雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生

2013-10-31 20:07:02 | 

佐藤青南著"消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生"を
読みました。
実際に火事の現場で男性と同じように消火や救助をする
女性消防士の蘭を描いたものです。
父も消防士でしたが蘭が小さいときに火事の現場で中の
人を助けようとして亡くなりました。
蘭は大卒後横浜の湊消防署浜方消防出張所に勤務しています。
隊には五十嵐隊長、1年先輩だけど1歳年下の永井、荒川、
鵜久森、山根らがいます。
救助技術大会が開かれ新人はロープブリッジ渡過に出場と
いうことが多く、蘭も出場することになって先輩にしごかれて
います。
食事の支度や掃除、お茶だしも新人の仕事で寝る時間も
ありません。

蘭は自分の空気呼吸器の空気残量が減っていることに
気づきます。
点検は欠かしておらず誰かが空気を抜いたと考えられます。
そんなことが2度続きました。

離婚した元DV夫が再婚した妻と息子の家に押し入り
放火をします。
蘭たちの隊が消火に行きます。
母子を助けに家に入った荒川と蘭は錯乱した元夫と格闘
することになります。

蘭は自分を死んでもかまわないほど激しく憎んでいる人が
いることにおびえています。
状況から自分の隊の中にいる人ではないかと疑っています。
点検ミスだといっていた隊員たちも自分たちの誰かでは
ないかと疑心暗鬼になっています。

横浜に入港した豪華客船から火が出ます。
船には1600人もの人が乗っています。
乗客は乗組員に誘導され甲板に集まっています。
ヘリコプターでの救助が始まります。
全ての人を救助し終えるまで火が回らないよう消火活動が
続きます。
逃げ遅れた3人の男と少女が行き場を失って吊り下げられた
救命ボートに乗り移りました。
はしごに取り付けられたバスケットに体重が軽い蘭が乗り
4人を救助しに行くことになります。
絶体絶命の状態に陥ります。

蘭の空気呼吸器から空気を抜いた人がわかります。
蘭の同期の小野瀬に誰がやったのかわかりました。

最初のうちは隊のみんなからつらい言葉をなげつけられ
年下の永井にも厳しくあたられなんていう隊なんだろうと
思いつつ読んでいました。
しだいに受け入れられ仲間の一員になっていきます。
火事の場面も迫力あります。
がんばっている女性の仕事小説でした。
よかったです。
現実には現場で女性消防士が働くっていうのは体力的に
無理なんでしょうね

上位に登場するのは

2013-10-30 19:44:58 | 日常の出来事
gppブログではたまに"アクセス解析おためし"というのが
見られます。
正式に毎日見るには費用がかかります。
その宣伝でたまに1週間ばかり見られることがあります。

私のブログでどこをたくさんの人が見てくれているのか
上位20位まで表示されます。
そこにいつも入っているのは
"JAVA MsgBoxにあたるJOptionPane"と"江戸時代の
職人さんの生活
"です。
特に"JAVA MsgBoxにあたるJOptionPane"は1位になって
いることもあってびっくりします。
JAVAで書いたプログラムで実用化したのは1つしかありません。
それも本を見ながらテスト的に書いたものです。
今ではすっかり忘れて書けません。
前に書いた内容が正しいかどうかの判断さえできません。
そんなのを見てくださり申し訳ないなぁと思います。

"江戸時代の職人さんの生活"を見てくださる人は学校で
そういう勉強をしていてそういうサイトを探していて
来てくださったのでしょうか。
NHKの番組で杉浦日向子さんが紹介された話です。
杉浦さんはお亡くなりになってしまいましたが江戸時代に
ついての本をたくさん書かれています。
手に入るなら杉浦さんの本を読むといいかもしれませんよ。

意外なものが見られているのでちょっとびっくりです。

ジェノサイド

2013-10-29 22:00:13 | 
著者 : 高野和明
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日 : 2011-03-30

高野和明著"ジェノサイド"を読みました。
スケールが大きな話です。
ジェノサイドとは民族など抹消しようとする集団殺戮の
ことだそうです。
導入部はとっつきにくいですがあとは楽に読めます。
読んでいると人間ってこれほどまでに醜いものかと
絶望してしまいます。
しかし冷静になれば、これは人の一側面ですから
悪い方ばかりを見てだめたと絶望することはないと
思い返します。

