雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

神楽坂謎ばなし

2016-06-30 11:20:00 | 

愛川晶著"神楽坂謎ばなし"を読みました。
武上希美子は出版社の編集者です。
両親は離婚し、希美子は父親のことを何も知りません。
母は亡くなっています。

落語家の書いた本が当たって、同じ路線で人気落語家の
寿々目家竹馬師匠の書いた週刊誌の連載コラムを
まとめて本にすることになりました。

担当していた上司が倒れたため、落語を知らない希美子が
担当することになります。
印刷開始する時になって、竹馬が気に入らない訂正せよと
言い出し大混乱になりました。

そんな時に父の寅市が倒れたと連絡が入ります。
希美子が病室に父を訪ねるとそこには竹馬がいました。
父が落語などを演じる神楽坂クラブの席亭をしていることを
初めて知りました。
父は倒れたことで弱気になりクラブを閉鎖すると言い出しました。
竹馬は希美子が寅市の娘であることを知り、寅市が復帰する
まで臨時に席亭を務めるようせまります。
条件として修正せず本を出版することを許可するといいます。
会社は喜んで希美子をクラブに出向させます。

希美子のクラブ勤めが始まります。
クラブで働いている父の妹の富子に会います。
落語の世界にもなじんでいきます。

父と母が離婚した理由を次第に知ることになります。

シリーズになっているようです。
その一冊目のようです。
まわりの人たちに振り回されて離婚に追い込まれて
いってしまったようです。

エデンの果ての家

2016-06-29 21:46:31 | 

桂望実著"エデンの果ての家"を読みました。
読み始めて前に読んだことがあることに気づきました。
この部分は読んだという所が所々あるのにどういう話だった
のかはさっぱり思い出せません。
最後まで読んでも読んだことあったかなぁという感じです。
こんなんだったらよかったと思った本を何回も繰り返して
読めば、何を読もうと考える必要はないし、面白いって
感じることが確実でいいのではないかと思ってしまいました。

和弘の目の前で弟の秀弘が母親殺しで逮捕されました。
両親は弟を溺愛していました。
秀弘が母を殺すことなど考えられません。
和弘は両親に疎外されていると感じていました。
大学に入学した時に三人から抜け出たのだと感じました。
和弘は大学を卒業後、盆栽の仕事をしてきました。
妻の久美子とは理解しあっている関係です。

父は当然、弟の無実を信じ無実を勝ち取るために闘って
くれる弁護士を探し回ります。
秀弘はやがて七という結婚を考えていた女性を殺した
ことでも逮捕されました。
七は母より数日前に風呂で溺死していて、事故死だと
思われていましたが母の死で七も秀弘がやったのだと
考えられました。

和弘は子供のころの秀弘の行動を思い出しました。
七は秀弘が殺したのではないかと考えるようになります。

わかりあっていない父と上の息子が逮捕された下の息子の
ために有利な証拠を見つけようと奔走します。

愛されていないと感じていた息子と、溺愛された息子、
どちらも辛い思いを抱えていました。

親子、家族って何なのだろうと考えさせられます。

秀弘側からは書かれていませんので実際に何が起こった
のかははっきりしません。
でも父と兄はこうだったのではないかということが
わかってきます。

ギリギリ

2016-06-26 21:00:00 | 
著者 : 原田ひ香
KADOKAWA/角川書店
発売日 : 2015-09-30

原田ひ香著"ギリギリ"を読みました。
章によって語り手が変わっています。
健児は同窓会で再会した薫と結婚しました。
薫は前夫を突然死によって亡くしたばかりでした。
薫はばりばりと働いています。
健児は売れない脚本家です。
家にいて家事もこなしています。

瞳の前夫の一太郎の母の静江からよく連絡がきます。
健児はテレビの買い替えなどの雑事の面倒を
気軽に引き受けています。

一太郎には冴子という愛人がいました。
一太郎の死後に瞳に連絡をしてきて、時々食事を
共にして話を聞かされます。
瞳は嫌でたまらないのに断ることができずに
出かけていきます。

静江から聞いた話をプロデューサーに話したところ
書くことになり健児は忙しくなりました。

静江は一太郎のいいところばかり思い出していますが
実際には問題があったことを知っています。

健児の仕事が順調に行き始めました。
しかし瞳は捨ててあったシナリオを読んで悩みます。

読みやすい話でした。
しかし少し離れるとなんかわからない話だなという
気がしてきます。
なんか軽々しい夫婦だと感じます。
それが悪いってことではないとは思いますが理解
しづらいです。

