雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿

2013-03-31 19:47:28 | 

篠田真由美著"玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿"を
読みました。
京介は大学院の三年生です。
蒼は15歳で京介の助手をしています。
10年前に知り合った狩野都からホテルを開業したからと
招待状がきます。
嫌々参加しようとしている京介に蒼が無理やりついて
いきます。
建物は裏に川が流れる山の中に建てられています。
招待されたのは10年まえ都とインドへいっしょに
行った女性一人と男性4人です。
インドで借りた家で彼らが集まっていたスナックの
店主の亜希人が殺されました。
密室で胸を潰されていました。
凶器と見られるものは見当たりませんでした。
病死として処理されました。
都はそのままインドで暮らしていました。
京介はその時高校生で旅行に参加していません。
都にその時の犯人を見つけて欲しいと依頼されます。
都は養子だという左手がない青年を連れてきています。

都は太り老けて見えます。死が間近いといいます。
そしてみんなを恨むと言い残して川に飛び込んで
自殺してしまいます。
昔のことを話したがらなかった人たちが語り始めます。
そして新たな殺人が起ります。
殺人が起ってから京介はやる気のなさを捨てて
元気になります。

読みやすかったです。
建物に関する薀蓄部分がほとんどありません。
ホテルの建物は古い建物ということでした。
この建物がいつのものかは蒼がメジャーでいろんな長さを
計ったという時に暗示されていました。
建物の歴史に興味がある人には物足りないかも知れませんが
そうでない者には楽に読めます。
あの人とあの人はもしかしてという予感はありました。
ですからラストの部分のびっくり感はありません。
深い愛情から真実を知りたいと願ったのでしょう。
でも端からみると一方的な愛情といえなくもありません。
人はそんな愛情を胸に抱いて生きていく力にすることが
できるものなんですね。
過去を掘り返して新たな事件を引き起こしてしまう
危険性を考えなかったのでしょうか。

場所による花粉症の差

2013-03-29 23:34:34 | 日常の出来事
花粉症でくしゃみや鼻水に悩まされています。
先日岐阜の実家へ行きました。
名古屋での花粉症がたいしたことではないことを
思い知らされました。
岐阜へ着いたらくしゃみが止まりません。
くしゃみでも結構エネルギー使いますからくたびれます。
鼻はひりひりしてきてこれがひどくなったらいったい
鼻はどうなってしまうのだろうと心配になりました。
たった1、2日いただけでこの有様です。
岐阜は山があるからね、と母が言っていました。
山といっても木曽とか飛騨の山の中ではなく岐阜市内
なんですけど。
確かに金華山はあるけどあの小さな山でさえこれだけの
被害をもたらすとしたらあたり一面が木という山の
中だったらどうなってしまうのでしょう。
岐阜始発の帰りの電車の中でも盛大にくしゃみをして
いました。
電車が名古屋へ向かって走り出したら体が楽に
なっていくのがわかりました。
そしてくしゃみは止まりました。
目にはみえない花粉ですが飛んでいる量の違いを
体が反応して教えてくれました。
岐阜の人、たいへんですね。

気が重かったこと

2013-03-28 21:00:00 | 日常の出来事
1月の始めごろに健康診断を受けました。
結果はある部分が引っかかって3ヶ月後に再検査を
受けてくださいというものでした。
普通に生活していてその間は何も治療することはない
という結果が郵送されてきました。
これは不安になります。
3ヶ月もほっておいていいということはたいしたことは
ないのだろうとは思います。
しかしもしかして重大な病気かもしれない、3ヶ月後
にはもっと悪くなっているかもしれないと考えてしまいます。
心配してみたところでしょうがありません。
検査の予約を取ってそれまで普通にしているより
しょうがありあません。
でも何か予定を立てようとする時、あぁもしかしたら
病気かもしれないと重苦しい気分になりました。

今日病院へ行って来ました。
検査の結果、なんともないということでした。
ほっとしました。
検査の状況によって問題があるような結果が出てしまう
ことがあるという説明でした。
治ったとかでなくもともと何でもなかった、ということの
ようです。
先生が「今後も検診はきちんと受けてくださいね」と
おっしゃりました。
はい、受けます。
でも毎年なんかかんかにひっかかっておっかなびっくりです。
幸いにも再検査ではだいじょうぶ、と言われています。