古賀研人に突然死した父からメールが届きます。
本の紹介ではここから物語が始まると書かれています。
てっきり研人が主人公なのだと思っていましたが、彼が
関わるのは一部分だけです。
イェーガ、マイヤーズ、ギャレット、カシワバラの四人の
傭兵が集められます。
指示したのはアメリカ大統領です。

アフリカ大陸のコンゴでは紛争でジェノサイトが起こって
います。
ピクミーの集団の中に新人類が誕生したとの情報が入ってきます。
まだ三歳の子供ですがはるかに人を超える知能を持っています。
大統領は人間を脅かすことになるであろうこの子を抹殺
しようと考えます。
4人の傭兵はピグミー集団がエボラ熱に感染したため全員の
抹殺を命じられます。
それと共に今まで見たことのない生物を見つけたらただちに
殺せとの命令も受けます。

4人のリーダのイェーガの息子は肺胞上皮細胞硬化症を
病んでいます。
あと数ヶ月の命です。
闘病の費用のために参加します。

研人は死んだ父から研究を引き継いで欲しいと依頼されます。
隠れ家が用意されてコンピュータが2台に実験道具や
実験動物のマウスがいます。
研人は大学院生で創薬科学を学んでいます。
依頼されたのは肺胞上皮細胞硬化症の薬です。

訓練ののち4人はコンゴへ移送されます。
彼らは命じられたピグミーの集落へ着きます。
彼らはピグミーと暮らしているナイジェル・ピアーズ
に呼びかけられます。
ピアーズは彼らが来ることを知っておりここへ派遣された
本当の目的を彼らに知らせます。
彼ら自身も殺される予定なのも知らされます。
彼といっしょにいる見たことのない生物が人を超えた
知性の持ち主のアキリ(アメリカの大統領側はヌースと
呼ぶ)です。

イェーガは息子の命を救う薬の開発を約束されアキリを
アフリカから脱出させる側にまわります。
ギャレットは大統領を批判していて命を狙われています。
彼も参加し、後の二人も加わりました。

研人は大統領が動かした警察に追われています。
捕まったら拷問の末殺されます。
研人に韓国の留学生の正勲が手助けしてくれます。

コンゴでもアメリカが糸を引くいくつもの武装集団に
囲まれ進めません。
戦闘員でない住民たちが悲惨な殺され方をしていくのを
目にしますがどうすることも出来ません。
誘拐された10歳ぐらいの子供達の戦闘員におそわれます。
彼らは道具として使われています。
逃げれば後ろから撃たれますから突進していくしかありません。

あらすじはここまでにします。
ジェノサイドの部分は現実実があって気分がめげます。
一旦走り始めてしまった異常な集団を冷静にさせることは
難しいでしょう。
我々はそんなスイッチが入らないよう、問題が発生して
いない時にこそ充分考える必要があります。
大統領のひとりよがりは抑止する機能がないのかと思います。
これは創作の人物で創作の状況で現実ではないとわかっています。
多くの人々のトップに立ち何事も決定する権力が一人の人に
ゆだねられいるとしたならまるで神です。

新人類を助けることになった人々はいつか人間は彼らに
支配される側になるだろうということを理解しています。
それでも新人類を抹殺しなかったのは運命の流れに逆らっ
ても結局は流れは変えられないと考えたからでしょうか。
彼らが旧人類を労働力ととらえ抹殺することはないで
しょう。
新人類が突然変異で出現した自分達を定着させ繁殖して
いけるかどうかもわかりませんしね。

先の先を読んで綿密に立てられた大掛かりな脱出計画で
おもしろかったです。
でも自ら作り出した危機の中へ飛び込んでいったような
気がします。
彼らほどの頭脳があればこんな危険な計画ではなくもっと
安全な計画を立てられたのではないかと思います。

天翔る

2013-10-28 22:24:33 | 
著者 : 村山由佳
講談社
発売日 : 2013-03-20

村上由佳著"天翔る"を読みました。
まりもは小学5年生で父と二人で暮らしていました。
父を仕事の事故で亡くし祖父母と暮らすことになりました。
学校ではいじめを受けるようになりました。
学校へ行けなくなりました。
祖父母は無理して行くことはないという人達です。
貴子は看護師をしています。
子供のころに母の男にDVを受け今も男性に触れられると
パニックを起こします。
休みには志渡銀次郎が経営する乗馬牧場のシルバー・
ランチに行っています。
乗馬をしたり馬の世話の手伝いをしています。

