雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

うめ婆行状記

2017-10-30 11:34:54 | 
朝日新聞出版
発売日 : 2016-03-18

宇江佐真理著"うめ婆行状記"を読みました。
宇江佐さんの遺作だそうです
まだ続く予定だったそうです。
でもきちんと区切りがついたところで終わって
いますから、まだ続くはずだったのだという思いは
残りますがこれはこれで満足感があります。

うめは醤油問屋の娘に生まれました。
同心の三太夫に見初められいやいや結婚しました。
子供が三人生まれ大人になりそれぞれに生きる
道が定まりました。
夫が急死しました。
うめは若い時からの希望の一人になって生きたいという
願いを実行に移すことにしました。
お金は実父が残してくれたものを充てました。

家を借りて一人暮らしが始まりました。
隣に住む指物師の徳三の女房のおつたとは昔の知り合い
でした。
庭にある梅の木になっていた梅を取っておつたの指南で
梅を大量に漬けることから生活が始まりました。

実兄の甥の鉄平から相談事が持ち込まれました。
三十歳を過ぎていてもまだ独身でいます。
十年も前に好きな女の人がいましたが強烈な母親に
反対され以後独身をつらぬいています。
しかし付き合いはその後も続いていて鉄蔵という五歳に
なる息子がいます。
鉄蔵の母親のおひでと、祖母が鉄蔵を置いて姿を消しました。
鉄平の優柔不断さに見切りをつけたようです。
うめはこの騒動に巻き込まれました。

一人暮らしを始めていろいろな事が持ち込まれにぎやかに
なって行きます。
親類の女性たちとも本心を話すようになっていきます。

うめのこう生きたいというはっきりした主張が責任を
果たした今実現に移されました。
まわりの人々がそれに合わせて動き始めたように
思います。
楽しい本でした。

アンと青春

2017-10-20 09:39:57 | 

坂本司著"アンと青春"を読みました。
"和菓子のアン"の続編です。
杏子はデパートの地下にある和菓子屋のみつ屋で
アルバイトで働いています。
職場の人々のこと、お客さんとの出来事などが
描かれます。
楽しかったというより読んでいてなんか疲れて
しまいました。
こんなに細々としたことにあれはなんだろう、
どういう意味があるのだろうと考えたりするの
でしょうか。
誰でも仕事をしている中でどういうことだろうと
思うことがあり、考えたりしますからそれほど
おかしなことではないのかもしれません。
でもこういう風にまとめて差し出されると
もう充分と思ってしまいます。

お客に飴細工の鳥と言われる店員さん。
お嫁さんにお菓子でもって自分の望みをわかって
欲しい、実現して欲しいと伝えようとするお姑さん。
子供の将来の健康を気遣うあまり子供を大泣き
させるお母さん。
仲が良かったのにぎくしゃくしてきた仕事仲間からの
お菓子の贈り物。

本に対する思いって読んだ時の状況や体調などに
ずいぶん作用されます。
別の時に読んだらまた違った感想を持つことでしょう。

自転車のブレーキ

2017-10-19 09:22:21 | 日常の出来事
昨日用事があって自転車で出かけました。
途中でブレーキをかけたら手ごたえがなく、ブレーキに
繋がっているコードがピーンと目の前に出現しました。
切れてしまったのです。
ブレーキのコードって弾力性があるのですね。
だらんと垂れるのではなくまっすぐになろうとするのです。
びっくりしました。
だいぶ来てしまっていたので家に帰るより先に進んだ
方がいいだろうとそろりそろりと走りました。
ブレーキの右はダメ、左しか効かないと自分に言い
聞かせながら人が通ってない道を選んで進みました。
途中で自転車屋さんが目に入ったら直してもらおうと
思っていましたが必要とする時には見当たりません。

