雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

指名手配 特別捜査官 七倉愛子

2017-08-31 21:00:00 | 

新見きよみ著"指名手配 特別捜査官 七倉愛子"を読みました。
七倉愛子は三十半ばの警察官です。
子供時代は親の転勤で海外を転々としました。
結婚して夫の海外勤務についていきました。
夫の不倫で離婚し、日本に戻って母親と暮らしています。
愛子は数か国語がわかります。
その知識で特別枠で採用されました。
ところが配属先は指名手配されている人物を探す
見当たり捜査をする部署です。
毎日外を歩き回っています。

窃盗で指名手配の藤森洋行を見つけました。
連れて行った所で彼は浅野満の免許証を持っており
その名で仕事もしています。
別人ではありますがこれだけ顔が同じ人物がいる
ことに愛子の同僚らは双子ではないかと思います。

浅野は殺人事件で犯人ではないかと疑われましたが、
確実なアリバイがありました。

二人の過去を調べました。
やはり双子でした。
二人が生まれた時には両親は離婚していました。
会うことなく暮らしてきました。

この双子の一人が殺されました。
殺したのは双子のうちの一人です。

双子の事件の調査の間に単独の事件も交えて話しは
進みます。
この双子、性格はかなり違っているみたいです。

思いもかけない警官という職業についた愛子の
仕事に対する思いも興味深いです。

お師匠さま、整いました!

2017-08-30 21:00:00 | 

泉ゆたか著"お師匠さま、整いました!"を読みました。
小説現代長編新人賞の受賞作だそうです。
作者の最初の本です。

桃は十五歳の時に六十ぐらいの算術家の清道に嫁ぎ
八年を一緒に過ごしました。
桃は特に学問をしたわけではないのですがこの間に子供達
に読み書きや算数を教えるようになりました。
子供は五歳ぐらいから10歳ぐらいの子たちです。
清道は亡くなり桃は引き続いて子供たちに教えています。

寺子屋のある場所は茅ケ崎の寺です。
小田原から15歳の春という娘が両親を川の増水で亡くし、
もう一度勉強がしたいからと桃の元へやってきます。
春は両親と酒匂川の畔で七輪で焼き物をする店をしていました。
寺子屋には九つになる大きな商店の娘の鈴が通っていました。
生意気で利発な学問好きな子です。
春は小さな子に混じっておさらいおさらいから始めます。
鈴は春に対抗意識を燃やしています。

桃はすぐに春の算術の才能に気づきます。
鈴も算術に意欲を持って取り組んでいます。
彼女らは桃の知識を超えていると感じます。

大岡越前が量地術を学ぶ私塾に通う子を探していると
和尚から聞いて桃は春を推薦します。
桃の幼馴染の大工の平助も見込まれて春と共に小田原に
通うことになります。
鈴は自分が推薦されなかったことに怒っています。

鈴は寺に算額を奉納することに意欲を燃やします。
桃は自分も学習しながら鈴の才能を伸ばすよう努めます。

春と平助が通っている塾の目的は氾濫を繰り返す酒匂川を
治めることです。
座学のみではなく彼らは実践しています。

主人公は一人というのではなく桃、春、鈴と三人という
感じです。
それぞれ成長していきます。
自分より能力のあるものを導くのはかなりつらいでしょうね。
まだ幼いのに学問へがむしゃらにむしゃぶりついている鈴。
これだけ学ぶことに夢中になる子を持ったなら現代の
親なら大喜びでしょうね。
鈴の親たちも応援してくれてはいます。
でも江戸時代の女性には能力を生かしていく場はあるのかと
少々心配になります。
でも求めれば開かれますものね。
春は自然と道が現れる人みたいです。

おもしろかったです。

夜中の風

2017-08-29 09:57:05 | 雑談

夜ふと目が覚めると顔の周りにそよそよと風が吹いて
いるのを感じることはありませんか。
私は時々あります。
初めのころは幽霊が通り過ぎていったのかとぼんやりと
考えていました。
幽霊話は好きではないけど、特に怖いとは思いません。
実際に幽霊だったとしても、そうかと思うだけです。

その次に思ったのははっきり目が覚めていないので
気のせいなんだろうなってことです。

でも最近は実際に風が吹いているのだと感じます。
最近はあまり眠れなくてはっきり目が覚めています。
そんな時にも風を感じることがあります。
いま寝室にしている所は換気のための穴が付いています。
ここから流れ込む空気が風となるのかとも思いますが
冬は別の場所を寝室としています。
そこは締め切っていますから空気がさほど流れるとは
思えません。
それでも風を感じることがあります。