まりもは貴子と出合って牧場に行くようになります。
志渡は厳しく指導します。
まりもは馬の世話も乗馬も楽しくやり通します。
牧場には編集者の近藤理沙が東京からしばしばやってきます。

俳優やタレントを多く抱える有名なプロダクションの
社長の漆原が牧場を訪ねてきます。
サラブレッドを数頭預かって育ててくれと頼まれます。
漆原は馬の競技のエンディランスに出会いこの競技に
のめりこんでいます。
海外で多数競技に出場しています。
エンディランスとは馬で160キロを24時間掛かって
走破するものです。
途中で馬の検査があり心臓の鼓動が数値以下でないと
先へは進めません。
危険な山の中を進みます。
暗くなると人間には先が見えなくなります。
まだ日本では知られていない競技です。
漆原は日本でも普及させたいと望んでいます。
理沙は漆原の前妻との間の娘です。

まりもは漆原にエンディランスに誘われます。
まりももやる気になります。
中学生になってまりもはリストカットをするように
なっています。

エンディランスで競技するにはクリアしていかなければ
いけないものがあります。
20キロ、40キロ、60キロ、80キロと完走させて
行かなければいけません。
14歳以下は大人が付き添わなければいけません。
漆原が引き受けていっしょに乗ります。

漆原と志渡には共通の不愉快な目に会わされた高岡と
いう男がいます。
高岡もエディランスをやっています。

まりもは順調に完走させていきます。
アメリカで開かれるデヴィス・カップに漆原と参加
することになります。

おもしろい話でした。
つらい状態に陥ると殻に閉じこもってしまうことに
なることが多いです。
でもまりもは多くの大人に出会い、彼らが生きていく
ことの手助けをしてくれます。
いい人たちに恵まれました。
志渡が力強く魅力ある人物です。
貴子は彼に惹かれています。
心の傷を乗り越えていけることでしょう。

まりもの人生はどうなるのでしょね。
彼女は非常に強い人ですが、それでもいじめは
人を打ちのめすものなんですね。
まりもはきっと馬と関わりのある人生を過ごすの
でしょうね。
馬と人の話は気持ちのいいものでした。


P.S
本とは関係ないことですが、名古屋の近くに笠松競馬場が
あります。
名古屋から岐阜へ行く電車から競馬場の近くに馬を飼育して
いる厩舎が見えます。
今日の夕刊に今年になってから馬が逃げ出す出来事が4件目で、
とうとう人が死ぬ事故が発生したと載っていました。
馬と車がぶつかって運転していた人が亡くなりました。
馬も死んだそうです。
本の中で近所の人とトラブルを起こさないために牧場の
柵を閉めることは徹底することと指導されています。
今日の事故は柵の閉め忘れで外に出てしまったとのことで
基本的なことがきちんとされてなかったようです。
こんなに何回も起きるなんていったい何なんでしょうね。

中山七里 佐藤青南 トークセッション

2013-10-27 16:50:25 | 
イオンタウン千種で行われた中山七里と佐藤青南の
トークセッションに行ってきました。
"サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・ 楯岡絵麻"
を読んで作者の佐藤青南さんのHPを見ました。
ここで中山さんとのトークセッションのことを知って
これは行かねばと思いました。
佐藤さんの本は一冊読んだだけですが中山さんの本は
大部分読んでいます。
どちらかというと中山さんに興味がありました。
優しい感じの人でした。
どちらの方もよくしゃべられますが特に中山さんは
いくらでもしゃべっていられる方とお見受けします。
主催者の書店の女性が質問して答える形のトークでした。
二人で自由に話してもらう方がきっとおもしろいのでは
ないかと感じました。

中山さんの執筆は3日でプロットを考えあとは一日中
ひたすら書くのだそうです。
話は書き始める前にすっかり頭の中にありただそれを
文字に落としていくだけだそうです。
ぜんぜん考えないで書き、読み返しも直しもしないと
いうことで驚くばかりの話です。
取材もしないそうです。
"さよならドビュッシー"は音楽を主題にした小説で
ピアノの演奏が文章となっているのですが、ご本人は
音楽に詳しくなくまったくピアノは演奏できないそうです。
知らなくても小説は書けるとおっしゃいますが、やはり
とうして?とすんなりと理解できません。
佐藤さんは中山さんと比べたら普通の人という感じがします。
ほんとに作家さんって不思議な人達ですね。
どうして書けるのだろうと思います。

