雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

カレーライス

2011-06-30 21:07:21 | 食べ物
家に帰って普段はすぐ食事の用意をするのですがなんだか
食べたくなくてしばらく本を読んでいました。
8時ごろになって何か食べなくちゃと冷蔵庫に入れて
あった残り物のカレーを暖めて食べました。
ご飯は冷凍してあったのを解凍したものです。
暖めただけで今日の調理はおしまいです。
でもこのカレーめずらしくおいしいのです。

この前のテレビの料理番組で紹介していた作り方で
やってみました。
日曜6時から江角マキコさんが出ているウチゴハンです。
たまねぎがメインで切って水を少し入れて蒸すように
してその後お肉を入れてちょっといためこの時点で
カレーのルーを入れてしまいます。
カレーの箱には野菜、肉が煮えて最後に火を止めルーを
入れると書かれています。
なんという邪道と思ってテレビを見ていました。
トマトを加えその後水を加えます。水が最後なんです。
トマトは高いのでボイルドトマトの缶詰を半分入れて
みました。
10分ほど煮込んで出来上がりです。

料理番組でおいしいといっていても実際に作ってみると
ぜんぜんおいしくないことが多いのですがこれは
変った味がします。
トマトの味がたぶん勝っているのだと思います。
それに今の季節はたまねぎがとてもおいしいです。
カレーというよりハヤシに近い味がします。
適当に作っているのでテレビのものと別物の可能性は
ありますがそれでもおいしければOKです。
ウチゴハンのカレーの作り方はホームページ
見られます。

一度おいしいと思ったものを再度作ってみても
ぜんぜん前の味が再現できないことがあります。
今度また同じように作って同じ味になるでしょうか。
前に餃子を作ったらとても美味しかったのにその後
どんなに努力してもあの時の味が再現できません。
時々作ってますが一味足りません。
カレーもそうならないで欲しいな。

桜宵

2011-06-29 21:47:47 | 
北森 鴻
講談社
発売日:2003-04


北森鴻著"桜宵"を読みました。
図書館で手に取りました。この本シリーズ物の1冊
だったようです。
三軒茶屋にある香菜里屋(かなりや)という小さなバー
バーテンダー工藤がお客さんの話を聞いて不思議な
出来事の真相をつきとめるという連作短編集です。
バーテンが事件の謎を解くという安楽椅子探偵物と
言えば鮎川哲也さんの三番館シリーズを思い出します。
この本の工藤さんは事件の謎を解く探偵という立場を
前面に押し出してはいません。
話を聞いていてこういうことなのではと話始めます。

いつものごとくねたばれありです。
"十五周年"
タクシードライバーの日浦は故郷の花巻の小料理店の
夕海から15周年記念に呼ばれます。
このパーティの本当の目的は別のことにありました。
日浦は夕海やまわりの人たちの策略に踊らされます。
日浦は夕海と結婚して花巻へ帰って小料理店をやる
ことになります。
まあめでたしめでたしですが、なぜにこんな手のこんだ
ことするのだろうとの疑問は残ります。
人は同じことを協力して成し遂げると強く惹かれあうと
いいます。でも壊れるのも早いといいます。

"桜宵"
題名になっている話です。
御衣黄というめずらしい桜の木の下で桜が咲く時に
毎年3日間を過ごす女性がいます。
その女性に興味を持って同じように毎年女性に
会いに行った男性がいます。
神崎というその男性の奥さんは病気で亡くなりました。
最後のプレゼントを用意してあるので香菜里屋へ行くように
という手紙がみつかります。
奥さんは神崎が女性のことを知っていました。
どういうつもりなのかと不愉快になる神崎に工藤は
奥さんの気持ちはこうだったのではと披露します。
この話を読んでほのぼのという気にはなれません。
なんだかもやもやと嫌な気分が残ります。
私がこの奥さんの立場なら?、何もしないという選択を
するでしょう。

"犬のお告げ"
ある会社の人事部の湯浅部長はリストラ担当です。
リストラ対象の人たちを家に招いてパーティを開き
飼い犬が噛んだ人をリストラしているといううわさが
たっています。
飼い犬が死にその後部長も奥さんに刺されました。
工藤さんがこうではないかと説明してくれます。
犬には塩分は体によくありません。だけども塩が大好きです。
塩を腕カバーにふりかけておけば犬は塩目当てに噛み付きます。
塩分の取りすぎで犬は死に夫人は真相を知り夫を刺しました。
この話も嫌な話です。

"旅人の真相"
黄金のカクテルを求めて高史はバーをめぐっています。
めだつようにいやみを言って帰っていきます。
高史が殺されました。
殺したのは恋人のバーデンダーです。彼女はコンテストに
出場するため黄金のカクテルを作ろうとしていました。
高史は恋人のためを思ってやっているように見せかけて
その実は彼女を失脚させようとしていました。
誰かといっしょにいることで自分が輝く、高史はそんな
人です。彼女が離れていかないようにとしたことです。

