雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

昼田とハッコウ

2013-12-29 19:47:21 | 

山崎ナオコーラ著"昼田とハッコウ"を読みました、では
なくざっと眺めました。
私にはちょっと入り込めませんでした。
登場人物と同じ二十代中ごろだったらわかったかも
しれません。
昼田実(ミナル)は5歳の時に母を亡くし叔父の田中公平に
引き取られて家族として田中家で暮らしてきました。
叔父はアロワナ書店を経営しています。
同じ年齢のハッコウ(白虹)は従兄弟です。
世界を放浪している鼓太郎という兄と美術大学に通う
瞳という弟がいます。
ハッコウは店長ということになっています。
幸福寺の町から出られずに町の中だけで暮らしています。
昼田はIT企業に勤め家を出ていますがよく帰っています。
ずっとハッコウが無茶をして昼田が収めてまわるという
役割です。
祖父母もいっしょに住んでいてまあうまくいっている
家族です。
最初の方で叔父の公平がが正月の餅を喉に詰まらせ
あっけなく亡くなってしまいます。
読んでいる方としてもえっとびっくりです。
この家の要の人ですからこれから先どうなるのって
心配してしまいます。

昼田の息子だといわれる子を預けられたり、いままで
ぜんぜん知らなかった父親が現れたりします。
けれどだいたいにおいてこれといったことが起るわけ
ではなく毎日の生活が淡々と綴られていきます。

重苦しい話というわけではないのですが読んでいて
気分はどんよりしてハァとため息つきたくなります。

若菜摘み 立場茶屋おりき

2013-12-28 20:21:47 | 

今井絵美子著"若菜摘み 立場茶屋おりき"を読みました。
シリーズ物の1冊です。
初めて読んでそれが途中の物です。
それまでの経緯がわからず読んでいますから細かいことは
わかりません。
特に困りはしませんが深く楽しもうと思ったら順番に
読まなくてはいけませんね。
おりきは武士の出ですが料理旅籠、茶屋、蕎麦屋を経営
しています。
奉公人を家族のように大切にしていて奉公人の結束も
強いです。

"秋ついり"
近所の近江屋の娘のお登世が子供を連れて嫁ぎ先から
帰っていることをおりきは亀蔵親分から聞きます。
姑との折り合いが悪いといわれてきました。
お登世がおりきに相談したことは逆でした。
夫に結婚前から女がいて姑はお登世を店を継いでくれる
人と大事にしてくれていました。
姑が亡くなり夫はお登世を追い出そうとしています。

"籬の菊"
とめ婆さんは儀楼で働き年取ってからは遣手婆をして
きました。
今はとめ婆さんは立場茶屋で洗濯を一手に引き受けて
働いています。
前に世話をしていた菊哉を店で見かけます。
年季があけ屋根職の男と所帯を持ったはずです。
しかし男には妻子がいました。
借金を背負った男のため自らまた店に戻ってきました。
胸を病んで命は長くありません。
とめは菊哉を身請けして世話をすることにします。

"初明かり"
茶屋で人を待ってずっと座っている老婆がいます。
おりくが旅籠の旅籠に連れてきて話を聞くと乾物問屋の
隠居の七海とわかります。
ずっと昔に亡くなった次男の銀次郎を待っていました。
夫が早くになくなり七海は仕事にいっしょうけんめいでした。
銀次郎は年上の店の女といっしょになりたいと言い出し
あげく心中してしまいました。
七海はずっとそのことを悔いてきました。

"若菜摘み"
蕎麦屋に父親と来た5歳ぐらいのよし坊という子が
置き去りにされました。
父親は博打の手入れで捕まりました。
客として遊んでいましたが借金がかさんでひどい目に
あわされていました。
宿には病気になった弟と、姉が長逗留しています。
二人は敵討ちの旅の途中です。
姉はもう止めたいと思っています。