天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語

2013-10-25 21:31:47 | 

中村弦著"天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語"を
読みました。
明治時代が舞台です。
笠井泉二は銀座のクリーニング店の息子に生まれました。
子供のころから孤独な絵の好きな少年でした。
小さな子供のころ仕事で鹿鳴館に出入りしていた親に
ついて鹿鳴館へ行きました。
鹿鳴館の館内に入り込んで建築の教授に出会いました。
泉二が建築家になるきっかけとなる出来事です。

夫を亡くした子爵夫人には亡き夫と共に過ごせる家の
設計を依頼されます。
いずれ自分も入るお墓ともなる家となりました。
いくつも作られた窓からは光が順番に夫の場所に差し
込むよう考えられています。

探偵作家には永遠に住める家を依頼されます。
田舎に作られた家は迷路となっています。
作家はその家に閉じこもって暮らしていましたが
ある日消えてしまいました。
永遠に住める場所へと行ってしまいました。

建築を学んでいたころの泉二の様子が語られます。
彼の能力には自分はおよばないと自殺した同窓生が
います。
自分の能力を過大評価して卒業後も泉二を蔑む
同級生もいます。

泉二は黎子と結婚しました。
はっきりとものを言う強い女性でしたが泉二といっしょに
なってやさしくなりました。
二人は信頼し合って幸せに暮らしていました。
泉二に同僚と共に半年間海外の建物を見学してくるよう
命令されました。
黎子は行くのを止めました。
「いったらあなたは以前のあなたでなくなる。わたしたちは
たがいをうしなう」
と出発の時黎子は告げました。
旅の途中で黎子がお腹の子とともに亡くなった知らせが
届きます。

建物のスケッチをしていた子供のころ近所の同じ年頃の
女の子と知合いました。
大人になったらこんな家を設計してあげると一枚の絵を
渡しました。
彼女は家が破産しその後悲惨な人生を送り今は成功した
男性の妻となっています。
夫は妻に別荘を建ててやろうと提案します。
彼女はずっと持っていた絵を描いた泉二に設計を依頼
したいと夫に頼みました。
彼女の故郷の長野に建てられる事になりました。
隠すことではないのに誤解されたくなくて泉二と知り合い
だと夫に告げませんでした。
かえって夫は誤解してしまいます。
川を跨いで家は作られました。
辛かったことを忘れられる家となりました。

ちょっと現実離れしたところはありますがいい話でした。
文章で書かれた家の様子はすてきで一度いってみたい
気にさせられます。
人々の希望をかなえ幸せにする建築家ですが本人は
孤独であまり幸せそうには見えません。
自分の心を癒す建物も建てなくてはね。

ロードサイド・クロス

2013-10-24 20:27:43 | 

ジェフェリー・ディーヴァー著"ロードサイド・クロス"
を読みました。
二転、三転してとてもおもしろかったです。
所作や表情を読み解くキネシクス分析の才能を持った
キャサリン・ダンスが主人公です。
有名なブログに書かれた話題で浮かび上がってきた
高校生のトラヴィスが槍玉に上がりました。
交通事故で同乗の三人の女子高校生のうち二人を死なせ
ました。
ブログでさんざんに叩かれました。
知りもしない人まで参加して徹底的に彼を貶します。
死を予告する十字架とバラの花束が道路脇に置かれます。
女子高校生二人が命を狙われました。
彼女達は事故についてトラヴィスを非難するコメントを
書いています。
犯人はトラヴィスだと思われました。
彼は姿を消しました。

コンピュータの教授のジョン・ポーリングがファイルの
追及やデータの解析、ゲーム内容などについて協力して
くれます。
ジェームス・チルトンが問題のブログの運営者です。
数々の政治的、社会的な問題を提議しています。

やがて死者も出ます。
事故の話題ではなく別の話題にコメントしている人で
チルトンのブログ全体に関係する人に対象が広がりました。

現在の事件のほかにダンスはいくつかの問題を抱えています。
前の事件で告発した人物が大物で圧力が掛かって起訴
されるかどうかわからない状態です。
なんとしても有罪を勝ち取りたいダンスです。
もう一つは看護師をしているダンスの母親が前の事件で
火傷を負って重態の刑事を安楽死をさせたとして逮捕
されたことです。
ダンスは当日の母の態度を思い出してもしかしたらと
疑いを抱きました。
母との間に壁が出来ました。

