雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

合理的にあり得ない

2018-03-24 21:00:00 | 

柚月裕子著"合理的にあり得ない"を読みました。
罠に嵌って弁護士資格を剥奪された上水流涼子と
その部下の貴山が依頼されたことを実行していきます。

"確率的にあり得ない
藤請建設の二代目社長の本堂仁志は一代目に
負けないよう経営しようとがんばっています。
仁志が頼ったのはクラブで知り合った高円寺という
予知能力のあるという男です。
重要な案件を彼の予知に頼るようになりました。
危機を感じた母親は上水流涼子に依頼してきました。

"合理的にあり得ない
恭一郎はバブル期にあくどいことをして財産を築き
バブルが崩壊する前に手を引きました。
妻を顧みず、息子は引きこもっていますが無視しています。
自分だけ快楽にふけっています。
妻の朱美が霊能者に入れ揚げ二千万円もの皿や壺を
購入していることを知りました。

"戦術的にあり得ない
関東幸甚会というやくざの親分の日野から依頼がありました。
日野は横山一家の財前と数年前から賭け将棋をするように
なりました。
場所は神の湯ホテルの竜昇の間と決まっています。
日野がずっと負けています。
何かの不正が行われていると疑っています。
その方法の解明をして勝つようにすることが依頼内容です。

"心情的にあり得ない
弁護士ができなくなった原因を作った男の諌間から依頼の
電話がありました。
許すことができない男です。
孫娘の久美が男を追って家を出たのを連れ戻して欲しいと
いう依頼です。
薬をやっているらしいのですが、警察に知られないように
家に連れ戻して欲しいということです。

"心理的にあり得ない
野球賭博にはまって自殺に追い込まれた人がいます。
家族から賭博に誘い込んだ胴元をしている予土屋を破滅
させて欲しいとの依頼がありました。

悪人を彼らが使用したような方法で追い詰めていきます。
おもしろかったです。
涼子もかっこいいけど、貴山も頭が切れてかっこいいです。

ときどき旅に出るカフェ

2018-03-23 21:00:00 | 

近藤史恵著"ときどき旅に出るカフェ"を読みました。
題名から受ける感じからは違っていました。
'旅にでるカフェ'のオーナーが元気満々で、世界を
飛び回っているんだって思っていました。

37歳の瑛子は1DKの中古マンションを購入して
会社勤めをしています。
同じような毎日に疲れています。
家の近くのカフェ・ルーズという店にふらっと入り
ました。
カフェのオーナーは昔半年ばかりいっしょに
働いていた葛井円でした。
店は毎月1日から8日までは休みです。
この間に海外などに旅に出ています。
海外で出会ったメニューを再現して店に出しています。
円は物静かだけれど芯の強そうな女性です。
瑛子は時々カフェを訪れることで虚しさから脱却して
いきます。

ちょっとした出来事を円が解釈したりします。
後半は円の家族間のトラブルが描かれます。
ベルギーに住む親友は元家族でした。

家に捕らえられていた人々が家を振り切って新しく
人生を生きていく様子もすがすがしいです。
こんないごこちのいいカフェがあったら私も
通いたいです。

はんざい漫才

2018-03-22 21:42:00 | 

愛川晶著"はんざい漫才"を読みました。
愛川さんには落語をテーマにしたもう一つのシリーズ
"神田紅梅亭寄席物帳"があります。
神楽坂倶楽部のシリーズと多少関連があります。
こちらの主人公は編集者を休職して父親が席亭の
神楽坂倶楽部の代理席亭をしている希美子です。
入院した父の代わりを務めてきましたが父は
退院し、元の仕事に戻ろうかどうしようかと
気持ちは揺れています。

"はんざい漫才"
人気のあった漫才師でしたが問題を起こしてしばらく
姿を消していたフロントほっくが神田紅亭に登場
することになりました。
漫才の台本作家の粕屋が書いたタイムマシンを
上演することになっています。
時代が変移する不思議な話しです。
徐々にお客のうけもよくなっています。
近所に泥棒が出現したり、粕屋が襲われて怪我をする
事件が発生しました。

