雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

赤毛の女医アン

2011-01-31 22:17:03 | 

福田隆浩著"赤毛の女医アン"を読みました。
前に読んだ"天才女医、アンが行く"のシリーズの1冊です。
こちらが最初の話のようです。
美土里野の早川診療所に赤毛のアン先生が赴任します。
早川診療所の院長の早川秀行がアメリカの研究所に
研修に行ってしまったため臨時のお医者さんとして
やってきたのです。
同日に准看護師のひとみも同じ職場で働くことになります。
自由奔放で明るく元気なアンです。
しかしなかなか患者がきてくれません。
人間ではなく怪我の犬が持ち込まれます。
犬は入れちゃだめというまわりの声をものともせず手術
してやります。
犬のためでもあり、飼い主の心のケアのためと行ったのでした。
アン先生の腕は一流です。
運動会で倒れて心停止になった人を救ったり、町の
有力者の病気を見抜いて病院へ転送して危ないところを
救います。
しだいに町の人々に受け入れられ患者さんも増えて
いきます。

どんな状況でもへこたれません。
なんとでもなると思って生きている人です。
ポジティブな性格です。
きっとどこへ行っても生きていけるでしょう。

児童文学となっていますが大人でもたのしい本です。1/20

ダブル・ジョーカー

2011-01-30 22:34:02 | 
柳 広司
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2009-08-25

柳広司著"ダブル・ジョーカー"を読みました。
"ジョーカー・ゲーム"の続編です。
私は最初の"ジョーカー・ゲーム"の方が好きです。

連作短編集です。
"ダブル・ジョーカー"
結城中佐の率いるD機関に対抗してもう一つの諜報機関
"風機関"が作られます。
諜報機関は一つでいい、どちらかがスペアだということに
なります。
風機関はD機関とは正反対に、躊躇なく殺せ、潔く死ねと
叩き込みます。
二つの機関に同じ任務が与えられます。風機関は絶対に
自分達が勝つと頭から信じています。
ところが普通の仲居さんにさえ正体を見破られるような
ていたらくで赤子のごとく扱われてしまいます。

"蝿の王"
モスクワのスパイとなった男がいます。
確実に通信するための方法を編み出します。
ところがそうするためにとんでもないことをしてしまいます。

"仏印作戦"
暗号電文を作成したり、解読する任務を受けた男がいます。
ところが電文を発信するのはその地仏印(フランス領インドシナ
連邦)の地元の施設からです。
その電文を解読して自分で偽の電文を作成して物資を
せしめようとする人物が現れます。

"棺"
ドイツでスパイ活動をしていた男が列車事故でなくなります。
スパイだと思われますがその男の家に行っても何一つ
スパイ活動をしていた証拠がありません。
結城中佐がまんまと証拠を回収していました。

"ブラックバード"
D機関のスパイとなりアメリカで諜報活動をしている男が
います。有力者の娘と結婚して子供もいます。
二重スパイがいるとの情報でそのスパイを見つけ出します。
しかし重要な連絡を受け取らなかったためスパイとして
ではなく日本人であるということで拘束されてしまいます。

D機関の機関員があまり活躍しませんし、個性的な
結城中佐も出てきてもちょっとだけです。
なんか物足りなさを感じました。1/19

さくらの丘で

2011-01-28 21:43:15 | 
小路 幸也
祥伝社
発売日:2010-08-31


小路幸也著"さくらの丘で"を読みました。
祖母が亡くなって孫に故郷の家が残されました。
その土地と家は祖母の幼馴染との3人の名義になって
いました。
最後のミツがなくなって他の二人の孫たちにもこのことが
知らされました。
孫の三人は祖母の故郷にある西洋館へでかけて
その秘密をさぐろうとします。

現在の孫達の話、過去の祖母たちが若かったころの
話と交互に語られます。
祖母たちが若かったころ、戦争が終わったばかりの
ころの話です。
彼女たちに助けを求めてやってきた人たちがいます。
必死で守ろうとします。
手助けしてくれる人がいます。

そういう人たちの子孫が西洋館を現在まで維持して
きました。
そして真実は時間が過ぎて表に出しても誰も傷つかない
だろう孫の世代に受け渡されました。

小路さんの作品は好きです。
この本の登場人物は皆魅力的です。
本も読みやすいです。
でも読み終わって胸を打たないというか何かしっくり
こないのです。
なぜ孫なんですか、娘がいるではありませんか。
娘を飛ばさないで下さい。
そしてなぜ自分たちの死後に過去のことを探せという
のでしょう。
直後は話せないとしても何十年か後に自分の口でもって
その時代のことを子孫に語って伝えるべきではないですか。
死後に、資料や過去を知る人たちから間接的に知らせる
意味がわかりません。
だからなんか腑に落ちない気分になるのでしょうね。