ポーリングがトラヴィスのゲーム仲間を見つけ出してくれます。
彼の話から犯人がトラヴィスではないのではないかと
考え始めます。

別の場所に引っ越したチルトンの友人夫妻が戻って
くることになりました。
その友人夫妻が狙われました。
チルトンも狙われます。

犯人が射殺され事件は終わったかに見えました。
まだ見つかっていないトラヴィスの救出に力が注がれました。

事件はまだ終わっていませんでした。
驚愕の犯人です。

母の事件ももちろん解決します。
お母さんの心は大きいです。
ダンスをよく見ています。

あわや殺されるという場面にダンスの機転で警察が
助けに入るということが数回あります。
ひやひやと、ほっとする場面です。
ポーリングも死んでしまったと思わせられました。

ダンスとポーリングとの恋が進行します。
心を通わせている古い友人はちょっとかわいそうです。
しかたありませんけどね。

ネットでの中傷は怖いですね。
普通の人が怪物にも異常者にもされてしまいます。
おもしろくて一気に読んでしまいました。

三途の川で落し物

2013-10-23 21:23:45 | 

西條奈加著"三途の川で落し物"を読みました。
なかなかおもしろかったです。
叶人は小学生です。
叶人は病院で自分が横たわっているのを上から見ました。
家族が呼びかけています。
叶人は三途の川に行きます。
ダ・ツ・エヴァ、漢字で書くと奪衣婆とけんえおう、
漢字で懸衣爺が待っていました。
叶人はまだ死んでいないのに迷い込んできたので帰れ
といわれました。
しかし残るというので三途の川の渡し守をしている
因幡十蔵と虎之助に預けられ仕事を手伝うことに
なりました。
十蔵は侍です。
何度生まれ変わっても親を殺す運命ばかりなので生まれ
変わりを拒否しています。
虎之助はやくざです。
生まれ変わっても人を殺しまくるので輪廻からはずされ
ています。

死んだ人は地蔵玉を持っています。
未練があると舟がゆれ地蔵玉が現世にまでが落ちて
いってしまいます。
落ちると渡し守の責任で現世まで姿を変えて探しに
行かなくてはいけません。
3人で地蔵玉を捜しに行きます。

くも膜下出血で亡くなった母親は娘のことが心配です。
3人は娘の所へ行きます。
彼女は母親から角膜をもらって移植手術をすることに
なっていますが手術を拒否しています。

息子に殺されたという男性がやってきます。
地蔵玉を追って家族に会いに行きます。
息子は引きこもりです。

九人を無差別に殺したという男がやってきます。
男は現場で撃ち殺されました。
地蔵玉を追って地上に降りました。
殺人現場に出くわして虎之助は理性を失って自分が
殺人に走ろうとします。
叶人に過去の人生でも怖い時には泣き叫び、怒れば
よかったのだと諭されます。

お祖母さんの地蔵玉を追ってきます。
心配していたモモは犬でした。
3人はわざわざおいしいといわれるラーメン店まで
ラーメンを食べに行きます。

叶人は友達の涼真と会います。
涼真は叶人のため何かしようとしています。
涼真を助けに行きたい叶人は願います。

十蔵と虎之助が手伝ってくれます。
叶人がどうして川に落ちたかの理由を打ち明けます。
彼らはむりやり地蔵玉を落として現世に行く機会を
作ります。
叶人が死んでもいいと思ったのはいじめのせいです。

叶人は現世に戻ることになります。
戻ったら十蔵や虎之助のことは忘れてしまうと聞かされます。
戻った叶人の前にまた地蔵玉を追ってきた二人が現れます。
ラーメンを食べにいくと話しています。
さてこの後はどうなるのでしょう。

侍の十蔵と乱暴者の虎之助は喧嘩ばかりしてしています。
そこに叶人が加わってこの3人のやりとりがおもしろいです。
十蔵と虎之助は仲が悪そうでいて結構仲がいいです。
それぞれの性格がはっきりしていてどの人も好きです。

神去なあなあ夜話

2013-10-22 20:25:25 | 

三浦しをん著"神去なあなあ夜話"を読みました。
"神去なあなあ日常"の続編です。
神去村で林業を修行中の平野勇気が語り手です。
パソコンに日々の出来事を記録している形式です。

勇気が部屋を借りている家のヨキ、ヨキの奥さんの
みきさん、繁ばあちゃんに、仕事にもついてくる犬の
ノコも元気に登場します。
おやかたさんの精一さん、奥さんの祐子さん、小学生の
山太も登場します。
祐子さんの妹で小学校の先生をしている直紀が勇気は
好きです。

