雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

出世花

2010-09-29 21:50:57 | 

高田郁著"出世花"を読みました。時代小説です。
お艶の母は男と出奔してしまいます。
父はお艶を連れて二人を打つために放浪しています。
お艶が9歳の時に行き倒れになって倒れてしまいます。
そこはお寺です。住職に助けられますが父は亡くなります。
お艶は父の希望で住職に新しい名前を与えられます。
読みはいっしょでお縁となり寺でいっしょうけんめい
働きます。
その寺は墓寺。亡くなった人を湯灌をして荼毘にふす
ことを行っています。
十五歳となったお縁は若い女性が運ばれてきた時に
湯灌をすることを願い出ます。
それ以後三昧聖(さんまいひじり)と呼ばれ湯灌を
仕事とします。
きれいに洗い顔を整えお化粧を施し、安らかな顔で
残された家族との別れをさせてやります。
大切に扱われ感謝されます。

最近映画でもおくり人が上映されました。
同じような職業です。
ただお縁の方法はお湯をかけて洗うというもっと
お風呂に近いもののようです。
死者を大切にするということが貫かれいます。
屍あらいとさげすまれることもあります。
先祖は大切にするようにと宗教ではいいますが、
死した肉体は忌まれるという風潮があるのは
どうも解せません。
ひたむきに死者と接したお縁の成長の物語です。9/21

ラストシネマ

2010-09-28 21:53:42 | 
辻内 智貴
光文社
発売日:2004-05-20


辻内智貴著"ラストシネマ"を読みました。
哲太九歳の時の話です。
お父さんの友達の勇さんは病気で入院しています。
もう長くはありません。
哲太は映画が好きです。勇さんは昔映画にかかわって
いました。勇さんに映画の話をしてもらうために
毎日のように病室へ通っています。
哲太が生まれてすぐお母さんはなくなりお父さんと
暮らしています。
お父さんは受け継いだ財産で仕事につくことはなく
優雅に毎日飲んで過ごしています。

勇さんは1本だけ端役で映画に出ています。
せりふは一言「いいじゃねえか、行かせてやれよ」だけです。
病気が進んでだんだん自分のことがわからなくなって
いきます。
哲太は勇さんにその映画を見せてやりたいと思います。
そんな時隣町の映画館で昭和二十年代アクション映画祭りで
古い映画が上映されているのを知って毎日バスに乗って
見に行き、とうとうその映画を見つけ出します。

映画館の責任者にそのフィルムを貸してくださいとお願い
してもけんもほろろの扱いです。
お父さんにその話をします。
お父さんはじゃ盗みにいこうととんでもないことを
言い出します。
お父さんの友達の町の映画館の経営者と共に車で
盗みに出かけます。
盗み出して病院で上映します。勇さんは自分の出演を
したところを見て死にます。

映画に関わっていた末期の状態の人に昔の一番
思い出に残る映画を見せてやりたいと知恵をしぼって
努力した九歳の男の子の夏休みの出来事です。
むちゃくちゃでもいっしょに行動をしてくれたお父さん
との思い出の出来事です。
一生忘れられない夏になったことでしょう。9/21

天国はまだ遠く

2010-09-27 21:30:08 | 
瀬尾 まいこ
新潮社
発売日:2004-06-23


瀬尾まいこ著"天国はまだ遠く"を読みました。
山田千鶴は保険の営業員です。
成績は悪く上司には怒られ会社に行くに疲れています。
恋人ともしっくりせず自殺をしようと決めます。
北行きの電車に乗り終着駅からタクシーに乗り一番北の
泊まれるところといって連れてってもらったのが民宿
たむらです。
前回お客さんが来たのがいつかわからないという民宿で、
突然の客でびっくりされますが泊まっていけと部屋へ
案内されます。
民宿たむらは千鶴よりいくつか歳上の男が一人で
暮らしています。
その夜睡眠薬を飲みますが翌々日に爽快に目覚めます。
海が近い田舎で毎日散歩をしてのんびり過ごします。
田村は畑を耕し鶏を飼い、野菜、鶏肉、卵を売って
暮らしています。時に漁もします。
漁にいってみたいと心にもないことを言ったばかりに
むりやり漁に連れ出されたり、地域の飲み会に誘われて
いっておじさんたちと飲みつぶれるほど飲んだり、
教会で賛美歌を歌ったり、鶏小屋の掃除をしたりと
日々は過ぎていきます。
しかし20日ほど過ぎて自分の場所はここではないと
さとって帰ることにします。

