宇江佐真理著"うめ婆行状記"を読みました。
宇江佐さんの遺作だそうです
まだ続く予定だったそうです。
でもきちんと区切りがついたところで終わって
いますから、まだ続くはずだったのだという思いは
残りますがこれはこれで満足感があります。
うめは醤油問屋の娘に生まれました。
同心の三太夫に見初められいやいや結婚しました。
子供が三人生まれ大人になりそれぞれに生きる
道が定まりました。
夫が急死しました。
うめは若い時からの希望の一人になって生きたいという
願いを実行に移すことにしました。
お金は実父が残してくれたものを充てました。
家を借りて一人暮らしが始まりました。
隣に住む指物師の徳三の女房のおつたとは昔の知り合い
でした。
庭にある梅の木になっていた梅を取っておつたの指南で
梅を大量に漬けることから生活が始まりました。
実兄の甥の鉄平から相談事が持ち込まれました。
三十歳を過ぎていてもまだ独身でいます。
十年も前に好きな女の人がいましたが強烈な母親に
反対され以後独身をつらぬいています。
しかし付き合いはその後も続いていて鉄蔵という五歳に
なる息子がいます。
鉄蔵の母親のおひでと、祖母が鉄蔵を置いて姿を消しました。
鉄平の優柔不断さに見切りをつけたようです。
うめはこの騒動に巻き込まれました。
一人暮らしを始めていろいろな事が持ち込まれにぎやかに
なって行きます。
親類の女性たちとも本心を話すようになっていきます。
うめのこう生きたいというはっきりした主張が責任を
果たした今実現に移されました。
まわりの人々がそれに合わせて動き始めたように
思います。
楽しい本でした。