雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

トッカンVS勤労商工会

2013-05-31 18:58:53 | 

高殿円著"トッカンVS勤労商工会"を読みました。
"トッカン 特別国税徴収官"の続編です。
鏡が担当の滞納者を恫喝して自殺に追い込んだとその
妻から訴えられました。
その妻の背後には勤労商工会の弁護士の吹雪がついて
います。
鏡の幼馴染の二人の友人も心配して調査に乗り出します。
イタリアかぶれの弁護士のジョゼこと本屋敷と仕事が
ない里見の二人です。
ぐー子こと鈴宮も鏡がそんなことをするはずがないと
調査したいのですが鏡はぐー子にも友人にも何もするな
といいます。
この話が起ってから納税の相談に勤商が付き添ってくる
人が多くなりました。
鏡は出張で姿が見えないことが多くなりました。

ぐー子は忙しいからと別の部門の仕事を手伝うことに
なりました。
計画倒産を繰り返す男の滞納分を倒産手続きをされて
しまう前に徴収したいとがんばります。
計画倒産だからどこかに隠されたお金があるはずです。
一度は倒産の手続きに入られてしまい諦めましたが
署長を担ぎ出して停止させることに成功しました。

鏡の訴えられたトラブルはぐー子と友人たちで真相が
明らかにしました。
鏡は真相がわかっていながら妻を苦しめたくなくて
だまっていました。

ぐー子は母が亡くなった時に父との間にわだかまりが
できました。
お盆にお墓参りに故郷の神戸へ帰りました。
お墓の前で何年ぶりかで父親に出会いました。

今回の鏡はなんか迫力がありません。
ぐー子や友人たちのとった行動の方が説得力があります。
何もしなかったら結局妻はもっと窮地に追い込まれる
のにどうして何もしようとしなかったのでしょう。
この件ではぐー子のやり方が勝っているように思えます。
公務員、税務官を目の仇にしている勤商の弁護士の吹雪
ですがなんとも捻じ曲がった変な人物です。
憎めない部分もありますが正義を振りかざすわりには
自分自身が卑怯なことをしています。
これはどう弁明するつもりなんでしょう。

税務官の話おもしろかったです。

夜の訪問者

2013-05-30 10:01:06 | 日常の出来事
昨晩8時ごろ玄関のチャイムがなったので出ました。
会社の名前を名乗ったのですがなんて言ったのか、
なんの会社なのかぜんぜん聞き取れません。
会社名は再度聞いたのですがそれでもよく聞き取れません。
こんな遅い時間で怪しい訪れなのに、ほんのちょっとで
済みますにどういうわけかのせられて玄関を開けました。
首からぶら下げている名詞大の名札をこういうものです
と見せてくれました。
しかしそんな小さなもの読めるわけないじゃありませんか。
たとえ目が良かったとしても読めません。
あれは無駄なことです。
前に警察の人が来たことがあってドラマのように身分証を
見せてくれたことがあります。
手にとらせてくれるのでなければさっと見せられた身分証
なんて読めないし本物かどうかの判断もできません。
あんまり意味ないですね。

「ガスをお使いの家を訪ねています。」
「ガスは使ってません。」
1、2秒の後「おじゃましました。」と帰って行きました。
まともな会社の人だったのでしょうか、それとも何か
怪しげな人だったのでしょうか。
本当にガス会社関連の会社なら事前連絡はありそうですし
そもそも訪ねる家のリストは持っているでしょう。
夜遅くやって来て怪しい奴です。
家に入れてくださいなんていわれたらなんと追い返したら
いいのやら、強盗だったらどうするのって話です。
ドアを開けたのがいけないと反省しましたが、相手の話方が
うまいとのせられてしまうことがあるのです。

今日読んでいた他の人のブログに電話のセールスをうまく
撃退している話が載っていました。
私もうまく撃退できるようなりたいものです。

モラトリアム・シアター produced by 腕貫探偵

2013-05-29 21:16:52 | 

西澤保彦著"モラトリアム・シアター produced by
腕貫探偵"を読みました。
腕貫探偵のシリーズはおもしろかったので期待していた
のにちょっとはぐらかされた感じです。
腕貫探偵はほとんど登場しません。
produced by となっているところがみそです。