静江と健児の関係、おもしろいですね。
普通は老人の方が若い方に頼り切ってしまうものですが
健児の方が静江を必要としている感じです。

みつばの郵便屋さん 二代目も配達中

2016-06-25 09:27:58 | 

小野寺史宜著"みつばの郵便屋さん 二代目も配達中"を
読みました。
みつば郵便局で配達をしている郵便屋さんの話です。
シリーズ3冊目です。
女性配達員の筒井美郷が配属されてきます。
彼女の父親はやはり配達員でした。
配達で出会った人々との交流が描かれています。
身近にいてお世話になっている郵便配達員ですが
実際に顔を合わせることはまずありません。
ひとりでに郵便が郵便受けに入っているというような
錯覚に陥っていました。
配達してくれている人がいるのだということを改めて
思い知らせてくれました。

しかし配達先の家に招かれてお茶や食事まで振舞われる
ということが実際にあるかというとまずないのではと
思います。
でもこんな交流があったらいいのにと思います。

読んで気持ちのいい話でした。

白川郷 濡髪家の殺人

2016-06-22 21:00:00 | 

吉村達也著"白川郷 濡髪家の殺人"を読みました。
白川郷をモデルにしたらしいミステリーが週刊誌に掲載
されています。
作者の夏川洋介が編集長の桜木に連載を中止したいと
申し出がありました。
編集長の説得で続けられることになりましたが、担当
編集者の山内修三が殺されて首が多摩川の河原で発見
されました。
胴体は数日後に白川郷に取材にきていた記者にたまたま
発見されました。

夏川の小説では対立した濡髪家と水髪家が登場しています。
白川郷には暮神家と伊豆神家が存在して長年対立しています。

夏川は恋愛小説家でしたが行き詰っていました。
編集者の山内に言われてミステリー小説を書くことに
なりました。
山内が書き、夏川が文章を書き換え夏川の名で公表されました。

4年前屋根の葺き替えで屋根から落ちて寝たきりになった
米倉雄二が亡くなる直前に暮神家の息子の高史に
あることを打ち明けました。

伊豆神家の妻の雪乃と暮神家の真蔵は付き合っていました。
二人は占いで引き離されて別々の相手と結婚しました。
真蔵は雪乃が結婚した直後に東京に出て数年働いていました。

過去の出来事が起因となって繰り返された事件でした。
悲しい出来事です。

ロング・ロング・ホリディ

2016-06-21 21:00:00 | 

小路幸也著"ロング・ロング・ホリディ"を読みました。
大学生の生活を描いたものです。
こんな風な学生時代を送らなかったので、なんか
うつうつとしてこんな生活でいいのって思ってしまいました。
大学で講義に出て、残りのすべての時間は喫茶店での
バイトで過ごします。
バイトとはいえ、店は学生のバイトで切り盛りしています。
学生であると同時に仕事人なんです。

バイトの一人の幸平が主人公です。
大学生になって旭川の実家を出てそのまま東京で仕事を
している姉が札幌の幸平のアパートへしばらく泊めてと
やってきます。

社長と店長の不和で店長が店を辞めることになって、
バイトたちは原因を知ろうとします。

店の常連の高校生のヒロコは学校では浮いた存在です。
お金持ちのお嬢さんですが親にはかまわれていません。
東京で映画のオーデションを受けたいと思っていますが、
親は許しません。
喫茶店のバイトたちや集う人たちはなんとかしてやりたいと
思います。

喫茶店を中心にしてそこに関係する人々の出来事を
描いた話です。

ペトロ

2016-06-20 10:08:20 | 
著者 : 今野敏
中央公論新社
発売日 : 2012-04-24

今野敏著"ペトロ"を読みました。
警察小説です。
考古学教授の妻で同じ考古学者が殺されました。
現場の壁にはペトログリフが書かれていました。
古い日本の文字で神代文字といわれるものです。
同じ研究室の考古学講師の滝本が発掘現場で殺されました。
その側には楔形文字が書かれていました。
捜査一課の碓氷は文字を調べることになります。
ペトログリフに詳しい人を探して出会ったのは大学教授の
ジョエル・アルトマンでした。
日本語に胆嚢で、知識豊富なアルトマン教授の捜査に
協力したいとの申し入れは受け入れられ共に捜査することに
なります。

