三浦しをん著"木暮荘物語"を読みました。
木暮荘は小田急線世田谷代田駅から徒歩5分、築ウン
十年です。
木暮荘に住む人々の木暮荘内部での話だと題名から
思っていました。
ちょっと違いました。
木暮荘の住人の一人、あるいは数人ににまつわる
話の連作短編集です。
話しの舞台が木暮荘内ではなく外に広がっています。
それぞれの話につながりがあるようなないような、
読んでいてなんだかいらっとします。
全体に滑らかでないんです。話が変るごとに思考が
途切れてしまって嫌です。
最期の部分に雑誌の連載だったことが記載去れています。
年3回ほどで7編です。
1編1編を4ヶ月ほど間を空けて読む分にはたぶん
違和感はないのだと思います。
それぞれが完結した短編として読めばおもしろいです。
1冊の本となってまとめて読むとつらいです。
"シンプリーヘブン"
木暮荘の住人の繭には伊藤という恋人がいます。
3年前まで付き合っていてふらっといなくなった並木が
外国の放浪から帰って欄の部屋へやってきます。
しばらく3人での生活をすることになります。
"心身"
大家の木暮は別にある家に娘の家族が転がり込んできた
ため木暮荘の一室で1人で暮らすことにしました。
70歳を過ぎていますが友人の死を見てセックスを
したいと熱望します。
住人にどうしたらいいと問いただしたりします。
"柱の実り"
この話しに登場する人物は木暮荘の住人ではありません。
トリマーの美禰とやくざらしい男との犬を通した
付き合いの話しです。
木暮荘の庭で飼われているジョンが美禰にシャンプー
してもらいます。茶色か灰色の犬だと思われていた
ジョンは実は真っ白でした。
"黒い飲み物"
第1話で登場した蘭の職場のフラワーショップさえきは
喫茶佐伯と隣り合って、妻がフラワーショップを夫が
喫茶店を経営しています。
夫が夜中にそっと家を出ていき、帰ってきます。
浮気をしているらしいです。
"穴"
神崎は二階に住んでいます。一階に住む女子大生の
生活を天井の穴から覗き見しています。
"ピース"
一階の女子大生は光子。子供が生めない体だということが
子供のころからわかっています。
友人も亜季が妊娠しています。病院へも行かず結婚も
真面目に考えずいいかげんです。
トイレで生みしばらく預かって欲しいと赤ん坊を光子に
押し付けてどこかへ行ってしまいます。
赤ん坊に情をうつしていきます。
"嘘の味"
並木は蘭を思い切れずに時々フラワーショップの近くで
みつめています。
フラワーショップのお客さんの桑田さんに見つかります。
彼女の部屋に居候することになります。
桑田さんはちょっと変った人です。お金持ちで働いていません。