半分寝ながら考えついたのは体から体温が部屋に流れ出し
部屋の中に温度差が生じそれが風となるのではと
いうことです。
まったくばかげたことを夢うつつに考えているものです。

僕と先生

2017-08-24 21:00:00 | 
著者 : 坂木司
双葉社
発売日 : 2014-02-19

坂本司著"僕と先生"を読みました。
"先生と僕"という本の続編です。
続編だと気づきませんでした。
"僕と先生 2"という題名にしたらいいのに、別に
ひっくり返す意味ないと思います。

頭がいい中学生の隼人と、名目だけ家庭教師の
大学生の双葉が出会うちょっとした事件を解く
話しです。

高価なチョコレートを買いに行って出会った出来事です。
チョコレートが一粒亡くなっていました。
一粒が二千円もするものです。

先輩の柏原さんはアルバイト先のマスターが親切に
してくれるのは好意があるからなのかどうか知りた
がっています。
隼人と双葉はその喫茶店へ様子を見に行きました。
マスターはトラブルを起こさないよう努力しています。

就活中の先輩が意地悪をされました。
面接中にエントリーシートを隠されました。
犯人は集団面接のメンバーの一人だと見当をつけます。

ラーメンを食べに行って、そのビルの掲示板に写真が
貼られているのに違和感を持ちます。
前に行った時は別の写真でした。
何のために貼られているのか疑問に思いました。

このシリーズ、読んでいて楽しくないです。
坂本さんの作品のほとんどは好きなんだけどね。
なんか話のすべてが平坦で、何が起きてどう解き明かしたか
はっきり認識しないうちに終わっているという感じがします。

七月に流れる花

2017-08-19 09:35:09 | 

恩田陸著"七月に流れる花"を読みました。
登場人物は中学生です。
その年代の人を読者に想定している本のようです。
でもこの本を中学生の時に読まなくてよかったと
思います。
ずっと引きずりそうです。
この状況に置かれたらものすごく怖いです。
こんな状況に子供を置くのは大人として無責任ではと
思ってしまいます。

ミチルは学期の途中で引越ししました。
そこは何かを隠しているような雰囲気の場所です。
夏休みに夏流城(かなしろ)での林間学校に参加する
よう手紙がきます。
夏休みいっぱい川と塀に囲まれた広い庭のある城で
暮らすことになりました。
参加しているのは六人の少女です。
大人はいません。
自炊して食事をし、それ以外は自由に暮らします。
水路を花が流れてくることがあります。
目にした人はその色と数を記録しなければいけません。
鐘が三回鳴ったらそろってお地蔵様のところへ行きます。

ミチルにはここに来ている目的がわかりません。
他の参加者の行動に恐怖を感じることがあります。

他の参加者は何のためか知っています。
最後には彼女にも知らされます。

なぜこんなことが行われるのかなぁ。
周りの人たちに理解されていることだし、もっとオープンに
したらいことなのに。
この状況に置かれて他の少女たちがこれだけ冷静に静かに
暮らしていられるものかと思います。
もっと泣き叫んだり苦しんだり暴れたりするもんじゃない
のだろうか。
どうして家族で行動しないんだろうか。
と、疑問がわく話でした。

きつねの嫁 居酒屋お夏六

2017-08-18 21:00:00 | 

岡本さとる著"きつねの嫁 居酒屋お夏六"を
読みました。

"梅干し婆ァ"
口入れ屋の龍五郎は梅干しを漬けるのが上手い
婆さんのお竹と知り合いました。
麻布へ出かける時はお竹のところへより梅干しを
食べるのを楽しみにしていました。
お竹は孫のお松と暮らしていました。
自分の身を守るには少し知能が劣るお松のことを
お竹は心配し、自分の死後のお松のことを龍五郎へ
託しました。
ちょうどお竹の家に泊まった夜にお竹は亡くなりました。
そうでなければお松の運命は大きく変わっていたでしょう。

"きつねの嫁"
三次は草鞋作りをしています。
油揚げが好きでお夏の店でも毎回食べています。
過去に何かあって生きる気力をなくしています。
おこんは豆腐を売って歩いています。
三次がおこんから油揚げを毎朝買うことから次第に
二人は親しくなっていきます。
三次は何かを始めることに躊躇しています。