歴史の話、文字の話が多いです。
おもしろかったです。
一つの学問に特化するのではなく複合的に学問を組み合わせて
物事を考えることが必要だということは、現実に誰かに聞いた
気がします。
テレビとか新聞ではなく実際の人物に。
誰だったのかな。

犯人は知識を持ち合わせている人、すなわち身近にいる人と
いうことになります。

残された文字の意味は、そうきますか。

スーツケースの半分は

2016-06-18 10:07:11 | 

近藤史絵著"スーツケースの半分は"を読みました。
真美はニューヨークに行こうと夫を誘っても定年後にと、
話に乗ってきません。
友人たちとフリーマーケットに行って青いスーツケースに
ひきつけられ三千円で買ってしまいます。
スーツケースを持って一人でニューヨークに出かけました。

その後友人の花恵がスーツケースを借りて香港にでかけます。
ゆり香は付き合い始めた男とアブダビへ行きます。
悠子はフリーライターの仕事としてパリへ出かけます。

栞はパリで暮らしています。
悠子がパリに来た時にスーツケースがホテルで行方不明に
なりました。
スーツケースの問い合わせ、処理を頼まれます。

大学生の春名は亡くなった伯母からスーツケースを遺産と
してもらいました。
母の優美はじゃまだとフリーマーケットで売ってしまいました。
巡り巡ってスーツケースは春名の元へ返ってきます。
春名はドイツへスーツケースを持って留学に出かけます。

青いスーツケースは異なった人と次々と世界のいろんな国へ
出かけていきます。
彼女らは困ったことや嫌な事に出会いもしますが、最後は
良かったと思って帰ってきます。

ゆり香の話はひどかったな、いっしょに行った男が途中で
ゆり香を置き去りにして一人でホテルに帰ってしまいます。
彼女は声を掛けてくれた現地の女性の手助けですぐに
ホテルに帰ることができました。
読んでいてこの男にむかむかしてきました。
帰ってきたゆり香に言った「謝ったら許してやる」の発言。
ばかじゃないのって思いました。

一つのスーツケースが様々な思いを見てきました。

キャロリング

2016-06-16 21:00:00 | 

有川浩著"キャロリング"を読みました。
大和俊介を中心にして書かれていますが、大和が主役と
いうわけでもないです。
大和が勤めるのはエンジェル・メーカーという子供服
メーカーです。
社員4人の小さな会社ですがクリスマスに解散することに
なりました。
会社では一画で学童保育もしています。
社長は西山英世で、大和が子供のころから知っている人です。

大和は父親の暴力にさらされて生きてきました。
暴力は最初は母親に向けられていましたが、やがて大和も
対象になりました。
成長して体が大きくなり父親に立ち向かえるようになりました。
母親を守るために立ち向かったのに母親から立ち向かうことを
激しく叱責されるはめになりました。
両親は一旦離婚したものの、再度結婚しています。

大和は両親から離れやがて英世の会社で働き始めました。
同僚の柊子と付き合ったものの、大和の子供を持つことは
考えられないということで結婚に至りませんでした。

学童で預かっている田所航平の両親は離婚寸前で別居しています。
母親の方がバリバリ仕事をしていてハワイの支店で
働く予定です。
学童の他の子たちは他の学童へ移り今は航平一人です。
航平は父母を仲直りさせようと行動を開始します。
柊子と大和は航平を手助けするはめになります。

父の祐二は頼りない人です。
横浜の整骨院で見習いをしています。
整骨院の経営者は坂本冬美で祐二は彼女に惹かれています。
冬実は祖父がした借金の取り立てに困っています。
取り立てを行っている赤木ファイナンスは赤木と糸山と石田と
レイの4人です。
彼らも最後の行き場として赤木ファイナンスに集まってきた
者たちです。

やがて事件が発生します。

エンジェル・メーカーの社員たちは仲がいいです。
赤木ファイナンスの人たちも結束は強いです。
航平の両親の仲は元に戻りそうにありません。

ばらばらになって生きていくことになる人たちですが
気持ちよく読めました。

大和の両親に対するやり場のない苦しさ、悲しさって
わかる気がします。
暴力を振るわれてもそれでもそこから離れられないそんな
精神状態、理解できません。
大和は両親から距離をおくことしかできないでしょうね。