おりきを中心として周りにいる人たちがいい人たち
なので安心して読めます。
嫌な気分にはなりません。
本を読んでほっとした気分になりたい時にはいい本です。

遠い椿 公事宿事件書留帳

2013-12-27 20:47:23 | 

澤田ふじ子著"遠い椿 公事宿事件書留帳"を読みました。
シリーズになっています。
数冊読んでいます。
順番ではなく適当に借りてきました。
公事宿とは留置場と弁護士事務所がいっしょになった
ようなものみたいです。
連作短編集です。
今回の話では公事宿の仕事がらみの話はなかった
ような気がします。

"貸し腹"
重十九は絵屋を開業して成功しています。
街の人が気軽に絵を描いてもらう仕事です。
父親は旅籠の佐野屋で働いていましたが主の娘と付き合い
子供が出来ると子供を押し付けられ店を追い出されました。
父は不幸な中で亡くなりました。
佐野屋は落ちぶれました。
成功した重十九にお金をせびりにやくざ者を寄こす様に
なりました。

"小さな剣鬼"
15、6歳の高田市郎太は浪人です。
父は藩の財政危機で失業しました。
いつか再度雇ってもらえることを願って内職して
生きてきました。
市郎太は剣の腕を持っています。
押し込みをしようとしていた男たちを斬ったことが
あります。
商人が殺され市郎太は犯人と名指しされました。

"賢女の思案"
呉服問屋の笹屋の娘のお加世が嫁ぐことになりました。
自分はもらわれた子であることを知っており嫁ぐ前に
実の親が誰か知りたい、調べて欲しいと公事宿の鯉屋に
頼みに来ました。
お加世の父は亡くなりしっかり者の母伊勢は健在です。
さまざまな理由がありお加世は拾われたとして笹屋で
育てられることになりました。

"遠い椿"
金物問屋十八屋の隠居のお路は野菜を売りにやって来る
お杉という娘をひいきにしていました。
彼女が昔駆け落ちした近所の店の手代だった平蔵によく
似ていたからです。
駆け落ちの途中で見つかり二人は引き裂かれました。
お路は店を継ぎ手代だった人と結婚しました。
平蔵は見つかったときさんざん殴られ倒れていたところを
助けてくれた人の娘と結婚しました。

"黒猫"
鯉屋の用心棒の菊太郎は黒猫と出会いました。
黒猫の飼い主は孝吉という少年でした。
古着屋に奉公に行くことになっているので猫をもらって
くれないかと頼まれます。
猫はさっといなくなりました。
孝吉が奉公に行った俵屋の廻りでは猫がよく見られる
ようになりました。
黒猫です。しかし孝吉の側にやってこようとはしません。
やがて孝吉の姿が消えました。
夜な夜な俵屋で猫が鳴き叫ぶのが聞こえます。

"鯰大変"
鯉屋の丁稚の正太が薮入りで故郷の堅田へ帰りました。
漁師をしている父親が大鯰を仲間と捕まえたといいます。
やがて値段の高い鯰の膏売りが町を売り歩くように
なりました。
しかしそんなにたくさんの膏が作れるはずがありません。

偶然関わった出来事が多いです。
猫の話は哀れです。
猫がこれほどまでに飼い主を慕ってくれるかどうかは
疑問ですが、このように思ってくれていたらいいなとは
思います。

完全なる首長竜の日

2013-12-26 19:30:52 | 

乾録郎著"完全なる首長竜の日"を読みました。
ちょっとたいくつでざっと読みました。
漫画家の淳美の弟の浩一はは自殺未遂を起こしてずっと
昏睡状態です。
開発されたSCインターフェイスという技術で弟と
コミュニケーションを取ろうとします。
昔の家族の様子が出てきます。
奄美大島の小島に祖父が住んでいて両親と弟といっしょに
遊びに行ったことがあり、弟がおぼれそうになったことが
あります。
この旅行後に両親は離婚して淳美は母と暮らしました。
母方の祖父は船のさび落としの仕事をしていた後ラーメン屋
をしていました。
幼い時に一度祖父の元へ連れていかれました。
祖父に喜んでもらおうと首長竜の絵を描いて弟が色を
塗り持って行きました。
絵は祖父にめちゃくちゃにされました。