偉大なるしゅららぼん

2013-03-27 21:13:53 | 

万城目学著"偉大なるしゅららぼん"を読みました。
舞台は琵琶湖のほとりの石走という町です。
日出涼介は日出家の本家に寄宿して石走高校へ通う
ことになりました。
本家には涼介と同じ年の淡十朗がいて同級生です。
日出の一族は琵琶湖から授かった不思議な力を持っています。
高校生になると本家で師範について訓練を始めます。
石走には敵対している不思議な力を持つもう一つの一族の
棗家があります。
棗広海も同年で同級生です。
日出は心を操ることができる力を持っています。
棗は体を操ると言われましたが時を操ることができる
のだと後に知ります。
日出も棗も力を出した時に他のグループの者にはとても
不愉快で耳障りな音が聞こえます。

敵対している二つのグループですがそれとは別の力を
持つものが現れます。
高校の校長として転任してきた速瀬です。
日出と棗の両方の力を合わせたような強力な力を持って
います。
日出は当主が、棗は当主と広海の妹が速瀬によって
倒れてしまいます。
死んでいるわけではないのですが息をしていません。
時が止められた状態になっています。
速瀬は日出家と棗家に元に戻して欲しければ琵琶湖から
出て行くように脅かしてきます。

日出の涼介と淡十朗と棗の広海が協力することになります。
涼介と広海の二人が同時に力を出した時に発する音が
しゅららぼんです。

おもしろかったです。
終了の仕方がすっきり納得はできません。
速瀬校長が力を持った理由も明かされます。
高校生の三人が若々しく描かれています。
淡十朗の姉の清子や涼介の師範になったパタ子と呼ばれて
いる濤子など登場人物は魅力的です。

日出家は人心を操って事業を拡大してきたということです。
それって力を悪用してあくどいです。
持っていて喜べる力とはいえないです。
では他に何に使えるのだろうと考えてしまいました。

毒入りチョコレート事件

2013-03-26 19:39:50 | 

アントニイ・バークリー著"毒入りチョコレート事件"
を読みました。
実際に起きた事件を推理作家、劇作家、弁護士などが
集まる犯罪研究会のメンバーが自分の調査したり考え
たりした結果を発表するという話です。

ユーステス卿はクラブでチョコレートの試作品を郵便で
受け取りました。
チョコレートに興味がない卿はクラブにいたペンデッックス
にあげました。
ペンデッックスは奥さんと賭けをして負けてチョコレートを
贈る事になっていました。
そのチョコレートを夫婦で食べました。
少ししか食べなかった夫は助かりましたが、たくさん
食べた妻は亡くなりました。
チョコレートは試供品として送られたものではありません。
チョコレートに丁寧に毒薬が仕込まれていました。
警視庁の警部から依頼があって六人のメンバーは状況の
説明を受けたのち順番に発表することになります。

会員の一人のワイルドマンの娘はユーステスと付き合って
いて結婚をしたいと思っていました。
ユーステスは何人もの女性と浮名を流しています。
ユーステスは妻がいて離婚調停中です。
ユーステスを殺そうとしたのがたまたま別人を死なせて
しまったという方向から考える人がいます。
ベンディックスの妻を目標としていたのだと考える人
がいます。
毒薬やタイプライターやインクなどの物から考える
人がいます。
はては犯人にあてはまる条件を書き出して全てに
当てはまる人物をみつけた。
それは自分だといいだす人までいます。
もっともこれは冗談です。

各々の発表後にはそんなことはない、とその意見を覆す
意見がでます。
会員が会員をあなたが犯人だと告発して険悪な雰囲気に
なることもあります。
発表にその通りだそれに間違いない、警察に申し入れ
ようとの意見が通りそうになることもありました。
次の発表者の自分の発表を聞いてからにしてからでも
遅くはないという意見で最後の人まで発表は続きます。

それぞれの人の意見がありえると納得させられる
ものです。
推理小説では作家は一つの結果だけを考えてそこに
向かうように筋道をつけていけばいいわけです。
でも本当はもっといろんな結果も考えることが
できるのだということを見せてくれました。
六通りの結果を見ることができました。

私が考えたのはロジャーという人が考えた意見と
いっしょでした。

ドルフィン・エクスプレス

2013-03-25 19:58:03 | 

竹下文子著"ドルフィン・エクスプレス"を読みました。
前に読んだ"黒ねこサンゴロウ"シリーズの姉妹シリーズです。
主人公はドルフィン・エクスプレス、海の特急貨物便の
配達員のテールです。
黒ねこサンゴロウが登場してなつかしくてうれしいです。
サンゴロウの名前はフルヤ・サンゴロウというのですね。
テールは荷物をヒスイ島に荷物を届ける仕事を請けました。
荷物を配達先に届けたところ受け取りを拒否されました。
その荷物を送ったのはサンゴロウでした。
船乗りサンゴロウにあこがれているテールは会社には
無断でサンゴロウに荷物を返しに行きました。