有名私立学園の英語教師になったミツヲが中心人物です。
英語教師の資格を持っていません。
英語が得意ではないのに英語教師になって四苦八苦して
います。
母親に強烈に甘やかされ干渉されています。
ミツヲは記憶があいまいになっている部分があります。
学園では先任の先生が行方不明になっています。
学園の関係者が次々に殺されていきます。
ミツヲは殺人現場で意識を失っていました。

殺人事件は起きていますが、ミツヲの混乱している精神を
正常にしようとする話です。
どうも話の中に入り込めませんでした。

引かれ者でござい 蓬莱屋帳外控

2013-05-28 19:29:28 | 

志水辰夫著"引かれ者でござい 蓬莱屋帳外控"を読みました。
蓬莱屋のシリーズは以前に1冊読んだような気がします。

蓬莱屋は飛脚屋です。
3篇からなります。
蓬莱屋に勤める人が主人公ですがそれぞれ人物が違います。

"引かれ者でござい"
引かれ者っていったいどういう意味だろうと思っていました。
刑場へ連れていかれる人、捕らわれた人って意味だそうです。
蓬莱屋の鶴吉は捕らわれ身代金を要求された多賀屋の
息子の菊太郎を連れ戻しにきました。
多賀屋では放蕩息子に愛想をつかし、やり直す見込みが
なければ見放してよいと言いつかってきました。
持ってきた大金に様々な人が群がってきます。

"旅は道連れ"
宇三郎は仕事を終えて江戸への帰りを急いでいました。
川が大雨で渡れなくなり足止めされました。
待っていられなくて裏道を山越えしようとします。
人と道連れになるのを嫌いましたが4人と道連れに
なってしまいました。
その後、家を飛び出してきたお嬢さんとその連れとも
いっしょになります。
旅には危険がいっぱいです。
見ぐるみ剥いでやろうとする追剥も出てきます。

"観音街道"
冶助はかつて仕事の面倒をみた次郎吉に会いに行きます。
もう一度仕事に戻らないかと誘うためです。
冶助は次郎吉のことを信頼していましたが、てきぱきと
仕事ができる男だとは思っていませんでした。
次郎吉は妻子を持ち炭焼きをしていました。
炭焼き達はいくら働いても少しの手間賃が得られるだけで
圧制に苦しんでいました。
次郎吉は炭焼き達を取りまとめる器量を持った男に
なっていました。
争いから炭焼き達は別の場所へ移住を決意します。
冶助は成り行きから手助けをすることになります。

蓬莱屋の男達は芯が通っていてかっこいいです。
おもしろいのですがなんか物足りません。

映画 "十二人の怒れる男"

2013-05-27 21:16:00 | 映画
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
発売日:2001-12-21

図書館では映画のDVDも貸してくれます。
今回初めて借りてみました。
"十二人の怒れる男"です。
映画の話題になると名前が挙がる映画です。
たぶんテレビで放映されたことがあると思います。
見たことがあるような気はするのですが内容は
といわれるとぜんぜん記憶にありません。
一度しっかり見たいと思っていました。

少年が犯したとされる父親の殺人事件を12人の
陪審員が裁くという内容です。
場面はずっと話し合いが行われている一室です。
11人が有罪と判定しましたが一人のみが無罪を主張
します。
少年が犯人だという二人の目撃者がいます。
少年はその時映画を見ていたといいますが家に戻って
きて逮捕された時に題名や内容を答えられませんでした。
少年はずっと父に暴力を振るわれていました。
父に殺してやると叫んでいる声が聞かれています。
ナイフはめずらしいものでどこでも手に入るものでは
ないといわれています。

こうした証言が一つずつ検討されていきます。
目撃者の証言が信用できないものだと確認されます。
ナイフは手に入れることが出来ることが証明されます。
動揺している時には映画の内容を言えなくても
おかしくはないと納得させます。