自殺するという深刻なことから始まるのになんだか
全体にのんびり、ゆったりとした話です。
千鶴と田村とのやりとりも軽快です。
最後は千鶴と田村が恋愛関係になってこの地に住み着いて
めでたしめでたしで終わる話になるのかと思いましたが
そういう安直な話にはなりませんでした。
あくまで客と民宿の主人の関係でした。
でも千鶴にとってまた帰って来られる場所になった
ことでしょう。

こんなふうにゆったり過ごせる場所を持てたら
いいですね。
いつか私もどこかこんな場所で数ヶ月過ごしてみたい
ものです。やっぱり住みつけはしないでしょうけど。9/21

イマジン

2010-09-26 21:32:55 | 
清水 義範
集英社
発売日:2004-09-24


清水義範著"イマジン"を読みました。
最初とっつき難くて少し読んでは後にしようと,次々と
別の本を手にして図書館の2週間の貸出し期限が
切れそうになりました。
急いで期限延長の手続きをしました。
今ではこの手続きはインターネットで図書館のホーム
ページを呼び出してボタンを押すだけで完了です。
結局1月近く本を手元に置いていました。

読みにくい本ではないです。
おもしろくないわけでもありません。
翔悟は大学入試に失敗し、専門学校を選んで行っていますが
その生活に満足はしていません。
お父さんはベンチャー企業を大きくして社長をしています。
自分の望むような生き方を選ばない息子に失望をしています。
やくざと喧嘩をして殴ってしまった翔悟は坊主頭にして
姿を変えます。
追われて気がついたら20年前の世界へタイムスリップ
していました。
頼る人は父親しかいません。昔聞いたアパートへ訪ねていきます。
若いころの父親は会社に嫌気を感じ辞めてしまいたいと
くよくよとして今のエリート然とした偉そうなところが
ありません。
アパートに住まわせてもらうことになります。
翔悟は20歳、父親の大輔は24歳、翔悟の方が年下なのですが
昔の世界の二人は翔悟の方がしっかり者で大輔をリード
しています。
大輔はIT企業に努めています。
外国の産業スパイが近づいてきて情報をくれと言葉巧みに
言い寄ってきます。
二人は情報を売ります。
ジョン・レノンが殺される日が間近になって二人は助けようと
ニューヨークへ行きます。
スパイも追っかけてきます。

さて翔悟は無事元の時代へ戻れるのでしょうか。
時間を隔てて会った父親は同じ人間なのに別人格のようです。
この隔たりはどうなるのでしょうね。

おもしろくはあるのですが、絶対おもしろいと大声でいえる
わけでもない、というのが感想です。

蝦蟇倉市事件1

2010-09-25 23:59:33 | 
道尾 秀介,伊坂 幸太郎,大山 誠一郎,福田 栄一,伯方 雪日
東京創元社
発売日:2010-01-27


"蝦蟇倉市事件1"を読みました。
短編集です。
蝦蟇倉市という架空の市の中で次々と事件が起きます。
いろんな作家の人たちが一人一編で書いていきます。
きっとおもしろいに違いないと企画されたものなの
でしょう。
でもどうも楽しくありません。
もともと不可能犯罪が多発する蝦蟇倉市という設定
ですからなんとなくしめっぽく暗い印象を受ける
好きになれない場所です。
それぞれの作家が書きつないでいくと全体に一貫性が
なくなります。
それがおもしろさを発揮すればいいのですが
ぷちんぷちんと気分が途切れて嫌です。

短編の中でよかったのを挙げるとするなら福田栄一の
"大黒天"でしょうか。

"蝦蟇倉市事件2"がありますが、今のところ読む気が
起きません。9/14

スマートグリッド

2010-09-25 15:07:12 | 最近の話題
このところ全社発表会に行くのをさぼっていました。
今日はテーマを"スマートグリッド"にしぼって数人の人達が
発表を繋げていくというのでどんな話がでるのだろうと
聞きに行きました。
"スマートグリッド"最近よく聞くようになってきました。
アメリカから始まったもののようです。
電線の老巧化などしょっちゅう停電が起こるアメリカで
電気網を考え直そう、そこから新しいビジネスを生み出そう
新しい電気の供給を考えようと始まった動きです。
日本では電気網はきちんとしているし光回線も同じように
張り巡されています。停電することもめったにないし
しても回復は早い、そんなにやることはないのではと
いう人もいます。
でも何もせずにいたら世界から置いていかれることは
わかっています。
太陽光発電などの地域でのエネルギーの供給や、蓄電池での
余分な電気の保存、電力の需要と供給を監視しうまく
運用していく必要性。
ひとつひとつの電化製品の電力使用を記録していって
使われ方の動向をさぐったりしたり。
情報を無線や電力線でもって収集したり。
こういう新しい仕組みを備えた家をスマートハウスと
いうそうです。
またまた世の中は新しいものを求めて動きそうです。