サンゴロウに出あって荷物を返します。
荷物の中身は石です。サンゴロウは事情がありそうな
人から石を買ったのですがこの石はコンパスを狂わせます。
自分で返しにいけなくてドルフィン・エクスプレスに
依頼したのです。
この石は長いこと持っているとその人の体温と鼓動を
感じて孵ってしまう海の竜ネオ・ラプストの卵では
ないかとサンゴロウはいいます。

石は海に捨てられました。
テールが荷物を配達中に竜があらわれテールは気を
失ってしまいます。
ネオ・ラプストが孵ったのです。
他にも竜をみたものが現れます。
人々は鯨退治に出かけます。
テールはネオ・ラプストを呼び出して深い海に潜る様
伝えます。

子供向きの本です。
ちょっと物足りない気がしないではありませんが
海やヨットやボートが描かれた雰囲気、猫が主人公
なのも、サンゴロウにまた会えたのもうれしいです。

事件でござるぞ、太郎冠者

2013-03-24 19:44:38 | 

井上尚登著"事件でござるぞ、太郎冠者"を読みました。
おもしろかったです。
落語を舞台にしたミステリー、歌舞伎を舞台にした
ミステリーなど読みました。
この本は狂言を舞台にしています。
落語や歌舞伎は実演を見たことがありませんが狂言は
数回見たことがあります。
おもしろいことはおもしろいのですが、心底満足したと
いうところには到達できませんでした。

住宅に能楽堂が備わっている峰村家は代々の狂言師の
家です。
人間国宝の笠太郎は77歳、三度目の妻は理恵です。
息子は若くして亡くなっており息子の妻は明子です。
孫の30歳のみの吉が後を継ぎます。
妻とは離婚しており幼稚園に通う光太がいます。
22歳の大学生の弟の光二郎も狂言をしています。
ここへ狂言のことをぜんぜん知らない夏十(なつと)が
狂言教室へ参加してきました。
夏十は破産して住むところがないと内弟子にして欲しいと
申し込み居候となりました。
夏十はショートカットの頭は立っており、派手な化粧に
上下黒の服装で乱暴な口のきき方をします。
いろんな事件に夏十はみの吉と活躍します。
狂言教室の生徒の一人の保井は刑事で協力していきます。

連作短編集です。
それぞれの話で狂言の演目が一つずつ紹介されます。
"二人袴"
狂言教室の生徒の女性が亡くなりました。
病死と思われたのですが…

"花子"
笠太郎の知り合いの能役者が殺人の疑いを受けて
助けを求めてきます。
被害者は一千万の借金があるパトロンです。
笠太郎は夏十が息子の隠し子ではないかと疑っていました。
そうではないことがわかります。
夏十はすばらしい捜査能力を持っています。

"附子"
テレビによく出演している大学教授が妻と編集者の前で
毒薬を飲んで自殺したように見えました。
保井から殺人ではないかと捜査協力を求められます。

"武悪"
ファンの女性が遺産6億円を財団法人峰村能楽堂に
残してくれました。
ただし行方不明の息子が1年以内に見つかったら遺産は
息子に行きます。
その息子が現れて理恵はかりかりしています。
DNA鑑定で息子だと鑑定されましたが…

"瓜盗人"
みの吉の元妻が再婚しようとしていた会社社長の所持
していたレンブラントの絵が盗まれました。
防犯ビデオには停電の30秒の間に絵が消えているのが
残されていました。

"釣狐"
夏十がどうして峰村の家に入り込んだのか明かされます。
彼女が弁護士事務所の優秀な捜査員だったことが前の話で
明かされています。
それを急に辞めて峰村家へ潜り込みました。
彼女の恩人が意識不明になっており笠太郎が欲しがって
いた面が盗まれました。
彼女はその事件を追っています。