だんだんと無罪に傾いていく人の数が増えていきます。
スラムの住人に対する偏見から激しく暴言を吐く人物に
対して他の人は背中を向けます。
スパルタで息子を育て、大人になった息子は父から
去り音信が無くなった男は若者に憎しみを抱いています。
陪審なんてどうでもいい、野球を見にいけるかどうか
それが大事だという男もいます。

暑い部屋の中でぶつかり合う人達の熱気がすごいです。
しかし陪審ってこんなこと話あうものなのかと疑問も
感じました。
これは警察がしっかり調べ、裁判で弁護士が明らかに
していくものではないのか。
どうして探偵のようなことしなくちゃいけないのかと
感じます。
映画の中で弁護士が無能だとは何回か言われています。

全員が無罪ということで終了しましたが、実際のところ
少年が本当に無罪なのかどうかはわかりません。
今回裁判に提出された証拠からは無罪だということです。

12人の人それぞれが存在感があり映画は見ごたえが
ありました。
このような死刑にするかどうかの陪審は絶対やりたく
ないです。

福家警部補の報告

2013-05-26 21:15:32 | 

大倉崇裕著"福家警部補の報告"を読みました。
"福家警部補の挨拶"、"福家警部補の再訪"の続編です。
福家警部補は女性刑事です。
最初に会った時、人は彼女を刑事と思いません。
お金を持っておらず部下に借りてばかり、鞄の中は
くちゃくちゃで借りたペンがいっぱい出てきます。
携帯は電源が入ってなくて上司は怒りまくっています。
倒叙形式です。この言葉覚えられないです。
漢字変換されませんけど、とうじょ形式でいいんですね。
つまり最初から犯人はわかっているという形式です。
こういう形式の本は結構多いです。

"禁断の筋書(プロット)"
漫画家が編集者を怒りのあまり発作的に殺害してしまいます。
二人は売れる前漫画家を目指していた仲間でした。
編集者は一人売れた漫画家に敵意をむき出しにして、仕事が
出来ないよう仕向けました。
殺人を正当化するわけではありませんが、我を忘れるほどに
人を傷つければ突発的に何が起るかわかりません。
編集者に同情する気にはなれませんでした。

"少女の沈黙"
解散した暴力団の元組員同士が起こした事件です。
亡くなった組長から解散後の組員の面倒を見るよう
頼まれた菅原は元部下を普通の仕事に就かせようと
一生懸命です。
解散に反対だった組長の下の息子が兄の娘を誘拐して
敵対勢力との争いを再燃させようとします。
菅原は再出発しようとしている元組員を揺さぶる
組長の息子ともう一人の男を殺します。
目隠しをされていましたがその現場に少女はいました。
菅原は命がけで仲間を守ろうとします。

"女神の微笑(ほほえみ)"
妻は車椅子生活の技術者夫婦がいます。
彼らは犯罪者らに制裁を与える事件を繰り返しています。
銀行に押し入ろうとしていた三人組が車の中で爆発した
爆弾で死にました。

前2冊と比べるとちょっと変わったような気がします。
嫌だなという部分が薄くなりました。

最近のクリーニング屋さん

2013-05-25 21:31:21 | 日常の出来事
実家へ行ったときに母にクリーニングに出してきて
欲しいと頼まれました。
母は最近は足元があぶなかっしいので頼まれました。
出来上がりはいつですかと聞いたら翌々日の朝には
出来上がっているとのことでした。
その通りに出来上がってきました。

一枚出し忘れたものがあると母に言われたので
持ち帰って私の自宅の近所のクリーニング屋さんに
出すことにしました。
冬物なので次のシーズンまで着ることはありません。
持って行ったら出来上がりは10日後ということです。
出来上がり日が過ぎたので受け取りに行きました。
そしたら遅れているのであと2、3日かかるという
返事です。

なんという出来上がりまでの日数の違いでしょう。
おまけに約束の日に出来上がっていないなんて
あきれます。
急いでいるわけではありませんがこんないい加減さで
信用を失うでしょう。

私自身はクリーニングに出さなければいけないような
衣類はほとんどなく自宅の洗濯機に放り込めば
終わりでクリーニング屋さんとは縁がありません。
もしクリーニングが必要なものがあってもあの
クリーニング屋さんは絶対利用しないでしょう。