一番言いたいことの祖母の過去だけ語ったなら
読者はそういうこともあったのだと思うだけで
心に深く残るということはないかもしれません。
若い女性たちが少しずつ秘密をはがしていくと
いうミステリの要素があって、過去の出来事が
深く心に残るようになるということでしょうね。
なんだかなぁと感じる所があってもこういう
構成でないといけないのでしょうね。

窓の外は向日葵の畑

2011-01-27 22:46:51 | 
樋口 有介
文藝春秋
発売日:2010-07


樋口優介著"窓の外は向日葵の畑"を読みました。
青葉シゲルは高校生です。
お父さんは昔刑事でした。
現在は自称ミステリ作家です。
でもぜんぜん売れていないので"馬鹿につける久寿利"
という怪しげな薬を通信販売で売って生計を立てています。
シゲルは青葉学園に通っていて江戸文化研究会という
クラブへ入っています。
部長の明日奈が行方不明になります。そして副部長の
佐々木も行方不明です。
顧問の若宮先生が訪ねてきてがぜんお父さんは張り切って
事件を調べ始めます。

最初の部分は軽い調子の話なんだろうなと思っていました。
だって中学の時死んだ近所の女の子の幽霊が現れて
シゲルには見えて話ができるのですから。
この本自体がミステリだとは思いませんでした。
ずいぶん昔の出来事に端を発しています。
悪い奴がいたものです。
だんだんお父さんが昔の仕事の腕を発揮して
事件の真相を見つけ出していきます。

おもしろかったです。
読み終わってみればかなりシリアスな話でした。1/19

冬のお風呂

2011-01-26 21:29:49 | 日常の出来事
冬のお風呂は嫌いです。寒くて寒くて冬の間お風呂は
休みにしてもいいと思うぐらいです。
でもそんなだらしのないことしていたらみんなに避け
られてしまいます。
ここ一週間風邪気味で寒いお風呂に入ったらますます
ひどくなってしまいそうです。
さてどうしたらいいか考えました。
そうだ、脱衣所とお風呂の間の扉を開けてストーブを
つけておけばいいじゃないかとひらめきました。
なあんだ、あったりまえのことではないですか。
すぐに実行してみました。
リビングに較べたら脱衣所とお風呂の広さはうんと
狭いです。10分ぐらいでほかほか暖かくなってきました。
暖かくなってからお風呂のドアを閉めてお湯を張りました。
お風呂の方が脱衣所より寒かったですが前よりはうんと
楽になりました。
気持ちよく過ごせる方法を考えて、嫌だ嫌だと言ってないで
何かやってみればよかった。

お風呂に乾燥機が付いています。このスイッチを
入れておけば暖かいといいますがあんまり効き目がない
気がして使っていません。

追伸:
ストーブをリビングから持っていってつけておくという
ことを2日続けたら腰が痛くなりました。いたた・・・
ストーブ、運びにくい形しているんです。
乾燥機を試しています。15分ぐらいで暖かいというか、
寒くてふるえるということはない、ということがわかって
きました。しばらく試してみます。
寒さは底を過ぎたといっています。2/2

ジョーカー・ゲーム

2011-01-25 21:27:03 | 
柳 広司
角川グループパブリッシング
発売日:2008-08-29

柳広司著"ジョーカー・ゲーム"を読みました。
スパイ物です。これはおもしろいです。
昔はテレビでスパイ物はよくやっていました。
スパイ大作戦とか、ナポレオン・ソロだとかありましたね。
古すぎて知っている人はあまりいませんね。

時代は戦時中です。
結城中佐によってスパイ養成学校が設立されます。
D機関と呼ばれます。設立には猛反発を受けます。
訓練生はみんな特殊能力の持ち主です。
ちらりと見た図を覚えたり階段の数がいくつだったか
とか平気でこなせる人たちです。
訓練校でいろんな学問や語学、思想、スポーツ、
金庫破り、暗号など厳しく教育されます。
結城中佐の考えるスパイというものは死んではならない、
殺してはならない、捕らわれるな、捕らわれたら脱出せよ
というものです。
訓練生がクールなんです。気負ってスパイをするぞって
感じではないのです。冷めているのです。
当時の軍人のように捕まらない、死ぬことが美学だとは
思っていません。