最後の事件が解決して夏十は元の仕事に復帰しました。
みの吉は元妻に復縁を打診されています。

あっさりと読めます。
物足りないと思う人もいるでしょうけどこのあっさり感
が私には心地いいです。

コーヒー違い

2013-03-23 10:37:22 | 日常の出来事

最近はあまりコーヒーをおいしいと思わなくなりました。
それでも家で一日一杯インスタントコーヒーを飲んで
います。
コーヒーが切れたのでスーパーで詰め替え用のコーヒーを
買ってきました。
封を切って瓶に詰めました。
いい匂いがただよってきました。
こんなに香るインスタントコーヒーがあるんだと
思いました。
コーヒーの銘柄にこだわることはなく選ぶとしたら
値段の安いものを手にします。
要は何を飲んだって味の違いがわからないということです。
ではさっそく飲みましょうとカップにコーヒーを入れ
ミルクと砂糖を入れお湯を注ぎました。
ここまでしてもまだ気づきません。
スプーンでかき混ぜてもコーヒーの粒がお湯に溶けなくて
やっと気づきました。
インスタントではないんだ!
やれやれ。
くやしいからこのまま飲めないかと口にしましたが、
口の中がざらざらしてとても無理ですね。
フィルターに入っていてお湯を注ぐタイプのコーヒーは
飲んだことがありますが挽いたコーヒーというものを
買ったことはありません。
このコーヒーを飲もうとしたら最低フィルターを
買って来たらいいのかな。


追伸
実家に行った時に弟にこの話をしたら使ってない
フィルターがどこかにあったなぁと探し出してきて
くれました。
箱が掏りきれていてずいぶん古そうな物ですが
だいじょうぶでしょう。
ちょうどフィルターの直径と合う背の高いカップが
あってうまい具合にフィルターをセットできます。
こうやって飲んでいます。
うーん、あまりおいしいとはいえないなぁ。
こういうものなのか、いれ方が悪いのか。

聯愁殺(れんしゅうさつ)

2013-03-22 20:47:21 | 

西澤保彦著"聯愁殺(れんしゅうさつ)"を読みました。
梢絵は連続無差別殺人の被害者の唯一生き残りです。
自分がなぜ襲われたたのか理由が知りたくて、知り
合った刑事の双侶(なるとも)に恋謎会のメンバーに
推理してくれるよう頼みました。
六人のメンバーと梢絵が集まって議論した内容が描かれ
ています。
殺されたのは医師、小学生、老人で梢絵が最後です。
犯人は顔を隠しておらず、生徒手帳を落としていきました。
それらの手がかりから犯人は行方不明になっている
高校生の口羽公彦だとわかりました。
口羽はその後ずっと行方不明で死んでいるのではないかと
思われています。
議論でだんだんと核心に近づいていきます。
犯行後マンションから人に見られずにどのように逃げたのか。
遺留品が残されていた口羽が出入りしていたマンションの
持ち主との関係はなにか。
何の関係もないように思われた被害者の共通なことを
突き止めた人がいます。
それは全員が新聞に投稿が載ったことがあるということです。
口羽の残したノートには心の内が書き残されていました。
そして梢絵の秘密もあばかれていきます。

読み始めてすぐこの人はなんだかあやしそうと思う人が
います。
やっぱり事件に関係していました。
でも想像以上にすごい結末でした。
梢絵の理由を知りたいという願いは満足されたのでしょう。
事件はまだまだ終わってはいません。
次の幕が切って落とされました。
誰か真実にたどり着く人があらわれるまで止まらない
かも知れません。

幻想即興曲

2013-03-21 21:07:41 | 

西澤保彦著"幻想即興曲"を読みました。
"響季姉妹探偵 ショパン編"の副題がついています。

姉の智香子は編集者です。
妹の永依子はイギリスを拠点にしているピアニストです。
永依子が日本に帰ってきています。

作家の古結麻里がデビュー前に書いた未刊の"幻想即興曲"
の手書きの原稿が智香子の手元にあります。
麻里は智香子に原稿を処分して欲しいと依頼してきました。
"幻想即興曲"は麻里が子供の時に経験した事件を元に
して書かれたものです。
智香子は妹の永依子に原稿を読ませます。

"幻想即興曲"の内容はピアノ教師の野田美奈子の夫が
佐藤商店の前で女性に包丁で刺されて亡くなりました。
店主と孫の小学生の一真が目撃しました。
妻の美奈子が犯人として捕まりました。
しかし小学生だった麻里はもう一人の男の子といっしょに
犯行の行われた正午に美奈子の家で彼女が幻想即興曲を
ピアノで弾いているのを見ています。
しかし子供たちの目撃談は無視されました。
美奈子は犯行を認めて服役し獄死しています。