昔働いていた会社は顧客にクリーニング屋さんが
ありました。
クリーニング業界は苦しくてどんどん数が減っていくと
関係者が困っていました。
クリーニング業界の敵は何だか知っている?
家庭の洗濯機なんだよと話していました。
しかし最近はどういうわけかクリーニング屋さんは
なんでこんなにあるのだろうと思うほどいっぱい
見かけます。
景気がいいとは思えないのに家で洗濯するより
クリーニングに出す方を選ぶことが多くなったという
ことなんでしょうね。
利用者は気に入らなければどんどんほかを試せます。

さよなら、ベイビー

2013-05-24 22:14:07 | 

窓を開けているとひんやりとした風が入ってきて気持ち
いいです。
里見蘭著"さよならベイビー"を読みました。
雅祥は高校を中退して4年間引きこもりをしています。
お母さんが亡くなった日に自殺未遂をしています。
その後お父さんが仕事を止めて家事をしてくれています。
お父さんが生後7、8ヶ月のタカヤという赤ちゃんを
誰かから預かってきて数週間面倒をみることになります。
しかしその数日後にお父さんは急死してしまいます。
赤ちゃんを残され雅祥は困ってしまいます。
たった一人の親戚の父の従姉妹のしーちゃんに助けを
求めます。
約束の日に誰も赤ちゃんを引き取りにきません。
警察は何もできないと助けてくれません。
民生委員の緒方さんという女性が時々訪ねてきて雅祥に
厳しい言葉をかけていきます。
お父さんがしーちゃんの別れた夫の一億何千万円の
借金の保証人になっていて、雅祥は借金の返済を
求められます。

複雑な構成の話になっています。
いろんな人の話が交互に出てきていったい何の話を
しているんだろうとわけがわからなくなります。
最後まで読んでみて時間差がある話が断りなく
並べられているのだと気づきます。
前に戻って確認しなくては内容が飲み込めませんでした。

ちょうど今日のニュースで中学生の子が妊娠して
大きなお腹をしているのが流れていました。
この本を思い出してしまいました。
ニュースのまだ生まれていない赤ちゃんの未来は
どうなるのだろうと考えてしまいました。

昨日の"そして、警官は奔る"では赤ちゃんを養子にしたい
のに妻が病気だからと許可されなくて悲しむ夫婦が
登場しました。
この本ではどいういいきさつの子供かわからないから
どうにかして欲しいと訴えても何もできないと断られて
います。
じゃこのまま引き取るといえば許されるものなのかなと
奇妙な感じがしました。
こんな場合引き取りたいと願ってもむりやり引き離さ
れてしまうのではないでしょうか。

引きこもりの雅祥の立ち直りのきっかけになる話
なのかと思いましたがそれがメインの話ではありません
でした。
赤ちゃんが欲しいと切実に願う人達、育てられないのに
妊娠してしまった人達など赤ちゃんをめぐる人々の
思いが描かれています。
偶然子供をめぐる話が2冊続きました。

雅祥の今後は緒方さんが見守っていくことでしょう。

そして、警官は奔る

2013-05-23 20:19:56 | 

日明恩著"そして、警官は奔(はし)る"を読みました。
"それでも、警官は微笑う"の続編です。
前回登場した武本と潮崎が今回も登場します。
武本は前回終了時国際組織犯罪特別捜査隊に移動になり
ましたがその後蒲田署刑事課に移動しています。
潮崎は警察を辞め、国家公務員試験Ⅰ種を目指して
いましたがみごと合格しました。
潮崎はその報告に武本の前に現れます。
翌年春に入庁まで無職なのでいっしょに出会った出来事に
関わってきます。
今回の武本の相棒は和田です。
冷酷と言われ彼も仲間から浮いた状態です。