連作短編集になっています。

"ジョーカー・ゲーム"
親日家となり三年前より日本に住んでいるアメリカ人に
スパイの疑いがかかります。
家宅捜索してその証拠を見つけるよう命令されます。

"幽霊 ゴースト"
イギリス総領事にテロを計画しているグループの首謀者
だとの疑いがかかります。テーラの店員に化けたD機関員が
総領事と接触して真偽を確かめます。

"ロビンソン"
イギリスへ派遣されたスパイが捕まってしまいます。
捕まったときに取るべき行動も充分訓練されています。
自白剤を注射された場合でも重要なことはじゃべらない
よう訓練されています。
スリーパーといって普段は何も活動はしていなくて
特別な時だけスパイとして手助けする人物が配置
されています。
任務へ赴く時に手渡された本はロビンソン・クルーソー
です。この本に何の意味があるのでしょう。

"魔都"
上海での出来事です。
爆発で大尉の家が吹き飛んで数人の人が巻き添えで
死にます。
この事件の真相は?

"X X ダブルクロス"
ドイツ人記者が劇団員の恋人の部屋で毒薬で殺されます。
この記者には二重スパイの疑いがかかっていました。

あっというまに読んでしまいました。
おもしろかったです。

賢者はベンチで思索する

2011-01-24 19:36:21 | 

近藤史恵著"賢者はベンチで思索する"を読みました。
3編から成る連作短編集です。

"ファミレスの老人は公園で賢者になる"
久里子はファミリーレストランで働いています。
家族は両親と弟です。
犬を飼うことになりました。
その犬が散歩中に毒を仕込まれた食べ物を食べて
死にかけます。
そのあたりでは毒入り餌でやられる犬が多発しています。
ファミレスの特定の場所に毎日座っている老人がいます。
ぼけているのだと皆に思われています。
公園のベンチに老人が座っている時に久里子が話しかけると
老人はぼけているどころか体も若々しく頭は聡明です。
犬の災難の問題を解決してくれます。

"ありがたくない神様"
ファミレスで味がおかしいと文句が出たり、子供が
食事後たおれてしまう事件が発生します。
何かがしこまれたようなのですが誰にもできるはずが
なく困っています。
この事件も老人が解決してくれます。

"その人の背負ったもの"
ファミレスの窓から見える向かいの家の子供が誘拐されます。
犯人は老人だと疑われます。
そして老人が、老人の家に昔から住んでいる人ではなく、
詐欺師であるということがわかってきました。
しばらくして子供は帰ってきました。
老人が家を出て行ってから数日後に本物の住人が帰ってきます。
どうして子供を連れ去ったのか、どうして他人の家で
他人に成りすましていたのか、それには理由があったのです。

この老人、かっこいいです。
とても頭脳明晰です。
犯罪者なんだけど、他人を助ける人です。
事件が二つ続き、三つ目で話が急展開しあれよあれよと
終了へとなだれ込みます。
そうだったのかとわかります。
ベンチの老人、いいですね。1/18

のぼうの城

2011-01-23 20:05:55 | 
和田 竜
小学館
発売日:2007-11-28


和田竜著"のぼうの城"を読みました。
城主成田氏長の伯父泰季の息子長親が主人公です。
長親は背は高く体は大きく顔は醜男、目は細いという
外見です。
馬にも乗れないし武芸は一切出来ません。
のぼうとはでくのぼうを省略したものです。
農民にものぼう様と呼ばれて親しまれています。
百姓仕事が好きで手伝いに出かけては迷惑がられています。

成田氏は小田原の北条氏の配下にあります。
豊臣秀吉が北条氏を滅ぼそうと小田原城を攻める時
石田光成に成田氏の忍城を攻めるよう命じます。
忍城は現在の埼玉県にあります。
成田氏長は北条氏に小田原へ援軍に来るよう命じられた
時、小田原には行きますが秀吉に内通します。
忍城を攻められたら戦うことなく開城せよと残る者に
言い置きます。

石田光成は忍城へ到着し軍使に正家を遣わします。
光成には成田氏がすでに豊臣側についていることが
知らされていません。
正家は高飛車で弱い者と見ればとことん強く出る男です。
成田側は開城するつもりでいましたがのぼうの長親が
正家のばかにした態度に「戦う」と宣言してしまいます。
周りの人たちはびっくりして止めますが自分たちも
戦わずに降伏することに不満がありますので
よし、やろうということになります。