"干柿"
お夏は昔世話になった槌右衛門が亡くなったと知らせを
受け上尾に出かけました。
途中で二十歳ぐらいの商人の娘のお光とおとものおたかと
出会いました。
気丈な二人ですが、お夏は二人といっしょに旅をすることに
しました
途中でお光の姉を死に追い詰めた男と出会います。

"しらすおろし"
お夏の店の近くに休み処を開いている平吉という男がいます。
店は娘のおもんに店をまかせ笠や草履を作ってくれる農家を
まわっています。
平吉はしらすおろしが好物でいつも食べています。
平吉が突然亡くなってしまいます。
おもんは平吉が匕首と黒装束を見つけてお夏に相談しました。
前作りの仲太郎という男が近づきおもんと結婚して店に
住み着きました。

4話目は姿の見えない敵の千住の市蔵が影にいます。

薫風のカノン 航空自衛隊航空 中央音楽隊ノート3

2017-08-17 21:00:00 | 

福田和子著"薫風のカノン 航空自衛隊航空
中央音楽隊ノート3"を読みました。
自衛隊の音楽隊に所属する人々の話です。
軽い感じのミステリー部分もあります。

中央音楽隊では全国の自衛隊音楽隊から集まって
競技会が行われます。
中央音楽隊のメンバーは全員参加です。
打楽器担当の真弓は今回の外部の審査員の一人が
気になります。
音大生のころ迷いがあってCDショップで店長に
悩みを話していた時に、客として来ていて励まして
くれた人が審査員としてきています。
ところが舞台から見たその人は別人でした。
あの人は名前を騙ったのか、誰だったのか。

佳音は沖縄から来た渡会と松尾の二人から交際を
申し込まれます。
渡会とは高校からの知り合いで友達で、恋人としての
交際が考えられません。
優柔不断の態度を仲間から責められる佳音です。

漫画家の朝霧マイカが取材にやってきました。
佳音らにストーカーにつけられているようだと
相談しました。
ストーカーとはいっても守られているようだといいます。

長野県で演奏するため温泉に泊まることになりました。
沖縄の松尾が現れました。
宿の女将とは幼馴染のようです。
彼女に頼まれてやってきたようです。
彼は幽霊が見えることがあります。
そのため呼ばれました。

那覇で自衛隊のコンサートが開かれ、佳音らは那覇に
きました。
コンサート日に台風が近づいてきています。

佳音に渡会とつきあうよう周りの人々がお節介を
やきます。
長年友達だった渡会との関係はどうなるでしょう。

機長、事件です! 空飛ぶ探偵の謎解き フライト

2017-08-15 21:00:00 | 

秋吉理香子著"機長、事件です! 空飛ぶ探偵の謎解き
フライト"を読みました。
軽くて明るく読みやすい本です。

間宮治郎は国際線の副操縦士としての初フライトで
パリのド・ゴール空港へ飛ぶことになりました。
第一機長は氷室翼、美人で冷静沈着で優秀な技術を
持ち、厳しい人です。
第二機長は幸村操雄は人懐っこい明るい人ですが、
やはり技術は優秀です。
チーフパーサーは多岐川麗美です。
パリ往復の間にいろんな出来事が起きます。

"氷の女王"
IT事業で裕福な北見が恋人の真理子と搭乗しています。
機上でプロポーズしようと高価な婚約指輪を贈ろうと
計画しています。
ところが指輪がなくなってしまいました。

"クリニャンクール事件"
パリでのステイでの出来事。
治郎らは大がかりな蚤の市のクリニャンクールへ出かけました。
治郎は熊のぬいぐるみを買いました。
高い値段を示されてそのまま買って慣れている人たちに
笑われたりの買い物です。
犬にまとわりつかれたり、その飼い主の女性にさそわれたり
ホテルに着けば、無料の食事券をわたされたりとおかしなことが
続きます。

"修道院の怪人"
修道院のサン・ミシェルに出かけました。
日本人の観光客数人が先に入場していました。
庭で女性が刺されて亡くなっているのが見つかりました。
見つけた男性は、犯人らしい男を見たといいます。

"機上の疑惑"
ピアノのコンクールのためにパリで学んでいる日本人ピアニスト
三人が東京に行くため乗っています。
鈴懸麻紀は十八歳の若さで優勝候補です。
彼女が発病しました。
発疹が現れ呼吸困難となりました。
あいにく医療関係者は乗っていません。
彼女の持ち物から氷室は病気の原因を突きとめます。
仲が良さそうな氷室と幸村の関係も明かされます。