淳美は杉山という編集者と出合って漫画家として成功
します。
その後別の編集者と仕事のできるアシスタントに恵まれます。

最後の部分で真実が明かされます。
しかしあまりびっくりはしません。
精神世界を描いた話でこれを若い時に読んだなら衝撃を
受けたかもしれません。
今はさらさらと読み進んでそうなんだと思うだけです。
淳美は真実を知ってもつらいだけのような気がします。

ドールズ

2013-12-25 21:29:15 | 

高橋克彦著"ドールズ"を読みました。
ずいぶん昔にドールズと題名についた高橋さんの本を
読みました。
ドールズはシリーズになっていて何冊か出版されて
いるんですね。知りませんでした。
新聞で"ドールズ 最終章 夜の誘い"がこの12月に
出版されると見てシリーズだったんだと知りました。
前によんだのは"ドールズ 闇から覗く顔"か"ドールズ
闇から招く声"のどちらかです。
おもしろかったという感想だけ記憶しています。
この"ドールズ"は最初のもののようです。

恒一郎は古本屋をしています。
そのビルの2階には亡くなった姉の夫の真司が喫茶店
ドールズを開いています。
真司には七歳になる怜という娘がいます。
怜が雪の降る真夜中に車にはねられました。
怜は足を骨折したにもかかわらず歩いて家に帰りました。
入院した後はしゃべりません。
真司の友人で怜の入院した病院の医師の戸崎は怜に
不審を抱きます。
怜が人がいない所で煙草を吸ったり歩いたりしている
のを知ります。
戸崎と恒一郎は恒一郎の知り合いの人形師の香雪と
共に怜に誰かが入り込んでいるのではないかと
疑います。

香雪のアトリエで人形を見た時に何かが起きたのではと
考えます。
怜の体に入っている人物と話ができるようになります。
江戸時代の人形師らしい彼も突然小さな女の子の体で
気がついて動揺しています。
恒一郎と香雪は彼の身元を求めて怜を連れて香雪の
アトリエや熊本まで旅します。
始めははっきりしなかった意識もだんだんはっきりして
きて自分が誰だったかわかってきます。
本物の怜は意識の奥に閉じ込められて表に出てこれません。

ある出来事で裏にいた怜が元に戻ります。

ホラーだとかオカルトだとか紹介されれいるのでこわい
話かと思っていましたがこわさはぜんぜんありません。
なんだか中途半端ですっきりしませんが、シリーズの
最初のものですので疑問点は後の巻で解決される
のでしょう。
恒一郎と香雪が消えてしまった男に心ひかれるものが
あって寂しがっています。
怜が戻ってきた喜びよりその気持ちの方が強いみたいです。
父親の真司がさめていてなんか変な人という感じに
させられます。
お金持ちで自分本位の人というのをさらけ出しています。

いったいどういう人の魂がのちの人の意識に入り込む
のでしょうね。
私もこの男の人に興味があります。

埋(うず)み火

2013-12-24 22:06:48 | 
著者 : 日明恩
講談社
発売日 : 2005-08-19

日明恩著"埋(うず)み火"を読みました。
消防士雄大が主人公の"鎮火報"の続編です。
老人世帯の火事が続きます。
その火事には共通した部分があって雄大は疑問を感じます。
燃えた家の周りは更地になっていたり隣との間には庭が
あって類焼の危険が少ないこと、隣人が出かけて留守の
時に火が出ていることなどです。
コードが弱っていて水に触れて出火するとか、花瓶の
水がたれたりとか、まわりに燃えやすいものが散乱して
いたりするのも同じです。

雄大の職場では救助隊員希望の星野が希望通りの職場に
移動になり大学での新人の香川が配属になります。
新人ですが年は上です。
いっしょうけんめいですが現場では役に立ちません。
なぜだか雄大を嫌っていて、雄大はうっとおしい気分です。