かりだされる農民は最初は嫌だといっていますが
戦うと言い出したのがのぼう様を知ると、それでは
手伝わないわけにいかないなぁと一転して進んで
参加してくれます。
何万もの大軍に何千の少ない人数で立ち向かいますが
成田側が優勢で勝っています。

光成は水攻めをしてきます。堤防を築きお城の周りを
池のようにしてしまいます。
のぼう様が堤防を破ってやると舟を敵の前に出し
農民の踊りを踊りだします。
この男が城代だと知れてしまい鉄砲を打ち込まれます。
幸い肩を撃たれて命には別状はありませんでした。
堤防は決壊しました。
のぼう様が撃たれたのを見た外にいる農民がのぼう様が
撃たれた、だまってみてられるかと堤防を壊したのです。

小田原城が落城して使者が来て戦いは中断しました。
今度こそ開城することになりました。
光成みずから城を受け取りに忍城へやってきます。
勇敢に戦った武将たちに会いたかったのです。

この本を読んでびっくりするのは自由に意見を言い合って
いることです。上下のへだたりがありません。
農民も武士に向かって自由に口をききます。
のぼう様は一応トップなのにまったく大事にされて
いません。怒鳴られたり引きずりまわされたり
およそトップらしくありません。
丹波、和泉、勒負などの成田の武将、甲斐姫、氏長の
妻珠など魅力的な人がそろっています。
弱いものが強いものに勝ってしまう話ですから
痛快です。成田側の主要人物は全員無事です。
のぼう様の魅力に人々は手を貸してやらなければと
いう気持ちになってしまいます。
戦争になってものぼう様が命令する場面はありません。
皆自分の才覚で戦っています。

おもしろい話です。
でもちょっと本から離れて冷静になると、この戦争
やる必要のない戦争なんです。
挑発に乗ってしまって始めた戦争です。
戦争となれば人が大勢死にます。
なんだかスポーツ感覚でやっているように書かれて
います。
終わった後も敵をすばらしかったね、みたいに
賞賛してます。スポーツじゃないいんだよ、戦争は
人が死ぬんだよと言いたくなりました。
開城して城にいた人たちはちりじりになりました。
そうならないため最初から降参せよといわれていた
のではないのかなぁ。
戦争が終わって勝ったという自己満足だけで得たものは
無かったのではないかと思います。

とはいえ、とてもおもしろい本でした。1/18

震える岩 霊験お初捕物控え

2011-01-21 20:32:14 | 

宮部みゆき著"震える岩 霊験お初捕物控え"を読みました。
宮部さんの本は苦手なのが多いのですがこの本は
読みやすくてすらすらと読めます。
お初は不思議な力を持っています。霊的なものが
見えるのです。
血は繋がっていませんが兄六蔵は岡っ引きです。
兄嫁のおよしと一膳飯屋の姉妹屋をやっています。
御奉行様の家に出入りしていて与力見習いの古沢右京之助
といっしょうに探索するようにといわれます。
何か問題をかかえているらしい右京之助を家に
あずかることになります。

ろうそくの流れ買いの吉次が死んで、生き返ります。
油樽の中に女の子が沈められているのを不思議な力で
見ます。実際に女の子が見つかります。
男の子が川で死んでいるのが見つかります。
忠臣蔵の朝野内匠頭が切腹した場所に置かれた石が
鳴動します。
死んだ人に取り付いて子供を殺している霊は誰?
百年も前に起こった赤穂浪士の仇討ちはどう
からんでいるのか。

長い時を隔てて起こった出来事にお初と右京之助、
六蔵たちが立ち向かいます。
忠臣蔵として有名になった話は実際にはこういうこと
ではないのかという解釈はおもしろいものです。
幸せだったのに悪政のため人生が狂っていき、あげく
自分まで狂気に陥ってしまい、時を隔てて死人に
憑いて子供を殺すことになる人も哀れです。
お初と右京之助、いいコンビです。1/10