麻里は大人になって当時の出来事を元に小説を書きました。
内容を昔の出来事を調べていた記者に話していたのを
昔の関係者に聞かれました。
麻里はその男に襲われアパートに火を放たれました。
麻里は無事でしたが階下のお年寄りが亡くなりました。
精神的なものからペンを持つと手が動かなくなり
書くことができなくなりました。
小学生の時の先生の古比類巻冬羽に出会います。
冬羽は麻里といっしょに住んで焼けてしまった
小説"幻想即興曲"を麻里が口実し冬羽が筆記して
再現して助けてくれました。

野田美奈子は夫をとても愛していました。
美奈子と冬羽は小学生の時からの知り合いです。
二人の間には強い愛情があります。
冬羽は同じように麻里のことを思っていました。
昔の事件の関係者が一人を殺して自殺する事件が
起きます。

"幻想即興曲"を読み終わった妹の永依子が実際に
起ったことを推理します。
悲しい話です。
事件の原因を作った人物は最後まで自分がどれほど
人を傷つけたのか知らずに生きてきました。
抑えることのできない怒りや悲しみが事件を引き
起こしました。
たとえ相手にぶつけたとしても解消されないだろう
怒りは自分を破滅に追い込んでしまいます。

おもしろい構成の話でした。
ロシアの人形のマトリョーシカみたいに蓋を開けると
次の話がその中にも次の話があるみたいになっています。

翡翠の城

2013-03-20 19:41:48 | 

篠田真由美著"翡翠の城"を読みました。
建築探偵桜井京介の事件簿のシリーズの1冊です。
京介は修士課程にいます。深春はまだ大学生をしてます。
蒼が加わっています。
大学教授の神代も登場します。
知り合いからオグラ・ホテルの巨椋(おぐら)一族を
紹介されます。
日光の山奥の碧沼のほとりに建つ碧水閣を見にいくことに
なります。
ここに住んでいるのは創設者の幹助とカテリーナとの
間に生まれた95歳になる真理亜です。
真理亜は今入院中です。
同属会社であるオグラ・ホテルでは碧水閣をどうするかを
巡って意見が対立しています。
真理亜は2歳のころ父が母と浮気をしていたイタリア人の
フェリッティを刀で殺したところを見ました。
その数年後にカテリーナは自殺しています。
真理亜の娘の百合亜も自殺しています。
幹助の愛人が生んだ巨椋の一族が巨椋家と結婚していて
オグラ・ホテルの重要な地位をしめています。
実権を握る真理亜が亡くなった後の権力を巡って
争いが起きています。
そんな中で現在の社長が殺されます。
社長の双子の妹の星弥が社長として有力視されています。
しっかり者の星弥ですが後半は誰かに操られたように
ぐだぐだです。

探偵役は京介のはずですがあまり活躍する場面はなく
蒼が中心となって書かれています。
真理亜がずっと心から離れなかった幹助がフェリッティ
を殺したという状況は実際にはこうではなかったかと
京介が推理します。
この部分はちょっと強引です。
京介の推理で救われた人がいます。
もしかしたらまったくの的外れの解釈かもしれないと
思うのですが、それで救われるのなら信じた方が
心が楽になりますものね。

ピース

2013-03-19 21:13:13 | 

樋口有介著"ピース"を読みました。
連続バラバラ殺人が起きる話です。
身元を特定されないようにするためとか、運びやすく
するためとかの理由ではなく殺された場所でバラバラに
されすぐ近くにちらばって置かれています。
バラバラにされた理由がわかりません。

秩父のスナックには常連が集まっています。
マスターは八田です。甥の梢路が手伝っています。
大学生の客の咲は誰とも話さずただお酒を浴びるように
飲んでいます。
梢路は死ぬまでの時をつぶしているだけのように虚無的
に生きています。
店の女性常連客が二人目の被害者となります。
担当する刑事の一人は定年まであと数年の坂森です。
坂森は八田が昔公安の刑事だったことに気づきます。

被害者がまたでます。
それぞれになんの繋がりもありません。
誰かに狙われているようだとの通報があってやっと
彼らの共通点がわかってきます。

マスターに梢路、どちらもなんか怪しそうな雰囲気を
醸し出しています。
きっとどちらかに違いないと読み始めに感じました。

殺人の理由が20年も前の出来事に由来しています。
きっと殺された人達もなんで?って思っていること
でしょう。
彼らのしたことは心無いことです。
しかし年月が経って思い知らせてやるみたいに殺して
どうなるものでもないでしょう。
今回の殺人は彼らの罪よりもはるかに大きいのでは
ないかと思います。