有川さんの作品なんですが、一つ前に読んだのが小路さんの
作品でなんだか雰囲気が似ていて同じ人の作品のような
錯覚に陥りました。

アシタノユキカタ

2016-06-15 19:54:48 | 

小路幸也著"アシタノユキカタ"を読みました。
札幌から熊本まで車で旅をするロードノベルです。
29歳のキャバクラ嬢の三芳由紀と10歳の女の子の
鈴崎あすかが片原修一のアパートを訪ねてきました。
あすかの母親の凛子は高校教師だった修一の教え子です。
両親に呼ばれて熊本へ行った凛子は入院しています。
あすかを凛子の元へ届けて欲しいといいます。
修一はもう10年も彼女とは会っていません。
いぶかりながらも三人で車で札幌から九州を目指します。

途中で実は修一と言っている人物が別人で修一の親友の
篠田高之だとわかってしまいます。
二人はずっと友人として過ごしてきて修一のことをよく
知っていて話を合わせることができたのです。
由紀も凛子とずっと親友として過ごしてきて凛子のことを
よく知っています。

由紀の後を元同居人が追いかけてきています。

凛子の父親は母親の再婚相手です。
暴力を振るわれていました。
無視されてきましたが、子供が出来なかったことから
跡継ぎとしてあすかを奪い取ろうとしています。
それを阻止し両親が彼女らに関わらないようにして欲しいと
頼まれます。

お金がないから飛行機より車での移動を選んだのに結構
宿に泊まったり、使わないはずの高速道路を走っています。
飛行機より安く上がったようには見えないです。

札幌から熊本に行くのに青森、仙台、金沢と通っています。
私が思い描くルートは太平洋岸を走っていくルートですが、
仙台から金沢へ行くなんて思いつかないのですが車で走る
にはその方がいいのでしょうか。
道路があれば太平洋岸だろうが日本海側であろうが真中で
あろうがいいわけですね。

親の子供への暴力の問題がこの本でも扱われています。

小路さんの小説は人を暖かい目で書かれているものが
多いです。
この本も気持ちよく読めます。

日本横断の旅、考えただけでくたびれます。
若い時ならやってみてもいいかもしれません。
二十代のころ、名古屋から札幌まで往復急行を利用して
旅をしたことがあります。
当時周遊券があって、急行までは自由に乗れたのです。
周遊券だけで旅行をしようと特急は使わずに往復しました。
行きはまだよかったのですが帰りは東京まであと2,3時間
の所でいらいらして叫びだしたくなりました。
東京で乗り換えでしたので、電車を降りて気分を鎮めることが
できました。
名古屋と札幌間、何時間かかると思います?
じつに24時間、一昼夜かかったんです。
この時、今後は決して長距離の電車移動はするまいと
誓いました。

揺れる

2016-06-14 20:08:15 | 日常の出来事
ここ一月ほど近所でビルの解体工事が行われています。
毎日毎日、我が家は激しく、あるいは小刻みに揺れています。
音も大きいです。
早く終わって欲しいです!
数日で取り壊されるのかと思っていたら約一月かかっています。
こんなに頑丈な建物だったとは思いませんでした。

近所ではビルの新築、ビルのメンテナンス、ビルの解体と
工事ラッシュです。
新築は工事の最初のころは多少音はしましたが、内装に
なれば音は聞こえてきませんし、まして近所の家を揺らしたりは
しません。
解体工事の大変さを初めて目にしました。
作るのと、壊すのは別物なんですね。

何かおかしい

2016-06-13 08:52:50 | コンピュータ
最近は本を読むのに飽きてきました。
ですので書くことがなくなりました。
まったく読むのを止めたわけではないのでぼちぼちと
書いていきます。
飽きたとはいえ、活字中毒というほどではありませんが読む物が
ないと落ち着きません。
パチンコとか競馬とか、中毒になると本当に病気なんだとか。
でも活字中毒なんていいますけど、これは言葉のあやに
すぎません。
同じように何かに夢中になっているわけなのに本当の病気に
ならないのはなぜなんでしょう。

現在のパソコンなんか気に入らないです。
もう二度とこの会社のものは買わないです。
最初から調子が悪くて保証期間中に一度修理に出しています。
今また同じ現象が出始めました。
キー入力がうまくいきません。
打った通りに入力されないのはストレスです。