自転車でも整備不良だと罰金でしょうか。
名古屋は自転車保険の加入は義務だそうです。
入っておかなくてはと思いつつまだ入っていません。
この状態で人にぶつかったらちょっとの怪我でも
大事になりかねません。
早々に保険に加入しなくてはと思った出来事です。
今まで何十年と自転車に乗ってきましたが人に
ぶつかったことはありません。
でももう年ですから機敏さは鈍ってきています。

それにしても自転車保険の保険料は会社によって
2千円ぐらいから1万円越えまで幅があります。
いったいどこを選んだらいいのやら。

狩人の悪夢

2017-10-18 22:24:43 | 

有栖川有栖著"狩人の悪夢"を読みました。
ミステリー作家の有栖と友人の臨床犯罪学者の火村が
活躍します。
語り手は有栖です。
有栖は人気ホラー作家の白布施に招かれて京都の
亀岡の彼の家の夢守荘へ編集者の江沢と訪れました。
白布施の助手をしていた青年の渡瀬は二年前に
心臓病で急死しています。
彼は毎夜ホラーな夢を見ました。
その話を参考にして白布施は本を書いてベストセラー
作家となりました。

渡瀬の友人だという沖田という女性が訪ねてきました。
渡瀬が住んでいた獏ハウスで死体で見つかりました。
大阪の大学の准教授の火村が連絡を受けて亀岡へ
やってきます。
沖田が殺された夜は雷雨でした。
雷が木を直撃し道路上に倒れ亀岡から外部へ出られ
なくなっていました。
沖田のストーカーの大泉が沖田を追ってきて
いました。
大泉のものらしい手形が残っていて犯人は大泉だと
思われていました。

ところが空家の床下収納から大泉の死体がみつかり
二人を殺した犯人は別にいることがわかります。

外部から人が入ってこれない状態になっており
犯人は住人の六人の中にいると考えられました。

火村は人々に聞いてまわります。
有栖は火村についてまわり思考の手助けをします。
大学時代からの友人の二人はいいコンビです。

当人同士は納得して行った行為でも他の人たちからは
非難されてしまうということはあるのですね。
渡瀬が死んでいなければ彼が説明してこんな問題に
発展することはなかったでしょうに。
辛い状態に追い込まれてしまった犯人です。

dele(ディーリー)

2017-10-16 09:36:28 | 

本多孝好著"dele(ディーリー)"を読みました。
delesは削除のことです。
圭司は死んだらパソコンやスマホから指定された
ファイルを削除する仕事をしいています。
祐太郎は圭司に雇われています。
二人だけで仕事をしています。
圭司は車椅子を使っていてパソコンを扱う仕事をして
います。
祐太郎は死亡の確認など外で調査する仕事をしています。

死亡したら人には見られたくないて依頼するわけ
ですから、技術にお金を払うというより信用に
お金を払っているのだと思います。
でも祐太郎は内容を残った人に知らせないでいいのかと
圭司にせまり結局は見てしまうのです。
そして依頼者に関わっていきます。

死亡したら電子データをどうするのか決めておいた
方がいいという話を最近はよく聞きます。
私自身は見られたら困るようなデータはないだろうと
思っています。
見たところで人にはゴミでしかありません。
ただ他人に迷惑を掛けてしまうようなデータは普段から
持たないようにしなければと思っています。
そんな物も手にすることはないですけど。
個人データが残ったまま廃棄処分に出されるのはやはり
ちょっと待って欲しいです。
処分する時、データを削除することを理解している人が
いてくれることを願うばかりです。


殺されるかもしれないと思って、若い人が
依頼してきます。
病気で死が近い人が依頼してきます。
まだ死ぬとは思ってなかった人が突然死します。
いろんな事情で依頼してきます。

病気で夫と幼い娘を残していく妻が依頼してきます。
夫は妻が入院中に浮気をしました。
妻はそれを知っていて自分を苦しめようとしている
のだと疑います。
死にゆこうとする人がそんな暗い思いを残していく
ものなんだろうかと思いました。
しかし実際はやさしい気持ちからのものでした。