"お化け違い"
花山亭喜円師匠は以前落語協会の会長をしていたことが
あります。
しかしいい加減な人で、喜円をよく思わない人たちが
柏家文輔を中心にクーデターを起こそうとしました。
事前に漏れて失敗に終わりました。
神田紅梅亭の席亭もクーデーターに関係していました。
そのせいで喜円師匠とはずっと不仲な関係にありました。
文輔はその後亡くなりました。
息子が馬春の弟子となりこうまと名乗って神田紅梅亭寄で
手伝いをしています。
ずっと神田紅梅亭寄に出演しなかった喜円がトリとして
出演すると言い出しました。
なにか裏があるのではと心配します。
やはりその心配は的中します。
こまった事態に追い込まれた神田紅梅亭寄の面々は
機転で乗り越えます。

お化け違いの最後の場面は楽しいです。
寄席に出入りしている近所の猫のマコも大活躍です。
それにしても喜円師匠の根性は相当悪いですね。

たまちゃんのおつかい便

2018-03-21 10:41:42 | 

森沢明夫著"たまちゃんのおつかい便"を読みました。
珠美は家を出て大学へ通っていました。
大学を家族に内緒で辞めて起業をしようと思っています。
家族は海辺で居酒屋をやっている父と、再婚した
フィリピン生まれのシャーリーンです。
近くに亡くなった生母の母である静子ばあちゃんがいます。
故郷は過疎が進んで買い物に困る老人が多くいます。
珠美はそういう人たちのために保冷車に商品を積んで
売って回りたいと考えています。
中学時代の友人で車の修理業を継いでいる壮介に
車の手配と改造、車のペインティングを頼みました。
やはり中学時代の友人で都会に働きに出たけど
すぐ戻って来てから引きこもりをしているマッキーこと
真紀にはパソコンでのチラシ作成を頼みます。
別の地域で同様の仕事をしている古館に弟子入りして
仕事の方法を学びました。

シャーリーンは明るくて物事を肯定的に捉える人です。
珠美に気を使ってくれます。
しかし珠美はそれがわかっていても些細なことで
シャーリーンのすることが気にさわります。

壮介が手に入れてくれた車で仕事が始まりました。
仕事は順調にスタートしました。

家族、中学時代の友人たち、静子ばあちゃんらの
老人たちとの交流などが描かれています。
お金を儲けて豊かな生活を望む生き方とは別の
生き方です。
こういう生き方もありだなと思わせる本でした。

踊れぬ天使 佳代のキッチン

2018-03-10 21:00:00 | 

原宏一著"踊れぬ天使 佳代のキッチン"を読みました。
シリーズ3冊目です。
キッチンワゴン車で各地を回り材料を持ってきて
もらってそれを調理することでお金をもらうという
仕事をしています。

"おみちょの涙"
金沢の近江町市場です。
雅美という女性から毎日50人分の調理を頼まれます。
自転車でツーリングをしている麻耶を手伝いに
雇いました。
彼女が雅美が調理された料理を店で売っているのを
見てしまいました。

"チャバラの男"
静岡県の藤枝市の茶畑にやってきました。
脱サラしてお茶農家を目指している玉木に出会いました。
今年初めての収穫を目指しています。
佳代は茶畑を手伝うことにしました。
玉木には妻がいます。
佳代は玉木に恋心を感じています。

"ロングライド・ラブ"
麻耶が滞在している佐渡島へ渡りました。
米を作っている長部家の手伝いをしています。
佐渡島では自転車のロングライドが行われ島をあげて
楽しみます。
長部の息子の拓也は麻耶が好きです。
麻耶には抱えているものがあって今は彼を受け入れられません。

"踊れぬ天使"
群馬県の大泉町で仕事を始めました。
お客がぜんぜん来ません。
この町はブラジルから来た人が多くすんでいます。
弁当の味見を頼んだ女性からブラジル人が好む味では
ないと指摘されます。
ワゴンを置かせてもらっているスーパーで働いているラウラです。
スーパーの店長の刈谷はラウラに好意をもっています。

"モンクス・ドリーム"
山形駅前でジャズピアノを弾いていた男性にちらしを
渡されました。
バーに行ってみました。
棚橋源太は過去にデビューしたことがります。
今はバーのママの未祐の居候です。
源太と未祐は前は夫婦でした。
源太はジャズを諦め新しい生き方をしようとしてますが
未祐はジャズを辞めないで欲しいと思っています。

