雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

囲碁小町嫁入り七番勝負

2011-12-07 20:51:43 | 

犬飼六岐著"囲碁小町嫁入り七番勝負"を読みました。
囲碁の実力があるおりつという娘が主人公です。
隠居した医師の瑞伯は孫の登志郎の嫁におりつを望んで
います。
瑞泊はおりつに7回勝負して負けたら登志郎と結婚する
よう話を持ち込みます。
おりつはこの話を受けます。
この勝負、瑞泊とおりつの勝負かと思ったら違うのです。
相手はそのたびごと違います。
みんなおりつより上の段の人たちです。
おりつはほんの小さな子供のころから宇兵衛という人に
碁を習ってきました。
宇兵衛はやさしい人物です。
登志郎はおりつに冷たい言葉を投げかけますが、その実
どうもおりつにひかれているように見受けられます。

碁はぜんぜんわかりません。
わからなくても勝負の醍醐味は味わえます。
緊迫した情景の中に入り込めます。

しかし人生を碁の勝負に賭けるなんてどだいむちゃな
話です。軽々しいです。どうしても避けられずそう
なったというならまだしもですが断れる話なのに
受けています。
人生ってそんなに軽いものなのって言いたくなります。
おりつは負けて結婚することになっても勝っても
どちらでもいいのだという気でいます。

碁の勝負の厳しさと現実の人生に対する対し方が
ちょっとバランスが取れてなくてなんかいらっと
させられます。

対戦相手もなんと説明されておりつの相手として
やってきたのかそのへんも説明されていません。
何も知らされずに対戦にやってきているように見られ
ますがぜんぜん知らない女性と対戦を求められたら
女性の地位が低かった時代の話であり対戦はいやだと
反発されそうに思います。

碁の対戦の状況はとてもいいのに話の組み立てが
変だと感じます。
もっと切実な理由での対戦の方がいいのにと思います。

碁が好きだという人はこの本をどう読むのでしょう。