焼けた家に花を手向けていた老人の家が次に火事を
起こしました。
老人が話しながらいっしょに歩いていた子供がいます。
別の老人とも話しているのを見かけて子供を追いかけます。

子供が老人たちに火事自殺の方法を教示していると
考え子供を捕まえます。
子供は中学生で名は裕孝です。
もっと凶暴で残忍な子なのかと思いましたが普通の子です。
親、特に母親に操られてきたと本来の自分がわからないと
苦しんでいます。
それで死を願っている老人たちに手を貸しました。
それぞれつらい状態に置かれている人達が出会いました。

なんだか老人たち寂しい人生です。
自殺とわからないようにするのはプライドだそうです。
死にたければ死ねばいいが雄大の考えです。
ただ火事は許せない。
裕考が盗み聞きした母の息子への接し方で彼は親への
信頼を失くして絶望しているわけですが、読んでみて
私はおかしいと感じませんでした。
普通の人でしょう。
本来の自分ではなく母に都合よく作られたと言って
いますが本当にそうなのって思います。
老人達の手ほどきをしたことは重荷にはならないのかな。

老人の問題と、子供の問題のふたつがからめて
書かれています。

香川は雄大に対する劣等意識を吐き出します。
危なげな人物ですが少し変わったようです。

雄大と裕二の友情ある話の部分や、雄大の母の民子の
登場する部分などいいです。
おもしろかったです。

さよなら、オレンジ

2013-12-23 20:48:06 | 

岩城けい著"さよなら、オレンジ"を読みました。
現実感があって引き込まれました。
オーストラリアにアフリカから難民としてやってきた
女性と、日本人で大学で働く夫についてきた日本人の
女性が中心の物語です。
イタリアから現地人の夫の元にやって来て三十年という
女性も登場します。
サリマというアフリカからやってきた女性は戦火で
家族を失っています。
逃げる途中で夫に出会い息子が二人います。
夫はオーストラリアへ来てから妻子を置いて逃げました。
夫は女性はばかだと蔑視してきました。
息子達も母をばかにしています。
スーパーマーケットで肉を解体する職を得て働いています。
週二回英語学校へ通うようになりました。
そこで日本人のハリネズミとイタリア人のオリーブに
出会います。
この名はサリマが心の中で彼女達につけた名前です。

日本人の名前は文章の中では出てこなかったと思います。
ここではサリマがいうハリネズミとします。
サリマから見た話と、ハリネズミがジョーンズ先生に
宛てた手紙から成っています。
手紙の中のサリマと思われる人が別の名になっているは
どうしてなんだろうと変な気がしながら読み進みました。
理由は最後に明かされますが別に同じだっていいような
気はします。
サリマ側の話とハリネズミの手紙の内容は名前以外に
矛盾するところはありません。
ジョーンズ先生って誰なんだかわかりません。

サリマはいっしょうけんめい学びます。
小学生の息子の教室でとつとつと英語で自分の生きて
きた祖国のこと、子供のころのことを語るまでになります。

ハリネズミは仕事に没頭する夫と赤ちゃんを抱えて
うつうつとしています。
サリマと英語学校で知り合うのですが彼女は英語の
力は持っています。
彼女は研究者を目指していました。
英語学校の先生やサリマに進められて大学で学び
始めます。
娘を突然に亡くします。

イタリア人のオリーブは成人した子供たちが離れて
行ってしまって落ち込んでいます。

サリマの夫が息子を引き取ると言ってきます。
二人とも行くはずでしたが下の子が列車に乗る間際で
母親の元に留まります。

ハリネズミは娘を亡くし意気消沈しています。
やがて新しく命を宿し立ち直っていきます。
サリマやオリーブが手助けします。

サリマはしっかりした人です。
自分の頭で物事を考えられる人です。
夫が登場してきた時にはせっかく築いた生活基盤を
壊してついていってしまうのではと心配しましたが
しっかりと対処しました。
子供は母親にずっと面倒を見てもらっているのに
どうして母をばかにできるのか、そういう心のあり様は
とのように作り上げられるのか不思議に思います。
下の息子は考えを変えられたようです。

