雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

林檎と蛇のゲーム

2014-09-30 21:00:00 | 

森川楓子著"林檎と蛇のゲーム"を読みました。
ティーンの棚にありました。
名取珠江は中学三年生です。
5年前に猫を拾いミルクと名づけて飼っています。
母はミルクを拾った数日後に事故で亡くなりました。
珠江は父と二人で生きてきました。
父が二週間の海外出張に行くことになりました。
父は18年も会ってなかった30年来の友人だという
水野という女性に家に住んでもらって珠江の面倒を見て
もらうことに決めてしまいました。
水野は愛想のない女性です。

ミルクがいなくなりました。
死体がゴミ袋に入れられて見つかりました。
変わり者で珠江の一家を目の敵にしている藤枝という
女性が捨てたところを近所の人たちに見られています。
珠江は藤枝の家に抗議に行きました。
そこで藤枝が血まみれで倒れているのを見て逃げてきます。

家に帰り水野に告げると父の部屋からベットの下から
取り出したスポーツバックを取り出しの中を見せます。
中には旧札で1億円入っていました。
警察に見つかるのを恐れて水野と珠江は逃げることに
なります。

藤枝は死んではいません。
回復して犯人は珠江だと嘘を言います。
一億円の秘密を珠江は水野から聞きます。
父と水野が小学生の時の出来事でお金を手にしました。
まっとうなお金とは言えませんが犯罪を犯して手に
したわけでもありません。
父は取りに来る人を30年も待っています。
お金には手をつけていません。

珠江は一億円があるばかりにトラブルの真っ只中に突入
してしまいます。
父は帰ってきたら却ってもっとトラブルからと帰って
くるなといわれて戻ってきません。
水野から父の子供のころのこと、お金を手にしたころの
こと、母のことなど今まで知らなかったことを聞きます。

唐突な話でしたけどおもしろかったです。
一億円を誰もがもてあましてやるといわれてもいらない
と断られてるのがおかしかったです。
旧札だと使うにしても難しそうです。

マルヴァ姫、海へ! ガルニシ国物語 上

2014-09-29 21:00:00 | 

アンヌ=ロール・ボンドゥー著"マルヴァ姫、海へ!
ガルニシ国物語 上"を読みました。
架空の国のお姫様の冒険物語です。
おもしろかったです。
マルヴァ姫は書いていた物語を持ち出されて人の
前でけなされ、結婚を決められてしまいます。
国を捨てて逃げることにします。
マルヴァの教育係りの信頼しているアルコンに逃亡の
手引きをしてもらいます。
マルヴァの小間使いのフィロメールが付いていきます。
船に乗ってロンバルデーニュを目指します。
しかし船長が船を捨てて逃げてしまいます。
アルコンが隠していた野望を実現するためマルヴァを
殺そうとしたものです。
彼女達は隣の国に流れ着き漁師に助けられます。
体が癒えた後彼女たちは水夫が話していた理想的な国の
エルゴリを目指します。

途中の草原で困っていた時に遊牧民バイグールの指導者
ウズミールに助けられます。
バイグールの敵アモイエットに襲われマルヴァはさら
われます。
マルヴァはオルニアン帝国のトミル=ガイ皇帝に捧げ
られハーレムに連れてこられます。
バルマンの少女レイとここで知り合います。
レイは医学的な知識がありマルヴァを助けてくれます。

小間使いのフィロメールがマルヴァの両親に宛てて
窮状を訴え援軍を送ってくれるよう文を送ります。
アルゴンのたくらみがばれます。
船2隻が送られます。
オルフェユスは父に嘘をつかれて24歳になるまで
海に出たことがありません。
今回応募に応じてエラバンダ号の水夫長として航海に
でることになりました。

船にはある出来事で口がきけない大男のバラビス、
双子の密航者の少年のガロッチョ、ペップが乗っています。

逃げたアルゴンはハーレムに客として迎えられマルヴァに
敵愾心をむき出しにしています。

マルヴィ、レイはオルフェユスらの命がけの救助で
助け出されます。

子供の時の気分にかえったようです。
わくわくの冒険者でおもしろかったです。

ことり屋おけい探鳥双紙

2014-09-28 21:00:00 | 

梶よう子著"ことり屋おけい探鳥双紙"を読みました。
おけいは江戸日本橋小松町で飼鳥屋のことり屋を
営んでいます。
結婚して五年、三年前に夫の羽吉は注文の鳥を探しに
旅に出たまま帰りません。
おけいは羽吉が戻ってくるのを鳥の世話をしながら
待っています。
九官鳥の月丸が羽吉の口真似をしてしゃべります。
戯作者の曲亭馬琴が店によく訪れおけいの相談相手に
なってくれます。
知り合った定町廻り同心の永瀬も無骨ながらおけいを
支えてくれています。