銀二貫

2011-01-19 22:35:59 | 
高田 郁
幻冬舎
発売日:2009-06


高田郁著"銀二貫"を読みました。
鶴之輔の父は侍で人を殺して逃げてきました。
後を追ってきた殺害した男の息子に切られてしまいます。
父をかばった鶴之輔まで殺されそうになります。
通りかかった寒天問屋井川屋の店主和助に金二貫で
助けられます。
そのお金は火事で焼けた天満天神宮を再建するために
寄進するお金でした。
天満を信心する番頭の善次郎は怒りでかんかんです。
鶴之輔は大人でも逃げ出すといわれる寒天を作る
作業場へ一月預けられ辛い作業を経験します。
その後井川屋で丁稚として働くようになります。
名前は松吉と付けられます。
取引先の料理屋の嘉助、その娘の真帆と出会います。
寒天を売っていても松吉にはその味がわかりません。
真帆に味がわからず売っているのはかわいそう言われます。
嘉助が新作の寒天料理を食べさせてくれます。

火事が起こって嘉助の店は焼けてしまい嘉助も美帆も
行方不明になります。

もっと腰の強い寒天が欲しいと嘉助が言っていたことを
実現しようと松吉は冬は作業所へ通って試行錯誤をして
寒天を作ります。
何年かの後に糸寒天はできあがります。

今度は寒天に小豆餡を入れた羊羹作りに挑戦します。
美帆は火事の数年後に娘を失った人と暮らしているのが
見つかります。顔半分にやけどをおっています。
何度も失敗の後、美帆に手伝ってもらい完成します。

最初の金二貫を寄進するためにいっしょうけんめい働いて
きた井川屋の人たちですが溜まるたび、何かが起こって
そちらにまわすことになりなかなか溜まりません。
二十二年の後やっと寄進がかないました。
松吉は美帆と夫婦になりました。
腹を立てていた番頭も松吉が店に来てくれたことを
安い買い物でしたといってくれるのでした。

井川屋の人達、みんないい人たちです。
番頭さんは最初の内ちょっと意地悪いこといってますけど。
お仕事小説です。
いっしょうけんめい働いて目標にしたものを実現して
いくといった話です。
読みやすく松吉と共に達成感を味わえます。
いい本でした。

恋細工

2011-01-18 22:12:36 | 
西條 奈加
新潮社
発売日:2009-04


西條奈加著"恋細工"を読みました。
お凛は錺(かざり)職の椋屋の娘です。
お姉さんのお房の夫が4代目春仙を継いでいます。
義兄が病気で長くないと店の将来をお凛に託します。
三年後お凛が五代目を選ぶことと遺言します。
時蔵という錺職もいっしょに働くことになります。
時蔵は店にいる職人の誰も持っていない技術を持っています。
時蔵は皆と馴染もうとはしません。
時代は女性が錺職になることを認めていません。
お凛は子供のころより錺職人になることを望んでいます。
家の隅で人に知られないよう錺職の修行をしてきました。
江戸時代できびしく倹約するよう命令されています。
錺職も仕事がし難くなっていきます。
そんな時に千両の山車を作る仕事が持ち込まれます。
心を一つにして皆はこの秘密の仕事に打ちこみます。
お凛はいつしか時蔵にひかれています。
山車が出来上がって発表しますが、時蔵が役人に
捕まり牢内で時蔵に恨みを持っていた男に
殺されてしまします。

錺職という仕事に打ち込む人々の生き様が描かれています。
こんなふうに打ち込める仕事があるということは幸せな
ことです。

雪のあと

2011-01-17 22:04:08 | 日常の出来事
今日も時々ちらちらと雪が降っていました。
朝のニュースでは名古屋の積雪は10センチで9年ぶり
だそうです。
通勤は自転車なんてめっそうもない、地下鉄で行きました。
昨日は誰の足跡もついてない新雪のところをずぼ、ずぼと
足を雪のなかにめり込ませて歩いていました。
ジーンズの裾がびしょびしょになってしまいました。
地下鉄の駅まで行くのに足元がびしょびしょになって
しまったら困るなあと心配しならが出かけました。
でも人が多く通る道は踏み固められていて楽に歩け
ぬれることはありませんでした。

お昼休みに外に出てみたらだいぶ雪は溶けていました。
あたりが水浸しで雨の時でもこんなふうにならないのに
どうしてだろうとあたりを見回しました。
まだ残っている雪が堤防となって溶けた雪が流れられない
よう閉じ込めていたのでした。

高い木の上からばさ、ばさと雪が落ちてきます。
あの雪の直撃を受けたら冷たくて飛び上がってしまう
に違いありません。
なるべく木の側を避けて歩きました。

降り積もるのも早いけど、溶けるのも早くて夕方には
道の真ん中の雪はなくなっていました。
雪は溶けた後がこわいです。明日は自転車で行こうと
思っているのですが、路面が凍っている所があるでしょう
から注意深く走らねばなりません。