知ったことや出会ったことなどいろんなことが書かれて
います。
神去村の起源を繁ばあちゃんが語って聞かせてくれます。
自動車学校へ送迎してくれる車の中でみきさんがヨキとの
なれそめや結婚までのいきさつを語ってくれます。
前の年のようなおおがかりなものではありませんが毎年
祭りはあります。
山や木を神聖なものとして大切にしています。

ヨキとノコと勇気とで山へ入った時に勇気は足をくじいて
しまいます。
途中で野宿することになりました。
火をたいてそのそばで過ごします。
20年前に村の人達が16人いっぺんに亡くなっています。
精一さんの両親もヨキの両親も亡くなっています。
その理由をヨキから聞きます。
村の大人がいっぺんに亡くなってしまったのです。
精一さんはその時高校生でしたが後を継いでおやかた
さんになりました。
高校生でありながらしっかり仕事を守りました。

山根さんが大切にしていたオコゼの干物を失くして
しまいました。
お稲荷さんにお参りにいくのに勇気はつき合わされました。
数日後にオコゼは山根さんの家に戻ってきました。
盗った人が返したのです。
お稲荷さんを信心している村人はお稲荷さんの力を
信じていてその力を畏れて返したのです。

山太はクリスマスを知りません。
学校で級友が話しているのを聞いてどういうものか
聞いてきました。
勇気たちはクリスマスのパーティーを開くことに
しました。
クリスマスツリーを飾ります。
精一さんの家に大勢が集まりパーティが開かれました。

勇気の気持ちは直紀に受け入れられたようです。

村の人達のつながりが強く気持ちがいい生活です。
自然を相手に仕事をしていく様子がとてもいいです。
ずっと続いてきた生活が壊れることなくこれからも
続いていくといいなと思います。

朝鏡を見たら

2013-10-21 18:55:08 | 日常の出来事
昨日瞼がかゆくてごしごしこすりました。
今朝顔を洗って鏡をみたら瞼が見るも無残に腫れ
あがっていて「なんだこれー」、って叫んでしまい
ました。
これがものもらいっていうものかしらと思いました。
今までものもらいってなったことがありませんので
よくわかりません。
お医者さんへ行かなくてはだめかなーと考えました。
そのまま2、3時間おいてまた鏡を見たらこころもち
腫れがひいたみたいです。
このまま治まっていくのかなぁと様子をみています。
まだ眼が重苦しいしごろごろします。
くしゃみもここ数日時々でます。
これは何かのアレルギーで花粉症みたいなものかとも
思ったりしています。
お医者さんへすぐに行ったらよさそうなものですが
医療費、薬代の高いこと。
今月は病気ではないのですが病院へ行きました。
医療費と薬代で1万円を超える出費です。
お金に羽根が生えて飛んでいくみたいな気がしました。
医療費は別会計とし、けちってはいけない費用と
心得てはいます。
そうはいっても一回で五千円とか一万円とか飛んで
いくので気軽に足を運ぶのをちゅうちょします。
こじらせてひどいことにならないよう見極めて
必要ならお医者さんへ行くようにします。

P.S
夜には腫れはほとんどわからないようになりました。
いったい何だったんでしょう。

思い出のとき修理します

2013-10-20 20:13:10 | 

谷瑞恵著"思い出のとき修理します"を読みました。
こういう穏やかな話は好きです。
仁科明里は仕事や人との付き合いに疲れ子供のころ
一夏を過ごしたことのある町へ引っ越してきました。
昔の活気のある町の雰囲気は今はありません。
閉店した店が多いさびれた町となっています。
"思い出のとき修理します"という看板を出している
飯田秀司と、神社に住んでいる太一という大学生と
知合います。
秀司は時計の修理を仕事にしています。
かつてはスイスで時計作りをしていたそうですがわけ
あって戻ってきました。
明里はかつて祖父母だと慕った人達の家を借りて
住んでいます。
その家は美容院でした。
明里は大人になって美容師になりました。
現在は美容師はやめてアルバイト生活をしています。

太一や明里は時々秀司の家で朝ごはんをご馳走に
なります。
秀司は穏やかな技術屋さんで太一は元気でずうずう
しいけど憎めない若者で明里は自身喪失している
女性です。
秀司には兄がいましたが秀司と車に乗っていた時に
事故死しました。
兄が弟に対してわだかまりを抱えていました。
兄が死んでしまったため秀司はすっきりと生きて
いけなくなりました。
明里は一夏をいっしょに過ごした祖父母だという
人達のことが忘れられません。
実際は関わりのない人達だったのですが説明不足の
ため祖父母と孫として楽しい時を過ごしました。