一人暮らしの男の家から女の子の声がするという通報で
小さな女の子を保護します。
彼女は外国人女性が産んだ子で親に売られました。
男の玩具になっていました。

武本と潮崎は女性が子供を連れていこうとしている場面に
出会わせます。
子供は母親の同棲相手に虐待を受けこのままだったら
殺される危険がありました。
外国人女性の母親は自分のことだけ考えていて子供の
ことは考えていません。
連れ去ろうとしていたのはのぞみという女性です。

のぞみはあるビルの一室で外国人女性が産んだ無国籍の
子供達を預かっていました。
ビルの持ち主の老医師の辻岡が後見しています。
生活安全課の定年間近の小菅ものぞみがしている
ことを見逃して手を貸しています。
彼女のしていることは違法です。

彼女のまわりで何人もの人が死んだり怪我をしたりする
事件が発生します。
子供を預けている母親たちものぞみを恐れています。

刑事たちや潮崎はのぞみがやりたいことが合法で
できないかいっしょうけんめい調べ考えます。
冷酷だと言われている和田はある出来事から変わり
ました。
犯罪者を憎む人ですが法を守ろうという気持ちも
人を思いやる心も持った人です。
小菅は人に優しさで向き合おうとしてきた人です。
今回一番打撃を受けたのは小菅でしょう。
小菅自身は自分の信念の結果と受け入れられるかも
しれませんが家族のダメージは大きいでしょうね。

今回の主題は外国人女性が産んだ無国籍となっている
子供達の未来です。
厳しい問題です。
本の中でも結論は出ていません。
この子たち教育受けない状態になったらますます
大きなハンディキャップを背負うことになります。
国籍がなくても学校へは行けるはずです。
親は学校へ行かせる努力をするでしょうか。

それにしても全ての人の善意を根こそぎ裏切った人物、
哀れです。

読み応えのある本でした。

とうざい

2013-05-22 21:04:59 | 

田牧大和著"とうざい"を読みました。
人形浄瑠璃の松輪座で起る出来事を描いた話です。
紋下太夫の竹本雲雀太夫、人形遣いの吉田八十次郎、
三味線の鶴川幹左衛門が松輪座の中心となる人たちです。
幹左衛門の知り合いの正兵衛が幼い駒吉を一座に預けた
ことからいろんな事件が起きます。
人形の頭を作っている彦太と人形の衣装を作っている
おせんが仕事を辞めると言ってきます。
松輪座を目の仇にしている肥前座がいやがらせを
仕掛けてきます。
夜に舞台で誰が弾くのか三味線の音が聞こえてきます。
おせんと駒吉が武士に付きまとわれます。

雲雀は師匠が大阪へ帰ってしまって指導してくれる
人がいなくて自信がありません。
正兵衛は実は大阪で有名な紋下太夫の竹本正太夫です。
正太夫と幹左衛門は気のあった仲間でした。
正太夫は松輪座で演じることになります。
雲雀は正太夫の弟子にして欲しくかいがいしく正太夫の
世話をします。
いろんな出来事が一段落して雲雀は正太夫の弟子に
なることができ明るく修行しています。
八十次郎はクールな二枚目です。
はじめのころは近寄りがたい雰囲気の人でしたが
だんだんに良さがわかってきます。

雲雀太夫、八十次郎、幹左衛門、正太夫とみんな
魅力的な人物です。
おもしろかったです。

彼女が追ってくる

2013-05-21 20:17:57 | 

石持浅海著"彼女が追ってくる"を読みました。
夏子はかつての同僚の姫乃に殺意を持っています。
元務めていた会社の社長から経営者が集まる箱根会に
参加しないかと連絡がありました。
そこに姫乃もやってくるといいます。
待っていた時がやってきたと夏子は参加することに
なります。
パーティー後はそれぞれコテージに宿泊します。
夏子は姫乃のコテージへ連れ立って行き、用意した
アイスピックで刺し殺します。

会には主催者の社員の友人の碓氷優佳が参加していす。
朝になって発見された姫乃は参加した男性のカフス
ボタンを握っていました。
参加者で前日の各自の行動を確かめあいます。
夏子は逃げ切れる自信があります。
なぜカフスボタンを握っているのか夏子にはわかりません。
しかし優佳に見破られてしまいます。