世の中の商品が飽和状態になり新しいものを開拓しないと
仕事がなくなるために新しいものを模索しているのが
今の状態なんだそうです。
でもねぇ、なんだか変な話と思ってしまうのです。
なんでそんなに必要なんです。
最低限の生活ができればいいじゃありませんか。
子供のころの生活なんてバンガロー生活みたいなもん
でしたが別に今と比べて不満があったわけでなし。
なんでそう完璧な楽な生活を追い求めるのでしょう。

でもやっぱり昔には戻れないですね。
わらやまきでご飯を炊き、ふろもまきで沸かす、
手で洗濯をする、しょっちゅう断水する、かなりの
部分を自給自足で補う、こんな生活は老いた人から
子供までいる家族でやっていくものです。
それにみんなが地面で暮らしていないと原始的な
生活はできません。今の空中生活では無理です。
人口が多くなって全員が食べて生活していくには最新の
技術がなくては無理なんでしょうね。

野生化した朝顔

2010-09-24 20:26:02 | 植物
ついこの間まで30度を越えていて暑い暑いと言っていた
のにこのところの気温の急降下で涼しい日々です。
ニュースで「上着を着ていった方がいいですよ」と言って
いたのでウィンドブレーカーをはおって出かけました。
たしかに上着を着ていても暑いとは感じません。
黒色のウィンドブレーカーだからそう見えるのか、
「すっかり冬の服装ですね」と言われてしまいました。
ぺらぺらの服はおっているだけなんですけどね。

新聞に朝顔が野生化して畑にはびこって農業に
影響が出ていると載っていました。
枝豆になる大豆畑に朝顔がはびこるとどうにも手が
つけられなくなるようです。
どうも不思議な話です。だって朝顔は昔々からある花です。
なぜ今になって突然こんなことが起きるのでしょう。
昔の朝顔と比べて同じようで同じでないってことですか。
弱々しく、はかなげな植物だと思っていたらとんでもなく
力強い植物に進化したんでしょうか。
それとも外国種が入り込んで日本に適応してしまった
のでしょうか。
こんなニュースを読んで出かけた通勤途中で朝顔に
出会いました。
2メートルぐらいある木にびっしり巻きついてさながら
朝顔の木という感じになっていました。
きっとこの朝顔も自然に生えてきたものなんでしょう。
朝顔、雑草になっちゃいましたね。

暴雪圏

2010-09-23 20:25:27 | 
佐々木 譲
新潮社
発売日:2009-02


佐々木譲著"暴雪圏"を読みました。
これはおもしろい本です。
スリルとサスペンスというやつですね。
映画みている感じです。
映画にしたらおもしろいかもしれません。

場所は北海道の広尾です。地図を見てみました。
北海道の菱形の下の方の尖った部分にあります。
季節は3月の終わりのころ。
このころに季節はずれのとんでもなく大きな吹雪が
襲う事あるそうです。
そんな吹雪の1夜の出来事です。
暴力団の親分の屋敷に二人組みの強盗が押し入ります。
親分は留守番を数人残して、他の子分を引き連れ上部
団体の親分の襲名披露宴に出席しています。
金庫から4,5千万円盗んでいきます。

明美は菅原と出会い系サイトで知り合いました。
1回会ったもののその出会いを後悔しています。
菅原はしつこく追いかけてきます。

美幸は高校を出たばかりです。お母さんの居酒屋を
手伝っています。お母さんは再婚したばかりです。
今お母さんは入院して義理の父親と二人の生活です。
毎晩父親におそわれて美幸は家を飛び出します。

吹雪のためバスが運休になり美幸は走ってきたトラックに
乗せてもらって帯広へ向かいます。運転手は若い山口です。

西田は地元の開発会社に勤めています。社員を大事に
しない会社です。胃をわずらっておりもう長くは生きられ
ないと思っています。
金庫には社長が競馬馬を買うためのお金が二千万円あります。