飛行機を操縦する場面がとても詳しいです。
まるでそこにいるような感じがします。
作者は操縦したことがあるのかと感じました。
最後に両親と姉がパイロットだと書かれています。
なるほどとわかりました。
作家さんって自分が経験したことがないことでも経験者だと
思わせるよう書かれますが、家族に経験者がいれば
一番いいでしょうね。
登場人物たちみんな好感が持てます。

鎮憎師

2017-08-14 21:00:00 | 
著者 : 石持浅海
光文社
発売日 : 2017-04-18

石持浅海著"鎮憎師"を読みました。
殺人が起きると、憎しみから次の殺人が起きる
ことがあります。
その憎しみを断ち切るのが鎮憎師と呼ばれる人です。

学生時代の友人の石戸哲平と智秋の結婚式の二次会に
三年も連絡が取れなかった夏蓮が現れました。
幹事のひとみが呼んだのです。
彼らは大学のテニスサークルの仲間です。
三年前にサークル仲間の藤波が付き合っていた夏蓮の
首を絞め、自殺しました。
夏蓮は助かりました。
親が大学を辞めさせ広島へ連れ戻し連絡を絶たせました。

三次会はサークル仲間9人が集まりました。
翌日に全員で集まる約束をして別れました。
翌日に夏蓮は現れませんでした。
ホテルへ行く途中で殺されていました。

犯人はサークル仲間八人の中にいると思われます。
夏蓮を殺した犯人を殺そうとするものが現れると
考えられ、真穂の叔父が鎮憎師と呼んでいる沖田を
紹介してくれました。

三年前の事件の真相、今回の事件、起こるかもしれない
事件を突きとめるため真穂とひとみは沖田と連絡を
取りながら真相を探ります。

ちょっと強引な話です。
それはいろいろな解釈の一つに過ぎないだろうと思うのに
それに決定されて話は進んでいきます。
LGBTが重要な要素となっています。
でも、簡単にそうだろうと判断するなんて無茶だって
気がします。
最後はうまく鎮憎師がまとめてくれます。

扇動者

2017-08-13 21:00:00 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"扇動者"を読みました。
この本の主人公はリンカーン・ライムではなく、
キャサリン・ダンスです。
ボデーランゲジーによって嘘を見抜くキネシクスの
専門家です。
ダンスは麻薬組織のことを知っているかもしれない
セラーノを取り調べました。
ダンスはセラーノは組織と関係ないと判断しました。
部屋を出た直後に彼が組織の殺し屋だと連絡が
入りました。
セラーノに逃げられました。
ダンスは責任を取らされて民事部に移動になりました。
捜査をすることはできなくなりました。

ナイトクラブのソリチュード・クリークで火事騒ぎが
あり、人々が一斉に非常口へ向かったため死者、怪我人が
多数でました。
事故と思われましたが非常口をトレーラで塞いで
火事騒ぎを起こした犯罪であったことがわかります。
ダンスは民事部でありながら事件に関わっていきます。
セラーノを追う件にも内緒で関わっています。

作家の講演会が行われていたベイ・ビュー・センターで
銃撃されて人々が逃げまどい、窓を割って飛び出しました。
外は崖で下には冷たい海が広がっています。
崖で体を打ち怪我をする人、海にさらわれる人で残酷な状況です。
このパニックを引き起こした人物がいます。

一度は車で逃走する犯人を追い詰めたのですが人でいっぱいの
テーマパークのグローバル・アドベンチャー・ワールドへ
逃げ込みます。
ここでも犯人は人々を巧みに誘導してパニックを引き起こします。

ダンスの個人的な生活にもいろいろな問題があります。
恋人のボーリングとはいい関係です。
両親もサポートしてくれています。
娘のマギーは悩みを抱えています。
話してくれません。
ダンスは気づいていませんが息子のウェスにも問題があります。

パニックを起こさせているのは誰かに雇われている人物だと
わかります。
その理由を追います。

読み始めた最初から何か変だよね、ってもやもやした気分が
抜けませんでした。
ダンスが失敗したというけど、彼女だけの失敗だとは
いえないし、これだけで優秀な人材を閑職へ追いやるなんて
ありえない。
それなのに実際は事件に関わっていて叱責されることもない。
子供たちのこともいったいどうなるんだろうと心配になります。
もうダンスは警官でいられなくなるかもしれないという
気になります。

パニックになった人々の怖さを文章で味わいました。
文章上でも恐怖を感じます。
現実にこういう場面に出会ってしまったら安全に
逃れるにはどうするのがいいのでしょうか。
こう対処すべきというものがあったら知りたいです。