碓氷優佳が事件を見破るシリーズの中の1冊です。
犯人は最初からわかっています。
優佳が見破るという設定も決まっています。
どうやって追い詰めるかを楽しむ本です。

でもなんか優佳って好きになれないんです。
最初からあなたが犯人と知っていたと犯人を追い詰める
所がねずみをいたぶる猫という感じで嫌だなと感じます。
そういえばコロンボも同じような形式です。
でもコロンボは好きです。
感じ方の違いは何にあるのでしょう。

殺意を抱く理由が同じ人を同時に愛し、愛した人が
死んでしまった原因が姫乃にあるというものです。
姫乃は夏子が殺しに来るだろうとわかっていたのに
あっさりと殺されています。
あまりにも安易な理由に、安易な殺人でがっくりです。
姫乃もただでは殺されない人です。

追憶の猫 探偵藤森涼子の事件簿

2013-05-20 21:16:07 | 

太田忠司著"追憶の猫 探偵藤森涼子の事件簿"を読みました。
女性探偵の涼子が主人公の連作短編集です。
場所は名古屋です。
名古屋だということだけでとにかくうれしくなります。
いろんな地名がでてきますが、あ、知っていると
身近に感じます。
作者の太田さんは名古屋在住だそうです。
たくさんの著作がある方なのに今回初めて知りました。
どうして出会わなかったんでしょうね。

連作短編集です。
涼子が勤めていた探偵事務所の所長が病気で入院して
しまいました。
事務所を社員の一人に譲って所長を辞めるといいます。
涼子は所長に心酔していて反対に新しい所長とはまったく
合わなくて事務所を辞めてしまいます。
新しい仕事を探していますがそのうち探偵の仕事が
持ち込まれるようになります。
どの話も涼子のひらめきで事件が解決しています。

"高台の家"
弟が姉の婚約者の素行調査を依頼に来ます。
素行は良好の報告書を提出した後に調査対象者が
でたらめな調査書だと怒鳴り込んできます。
報告書が改ざんされていました。
そして依頼者が殺されました。

"淡彩の庭"
絵の作者を探して欲しいとの依頼を受けます。
探し出した作者に依頼人は遺産を贈るといいます。
やがて贈られた夫婦の関係はおかしくなっていきます。
涼子は刑事と付き合うようになりました。
刑事を辞めて故郷へ帰り和菓子店を継ぐといいます。

"追憶の猫"
昔の知り合いから友人の依頼を引き受けてくれるよう
頼まれます。
離婚して行方がわからない母を捜して欲しいとの
依頼です。
母親は死んでいることがわかります。
母親の友人に会います。
意外な事実がわかります。

"天上の花"
涼子の恋人の親が涼子の素行調査をしています。
元所長に時々食事に行っているのを知り探偵が
恐喝してきます。
涼子は無視しました。
その探偵が殺されました。
その探偵は嫌われ者でしたが様々な情報を手に
入れることに長けていました。

恋人との結婚話は流れました。
涼子は昔の知り合いの女性と事務所を持たない探偵
事務所を開くことになります。

楽に読めます。
ミステリーとしては物足りないかもしれません。

逃走

2013-05-19 21:34:35 | 

薬丸岳著"逃走"を読みました。
さらさらと読めます。
でもいまいちぴんときません。
どうしてという感じがします。
もう最初から間違っているでしょうって言いたくなります。
誰も幸せにならなかったどころか最悪なことが起こって
しまったじゃないとちょっともやもやします。

事件は小沢祐輔がラーメン店の店主を殴って死なせ
逃走したというところから始まります。
裕輔は妹の美恵子と養護施設のひかり荘で育ちました。
裕輔はドライバー、美恵子は育った養護施設で働いています。
父は亡くなり母は生きていますがずっと会っていません。

誰もが裕輔が事件を起こすはずがないといいます。
店主とも面識があったとは思えません。
もし起こしてしまっても逃げたりはしないと誰もが言います。
それでも裕輔は逃げました。
何かを求めています。
逃げる途中でさまざまな手がかりをわざと残していきます。