この仕事、相当数の依頼者がいて人が関わらずに
削除できないと、とても商売として成り立たないの
ではと思います。
電源が指定の時間入ってないことで死亡を感知すると
いうのですが、電源が入ってないパソコンにどうやって
侵入するのだろうと疑問に思います。

前回電源を入れた時から今回までの指定時間が過ぎていたら
指定のファイルを削除するソフトを作成し電源ON時に
起動するようにさせておけばいいのではと思います。
設定する時だけ関わればいいのですから。
うまく走ったかどうかの確認はできないかもしれません。
そんなソフトがありそうな気がします。
何かの都合で指定時間以上パソコンにさわっていなかった時の
ことを考慮しておかないといけませんね。

圭司と祐太郎、それぞれ何か抱えているようですが
けっこういい人みたいです。

ミレニアム1 ドラゴン・ タトゥーの女 上下

2017-10-14 11:07:16 | 

スティーブ・ラーソン著"ミレニアム1 ドラゴン・
タトゥーの女 上下"を読みました。
スウェーデンの作家さんだそうです。
英語圏以外の本って珍しいです。
あとがきにフランス語に翻訳されたものを日本語にし
それとウェーデン語の物と較べて手を加えたと
書かれています。
主要言語以外のものの翻訳はたいへんでしょうね。
数日前の新聞にいずれAIが自動翻訳していろんな国の
本が読める時がくるでしょうなんて書かれていました。
きっとそんな時がくるのでしょうね。

ミカエルはミレニアムという経済雑誌の発行人です。
実業家ヴェンネルストレムの不正を暴く記事を載せ
ましたが、名誉棄損で罰金と禁固刑の判決を受けました。

リスペットは警備会社の若い女性調査員です。
ヘンリック・ヴァンゲルという大企業の前会長から
依頼を受けミカエルの身辺調査をしました。

ミカエルは判決を受け会社から一時去ることにしました。
そんな時にヘンリックから仕事の依頼を受けました。
兄の孫のハリエットは40年前に行方不明になりました。
必死で探しましたが今だに見つかっていません。
ヘンリックは彼女は殺され、その犯人はヴァンゲル一族の
誰かに違いないと思っています。
ヴァンゲル家の歴史を本にするという表向きの仕事と
ハリエットがどうなったかの真実を調べる仕事とを
引き受けることになります。

リスペットは問題を抱えています。
世間とは馴染めない子で精神病と診断され病院に収容されて
いました。
彼女を信頼してくれる弁護士に出会い、彼が後見人となり
良好な関係を築いてきました。
彼が病気で倒れたため別の弁護士が後を継ぎました。
この男は悪徳というほかない人物で弱い立場の彼女を
レイプし、思いのままにしようとしました。
しかし誤ったのは彼女が弱い人間ではなかったことです。
黙って思いのままになるような彼女ではありません。

ミカエルは調査の過程でリスペットが自分を徹底的に調べて
いたことを知ります。
そして今回の調査に彼女を引き込みます。
彼女は中学も卒業していませんが、驚くべき才能の持ち主です。
コンピュータの知識は並外れたものがあります。
見たものを瞬時に覚えることもできます。

40年間ヘンリックが徹底的に調べたことを解くことが
できるわけがないと嫌々始めたミカエルですが新しい
展開が開けました。

実に恐ろしいことがわかってきます。
事件は現在も続行していました。
ミカエルは窮地に立たされます。

女性に対する侮蔑的な出来事はムカッとします。
強姦し、暴力を振るい、限りなく苦しめて殺害をすると
いう本のなんと多い事か。
そういうことしていいんだって教えているみたいに
思えることがあります。

ミカエルもリスペットもとてもおもしろい人物設定です。
特にリスペットは興味深い人物です。
こんな有能な人物が後見人の許可がなければ自分のお金でさえ
引き出せない状態に置かれているなんて理不尽です。
自分を傷つけようとする人は殺すと明確な信念をもっている
リスペットは雄々しいです。
おもしろかったです。