最後まで読んで、あぁこういうことだったのかと納得です。

ダンスの恋人のボーリング、本当に出来た人ですね。
こんないい人っているでしょうか。

静かな炎天

2017-08-12 21:00:00 | 

若竹七海著"静かな炎天"を読みました。
葉村晶は40代の女性です。
MURDER BEAR BOOKSHOP というミステリー専門店で
バイトしながら、白熊探偵社の探偵もしています。

バスにトラックが突っ込んで死者、怪我人が出ました。
巻き添えになったもう一台の車を運転していた女性の
母親が娘の残したお菓子のレシピが書かれたノートを
探しています。

以前に飲酒事故を起こした男が出所してきました。
男がまた問題を起こすのを密つけて欲しいとの依頼が
あります。
従姉が引越したらしく住所がわからなくなった。
探して欲しいとの依頼があります。
詐欺の電話を架けてきたのが知り合いのようだから
探して欲しいとの依頼があります。
あっけなくすべての依頼が片付いてしまいました。
こんなに依頼が集中したのにはわけがありました。

賞を取ったことがある作家が行方不明になって35年
たちます。
彼の友人たちを回って話を聞くことになります。

知り合いが病院で人質を取って立てこもっているらしい。
電話が架かってきてあれこれ調査を依頼してくる。
知り合いは犯人ではなく人質の方とわかります。
殺人が起きていて立てこもり犯はその犯人にされそうで
焦っています。
晶は思いついた話を聞かせます。
警察にはあんなでたらめを言って、といわれますが...

作家の角田港大こと本名角田治郎がやってきて自分が
死んだと思われた話をします。
火事があって焼け死んだ男がいます。
この男が角田治郎と名乗って15年住んでいました。
角田の戸籍を借りていたのです。
晶はこの男が誰なのか調べることになります。
何人かこの人だと思う人を探しにいくと生きていて
なつかしがります。

クリスマス・イブの日に晶は書店の店長の富山に
頼まれ本を一冊受け取りに出かけました。
まったく別の場所を教えられて遠くまで行ったり、
本を受け取ったらひったくられそうになります。
途中でケーキを買って来て欲しいだの、人形を
届けて欲しいだの頼まれごとばかり持ち込まれます。
老女を刺そうとしている現場に行きあたったりと
いろいろ起こる一日です。
最後にもうひとつある出来事が起きます。

読んでいるとちょっと疲れてしまう本でした。

淡雪の記憶

2017-08-11 21:00:00 | 

知念美希人著"淡雪の記憶"を読みました。
VIPを顧客に持つ神酒クリニックの医師、看護師が
活躍します。
そこに病院があるとわからない秘密の病院です。
庭に知らない女性がずぶ濡れで倒れていると、顧客の
梅沢から連絡がありました。
彼女は全生活史健忘を起こしていました。
何もかも忘れています。
精神科医の天久翼が普段の彼とは違い彼女に
惹かれています。

巷ではビルの13階を爆破する事件が起きています。
彼女は自分が爆弾を作ったということを思い出します。
その時の仲間に頭を殴られたらしいです。
津田美鈴という名前も思い出します。
まだすべてのことは思い出せません。

彼女は爆弾を4個作ったと行っています。
美鈴のマンションを見張っていた男らに見にいった
勝巳らは襲われました。
男がプロのボクサーに違いないと睨み検索して
身元を割り出します。

爆発の阻止、美鈴の健忘症の治療、美鈴の秘密と
神酒クリニックの面々は活躍します。

クリニックの医師の神酒と勝巳は格闘技を極めていて
とても強いです。
精神科医の翼は人の心を読めるし、看護師の真美は
優れたドライビングテクニックで車を操ります。
風変りな医師たちの物語、おもしろかったです。

まひるまの星

2017-08-10 21:00:00 | 

吉永南央著"まひるまの星"を読みました。
コーヒー豆と和食器を売る小蔵屋の経営者の草が
主人公のシリーズ5冊目です。

小蔵屋の隣の駐車場に町の祭りの山車蔵を移転したいと
山下から話がありました。
今ある場所の土地を売りたいからというのが理由です。
大きな山車蔵が建ってしまうと商売に影響がでます。
草は別の場所がないか調べます。
鰻のおがわの近所に使われていない土地があります。
ここはどうかと思います。
しかしおがわの清子が大反対をします。
草の母の瑞は二十年前に亡くなっています。
瑞と清子は親友でした。
ところが仲違いしたままになっています。
娘の草も今でもおがわへは行っていません。
理由はわかりません。

