙子の作る料理はおいしそうです。

コンサートへ行きました

2015-07-18 20:35:59 | 音楽
名フィルのコンサートへ行ってきました。
16時から始まるコンサートで夕方には終わります。
夜のコンサートよりこの時間のコンサートの方がいいです。
家を出る時チケットを見直してあ!と思いました。
すっかり栄のコンサートホールだとばかり思っていたら
金山の市民会館ではないですか。
もう少しで栄に行くところでした。
行ってしまっていてたら間に合って金山まで移動できたかどうか。

もう一つ勘違いしていたのは演奏されるのはヨハン・
シュトラウスのウィンナ・ワルツだと思い込んでいました。
よくよく見たらR・シュトラウスとなっています。
ヨハンはどう見てもRではないですよね。
ネットで調べたらヨハン・シュトラウスとはまったく
関係ない人だそうです。
なんていいかげんにコンサートを選んでいるのでしょう。
ウィンナ・ワルツを聞くのもいいなぁと思っていたのに
残念でした。
今日はR・シュトラウスとモーツアルトでした。

寒かったな。
コンサートの感想がそれだもんね。
半分寝ていました。

R・シュトラウス、にぎやかで明るくてなかなかよかったです。


曲は次の4曲でした。
R. シュトラウス: 交響詩『ドン・ファン』作品20
モーツァルト: クラリネット協奏曲イ長調 K.622*
モーツァルト: セレナード第13番ト長調 K.525
『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』
R. シュトラウス: 楽劇『ばらの騎士』作品59 演奏会用組曲


クラリネット協奏曲は昔レコードを持っていてよく聞いていました。
知っている曲を生演奏で聞くのはいいもんですね。
クラシックが好きというわけではないし音楽の理論まったく
理解できませんが、たまにコンサートに行きます。

天久鷹央の推理カルテ

2015-07-17 21:00:00 | 

知念実希人著"天久鷹央の推理カルテ"を読みました。
メディカル・ミステリーとなっています。
新鮮な感じでおもしろかったです。
シリーズになっていて2と3が出版されているようです。
楽しみです。

天医会総合病院の統括診察部の部長は27歳の天久鷹央です。
超人的な記憶・計算能力、知能があります。しかし場の空気を読めず
人付き合いは苦手で子供のようなところがあります。
患者に対して乱暴な口調では話ます。
各診療科で判断がつかない患者や問題のある患者が紹介されて
きます。
小鳥遊優はたった一人の2歳年上の部下です。
鷹央に小鳥と呼ばれ、破天荒な鷹央に振舞わされつつも、彼女の
能力に感心し診断学を学んでいます。

"泡"
小学生が肝試しで夜に公園の池に行き河童をみたとメールで
相談してきます。
検査しても判断がつかない七歳の男の子が紹介されてきました。
母親の勝手な判断で行っていたことが原因とすぐに診断を
つけます。
体の痛みとしびれを訴えてきた男がきます。
近所で起こっている事件と河童を見たという話から何が
起こったか判断してしまいます。

"人魂の原料
病棟の新人看護師が夜勤で見回る時に青い人魂が現れます。
人魂が出る近くの病室には気胸の高校生と肝疾患の二人が
入っています。
誰かのいたずらに違いありません。
病室の前に置いてある消毒用のアルコールって飲めるもの
なんですかね。
飲んでみようなんて到底思えませんがそんなものでも飲みたいと
いう人がいるんでしょうか。

"不可視の胎児"
女子高校生が妊娠し母親に無理やりに堕胎をさせられてしまいます。
家に閉じ込められていた彼女が胎児が戻ってきたと妊娠の兆候を
あらわします。
鷹央と産婦人科部長はエコーの結果から想像妊娠なのだと
高校生に言って聞かせます。
小鳥遊が言ったことから鷹央は自分の間違いに気がついて
彼女を追いかけていきます。
彼女は病院を出たところで意識を失って倒れてしまいます。

"オーダーメイドの毒薬"
最初の話に出てきた母子が再度登場します。
息子の宗一郎は悪心、嘔吐が続き度々意識障害を起こし入院
しています。
母親の桃花は鷹央を誤診で訴えました。
診断に自信を持っている鷹央は隠れていた別の病気が現れた
のだと調べ始めました。
鷹央を疎ましく思っている院長一派から統括診察部を潰すと
突きつけられました。
病気の原因を切られた期限までに必死で調べます。

医学知識が精密ですので著者はもしかしてお医者さんって
思ったら、本当にそうでした。
理解しにくい難しい話ではありません。