英語学校で知り合った英語を母語としていない女性
たちが友人となり助け合っていきます。
言葉が話せ、読めるということがどれほど重要なことか
が主題です。
日本語しかわからないのは狭い世界でしか生きて
いけないのだなぁと感じます。
簡単に他の言語を習得する人と、いっしょうけんめい
学んでも身につかない人の差はいったいどこにあるの
でしょうね。

黄昏に佇む君は

2013-12-21 19:24:02 | 

篠田真由美著"黄昏に佇む君は"を読みました。
「建築探偵」シリーズ外伝 神代宗の回想と事件と
帯に書かれています。
京介、深春、蒼と深い繋がりのある大学教授の神代の
若い時の話です。
どうして西洋美術史を仕事とすることになったかを
思い返し学生時代に起ったことを回想します。
神代も実の姉の夫婦の養子となり複雑な家族関係を
持っています。

養父に将来どちらに進むか聞かれて西洋美術史と答え
大学の宮部教授を訪ねて相談に乗ってもらえと言われます。
教授の部屋で出会ったのはフランス人の血が流れている
小森文也です。
宮部の弟の息子だといいます。

宮部は15歳のころ兄弟でイタリアからフランスへ
美術鑑賞しながら移動しパリで絵の勉強をしました。
兄は父の逆鱗にふれ数年で日本へ連れ戻されました。
弟は二十数年をパリで過ごして日本へ妻子を連れて
帰りました。
弟はアトリエの火事で亡くなっています。
彼らが絵画の贋作に関わっていたらしいことが語られます。

宗と文也は親しくなり宗は文也の絵のモデルを務めます。
文也はよからぬ仲間と付き合いがありトラブルに巻き
込まれています。
宗も巻き込まれ頭を殴られる大怪我をおうことになります。

いろんな人の語りで話は進みます。
時として今語っている人は誰でどんな関係のある人だったか
わからなくなりました。

神代の親族もこのトラブルに関係しているのは不思議な
ことです。
神代がどうして養子となったのかも記されています。
養父の宗への愛情は大きいです。
おもしろかったです。
結末はちょっとかわいそうですなところがあります。

見つかったお札は

2013-12-20 21:26:09 | 
引き出しの奥からへそくりが出てきました。
千円札が5枚です。
ぱっと見てなんか変って感じました。
お財布の中の千円札と較べたらデザインが違います。
旧札なんです。
夏目漱石さんが描かれています。
今のお札は野口英世さんです。
知ってましたか?
旧札だって使えますが自分だって何か変だと思った
のですからスーパーのレジで使ったら偽札ではないかと
疑われそうです。
自動販売機では使えるでしょうか。
使うより銀行で預金してしまった方がよさそうです。
ATMで通らなければ窓口では受け付けてくれるでしょう。
そうしましょう。
2004年に新札が発行されているそうですから10年
ほど前のものなんですね。

一角獣(ユニコーン)の繭 建築探偵桜井 京介の事件簿

2013-12-19 20:24:15 | 

篠田真由美著"一角獣(ユニコーン)の繭 建築探偵桜井
京介の事件簿"を読みました。
シリーズになっていて数冊読んでいます。
桜井京介が探偵役で友人の栗山深春と蒼が登場します。
今回の本では蒼がメーンとなっています。
蒼は本名が薬師寺香澄というのですね。
シリーズを順番に読んでいないのでそうなんだ、
って感じです。
前に読んだものは建築が関係する事件で1冊で完結
していました。
しかし今回のは前のから続いているようでちょっと
状況がわからないところがあります。
それでも困るってほどではありません。

松浦窮というカウンセラー、セラピストという男に
蒼がひどい目に会わされたというのが前巻の話の
ようです。
松浦は捕まったのですが逃げました。
蒼や桜井を狙っています。