清子の息子の滋は店を継いでいます。
妻の丁子とはずっと別居していて離婚話がでています。
丁子は実家で娘の瞳と暮らしています。
ずっと疎外されていると感じていました。

おがわの近所の土地は昔その土地に工場を持っていた
飯野の息子が買い戻しました。
囲われたその土地には何があるのかわかりません。
飯野は競売で土地を買い戻したのでどうなっているのか
知りません。

瑞と清子との仲違い、滋の別居の理由が草にはだんだん
わかってきます。

二十年も隠し通された秘密が暴かれます。
飯野の適切な処置でようやくに解決へと向かいます。

こんなことで貴重な年月を苦しみで費やすことになる
なんてもったいない。
お客さんに対しての裏切り行為だしね。
家族が分解する苦しみを味あうくらいなら別の方法が
あったのではと思ってしまいます。
自分一人の問題ではない、近所の人たちがどう考えるか
あってこうしなければと思っても出来ないことも
あるのでしょうけど、なんだかなぁ。

坊主金 評定所書役・柊左門 裏仕置(一)

2017-08-09 11:02:57 | 

藤井邦夫著"坊主金 評定所書役・柊左門 裏仕置(一)
を読みました。
裏仕置という題名のようにテレビドラマの仕掛け人
みたいな内容です。
左門は取り上げられなかった訴状の中から何とか
してやりたいというものを取り上げ裏で始末
していきます。
御数寄屋坊主の大河内道春、浪人の加納紳一郎らが
左門の仲間です。

"裏仕置"
呉服屋の松丸屋の主は詐欺に会って首を括って
亡くなりました。
松前屋の奉公人だった13歳の娘千代が訴状を
書きました。
この件には北町奉行所の与力の田中も関わっています。

"女掏摸"
三人の娘が行方不明になっていて、その行方を捜して
欲しいとの訴状がありました。
娘たちは松田藩の江戸下屋敷のあたりで消えています。
屋敷には殿様の弟が国元から来て暮らしています。
知り合いの掏摸のお蝶を探索に加えます。

"強請者"
料亭の花清の亭主の清兵衛から御家人の宮田小五郎が
強請りを働いていると訴状がありました。
宮田は世話になった秀峰堂に騙した巻き上げた金を
返せと清兵衛に迫っています 。
上手い話を持ち掛けお金を奪い取っているのは清兵衛と
与力の溝口の方です、

"坊主金"
稜泉字の住職の浄雲が孤児たちに貸した金の取り立てを
させているとの訴状がありました。
浄雲は孤児たちの面倒を見ており、金貸しもしています。
しかしまともな取引です。
納戸頭の佐藤帯刀の息子の涼一郎は浄雲から金を借り
ながら返そうとせず、浄雲を殺そうとします。

気楽に読める本です。
最近はこんな本が好きです。

島帰り 秋山久蔵御用控

2017-08-07 21:00:00 | 

藤井邦夫著"島帰り 秋山久蔵御用控"を読みました。

"計り事"
一膳飯屋の文七が仙吉という地回りを殺したと
同心の風間鉄之助に捕まりました。
浪人の佐藤新八郎が文七が仙吉を殺すところを見たと
告げて姿を消しました。
文七は無実を主張しています。
文七の父親は過去ぬ無実の罪で風間に捕まったことが
あります。

"島帰り"
黒沢左門は人を殺し島送りになりましたが10年ぶりに
帰ってきました。
黒沢は娘の菊乃が男に騙されたそうになりその男を
殺しました。
殺した男と関わりがあった口入れ屋の万蔵が殺されました。
菊乃は奉公先の米屋の恵比寿屋に見込まれ女房に
なっていました。
過去は隠しています。
黒沢は娘の幸せを守ろうとしています。

"取立屋"
女と揉めていた男が土佐衛門となって見つかりました。
甚八という遊び人でその仲間の伸吉も殺されて
見つかりました。
もう一人の仲間の清六と松崎、原田という浪人とで
桜香堂の主人を騙して自殺に追い込みました。
桜香堂に関わりがある者が殺していると見られます。

"大掃除"
浪人の高杉平内が一膳飯屋の福やの亭主とおかみさんを
人質にして御家人の大友恭之介を連れてこいと要求
しています。
福やにはおそでという娘がいました。
十年前に男に騙されて家出して行方がわかりません。
高杉はそのころから店に来ていました。