生活安全課0係 スローダンサー

2017-10-11 14:01:03 | 

富樫倫太郎著"生活安全課0係 スローダンサー"を
読みました。
テレビドラマで放映されていた小早川冬彦が
主人公の話しです。
ドラマでは相棒は女性ですが、本では高虎という男性です。
自由奔放の発言をする冬彦です。

自殺したとされる友人の死が、自殺のはずがないと
冬彦に調べて欲しいと依頼がありました。
亡くなったのは高橋慎吾です。
本名は真美です。
彼は性同一性障害です。
女として生まれましたが男だと思っています。
大学の友人たちは彼が男だと信じて接してきました。
依頼してきた倉木香苗と高橋と猫田という三人が
親友付き合いをしていました。

冬彦の私的なことで心配なことが起きていました。
冬彦の両親は高校生の時に離婚しています。
冬彦は母親と、妹の千里は父親と暮らしてきました。
父親は再婚し、子供も二人生まれています。
父がまた離婚間近で千里は行き場所を失いそうです。
冬彦に一緒に住んでくれるよう願っています。
母は精神を病んでいて実の娘でありながら受け入れて
くれそうにありません。

高橋は辛い過去を過ごしてきました。
体も男性に変更することを望んで貯金に励んできました。

スローダンサーって何か意味ある言葉なのかと思いました。
読み終わってもどういう意味なのかわかりません。
千里が知り合った老女が昔ダンサーだったという
エピソードがあります。
この女性もいったいどうして登場してくるのか
よくわかりません。

性同一障害だというとこうなんだろうという型が
作られてしまっているような気がします。
高橋の一生はこれからというのに残念です。
冬彦の両親はどちらも問題有りの人たちです。

暑いです

2017-10-10 21:46:40 | 日常の出来事
ここ数日暑いです。
汗だらだらです。
今は夏なのかと勘違いしそうです。
ほとんどの時間を2Fで過ごしています。
1Fに下りてみたり家の外に出てみるとさほどの
暑さではありません。
いつも居る場所が暑いだけなのかな。
掃除して片づけなければと思っていた扇風機が
活躍しています。

そういえばブーン、ブーンと耳障りな音を立てていた
パソコンが嵐の前の静けさのように今日は静かです。
ここ数日、音がするのかと思うとパソコンを立ち
上げる気にはなりませんでした。
このままおとなしくしてくれるといいのですが。
いつ動かなくなってしまうかとびくびくです。

レスキュードッグ・ストーリー 南アルプス山岳救助隊K-9

2017-10-09 21:00:00 | 

樋口明雄著"レスキュードッグ・ストーリー
南アルプス山岳救助隊K-9"を読みました。
ボーダー・コリーのメイとハンドラーの夏美、
ジャーマン・シェパードのバロンとハンドラーの
静奈。
川上犬のカムイとハンドラーの諒太。
犬たちとハンドラーたちの物語です。

短編集です。これだけの話しがあります。
第1話 遺書
第2話 山の嫌われ者
第3話 青天の霹靂
第4話 神の鳥
第5話 霧の中に……
第6話 帰ってきた男
第7話 父の山
第8話 サバイバーズ・ギルト
第9話 辞表
第10話 向かい風ふたたび
第11話 相棒(バディ)
特別収録 夏のおわりに

滑落して死を目の前にした男は別れてしまった
妻と子供に遺書を書きます。

頑丈な救助隊員の一人は雷が苦手です。
克服しようと頑張ったあげくがとんでもないことに
なりました。

雷鳥が絶滅の危機に瀕しています。
それなのに密猟をするものたちがいます。
救助犬も雷鳥に害を与えると非難され存続の危機です。

山で遭難死して遺体が見つかっていない人の亡霊を
見る者たちがいます。
亡霊は遺体を見つけて欲しい、家族の元へ帰りたいと
願っています。

二人で登り、一人が足を痛め歩けなくなったため
助けを呼びに山を下りました。
しかし残してきた人は亡くなりました。
助かった人は助けられなかったことを後悔し苦しみます。
仕事を辞め、酒におぼれ子供に心配されています。
そんな彼が山へ向かいました。