店にいろんなことが持ち込まれます。
連作短編のようになっています。
大店の娘が両親に気に染まない側女に上がることを
無理強いされています。
足の不自由な兄が橋から落ちて自殺したように見えます。
病気で寝込んでいる隠居の姿が見えなくなります。
喧嘩で追われている人物が見世物小屋から逃げ出し
怪我をしている白い鴉を持ち込みます。
売った鳥が飼い主が数ヶ月留守をしていて戻ってきたら
別の鳥と入れ替わっていました。
最後はおけいの夫の羽吉の顛末です。

最後はなんとも理不尽な話です。
仕方がなかったことなんでしょうね。
しかし気持ちを切り替えてこれから生きていける
のでしょうか。

かまえ!ぼくたち剣士会

2014-09-27 21:00:00 | 

向井湘吾著"かまえ!ぼくたち剣士会"を読みました。
馨一は高校生になりました。
中学までは剣道をしていましたが団体戦でチームに
貢献できなかったこと、体が小さく弱いということ
から剣道は止めると決めていました。
体育の授業で剣道の模範試合をすることになりました。
見に来ていた龍心に無理やり剣道の同好会に連れて
いかれます。
龍心は左手がありません。
二年生には中本、柴崎、湯原の三人がいます。
マネージャーは蓮です。
それぞれ個性的な面々です。
みんないろんなことを目指しています。
龍心には双子の妹の詩織がいます。
体が弱く今は心臓の病気で入院しています。
馨一は詩織のことが好きです。

団体戦の出場人数ぎりぎりの5人しかいない同好会の
それぞれが剣道に打ち込みます。
強いのに試合になるとかちかちになって実力がでない
柴崎。
スピードの中本。
妹のために剣道をしている龍心等々。

剣道の描写は目に見えるようです。
テレビで1、2度剣道の試合を見ましたがあっという
間に勝負は決まっていて何が起っているのか
わかりません。
文で読むとこんなこと考えて試合しているのかと
わかります。
作家さんは実際に剣道されるのだろうなと感じ
ました。
表紙裏の紹介文で剣道四段だと書かれています。
リアリティがあるのはそれでですね。

高校生が剣道に打ち込む姿がいいです。

僕の光輝く世界

2014-09-26 21:00:00 | 

山本弘著"僕の光輝く世界"を読みました。
高根沢光輝は中学時代いじめに会いました。
高校は同級生が行かない学校を選びました。
それなのにしばらく経つとまわりの人がよそよそしく
なりました。
橋から突き落とされる事件が起きます。
死んでもおかしくなかったのですが病院で目が覚めます。
目は見えてますがコップを掴みそこなったりとします。
やがて失明していると教えられます。
アントン症候群という病名を告げられます。
見えていないのに聴覚、触覚、嗅覚から得た情報で脳が
像を作り上げる症状です。

光輝はまんが家を目指していました。
本を手にすれば内容まで創造して内容が目に見えます。

光輝は中学生の神無月夕と知り合います。
夕は光輝をいじめていた秀人の妹です。
光輝は夕と付き合い始めます。
夕は意地の悪い部分も持っています。
姉がいない時に家に来ていた時に急に姉が帰ってきて
夕が消えてしまうという出来事が起ります。

ミステリーだと帯に掛かれていますが、本当にミステリー
らしいのは最後の話です。
"幽霊はわらべ歌をささやく"です。
作中作のような形になっていて本の中でも殺人が起き
現実にも殺人事件に遭遇します。
作中の話もおもしろかったです。
本当に大きく膨らませて1冊にしたらいいのにと思います。
横溝正史風になって今には合わないかもしれません。

本の中の光輝は前向きですけど、現実だったら理不尽に
失明することになってくやしいでしょうね。
アントン症候群って本当にあるのですね。
たぶん光輝みたいに鮮明に見えるのではないような
気がします。