この過程で彼らの過去が徐々に描かれていきます。
昔は南紀の白浜で幸せに暮らしていたことがあります。
家庭が崩壊して兄妹はいじめにあったこともあります。
誰かがそっと見守っていてくれる感じがあります。
偶然が真実の扉を開け、事件を引き起こしました。
裕輔は両親に代わって妹美恵子をずっと守ってきました。

読み終わってなんかすっきりしません。
裕輔がなんのため逃げていたのかその理由も
理解できません。

トッカン 特別国税徴収官

2013-05-18 19:34:00 | 

高殿円著"トッカン 特別国税徴収官"を読みました。
税金の徴収をするお仕事小説です。
サラリーウーマンやってましたから税金は給料から
天引きされてました。
誰かが計算してくれて自動的に持っていかれるので
意識して税金を払っている感覚はありませんでした。
税務署で働く人との接触はまずありませんからこの本で
税務署の仕事を垣間見ることができした。

主人公が鈴宮深樹です。あだ名はぐー子です。
言いたいことがすぐ言葉に出来ずぐーとつまってしまう
ため上司に付けられました。
上司は鏡雅愛です。
二人で組んで仕事をしています。
ぐー子の父は非情な税務官のせいで店を潰されています。
恨みのある仕事に就いたのは公務員という安定を求め
受かったのは税務官だけだったという理由からです。
鏡は口は悪く補佐官であるぐー子をびしびし教育します。
徴収相手に対しても厳しいです。

最初は仕事に対して意味を見出せずにいますが最後の
方ではわかってきます。
人が相手だからただ取り立ててしまえばいいという
ものではないです。

途中で友達になったと思った女性に徹底的に非難
されてぺしゃんこになってかわいそうでした。

喫茶店での脱税の方法、なるほど。
しかし市販ソフトに手を加えるのは難しいと思います。
高級クラブのママが税金を払わないというのは
脱税とも、払いたくても払えないとも違う思惑
からです。
税務署を巻き込んでとんでもない計略を仕掛けた
ものです。
おもしろかったです。

厳しい男性の上司とちょっと抜けた元気な女性と
いう組み合わせはよくある設定です。
インターネットで紹介文を見たらテレビドラマに
なったことがあるのですね。
続編があと2冊出ているようです。

特等添乗員αの難事件Ⅱ

2013-05-17 21:56:10 | 
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2012-06-22

松岡圭祐著"特等添乗員αの難事件Ⅱ"を読みました。
水平思考 ラテラル・シンキングの達人の添乗員朝倉絢奈
の活躍を描いたシリーズの2冊目です。
絢奈は添乗員として旅行中に起きる難題を解決して活躍
しています。
でも泥棒グループに出くわしたのにそれを見抜けなくて
お客さんの貴重品入れのロッカーを荒らされてしまいます。
すっかり自信喪失してしまいます。
恋人の壱条那沖との仲もぐらついています。
絢奈にとげとげしく接するCAの姉の乃愛と同じ飛行機に
乗り合わせることになりました。
飛行の途中で機長が体調を壊すという事件が起きました。
絢奈が原因を突き止めます。
絢奈を追うように那沖が旅先の香港にやってきます。
大金を横領した政治家の秘書の戸羽をさがしていて
絢奈にも手助けをしてくれるよう頼みます。
見つけた戸羽は暴力団に取り押さえられています。
絢奈と那沖も捕まって絶体絶命状態です。
さて絢奈はどうやってこの危機を乗り切ったのでしょう。
旅から戻って姉の絢奈に対する認識は変わったようです。

この話の中に電車に定期で乗って区間の先まで行か
なければならないのにお金を持ってくるのを忘れた
場合の対処方法が載っています。
別の人がどこかの駅で料金を払います。
乗っている人は別の人がどこかで払ってくれたことを
証明するサインを教えてもらって改札口でそれを示すと
通してくれるとあります。
本では左手で三本の指を立てるというものです。
へぇ、いい方法だなと思いました。
これは小説の中の作り話でしょうか、実際にこんな
ことが出来るのでしょうか。

ラテラル・シンキング、おもしろかったです。
なかにはお婆さんの知恵的だなというものもあります。