吹雪のため道は寸断されそれぞれの思惑を抱えた人たちが
ペンショングリーンループへ集まってきます。

ピストルを持った強盗の片割れのアキラ、明美、菅原、
山口、美幸、西田、旅行中の老夫婦、ペンションのオーナー
夫妻がボイラーが壊れたため暖房があるレストランに
集まっています。

志茂別駐在所の川久保警官が嵐の中あちらこちらに
走り回っています。

テレビのニュースでアキラの正体がばれ恐ろしい夜
になります。

雪で動きがとれなくなって集まった人たちのそれぞれの
問題とピストルを持った凶悪犯との息詰まるやりとりで
一気に読んでしまいました。
雪というのは恐ろしいものですね。雪の恐怖をこの本から
感じます。
名古屋の雪なんてそんなにたいしたことはありません。
それでも交通事故やすべって怪我するということは起こります。
でも北海道のように降りつのる雪に埋もれたら死んでしまう
ということはまずないでしょう。9/14

ハルさん

2010-09-21 20:27:36 | 

藤野恵実著"ハルさん"を読みました。
ハルさんは人形作家です。ビスクドールを作っています。
娘の風理、ふうちゃんが赤ん坊の時に奥さんの瑠璃子さんは
亡くなります。
ふうちゃんの結婚式の朝、瑠璃子さんのお墓にハルさんが
立ち寄る場面から始まります。
ふうちゃんが幼稚園の時の話へと戻ります。
そしてその時々におこった不思議な話になります。
そのたびに瑠璃子さんの声が聞こえてきてその謎を
解き明かしてくれます。

幼稚園の友達のお弁当から卵焼きが消えてふうちゃんが
取ったと疑われる話。

小学4年生の時に植物栽培について教えてくれていた
おじいさんの家からある植物を掘り出して行方不明に
なったふうちゃんはどこへいったのか。

中学生になってふうちゃんがいじめられているのでは
ないかと心配するハルさんです。
ハンドボール部のユニホームに落書きがされている
のはどうしてか。

高校生になってクリスマスシーズンにお花やさんで
アルバイトをすることになったふうちゃん。
しかしお客さんの忘れ物を渡そうとして足を
滑らせ骨を折ってしまいます。
花屋さんの向かいにある病院へ入院することに
なります。
5分間だけ出現するクリスマス・ツリーとは。

ふうちゃんは北海道の大学に進みます。1年ぶりに家に
帰ってきます。
ハルさんが作った12体のエンジェルのビスクドールが
あります。
そのうちの1体を買った人が自分のエンジェルが
入れ替わってしまったと連絡してきます。
その人形もハルさんが作ったものに間違いはありません。
なぜ入れ替わってしまったのか。

なかなかいい話でした。
ハルさんとふうちゃんの関係、いい父と娘です。
どうしていいかとまどうこともありますが、留美子さんに
助けられながら子育てをします。
すきなことを仕事にして打ち込んで人形制作をする姿は
いいですね。
それでも子供といっしょにいられる時間は案外短いものですね。
大学入学時には家を出てしまいましたから18年の
子育てです。
読みやすい本です。9/13

WINGの演奏

2010-09-18 00:13:54 | 音楽
最近 WING の演奏聞いてないなぁと思ってHPみたら
四日市の駅前で演奏会があると載っていました。
17時半からです。退社後に行っては間に合いません。
残念だなぁと思いました。

この前ちょっと残業しました。
私の職場はフレックスを実施しているので出退勤は
自由がききます。
貯金があるので少し早く退社してもだいじょうぶです。
行ってみようかと、早めに退社して四日市まで行って
みました。

WINGの演奏を久しぶりに聞きました。
やはりいいですね。きょうはフルートのかわりにチェロの
メンバーでした。
バイオリン、ピアノ、チェロです。
それぞれの地に、住む人々の性質があるようで、四日市の
人々はよくのってよく笑います。
今日は涼しくて屋外であるのが気持ちよかったです。
いい演奏会でした。気分が爽快になりました。

行きは50分ぐらいかかりました。
ちょっと遠いなと感じました。
帰りもまた同じだけ時間かかるのか、やれやれと思いました。
ところが帰りは早い、早いなんだかあっという間に
名古屋に帰りつきました。
あれ、なぜだろうと考えてみたら行きは普通電車だったのです。
帰りは急行でした。ずいぶん違うものです。
四日市あたりから通勤している人、会社にはけっこういます。
名古屋への通勤圏です。
毎日通っている人がいるのです。
それなのにちょっとくたびれてしました。

マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン

2010-09-16 22:02:21 | 
やっと秋らしくなってきました。
今の室温27度です。快適です。
2日ほど前まで30度越えで、エアコン入れてふうふう
いっていたのが遠い昔のことみたいです。
まさかまた暑くなるなんてことはないでしょうね。9/16


小路幸也著"マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン"を
読みました。
東京バンドワゴンのシリーズの番外編といった感じです。
シリーズの語り手を努めている亡くなったサチさんが
どのように東京バンドワゴンと出会い勘一さんのお嫁さん
になったかが語られます。
時代は終戦直後の国中がざわざわとしている時です。

サチは華族の五条辻家のお嬢様です。
ある日両親から箱を渡されこれを守って今すぐ逃げるよう
いわれます。
駅から親類の家に行くつもりでしたがもう手がまわって
つかまりそうになったところを勘一に助けられ堀田家に
かくまわれることになります。
勘一の父草平はサチの父親と大学時代の友人です。
その日のうちのジョー、十郎、マリアの3人がサチを
守るため駆けつけてきます。
ジョーはブアイソーというボスの下で貿易にたずさわっています。
十郎は元陸軍情報部の人間、マリアはジャズシンガー。
それぞれコネクションを持っていてサチを守り、情報を
探り出してくれます。
箱の中身は天皇陛下が戦争中に言ったことを書いたもの。
いろんな人たちが手に入れて自分に有利に使いたいと
必死で探し回っています。

スパイ物みたいです。
暗部でうごめく人々の思惑が錯綜しています。
でも東京バンドワゴンに集まってくる人たちはみんな
やさしいです。
会った事のない娘のために命がけで守ります。
古本屋東京バンドワゴンには暖かな空気が流れています。9/13

わたしのマトカ

2010-09-15 20:56:29 | 
片桐 はいり
幻冬舎
発売日:2006-03


片桐はいり著"わたしのマトカ"を読みました。
はいりさんは女優さんです。
映画"かもめ食堂"の撮影のロケ地、フィンランドで
過ごした時のことを中心に書かれた本です。
はいりさんは行動的な方ですね。
いろんなところへどんどん行けてしまう人です。
その国の食べ物を躊躇せず食べられます。
電車にもバスにも一人で乗って見て回れます。
はいりさんは外国でも演劇してるんですね。
世界を仕事場に出来て、世界規模で歩き回れる人を
尊敬します。
飛行機を乗り継ぎ、乗り継ぎ目的地まで行くという
まねは恐くてできません。
旅行社がお膳立てしてくれたものならまだトラブルが
起きた時泣きつけるところがあります。
でも個人的に行動するとなるとちょっとトラブルが
起きて乗り継げなかったらパニックになって立ち往生
してしまいます。
そういう旅行に付き物のトラブルを解決するのが
苦にならなくて自由に世界を飛びまわれるように
なったらずいぶん見えるものが違ってくるでしょうね。

"わたしのマトカ"のマトカはフィンランド語で"旅"だ
そうです。9/13

眠り猫―奥絵師・狩野探信なぞ解き絵筆

2010-09-14 22:48:32 | 
写真が趣味でよくメールで写真を送ってくれる友人が
鷺の写真を送ってくれました。
白くて美しい鷺が空に止まっているように写っていました。
このように写せるのはすごいテクニックなのだろうと
思い、返事に止まっているように見えますと書いて
送りました。
そしたら「止まっているように見えるのは写真がまずいからです」
と返事がきました。
本当にそうなのかは知りませんが、ほめたつもりが
もしかしたらほめていることになってなかったのかと
苦笑いです。9/14


翔田寛著"眠り猫―奥絵師・狩野探信なぞ解き絵筆" 眠り猫"を読みました。
深信は版元の蔦谷に1枚の幽霊画を託され祐斎という絵師が
川で溺死した謎、芝居小屋で役者の伊勢蔵がある場面に
なると幽霊を見ると、トチっている不思議の謎を託されます。
深信は鍛治橋狩野家の跡取りです。
絵師というのは先祖が描いた絵をそのままに写して
描く仕事です。
新しく自分の絵を描くということはしません。
将軍の前で席画を描くことになっていますが何を描くか
思い浮かびません。
それでいながら事件の真相を見つけるため小姓の小平太と
家を抜け出してあちらこちら飛び廻っています。

幽霊の真相は伊勢蔵の勘違いから起こったことです。
祐斎は真相を知ってしまったために川に突き落とされて
しまったのです。

父親に怒られながらも絵をほっぽりだして町を
探索して歩く深信と小平太です。
そう驚くような結末ではありませんが深信、小平太は
若者らしい元気があります。 9/08