ヒーローインタビュー

2014-09-25 21:00:00 | 

坂井希久子著"ヒーローインタビュー"を読みました。
プロ野球の選手の話です。
読んでいて最近同じような立場の人が出てきた本を
よんだなぁと感じました。
"ジャッジメント"です。
仁藤全はタイガーズに8位指名で入団しました。
10年あまりほとんど二軍で一軍で打ったのはほんの
少しです。
二軍ではのびのびと打っているのに一軍での試合は
かちかちになって顔色も悪くなりぜんぜん打てません。
全(あきら)はゼンと呼ばれています。

ゼンのまわりにいる人々にインタビューします。

庄司仁恵
ゼンの実家の近所の寂れた理容院バーバー胡蝶の
理容師です。
彼女はDV夫から逃げてバーバー胡蝶の蘭子の店に
行き着きます。
蘭子が亡くなって仁恵が引き継いでいます。
ゼンは仁恵が好きです。

宮澤秋人
高校生のゼンをスカウトした人です。
ずっとゼンのことを気にして見ています。

佐竹一輝
10歳ほど年下でタイガーズに期待されて入団した
投手です。
ゼンとは違って能力を発揮してどんどん活躍します。
佐竹はゼンを慕っていますし、ゼンには力があると
思っています。

山村庄司
45歳の中日の投手です。
怪我をして二軍にいた時にゼンと試合で会います。
調子がよくなったと思っていた時にゼンにばんばん
打たれます。
こんなところに能力ある人がいたのだとゼンを
気にするようになります。

鶴田平
高校時代の野球部のチームメイトです。
高校二年で甲子園に行きましたが1回戦で敗退です。
三年の時今年こそと思っていました。
父親が草野球で大怪我をしたと連絡がありバイクに
乗って病院へ向かい事故を起こしました。
無免許だったため野球部は試合禁止となりました。
鶴田はそれ以後ゼンに顔を合わせられません。

いろんな人がゼンとの思い出を語ります。
力を発揮しなければいけない時に発揮できない人です。
でも近くにいる人は彼を好いています。
二軍生活が長くても暗くなったり性格が悪くなると
いうことはありません。
選手としては心が弱い人ですが好きなことをして
生きているのですからこれでいいのかもと
思わせられます。

理不尽な雨

2014-09-25 13:38:55 | 日常の出来事
お昼ごろに自転車で買い物に行きました。
外は晴れ、雨が降るとは思いもよりませんでした。
帰りの空は暗くなっていました。
それでも家に帰りつくまではだいじょうぶと
思っていました。
家まであと1分というところで突然のどしゃぶり。
激しく雨はうちつけます。
家にたどり着いたら頭からぽたぽた雨を滴らせ
シャツはびしょぬれで肌に張り付いています。
服を着たまま頭からシャワーをまんべんなくかけた
という状態です。
何が腹が立つって、帰り着いたら雨は止んだと
いうことです。
雨が降っていたのはほんの1、2分のことです。
その後の天気は青空です。
なんて仕打ちなんでしょう。
狙い打ちにされた様で納得がいかないです。
天気に怒っていてもしょうがないですけどね。
私は目的地が自宅だったのですぐ着替えができましたが
出先で雨に降られた人は困ったでしょうね。


JAZZ

2014-09-25 10:55:28 | 音楽
ジャズも好きな音楽の一つです。
以前ノリタケの森で無料コンサートが開かれていて
ジャズの演奏も多くありました。
一番好きだったのはトランペットの長瀬良司さんが
リーダーのメンバーの演奏です。
その他にもたくさんのグループが出演していました。
ノリタケでコンサートが開かれなくなって聞けなく
なりました。

web上にJAZZRADIO.comというサイトが
あります。
30種類にも分類されたジャンルのJAZZが聞けます。
しかしどれを聞いてもなんか夢中になれません。
ライブ・ハウスのようなお酒を飲みながら聴くという
ような場所へ行く勇気はないです。
最近は小さな劇場でJAZZ演奏会が開かれることが
結構ありそちらへいってもいまいちです。
JAZZってタイプが多くて自分が好きだというのに
行き当たらないものですね。
たまにあぁ、いいなぁというのに出会います。
自分はこういうタイプが好きと言葉で説明できない
のがもどかしいです。
ボーカルが入ったものは好きではありません。
楽器だけの方が好きです。