蒼は深春がついて特定の人しか利用できないセキュリティ
のしっかりした高級リゾートの鏡平に滞在することに
なります。
鏡平にはホテルと別荘があります。
蒼はそこで七蔵晶那と出会います。
晶那は女の子ですがショウと名乗り自分のことをボクと
言います。
深く傷つけられて生きてきました。
蒼は自分の過去と京介がしてくれたことを思い、彼女の
側にいて助けてあげたいと毎日いっしょに過ごします。
彼女の父と祖母と父の義理の妹で愛人は亡くなっています。
父が二人を殺し自殺したようにも見えます。
やがて鏡平にいる晶那の母もユニコーンの牙を打ち込ま
れて殺されます。

鏡平での蒼と晶那とをめぐる話が大部分を占めています。
偶然に出会った家族にみえましたが蒼との繋がりが
あります。

京介も蒼も過去につらい経験をしてきたことがポツリ、
ポツリと語られていますが今まで読んだ本からは
それが何なのかわかりません。
深春は普通の人みたいです。
シリーズものを脈路なく読むのともやもやが残りますね。

特等添乗員αの難事件 IV

2013-12-18 18:25:16 | 

松岡圭祐著"特等添乗員αの難事件 Ⅳ"を読みました。
ラテラルシンキングを得意とする絢奈が主人公の4冊目です。
観光庁の壱条那沖と婚約中で、新居探しをしています。

ミン・ミヨンという世界を無銭で移動している女性に
世界各国が手を焼いています。
移動の飛行機や鉄道の費用もホテルの宿泊代も食事代も
すべてを無銭ですましています。
彼女もやはりラテラル・シンキングに優れています。
那沖と彩奈はミン・ミヨンという人物のことを知らされます。

那沖の前に藍岐瑠華が現れます。
子供のころに家族ぐるみで付き合っていて冗談で婚約話が
でました。
何年も経ったのに子供のころの話を持ち出して那沖に
付きまといます。

客船で日本にやってきたミン・ミヨンは飛行機でハワイに
移動します。
ハワイに添乗した絢奈はミン・ミヨンに出会います。

彼女はつらい人生を送ってきてお金を信用していません。
それで無銭での人生を続けています。
彼女がテレビで取りざたされて彼女が逃げてきたところ
からの追っ手が迫ってきます。
捕まったらむごいことになるのがわかっています。
絢奈が取ったのは…

このシリーズおもしろいです。
でももしかしてこれで完結なの?

御金座破り 鎌倉河岸捕物控 三の巻

2013-12-17 21:31:21 | 

佐伯泰英著"御金座破り 鎌倉河岸捕物控"を読みました。
三の巻とあります。このシリーズだいたい読んでいると
思います。
この巻は読んでないのではないかという気がして
読み始めました。
最後まで読んでも二度読みしているのかどうかはっき
わかりません。我ながらあきれました。
正次が呉服屋の手代から銀座裏の手先として仕事を
変えて捕物を覚え始めるという場面です。
銀座裏の親分の宗五郎と呉服屋の松坂屋の隠居の松六は
政次を銀座裏の跡継ぎにしたいという願いを持っています。

いくつかの複数の事件が平行して起ります。
政次が移って来るのを幼馴染で手先として働いている
亮吉は喜んでいました。
しかしいずれ自分の親分となるのだと先輩から聞かされて
亮吉はそのことをうまく消化できずに黙って銀座裏を
出て行ってしまいます。

銀座では京都へ仕事で行っていた職人の助蔵が殺されて
見つかります。
助蔵は小判の意匠の変更に関わっていました。
意匠が盗まれたのなら大変なことです。
探索が銀座裏に任されます。

武士が商人に商売の仕方を教える塾があります。
塾の経営者は嫌われ者です。
妾に産ませた娘が行方不明になります。

侍が試し斬りのように力まかせに刀で殺されている
のが見つかります。

大工の棟梁が寺から借金しました。
期日に弟子にお金を持たせて返しに行きました。
その帰りに証文を取られそれを手にした者から再度
金を返せと迫られました。
銀座裏に真相追及の依頼があります。