全部書くのはたいへんなのでいくつかを書いてみました。

山岳救助犬って実際いるのでしょうか。
犬が活躍する話、楽しいです。
でも人より小さい体で人と同じように行動する体力
あるのだろうかと疑問に思います。
荷物背負ってない分消耗少ないのかな。

翼がなくても

2017-10-08 21:00:00 | 

中山七里著"翼がなくても"を読みました。
ミステリーの部分は多少ありますが、この本は
スポーツ小説です。(そんなジャンルがあるかどうかは
しりませんけど)

沙良は実業団で陸上の二百メートル走をしています。
オリンピックを狙える位置にいます。
通勤途上で車に轢かれて右足を切断しました。
運転していたのは隣家の同い年で小中学時代は仲良く
していた相楽泰輔です。
泰輔は中学から引きこもりとなりそれ以降は付き合いは
ありません。
隣家からは何の謝罪もなく、御子柴弁護士を雇ったという
ことです。
まもなく泰輔は殺され、直前に保険契約が変更され
金額が五千万で保佐人は御子柴弁護士になっていました。

沙良は会社にいずらくなり退職しました。
テレビで義足で走る障害者スポーツを見ました。
沙良は競技用義足を作り、走り始めました。
標準記録は30秒50です。
沙良は38秒もかかっています。
義足を作ってくれた舘野は自分のチームを作る必要が
あるといいます。

テレビで来日中の世界的に有名な義肢製作者でスポーツ
インストラクターのデビッドを知りました。
沙良は紹介もなしにデビッドに会いに行き、義足の製作と
コーチを頼みました。
強引な沙良を見込んでデビッドは義足の製作を引き受け
大学の研究所と引き合わせてくれました。
はからずも舘野の言っていたチームができていました。

御子柴弁護士が登場して、沙良は高価な義足を購入して
います。
泰輔を殺したのは誰かはだいたい検討がつきました。

しかしなにかすっきりしません。
御子柴に、何が起きようとしているのか想像がつかない
わけはなく、知っていればそのままにはしておかない
人だと思っていました。
これでいいのかなぁ。

沙良が走ることに貪欲に取り組む場面は引き込まれます。
しかしこれほどのお金がかかるのではちょっとやそっとでは
やってみるかというわけにはいきません。
スポーツの種類にもよるでしょうけど、お金がある人が
できるものということになってしまいます。
もっと気軽に出来ないものなんでしょうか。

猫の傀儡

2017-10-07 21:00:00 | 

西條奈加著"猫の傀儡"を読みました。
猫が主人公です。

ミスジは行方不明になった順松の跡を継いで傀儡師と
なりました。
傀儡とは人をうまく操って猫の生活を平穏にする
仕事をします。
傀儡となったのは二十四歳の狂言作家の阿次郎です。

植木鉢を壊したと無実の罪で責められているキジの
濡れ衣を晴らしてやります。
ミスジは阿次郎をうまく操縦して真相に行きつきます。
阿次郎もカンのいい人です。

カラスに襲われている子猫を助けました。
子猫はユキと呼ばれ阿次郎が可愛がっています。
ユキは順松と同じ名の芸者に飼われていました。
その順松は文をやり取りしていた時雨という男と
行方不明となっています。
時雨が猫の順松の飼い主でした。

風呂屋の主人が殴られて犯人として十市という
男が捕らえられました。
十市は動くことが出来なくなった老猫の赤に餌を
やっていました。
十市の無実を晴らすためミスジは阿次郎を動かします。