愛知図書館にかなりたくさんのCDがあって借りられます。
日本の歌手のCDを見てみるとかなり古いものばかりで
最近は購入されていないなぁとわかります。
JAZZもたくさんあります。
しかしどれを選んだらいいかはさっぱりわかりません。
えいやあで選ぶしかありません。

そうやって借りたのは"UPIN THE THIRD"です。
ルパン三世です。
大野雄二トリオの演奏です。
これはよかったです。
また適当に借りてみます。
好きなのに出会えるかもしれませんから。

京都丸竹夷殺人事件

2014-09-24 21:00:00 | 

秋月達郎著"京都丸竹夷殺人事件 民俗学者竹之内春彦の
事件簿"を読みました。
たぶん秋月さんの作品は初めてだと思います。
テレビドラマになりそうな作品です。
ですから犯人も理詰めでなく雰囲気でこの人なんだろうと
だいたいわかります。
民族学者の竹之内は老舗の料理旅館の月の宮に下宿して
います。
月の宮は小比類巻ゆたか警部の住んでいる家でも
あります。
ミニコミ誌の記者の辻本千里も竹之内と共に事件に
関わります。
最初は千里が包丁をつきたてられた雛人形を見つけた
ことから始まります。
老婦人が贅沢な着物を着せられ、刺されて放置されている
のが見つかります。
しかし婦人は殺されたのではなく病死したのち刺されて
います。
その後も殺人が続いて起ります。
関係者の中には車で轢かれた人もいます。
やがて洛中女子大学の文学部の輿田教授の研究室に
行き着きます。
輿田は昔のわらべ歌の採集をしています。
竹丸夷という京都の通りの名を順につないでいく
数え歌の存在に当たります。
人形や死体が置かれた場所が歌の順の通りになって
いるのに気づきます。

京都に住んでいて通りの名が身近で頭に地図が思い
描ける人にはうんと楽しめることでしょう。
わかったような気分で読んでいる者にはいまいち
おもしろさがわかりません。

探偵役の竹之内さん、ゆたかに誘われるとほいほい
出かけて仕事はいつしてるのっていう気になります。
千里は竹之内が好きなようで竹之内が食事に行った
女性に嫉妬心を燃やしています。
こんな風に女性は嫉妬するものなのかと感心して
読みました。

ひらいたトランプ

2014-09-23 21:00:00 | 

アガサ・クリスティー著"ひらいたトランプ"を読みました。
たぶん過去に読んだことあると思うけどぜんぜん覚えて
いませんでした。
ポアロはシャイタナという人物にパーティに呼ばれました。
シャイタナは人と話していて相手の態度によって何を
したのかわかるといいます。
パーティに呼んだ4人の人物は皆人を殺したことがある
とポアロに告げました。
4人は一つのテーブルでブリッジをしていました。
ポアロは警部、諜報局員、推理作家と別の部屋に
いました。
シャイタナは4人と同じ部屋の離れた場所に一人で
いました。
シャイタナがナイフで刺し殺されているのが見つかりました。
ブリッジの合間に各々がほんの少しの間席を立つことは
ありました。
そんな隙を狙った犯罪でした。

4人の過去に殺人があったのか警部を中心にして調べ
られました。
それぞれそれらしき死が間近にありました。

現在の証拠からではなく過去の出来事や彼らの性格から
事件を追っていく感じの話です。

犯人はこの人だと思われていたのに別の人だったり
はたまたそれがひっくり返ったりと最後の方は目が
離せません。
しかし、若いころこの本を読んでいたらほぉ、すごいと
かなり感動したと思いますが今はあぁ、そうなんだと
思うばかりでさみしいです。
何事も夢中になれる時にしっかり浸っておかなければ
いけませんね。

給食のおにいさん

2014-09-22 21:00:00 | 

遠藤彩見著"給食のおにいさん"を読みました。
笹々目宗はシェフとして働いてきました。
自分の店を出しましたが火事で失ってしまいました。
1年間だけの予定で小学校の給食調理師として働く
ことにしました。
管理栄養士の毛利の下、調理補助の女性三人と働くこと
になります。
いろんな店で働いてきましたがどの店でもうまく合わせ
られずにきました。
学校の大量調理と決められた通りに作る作業に違うと
思いながら働いています。
おいしいはずだと自信を持って作った料理は子供たちに
受け入れられません。