"カフカの娘"
稚内にやってきました。
車のトラブルで困っていたところを大型ワゴン車でスーパーを
してまわっている莉子に助けられました。
莉子には礼文島に中三の娘の亜希がいます。
整備士の亮介は莉子と結婚したいと思っています。
亜希は漁師になりたいから勉強はもういいと学校へ
行こうとしません。

あちこち回っていろんな人々と交流する話です。
料理する仕事が出来るかどうか疑問ですが楽しい話です。

テレビを見ていて

2018-03-09 10:04:11 | テレビ・新聞から
昨日テレビを見ていました。
マンションを借りる場合、不動産屋さんで聞いて
みるといい質問があると言っていました。
それは「以前に住んでいた人は何年住んでいましたか」
というものです。
長い年月住んでいたということは快適だったという
ことだというのです。
なるほどと思いました。

しかし、しばらくしてあれっと思いました。
長く住んでいたから快適。
短かかったら問題があった。
そう決めつけられるものではありません。
短い理由の中に不快だったからというのもあるでしょうが、
仕事の都合でやむなく引っ越した、家族の都合で故郷へ
戻ったなどいっぱい理由があります。
長かったからといって全員快適だったとも言いきれ
ません。
職場に近いから我慢してとか、学校が近いから
変われないとかという場合があります。

だいたいにおいて長い=快適というのは正しいので
しょうが、短い=不快と決めつけてしまうといい条件の
ものを見逃すことがあるかもしれません。

平均的な居住期間はと聞いた方が正確なものが
得られるかもしれません。
結局は自分の感覚を信じて選ぶよりしょうがありません。

「茶の湯」の密室 神田紅梅亭寄席物帳

2018-03-05 16:28:12 | 

愛川晶著"「茶の湯」の密室 神田紅梅亭寄席
物帳"を読みました。
高校の事務員をしている平田亮子の夫は真打ちの
落語家の三桜亭馬伝です。
馬伝の師匠の馬春は脳血栓で倒れましたが4年後に
復活して時々高座に上がっています。
馬伝は推理力があります。
馬伝よりも馬春の方が推理力は優れています。

"「茶の湯」の密室"
福井県いわき市の仮設住宅のある場所へ馬伝らは
落語の慰問に行きました。
馬伝は茶の湯を演じることにしました。
隠居が買った家には茶室があり茶道具もありました。
隠居は茶をやってみることにしました。
青黄粉にムクジロを入れて茶だと言って飲みました。
おかげで小僧共々お腹を壊しトイレへ通う羽目に
なります。
観衆は高齢者が多い中、十代の女性が前の席で
笑いもせず睨みつけるように聞いていました。
終わった後で出会った彼女は茶の湯の話には
矛盾がいっぱいあるといいます。
馬伝は考えます。
指摘された矛盾点を解決した話に変えて演じます。

亮子は同僚の昭江先生に茶の席へ招待されました。
マンションを改造して茶室が作られています。
猫はいないはずなのにトイレを借りると猫がいました。
その時ブレーカーが落ちたのか家は明りがありません
でした。
この謎はいったいなんだったのでしょう。

"横浜の雪"
寿々家竹馬が企画して三人の若手落語家が三つの
お題をもらって新作落語を発表することになりました。
寿々家竹二郎は竹馬の弟子でしたが4年前に不祥事を
起こして破門されました。
竹二郎がもう一度弟子にして欲しいと竹馬に申し入れ
ました。
竹馬は馬伝が新作落語の発表会で勝ったら再入門を
許すと言いました。

前の話に登場した若い女性の美雨が東京へ出てきて
紅梅亭で馬伝の話を聞いて弟子にして欲しいと
いいます。

竹二郎が兄弟子の竹也とスナックで飲んだ後、家に
帰り子猫4匹と母猫を殺し公園に埋めているところを
警察に捕まりました。
彼は意識がなく覚えがありません。

馬伝は新作落語にこの事件を盛り込んで作りました。
ところが怪我をしてしまい出られなくなってしまいます。
弟子のしくじりは師匠の責任と馬春が登場します。

落語の薀蓄はおもしろいです。
とはいっても聞いてみようとまでは思わないんですよね。
すみません。
誰が演じても同じ話なら同じ内容なのだと思って
いましたがそれぞれの人の解釈によって微妙に
違っているものだなんだて思いませんでした。