矢を撃たれ子供たちに捕まった雌のカラスを助けました。
このカラスはミスジの天敵の三日月の奥さんでした。
猫が吹き矢で襲われることが起きています。

行方不明の順松と時雨の行方を捜します。
順松は本名をおもとと言い、子供の時に祖父母と両親を
押し込みに殺されています。
時雨の本名は里三郎でおもととはいずれ夫婦に
しようという話がありました。
おもとが親戚に引き取られたのち、里三郎は本家筋の
大西屋の養子となりました。
里三郎は家を出て、妻だったお絹は里三郎の弟の
佐吉郎と夫婦になっています。
はたして二人は無事に戻ってくるでしょうか。

猫が人間を操っているというのがおもしろいです。
猫の順松は勇敢な奴です。
ミスジは順松を手本にがんばっています。
子猫のユキは阿太郎をすっかり虜にしています。
阿次郎はミスジに最初こそ引き込まれていますが、物事を
見る目があります。
おもしろかったです。

パソコンの音

2017-10-07 10:46:59 | コンピュータ
今年は家の中の家電のあらゆるものが壊れていく年
なのかなぁ。
今はパソコンが壊れそうでビクビクしています。
ブーン、ブーンと音がします。
心が縮こまります。
この音を聞きたくなくて、ラジオや音楽を流して
いると時々音がとびます。
壊れるのは時間の問題と言っているようです。
まだ3,4年しか使っていません。
いまはパソコンの寿命も延びたというのにあまりにも
壊れるのが早いのではと思います。

秋霧

2017-10-06 21:00:00 | 
著者 : 大倉崇裕
祥伝社
発売日 : 2017-07-11

大倉崇裕著"秋霧"を読みました。
便利屋の倉持は末期の病人で上尾機械産業の
会長の上尾誠三に雇われました。
八ヶ岳の天狗岳に登る状況をずっと撮影してきて
欲しいという仕事でした。

深江は元自衛体特殊部隊員です。
山奥で隠遁生活をしていましたが警察の儀藤に
連れ戻され、霧と呼ばれている殺し屋を見つける
仕事を押し付けられました。

倉持は山で地上の服装で登ってきた落合という
若者に出会いました。


深江は須賀宝世という悪徳弁護士が隠れ家で皆殺し
となっているのを発見しました。

倉持は男女の殺し屋に拉致され、上尾になにを
頼まれたかと暴力を振るわれました。
助けたのは深江です。

長野の唐沢橋で過去に丸居という人が川に落ちて
亡くなっています。
殺人だと考えた人がいますが警察上部からの圧力で
事故だと処理されました。

何も知らないのに追われる倉持と、霧を追っている
深江とはやがて同じものを追われ、追っていることが
わかります。

霧を雇い殺人を依頼した人物と、それを察知して
べつの殺人者たちを雇い反撃する人物。
そこへまぎれこんでしまった倉持と深江です。

ハードボイルドと言われる小説です。

からくさ図書館来客簿 第五集 冥官・小野篁と剣鳴る秋

2017-10-05 21:00:00 | 

仲町六絵著"からくさ図書館来客簿 第五集
冥官・小野篁と剣鳴る秋"を読みました。

"月下の想い 前編・後編"
芸大の日本画を学んでいる古川から図書館に
庭で鳥の写生をしてもいいかと電話がありました。
古川は意識ぜず上村松園の画集を買っていました。
図書館に来た古川は道なしを連れていました。
憑いていたのは菅野雪江、会ったことはありませんが
画塾の先輩です。
彼女は松園を超えたいと願っていました。
古川と雪江は一緒に絵に取り組みます。

"親王の"アキナケス"
刃物店の山城正光と付き合いがある刀匠の黒崎が
突然亡くなりました。
黒崎はある親王から託されたアキナケスという短剣を
真似て作刀し、清い滝のお山へ納めようとしていました。
店へ買い物に行った篁と時子は店員の有馬に憑いて
虎の恰好で出てきた黒崎に出会います。