それとどこか壊れています。
Windows10に勝手にパージョンアップされてしまった時に
壊れた時に元に戻せる用心をしておきませんでした。
正常に戻す方法がまったくわかりません。
なんとかしないと外から入り込まれたり、踏み台にされたり
更新がされないなど問題がでるのではと思います。
インターネットを見たりExcelを使ったりという普段使う
ソフトは問題なく動きます。
しかしregedit、コントロールパネルなどのシステム部分の
ソフトの大半が動きません。
それで表面的に正常に動いているというのが不思議です。

ひなこまち

2016-06-02 21:00:00 | 

畠中恵著"ひなこまち"を読みました。
しゃばけの若旦那のシリーズです。
若旦那は「お願いです。助けてください」と書かれた
木札を手にします。
連作短編集ですが一環して助けを求められます。

"ろくでなしの船箪笥"
小乃屋の七之助と冬吉の兄弟が困りごとを相談に来ます。
二人の祖父は上方の本家の隠居でした。
亡くなる前に船箪笥を二人に形見として残してくれました。
祖父が亡くなり船箪笥を持ち帰ろうとしたことろ本家の者たち
から何か引き出しに入れて持ち帰るのではないかと疑られます。
開けようとしても開けることができません。

"ばくのふだ"
若旦那は寄席へ幽霊話の落語を聞きにいきました。
話に引き込まれて聞いていると、武士が噺家に切りかかって
いきました。
夢を食べる獏がいなくなったと寛朝が困っています。
獏を捕まえてみると本島亭場久と名乗って噺を聞いた噺家を
していました。
食べた夢を元にして噺を作っていました。

"ひなこまち"
町では雛小町に誰がなるか騒然としています。
選ばれたものは大名の側室になることが約束されていると
噂されています。
於しなは古着を道端で売っています。
ぎりぎりの生活をしているのに売り物の着物を盗まれてしまいます。
柳原の土手の店で盗まれたものを見つけます。
その店は無料で着物のお直しをすることを売り物にして儲けています。

"さくらがり"
若旦那と妖怪たちは花見に行くことになります。
寛朝がいる広徳寺へ泊りがけで出かけます。
河童の寧々子が訪ねてきて以前のお礼に薬を置いていきます。
安居という侍が寧々子との話を聞いていて薬を譲って欲しいと
いいます。
安居は妻の雪柳をとても大切に思っています。
二人には子供がいません。
雪柳は仏門に入りたいと言っており安居は雪柳の気持ちがわかりません。


"河童の秘薬"
雪柳が訪ねてきます。
その時に小さな子供もいっしょでした。
しかしたまたまいっしょに入ってきただけで雪柳の知り合いではないと
いいます。
義之介と名付けられた子供と雪柳、安居のはどうなるのでしょう。

江ノ島西浦写真館

2016-06-01 14:55:43 | 

三上延著"江ノ島西浦写真館"を読みました。
有名な江ノ島ですが行ったことがありません。
行ってみなくてはいけませんね。

繭は江ノ島で写真館を営んでいた祖母がなくなったため
片づけのため江ノ島へ通うことになります。
繭は子供のころはよく祖母の元へ来ていました。
写真の手ほどきも受けました。
繭には琉衣という1歳ほど年下の男の子の友達がいました。
彼の両親は新興宗教に入っていて琉衣もその宗教を信仰
していました。
教祖や大人の信者たちは船で海へ出て行って沈んでしまいました。

繭は大学で写真を学び、琉衣は芸能界で活躍するように
なりました。
大学で繭は無理をしてまわりから嫌われていました。
信仰を捨てていない琉衣の祈る姿を写真に撮り、出来の良さを
見せたくてネットに上げてしまいました。
数人の友人しか見られないはずのものが世に出てしまいました。
琉衣は繭を非難して姿を消してしまいました。
繭はこの出来事の後、写真を止め学部を変更しています。

写真館を訪ねてきた馬鳥秋考と知り合い親しくなります。
写真館の片づけの手伝いをしてくれます。
裕福な家庭の人ですが何か問題を抱えています。

胸の内に屈託を抱えた人たちが江ノ島で問題に向き合います。

子供の時に植え付けられた宗教心というものは根強く
人の心に残るものなんでしょうね。
無神者だと言いつつもきっと私も日本的な神の世界に浸って
いることでしょう。