毎日放課後に給食の残りをもらいにくる生徒がいます。
陽の母親はネグレストです。
食事は学校給食に頼っています。
夕食が食べられるかは母親しだいです。

タレントをしていた美玲は太りはじめて仕事がなくなり
ました。

元恋人だった上原枝衣子がシェフ給食を作りに学校に
やってきます。
枝衣子は雇われ店長ではありますがシェフとして有名です。
枝衣子は張り切って8品目を作ると宣言します。
毛利も賛成します。
しかし実際に調理する人たちは無茶な計画だと反対です。

瑠美と仁奈はモンスターチャイルドです。
それぞれ問題を抱えています。
陽は祖父母に引き取られることが決まり転校していくこに
なりました。
毛利は給食コンクールに出場しようと思います。
笹々目と瑠美、仁奈、陽をコンクール出場に引き込みます。

実力はあるのにうまく立ち回れない笹々目が学校給食の
調理員をして変わっていきます。
最初のうちはなんか読みにくいなと思っていましたが
しだいに馴染んでいきました。
自分が学校給食を食べていた時には食育なんてまったく
なかったと思います。
この本のように食に関して教えようとしているのは現実
なんでしょうか。

ジャッジメント

2014-09-21 21:00:00 | 

佐藤青南著"ジャッジメント"を読みました。
島原北高校で野球をいっしょにやっていた宇土が殺人で
逮捕されました。
弁護士になった中垣に宇土の妻で野球部のマネージャーを
していた塚原から弁護の依頼がありました。
高校卒業後ドラフトで東京アストロズに入団しましたが
ずっと二軍で過ごし6年後に戦力外通知を受けました。
殺したといわれているのはアストロズの榊監督です。
殺された日の夜に宇土は榊に呼び出されて会っています。
喧嘩別れして宇土はそのまま家に帰りました。
しかし警察は宇土と榊が歩いているのを見た目撃者が
いると宇土を逮捕しました。

宇土はピッチャとして絶対的な能力を持っていました。
島原北高校の野球部はぜんぜん力のないチームでした。
宇土がチームをひっぱって能力が開花しました。
地区予選を勝ち抜きました。

宇土と他のメンバーは喧嘩別れしました。
以来宇土と他のメンバーとの交流は途絶えています。

中垣は宇土が無実だと信じ調査をします。
裁判でも激しく戦います。
昔の仲間が調査に協力してくれます。
宇土は喧嘩っ早く約束は守らないと世間の評判がよく
ありません。

高校時代の野球部の話と、裁判の様子が交互に描かれて
います。
なぜ絶交状態になったのか疑問に思いながら読み進みます。
宇土の抱える問題は最後まで世間には明かされません。
野球部員たちの過去の出来事も公にはされません。

裁判の模様ははらはらしておもしろかったです。
裁判というものは正義が勝つというものではないです
から優秀な弁護士の力で左右されてしまうのだなと
ちょっとこわいです。
願わくば裁判には一生関わらずに済ませたいです。

最後まで読んであぁ、そういうことなのかとわかりました。
でもなんかすっきりしません。
これって犯罪にあたいしないのでしょうか。
数億の金が動く世界で損をさせたことになるわけです。
本人にとってもこの生き方がよかったのかどうか
わかりません。
現実にはこんな風に事実を隠すことはできないでしょうね。

水族館の殺人

2014-09-20 21:00:00 | 
著者 : 青崎有吾
東京創元社
発売日 : 2013-08-10

青崎有吾著"水族館の殺人"を読みました。
"体育館の殺人"の続編です。
高校二年生で使われていない部室に学校に内緒で住み
ついている裏染天馬が探偵役として活躍します。
"体育館の殺人"に登場する裏染がはなもちならない
嫌な雰囲気の少年だったのでこの本を読むのをためらい
ました。
この本での裏染はそんなに嫌な感じはしません。
変わっているなと思うぐらいになっています。

事件は水族館で起きます。
新聞部が取材に行っていて館長といっしょに事件を
目撃します。
水族館の目玉のレモンザメの水槽にイルカ飼育員の
雨宮が落ちてきてサメに上半身を食べられてしまいます。
落ちた直後に館長と新聞部が水槽の上部に駆けつけて
います。
殺人だとわかる様子がはっきり残っていました。