れんげ野原のまんなかで

2010-09-13 21:02:41 | 

森谷明子著"れんげ野原のまんなかで"を読みました。
舞台はすすきが生い茂る中に建つ秋葉図書館です。
司書として赴任してきた文子の目を通して書かれています。
"霜降-花薄、光る。"
"冬至-銀杏黄葉"
"立春-雛支度"
"二月尽-名残の雪"
"清明-れんげ、咲く。"
の連作短編集です。

"霜降-花薄、光る。"は子供たちがやたらと目につきます。
何かがあるようです。へんな落し物も多くなります。
ギターケースにカップラーメンが詰め込まれて見つかります。
そして子供の行方不明が発生します。
一連のおかしな出来事から文子の先輩司書の能勢が
出来事を解析します。

"冬至-銀杏黄葉"は本に挟まっていた紙と本棚の本の
並べ方が入れ換えられてた謎を追います。
水曜日の病院通いのあと図書館に立ち寄るようになった
老婦人と、大学を退官した図書館学を教えていた老人
とが登場します。
秘密の通信が発信されているようです。

"立春-雛支度"は図書館の土地を寄付してくれた地元の
大地主でコンビニの経営者の秋葉が、不要な紙として
残された1枚のコピー紙を図書館に持ち込みます。
そこに書かれていたのは個人情報と図書館から貸し出された
本の一覧です。
漏れるはずのない個人情報を誰がどのように盗み出したか、
なりすましで他人の図書カードを作成して盗み出された図書館の
高価な画集の行方はどうなったか。

"二月尽-名残の雪"は大雪で家に帰れなくなった文子は
図書館の近所の秋葉の家に泊めてもらうことになります。
大きな家に夫婦二人ぐらしの秋葉はお客さんがきたことに
喜んで昔話をかたります。
子供の時の不思議な話の真相を能勢が推理します。

"清明-れんげ、咲く。"は秋葉はススキの原のススキを
刈り取り一面にれんげ草の種をまきます。
春になり美しく咲くれんげ草は雑誌に取り上げられます。
図書館にはずっと前に廃校となった近所の中学の本が
紛れ込んでいます。
何のためにこのようなことをしたのか能勢が解き明かします。
この本は「床下の小人たち」です。
いまアニメ映画の「借り暮らしのアリエッティ」が公開されています。
たぶんこの原作本です。
突然今映画になっている原作本の話が出てくるのでびっくり
しました。
とても有名な話なんですね。でも映画を見たいという気は
起きません。本も今は読みたくありません。
自分はミーハーは人間だと思いますがそれでも時に嫌だと
いう時もままあります。
いずれテレビで放映される時があれば見るかもしれません。

とてもおもしろい本でした。
すらすら読めて楽しい本ですがよくよく考えてみると重い
内容を含んでいますね。9/07

怠惰な一日

2010-09-12 23:07:30 | 日常の出来事
昨日の休みはだらだらとだらしなく過ごしました。
ずっと寝転んで本を読んでいました。
寝転んで読むというのは楽なように思いますが実は
かなりきついものです。疲れました。
ほんとうに楽に読みたければ椅子に腰掛けて読んだ
方がずっと疲れません。
本を読みながらいつの間にか居眠りしたりして怠惰な
一日は過ぎていきました。
そしてその後鏡を見てみたら髪の毛が爆発していました。
漫画に出てくるように四方八方に飛び散って固まって
いました。あまりの姿に笑ってしまいました。

ちょっと長くなっていた髪を切りに行ってきました。
いつも行く馴染みの店があるのですが今日は予約なしで
やってくれる値段が安い店に行ってみました。
まあまあ悪くありません。
短くなってすっきりしました。
お年寄りのお客さんが多く美容師さん相手におしゃべりに
興じていました。
「警察です。あなたの盗まれたクレジットカードを手に
いれました。暗証番号を教えてください。」
こんな電話が何度か架ってきたと、隣の席の人の話が
聞こえてきます。
ニュースではよく聞きますが実際に身近なところでも
起こっているとは驚きです。
ニュースで気をつけるように流れていますから今は
だまされませんが、知らずに突然こんなこと言われたら
反射的に答えてしまいそうです。
今後どんな手でせまってくるかわかりません。
騙されないようにするにはどうしたらいいのでしょうね。


愛知芸術文化センター 美術館の庭


あいちトリエンナーレ2010だそうです。


オアシス21