雪です

2011-01-16 22:15:22 | 日常の出来事
雪です。
12時ごろは木々にうっすら積もっているだけだった
のに2時ごろに外を見てみたら一面の雪でした。
その時にすでに5センチぐらく積もっていました。
こんなに短時間に雪って積もるもんなんですね。
夜のうちに降って朝積もっているのに気づくという
のがほとんどでした。
昼間にこんこんと雪が降るというのはめすらしいです。
久しぶりの雪です。
雪といっても通勤が大変だなと思うぐらいで降って
うれしいということはありません。

ノリタケの森



アンストッパブル

2011-01-15 22:12:07 | 映画
映画を見てきました。
ミッドランドスクエアの映画館の券を買っておいたの
ですが期限が1月中なので見にいくことにしました。
何をみようかインターネットで検索してアンストッパブル
にしました。
実際に起きたことを元にして作られた映画だそうです。
ねたばれです。
ディーゼル燃料と発火性の強い有毒物質を積んだ貨物列車
が運転手のミスで無人で暴走します。
28年運転手をしているフランクと車掌になって4ヶ月の
ウィルが別の貨物列車を運転して反対側から出発します。
操車場の女性場長のコニーが列車を止めるため次々と
指示を発します。
会社は人がいない農場で脱線させるよう提案したコニーの
意見を退けて別の貨車を先頭にくっつけてブレーキを
かける、ヘリコプターから人を降ろすという対策が
ことごと失敗してしまいます。
フランクとウィルが会社の指示を無視して暴走列車の後ろ
からバックで追いかけていって連結してブレーキを
かけます。
列車から車の荷台へ飛び降りたウィルが、運転台に
飛び移って列車を止めます。

最初から最後まで手に汗を握るはらはらどきどきです。
列車って無人で走り出したら止める手立てって組み込まれて
いないものなんでしょうか。映画見てたらほんと恐いです。
運転手が病気で倒れることだってあるでしょうに。
これがほんとに起きた事だというのがすごいです

ワンダー・ドッグ

2011-01-13 22:21:49 | 

竹内真著"ワンダー・ドッグ"を読みました。
空沢高校の入学式に甲町源太郎は子犬を抱え服は破れ
ほこりまみれで遅れてやってきました。
教頭にさんざんに叱られます。
校庭にテントを張ってテント生活していたワンダー・
フォーゲル部に犬を預かってもらいます。
そのうち源太郎はワンダー・フォーゲル部に入部し
犬も部の犬となりました。名前はワンダーです。
総体に犬を連れていき行方不明になってまわりに迷惑を
かけ教頭からまたしても犬をどうにかするようこごとを
いわれます。
それをうまいことかわしてワンダーは学校中の学生達に
かわいがられます。

二章では源太郎は卒業して町を離れてています。
ワンダー・フォーゲル部に入ってきた知草由貴は
部の活動はしたくない、ワンダーの世話だけが
したいのだといいます。
ワンダーを校内で監視付きで自由にさせてやりたいと
思っています。
壁は教頭です。教頭のOKをもらうためにボルダリングで
いい成績をとるための練習に励みます。
ロッククライミングのなかにフリークライミングがあり
その中にボルダリングがあるそうです。
壁にあるホールドに手をかけたり足を置いて登って
いくスポーツです。
ぜんぜんスポーツに興味がなかった由貴がボルダリングに
のめり込んでいきます。

源太郎が教育実習のため母校の高校へ戻ってきます。
ワンダーは覚えていてとても喜びます。
先生になるかどうかはっきり決心して実習しているのでは
ありません。迷っています。

10年近くたってワンダー・フォーゲル部の同窓会を
開こうという話が起こります。
新聞記者の長谷部が部員犬と部員との交流を本にしたい、
テレビで取り上げたいということから始まりました。
ワンダー・フォーゲル部らしく山にテントを張り
一泊二日で来たい時に来て、山登りをしたい人は山に
登り泊まっていける人はテントで寝るという同窓会が
開かれました。
もちろんワンダーもいっしょです。

部員犬ワンダーはいつの時代もその時の学生たちに
かわいがられます。
犬がいる学生生活、いいですね。
この本に出てくる学生たちぎすぎすしていなくて
いいです。
学生時代を楽しんでいるなぁと感じました。