静かな幸せが漂っているような話でした。
明里と秀司は付き合い始める雰囲気です。

冷たい校舎の時は止まる 下

2013-10-19 20:33:23 | 

辻村深月著"冷たい校舎の時は止まる 下"を読みました。
下の方はすらすらと読めました。
この作られた世界では残酷な姿の人形となってしまっても、
現実の世界へと帰っていった人が半分になりました。
残っているのは男2人、女2人です。
梨香の生い立ちや現在の家族の状況が語られます。
幼年期や青年期に人に家庭環境が与える影響はその後の
人生を決定づけるといいますが、梨香の家庭は絶望的な
家庭です。
よくこの家庭でしっかり精神を保って生きているなぁと
感心します。
頭がいい子なのに母親はばかだとあざけり続けます。
上の妹はぐれて街を徘徊しています。
下の妹は引きこもりで自分では何も出来ません。
それでも梨香はしっかり生きています。
好きな先生やクラスメートがいることが支えでしょうね。

景子は医師を目指しています。
家族や親戚に医療関係者が多く子供のころから当たり前に
医師になるのだと思ってきました。
強い女性です。
生徒会をいっしょにやっている裕二が好きですが
拒否してしまいます。

菅原は中学時代に母親に命令されてひまわりという
学校から帰った後、家に人がいない家庭の子供を
預かっている施設で手伝いをしていました。
どちらもヒロと呼ばれている二人の子供に懐かれて
いました。
外国人の母を持つ子供も多くいました。
ヒロの一人はそんな子供でした。
彼ら親子は悲劇的な状況になりました。
それ以来菅原はひまわりに行っていません。

あと一人は深月です。
春子のいじめにあって精神的に弱って病院にかかっています。
彼女がこの世界を作り、自殺した人物ではないかと他の
人たちは確信しています。

この後解決編へと進みます。
最初から間違った方向へと読者を引っ張っておいて
こうくるかとちょっとびっくりです。
なるほどね、校舎に8人いるのに写真には7人しか
写っていなかった理由もうまくできています。

深月の心の傷が深いです。
心が弱いのでしょうね、理不尽な言葉を跳ね返す
力がないのです。
いじめを扱った話では孤独になって自殺にまで追い詰め
られてしまうことが多いのですが、この本はほんとに
めずらしいことですがいじめられている人に多くの
助けの手が伸びます。
反対にいじめていた人の方が追い詰められていきます。
まわりの人は普通に接していて、反対にいじめ返された
ということはありません。

現実離れした話ですが受け入れられます。
深い問題を描いたものではありますが、暗さは感じません。
登場人物のみんなが頭が良くてこの後は自分たちの
夢に向けて明るくスタートを切っています。

先生の榊の噂がよくみんなの口に上っています。
この人がどういう人なのかは最終段階で明かされます。

よく出来ている話でした。
おもしろかったです。

多摩湖畔殺人事件

2013-10-18 19:26:25 | 
著者 : 内田康夫
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日 : 2011-09-23

内田康夫著"多摩湖畔殺人事件"を読みました。
初版が1984年ですからずいぶん前のものです。
商事会社の社長の橋本圭一が多摩湖畔で死体で発見
されました。
仕事で丹波笹山へ行くといっていましたのにぜんぜん
別の場所で発見されました。
ポケットには「221588」「寺」と書かれた紙の
切れ端がありました。
橋本には千晶という病気でほとんで寝たっきりの娘が
います。
川内刑事が捜査にあたります。
胃の病気を抱えていますが、病院へ行くのを延ばして
捜査しています。
千晶はするどい頭脳をもっています。
父を殺した犯人を見つけるために非常な努力をします。
数字を電話番号だとし、全国の局番違いの同一の番号に
電話をかけそこが寺であるところを見つけ出します。
そこは山形の酒田です。
千晶に懇願され川内は酒田へ出かけます。
そこで圭一の痕跡を見つけます。

彼が別の男に「まるでハリのないハチみたい」ということを
話していたのを地元の人が聞いています。
またしても千晶の活躍でハリのないハチがなんであるか
調べます。

圭一は商事会社はまともな仕事をしていますが裏で
危ない別の仕事をしていたようです。
そちらの嘘の儲け話にのせられて命を落としました。

最後は川内が血を吐きながらの活躍です。
千晶の頭脳と川内の努力で事件が解決しました。
川内は千晶に父親みたいに慕われています。
彼は妻と娘を亡くしていますからどちらも引き合うものが
あるのでしょうね。
体より仕事で、血を吐くまでは仕事というのはやりすぎです。