陶器のかけらに金を貼って1年したら倍で買い戻すと
約束してなけなしのお金を巻き上げる一味が出没します。
詐欺だと知って自殺する人が現れます。

亮吉は物乞いのように食べ物を恵んでもらってさまよって
います。
冷静になって銀座裏に戻りたいと願うようになりますが
きっかけがつかめずにいます。

起きた事件は一つずつ解決していきます。
最初の銀座の助蔵の事件は最後まで決着がつきません。

政次が銀座裏に来て修行しだす転機の部分です。
政次は覚めている人ですね。
幼馴染の亮吉や彦四郎やしほはどんな人物か思い描ける
のに政次はなんか印象が薄いです。

狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎

2013-12-16 18:37:47 | 

山本兼一著"狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎"を
読みました。
光三郎の父は若年寄御支配御腰物奉行です。
幕府の刀の管理をする役目です。
光三郎は小さな時から刀に興味を持ちいろいろなものを
見てきました。
父や世の中の刀の扱いに反対して家を勘当されました。
光三郎は武士を捨て刀剣商ちょうじ屋の娘のゆき江と
結婚して刀剣商となりました。
刀に魅せられる人が多いのですね。
刀鍛冶の名前で刀の価値が決まり正宗といっても一人の
人ではなくいっぱいいたのだという話はおもしろいです。
それを知っていながら価値があるのだとあとから価値付け
したようなところがあるようです。
武士の刀剣への扱いが気に入らないと商人になった光三郎
ですが、商人になったら同じような態度にかわってごまかし
ともいえることをしています。
この態度どう考えればいいのでしょうね。
商売とはっきり割り切れば多少のごまかしはいいってこと
でしょうか。
父親の黒田勝義は勘当しておきながらたびたび息子を
呼び出して難題を持ち込み手助けを求めます。
おもしろい人だな。
勘当はしたけど刀剣に対する目利きや行動力を認めて
いるということです。
本の帯に書かれていることはちょっと内容を勘違い
してしまいます。
いったいどんな生き方をするのか興味がありましたが
知識や知恵があり行動力もありますが普通の商人だと
思います。
刀剣についてはまったくなんの知識もありませんでした。
ちょっとだけ知ることができておもしろかったです。

日の名残り 隅田川御用帳

2013-12-15 20:29:33 | 

藤原緋沙子著"日の名残り 隅田川御用帳"を読みました。
シリーズ初めての本です。
14冊目の途中のものから読んでしまいました。
深川に縁切寺である慶光寺があります。
その門前通りにある寺宿橘屋が舞台です。
橘屋は女性が寺に入る前の事前の調査や調整役を
果します。
途中から読んだので事情がよくわかりませんがお登瀬が
橘屋の女将で夫はいません。
十四郎は武士ですが橘屋で調査などの仕事を手伝って
います。
お登瀬と十四郎はお互いに好きなようです。

"日の残り"
御家人の娘のおきくは家の借金のかたのようにして大黒屋の
主と結婚しました。
その後家はなくなってしまいおきくは離婚しようと寺に
やってきました。
結婚前に好きだった唯七という人が大黒屋の悪事を
探っていて殺されています。

"再会"
おみつは七年前に寺に駆け込んで夫の朝次郎と別れました。
小さな娘のおいとがいましたが夫の元へ置いてきました。
偶然朝二郎に出合って借金に苦しんでいることを知ります。
おみつはおいとのために朝二郎にお金を渡してやりたいと
橘屋に頼みに来ます。

"爪紅"
おしろいで有名な菊屋の婿の与茂七が菊屋に離婚
したいとやってきます。
女性のための縁切り寺ですが橘屋は話をきいてやります。
与茂七はお金に困っていた菊屋に結納金目当てで婿に
迎えられました。
名目だけの夫婦です。
妻が悪女のように見えますが彼女も養母にあやつられて
いました。

さらさらと読めます。