犯人がわかって一旦落着します。
しかし坂森はその奥にあるものに目を向けます。

坂森が方言でしゃべってたよりなさそうにみえて
確信をついてきます。

梢路や咲の生き方など説明されずに中途半端に
終了してしまった部分があります。

街の灯

2013-03-18 19:38:03 | 

北村薫著"街の灯"を読みました。
時は昭和初期です。
花村英子の父は士族の出で財閥の社長となりました。
お嬢様は学校へはフォードで送り迎えされます。
その運転手となったのが別宮みつ子です。
二人の時にはベッキーさんと呼んでいます。
当時は女性が運転することさえめずらしい時代でした。
ベッキーさんは剣も扱える人です。
物静かで洞察力があり謎のある人物です。

ちょっと不思議な出来事を解いていく話です。
主になるのは英子で、彼女も頭のいい人です。
ベッキーさんが時々にヒントを与えてくれます。

"虚栄の市"
自分を埋めて死んだ男のことが新聞に載りました。
鍬を借りて穴を掘りその側で毒入りの酒を飲んで死んで
いました。
同じ下宿の男が川で亡くなっているのが見つかりました。
二つの事に関係がありどんなことが起ったのか
見出します。

"銀座八丁"
学校では友達同士で本を使った暗号の手紙をやり取り
するのが流行っています。
兄の雅彦宛に小包が届きます。
暗号の話を聞いた友人から暗号を送るから解いて
わかった場所に来るようにと挑戦されます。

"街の灯"
夏に軽井沢に避暑に出かけました。
英子の友人の道子も避暑に来ています。
道子の婚約者の家でフィルムの映写を見ている時に
婚約者の妹の家庭教師が亡くなりました。
病死ではあるのですがその裏にある出来事を
見出します。

昭和初期といったらそんなに昔のことではないのに
まったく今とは違う雰囲気があります。
女性は銀座を一人で歩くことができなかったという
のは信じられないことです。
変わらないようでいてどんどん変わっているのですね。

凸凹サバンナ

2013-03-17 20:13:21 | 

玖村まゆみ著"凸凹サバンナ"を読みました。
田中法律事務所の田中弁護士は事務所を開きましたが
お客さんはほとんどありません。

やってきたのは健康食品会社の社長の粕谷です。
妻に離婚を切り出されその対応を依頼してきました。
しかし時間が経つにつれ妻と粕谷のことがわかって
きました。
粕谷が大事にしているペットの豚はハムにされました。

小学生のはるかがタレントになりたいとコンクールに
出たいが母親に反対されているので説得して欲しいと
依頼があります。

元大学教授といっしょに暮らしていた夫婦から依頼が
ありました。
血縁関係はなく特別縁故者として相続ができないかと
アドバイスします。

セットバックが必要な狭い道が家の前にあり車を
庭に入れるのに苦労しています。
道路にスロープを隣の家の前にはみ出る形で置いています。
隣の家とそのことでトラブルが起きている人から
依頼がきます。

一人暮らしをしている高齢者の女性を食い物にしている
人から守ろうと近づきます。
田中の抱えている秘密が暴露します。

彼の兄が現れます。
莫大なお金を要求されます。

なんだか悲しい話です。
真面目に生きてきたのに自分のせいではなく大きく
ゆがまされてしまった人はどうやってその後を
生きていったら幸せになれるのでしょう。

鎌倉河岸捕物控"シリーズ & "料理人季蔵捕物控"シリーズ

2013-03-16 20:16:48 | コンピュータ



佐伯泰英著"鎌倉河岸捕物控"のシリーズと和田はつ子著
"料理人季蔵捕物控"のシリーズを何冊か読みました。
読み始めるとくせになって次のが読みたくなります。
図書館の棚から適当に選んで借りてきては読んでいる
ので出版順ではないのでちょっとわからない部分が
出てきたりしますがたいして気にはなりません。
"鎌倉河岸捕物控"はいったい何年前だったかNHKで
ドラマ化されて放送されたことがあります。
当時はおもしろいとは思わず数回見ただけに終わりました。
最初から単行本として発行されているようです。
手にした本は2008年の発行とありますからそんなに
古くはないのですがもうぼろぼろです。
そして本を開くと煙草の臭いがプーンと臭います。
煙草の臭いが染み付いている本なんて始めてです。
よほど読まれているんでしょうね。
ファン層は中年以降の煙草吸いの男性が多いのかなと
勝手に想像しています。さてどうでしょう。
まだ読んでない本がたくさん残っていますから
しばらくは楽しめそうです。