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら あなたの淹れた珈琲を

2013-10-17 19:04:02 | 

岡崎琢磨著"珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら
あなたの淹れた珈琲を"を読みました。
事件簿となっていますがミステリーという感じはしません。
最初の方は連作短編集かと思わせます。しかし長編です。
京都の二条通りにレトロな珈琲店タレーランがあります。
アオヤマは付き合っていた女性から逃げるためタレーラン
に入ります。
彼が求めていたコーヒーを出す店でした。
バリスタは23歳の女性切間美星です。
アオヤマより一つ年上です。
バリスタ実星がちょっとした問題を解決します。
アオヤマの笠がなくなって女性用の笠が残っていた訳。
アオヤマが出会う小学生がいつも牛乳をねだる理由など。
アオヤマの知り合いの女性の恋人が別の女性と
付き合っている話などが最初の方に出てきます。

アオヤマはダーツ売り場である男と出会います。
再会した時に男は胡内波和と名乗りました。
バリスタの過去の話を聞かせます。
彼女が店に来る誰とでも親しく話をすること。
自分の中に閉じこもっていた男にも親しく話しかけ
男の心を開かせました。
男は勘違いして彼女に交際を申し込みましたが彼女は
断りました。
なぜ近寄ってきたのかと男は怒りました。
彼女に暗闇で襲いかかろうとして間一髪で人がやってきて
凶行は免れました。
彼女は心に傷を負いました。
前のように人と親しく話せなくなりました。

その彼女がアオヤマには親しくしています。
気をつけるようにと忠告をうけます。
胡内はしつこくバリスタを見張っています。
アオヤマは彼女を守ろうと決心します。
この後は胡内との駆け引きとなります。

勘違いしたストーカーは恐ろしいです。
しかし彼の受けた絶望感はわかる気がします。
その後にとった態度は間違っています。
どうやって立ち直るかでその人の真価が問われます。

おもしろくないというわけではありませんが読みづらい
文章で疲れしまいました。
バリスタにしろアオヤマにしろ複雑な思考をする人物です。
なぜアオヤマってカタカナで書かれているかは最後に
明かされます。

東慶寺 花だより

2013-10-16 22:37:27 | 

井上ひさし著"東慶寺 花だより"を読みました。
井上さんの本を読むのは初めてです。
東慶時は鎌倉の寺で駆け込み寺として有名です。
信次郎は医者の見習いをしていましたが滑稽本の作者に
なりたいと思っています。
江戸に住んでいますが縁のある鎌倉の東慶寺前の御用宿
の柏屋に暮らして本を書こうとしていますがなかなか
書けません。
八つになる柏屋の娘のお美代になつかれてお話を
せがまれては話を作って語ってやっています。

駆け込み寺にやってくる女性たちの話の連作短編集です。
それぞれの話は短くて数が多いです。
男性側からは簡単に離婚できるのに女性側から申し出て
離婚をすることができないとは今の時代からすると
なんということでしょう。
男性が三行半を書かないことには家を出たとしても
再婚することができません。
過去の仕組みに対して文句はふつふつと湧いてきますが
それはおいておきましょう。
唯一女性側から離婚したいといって出来る方法が東慶寺へ
駆け込むことです。

東慶寺に駆け込むとまず御用宿に預けられ関係者が
集められて今でいうところの調停がされます。
それでうまくいかなければ女性は24ヶ月間東慶寺で
過ごすことになります。
24ヶ月が過ぎると男性はどうしても三行半を書かなければ
いけません。
どんな女性でも同じ扱いなのかと思っていましたが
お寺もお金しだいでたくさんのお金を払った人は
遊んですごせます。
しかし何もない人は雑用をして働かなくてはいけません。
昔からお金が力を持っているのですね。
誰もが同じ条件で過ごしているのだと思っていました
からちょっと衝撃でした。

信次郎はなかなか書けなくて柏屋の聞き取りの手伝いを
するようになります。
大勢の女性が柏屋にやってきます。

最初のうちはとっつきにくく読むのを止めようかと思い
ましたがしばらくしたら楽に読めました。
でもあんまり記憶に残る話はありません。