犯人だと疑われるのは飼育員と事務員の11人です。
犯行時刻には全員アリバイがあり警察は困ります。
一月前に能力を見せられた裏染がむりやり事件の
引っ張り込まれます。

裏染がいろんな証拠品から犯人を絞り込んでいきます。

犯人が捕まって犯行理由が理解できません。
なぜ殺人にまで走るのかな。
"体育館の殺人"よりこちらの方がいいと思います。

糸を手繰れば 結び屋おえん

2014-09-19 21:00:00 | 

志川節子著"糸を手繰れば 結び屋おえん"を読みました。
おえんは大店の女将さんでした。
芝居を見に行った時に不貞を疑われて12歳の息子を
置いて離縁されました。
実家を継いだ兄にも冷たくされ昔番頭をしていた
丈右衛門の世話で長屋暮らしをすることになりました。
家のことは使用人がしていて自分で身の回りのことも
したことがないおえんです。
丈右衛門が探してきてくれる仕立物で生活をしていく
ことになりました。
長屋の女将さんたちに最初は冷たくされますがだんだんと
仲良くなっていきます。

おえんは長屋の魚の仲買人をしているおりつと葉茶屋の
恭太郎との縁を取り持ちます。
このことから結び屋を始めます。
結婚はしないと拒む娘と絵の道に見切りをつけて別の
道へ進もうとする二人を会わせます。
連れ合いをなくしたご隠居同士を茶飲み友達として
紹介します。

息子の幸吉が母親がいなくなってあまり食事をせず
部屋に閉じこもっているという話を聞きます。
幸吉が人を騙してお金を巻き上げようとしている
場面に出会います。
幸吉は大人たちに不満があります。

おえんのことを信じずに追い出した元夫から復縁の
話がでます。

江戸時代の長屋で生きる人たちがいきいきとして
います。
これで完了というにはなんかすっきりとしていませんが
一人で長屋暮らしを始めたおえんがすがすがしいです。

折れた竜骨

2014-09-18 21:00:00 | 

米澤穂信著"折れた竜骨"を読みました。
おもしろかったです。
子供のころにこんな感じの冒険物語をよく読んでいた
気がします。
なつかしいなぁという感じがしました。
日本の作家さんの作品ですが舞台はイギリスの近くの
島国で登場人物は日本人ではありません。

騎士や魔法使いが登場します。
ソロン島と小ソロン島の二つの島からなるソロン諸島が
物語の舞台です。
アミーナの父のローレント・エイルウィンが領主です。
アミーナはファルク・フィッツジョンとその弟子の
ニコラ・バゴに出会います。
彼はトリポリ伯国の聖アンブロジウス病院兄弟団の
騎士で魔術師です。
暗殺騎士を追ってソロンへやってきました。

ローレントは呪われたデーン人がソロンを襲ってくると
いう情報を得て傭兵を雇います。
デーン人は昔からの敵で死んだ人たちです。
何人かのいろんな技を持った人たちが雇われます。
小ソロン島には領主の館があるだけです。
二つの島は渡し舟で行き来しますが波が荒い夜は危険な
ため通行の手段はありません。
ローレントが傭兵やファルクと会った日の夜に殺され
ました。
傭兵たちはソロン島にいました。
ファルクがアミーナに請われて殺人者探しをします。
ファルクは暗殺騎士が誰かを走狗(ミニオン)にして
殺害させたのだと言います。
ミニオンとは何をしたのか意識させずにいのままに
人を操ることができる魔術です。
ミニオンは自分が人を殺したことを覚えていません。
ファルクとニコラとアミーナは護衛や傭兵たちを回って
話を聞いて歩きます。

やがてローレントが恐れていたデーン人が島を襲って
きました。
傭兵たちは力をつくして戦います。
アミーナには新領主となる兄のアダムがいますが
なさけない兄は戦いが死闘をつくした戦いで
デーン人が逃げ出すまで出てきません。

戦いの後の宴には傭兵たちが集まっています。
その席でファルクは誰がミニオンなのか推理
していきます。

以外な結末です。
最後の結論で暗殺騎士とミニオンの関係がわからなく
なって一時あれ、と思いました。
弟子として師匠の命令に従っていたニコラが活躍します。
ちょっと悲しい結末です。
疑問に思うことが残りますが、冒険物でたのしい話でした。
"折れた竜骨"の意味は本を読んでください。
続編が出ればいいなと思います。