"八瀬童子 前編・後編"
八瀬の大将が千五百年の仕事を終えて天道へ行くことに
なりました。
茜、太田、時子、篁に清明を加えて退官祝いが
開かれました。

東京の高校生の瑞希は祖父に京都の八瀬赦免地祭りに
行ってある人の話を聞いてきてくれるよう頼まれました。
祖父は子供のころ祭りのとき「それがし一人の手柄
ではない」という人に出会いました。
詳しいことを聞かずじまいになりました。
その人は秋山神社に祭られている老中の秋山さまでした。

瑞希と出会った篁らは八瀬に出向きました。
秋山は公家の近衛基煕様、将軍徳川家宣のおかげである
ことが人々にわかってもらいたく、彷徨っていました。

最後の話には今まで出てきた冥官すべて登場です。
楽しかったです。

マカロンはマカロン

2017-10-04 10:51:30 | 

近藤史恵著"マカロンはマカロン"を読みました。
小さなフレンチ・レストランのビストロ・パ・マル
で起きる小さな出来事の謎をシェフ三舟が解決
します。
"タルト・タタンの夢"、"ヴァン・ショーをあなたに"
のシリーズです。
このシリーズ好きです。

"コウノトリが運ぶもの"
自然食品店を経営する安倍さんは乳製品アレルギーです。
乳製品を使わないでと予約して店に来ました。
フランスの陶器の鍋のことを聞いてきました。
彼女には鍋にまつわる後悔がありました。

"青い果実のタルト"
店では出していないブルー・ベリーのタルトを注文する
人が何人もいます。
ブログに載っていたからです。
店で出していないものが載る、アリバイ作りのためかと
シェフはすぐ言いました。

"共犯のピエ・ド。コション"
離婚前に前によく来ていた村上さんが久しぶりに
やってきました。
今度再婚することになりました。
相手は生物教師の隈川です。
中学生の息子の冬樹は隈川と仲がいいです。
偏食だった冬樹が骨のある肉や魚を食べるようになりました。

"追憶のブーダン・ノワール"
ブーダン・ノワールは豚の血を使ったソーセージです。
犬飼さんが食べたくないという婚約者に食べさせたいと
予約していきました。
シェフは無理強いを好みません。不愉快な顔をしています。
婚約者は内モンゴル出身の中国人、肉になじみのある所です。
なぜブーダン・ノワールを拒否したのでしょう。

"ムッシュ・パイヨンに伝言を"
近所のパン屋さんが試しに作ったプラリーヌ入りブリオッシュを
持ってきました。
店にいたイタリア文学の大学の先生の西田が話しかけてきました。
イタリアに留学していた時のアパートの一階のパン屋の女性と
親しくなりました。
蝶ネクタイをしていた西田のことをムッシュ・パイヨンと
呼んでいました。
病気で姿を消した女性はその後亡くなったと聞きました。

"マカロンはマカロン"
羽田野という料理人らしい女性が、若い女性と来ました。
シェフは知り合いではないかと思います。
はたして彼女はフランスで修行中の仲間のでした。
連れは彼女の店のパティシエールの岸部彩香です。
羽田野は女性だけで運営する店を持っています。
親を見舞うため帰った彩香は、マカロンはマカロンという
メッセージを送ってきて姿を消してしまいました。

"タルタルステーキの罠"
タルタルステーキは生肉を扱うため細心の注意を払わな
ければなりません。
それでも妊婦さんには食べて欲しくありません。
妊婦さんがいることを承知でタルタルステーキを予約して
きた客がいます。

"ヴィンテージワインと友情"
ワインの持ち込みで六人の予約がありました。
事前に届けられたワインは高級品です。
ワインは遥香という女性が家から持ちだしてきたものです。

ほっとなごむ話やむっとする話があります。
最後の話はひどいものです。
人に喜んでもらいたいという行動は相手を堕落させて
しまうこともあるのですね。
店の三舟、志村、金子、高築の四人は健在です。