"約束"
1話目に登場した日浦の店に工藤は遊びにいき店を
手伝っていました。
そこへやってきたのが十年ぶりにこの店で再会を
約束した男女です。
女性の様子がおかしいです。
誰もが席を立つのを待っています。
男性を殺そうとしています。
その理由というのがあまりにも理不尽なものです。
男性が幸せなら自分が不幸になり、男性が不幸なら自分は
幸せになれる。いままでがそうだった。
だから殺すと。
工藤に見抜かれ実行にはうつされませんでした。

この本はミステリーに分類されるのでしょうね。
ミステリーは人を殺したり陥れたりそういう話が
多いわけですからほのぼのした話にはなりにくいで
しょうが、嫌な気分になってくる話ばかりでした。
シャーロック・ホームズ物は読み終わったあとは
あぁ楽しかった、とすっきりした気分になるの
ですけどね。

モップガール

2011-06-28 20:22:54 | 
加藤 実秋
小学館
発売日:2007-09-14


加藤実秋著"モップガール"を読みました。
桃子は清掃会社クリーニングサービス宝船のスタッフ
募集に応募してアルバイトを始めます。
社長は東で大の犬好きだけど犬アレルギーで犬に近寄れ
ない人です。
重男は現場の責任者です。演劇をやっています。
翔はバイト、未樹は事務です。
桃子は時々左耳が聞こえなくなります。何日かすると
聞こえるようになります。
宝船は普通の清掃だけでなく事件や事故の物件や
亡くなった後の部屋の片付けなども扱っています。

"おわりの町"
殺人事件のあった部屋の掃除をしました。
桃子は左耳が聞こえなくなっていました。
見たことのない風景が見えました。
時々見える風景は亡くなった人が見ていた風景では
ないかとぶあいそうな翔と調べ始めます。

"赤い衝撃"
屋上から人が落ちた後の掃除を引き受けました。
桃子はやはり左耳が聞こえません。
このあと何を食べても飲んでも同じ味しか感じなく
なります。赤いきつねの味です。

"ファンハウス"
古い洋館の掃除をすることになりました。
桃子に今度おきたのは臭いです。
ずっと同じ臭いがします。
洋館に隠された秘密は何か?

"ブラッシュボーイ"
行方不明になった人の部屋を片付けることになりました。
翔の秘密も明かされます。
桃子は今回は寒さに襲われます。
暑い季節なのに寒くてコートを着てマフラーを捲いて
人目につく異常な格好をしています。
翔のお父さんにかけられた無実の罪をはらします。

人が嫌がる後片付けの仕事です。誰かがやらなければ
いけません。でも人の目にふれない所での仕事
なので気づかずに過ぎてきました。
最近はテレビのニュースで紹介されたりドラマになったり
してちょっとは知るようになりました。
仕事と不思議な体質から起こる現象を組み合わせた
これはミステリーなんでしょうね。
死者が残していったものを感じとるという話です。
つまらないとは言いませんが話に引き込まれることも
ありません。ちょいとたいくつでした。

ワーキング・ホリデー

2011-06-27 22:25:53 | 

坂木司著"ワーキング・ホリデー"を読みました。
ホストをしているヤマトの仕事場に小学生の男の子が
訪ねてきます。
「初めまして、お父さん」
子供がいることなど知らないヤマトはびっくりします。
子供は神保進、お母さんは由希子です。
思い当たることがあります。
翌日店でトラブルを起こしてヤマトはクビになって
しまいます。でもオーナのジャスミンが経営している
別会社の宅配の配達の仕事で使ってくれることになります。
アパートも変わってヤマトと進は夏休みの間だけ
いっしょに暮らすことになります。

しっかり者の進は食事の支度をしてくれます。
ごみの分別も大人たちを指図してきちんと分けます。
ヤマトは部屋はぐちゃぐちゃ炊事もできません。
生活していくことに関しては大人と子供が逆になって
いる感じです。
でもヤマトはものごとのけじめについてはしっかりと
進に伝えます。
急に親子になった二人ですが波長は合っているいる
ようです。
どちらにとっても会うことが出来てよかったといえる
夏休みでした。

ジャスミンやホスト時代の同僚の雪夜、客だったナナ、
新しい仕事仲間のボス、コブ、リカ、イワさん、
進が児童館で友達になったシュン、ヒデトとの出来事が
書かれています。

午前三時のルースター

2011-06-26 17:28:30 | 

垣根涼介著"午前三時のルースター"を読みました。
垣根さんのデビュー作品でサントリーミステリー大賞を
取ったものです。
とてもおもしろかったです。
先が知りたくて夢中で読んでしまいました。
旅行会社に勤める長瀬はジュエリー・ナカニシの社長
から孫の慎一郎の添乗員としてベトナムへ行って
くれるよう頼まれます。
高校入学のお祝いとして行きたいというのですが本当の
目的はベトナムで死んだとされる父親を探すためです。
テレビ番組のベトナムの特集で父親が写っていたというのです。
長瀬の友人の源内は親が残してくれた遺産で今は無職です。
元放送局勤めだったため情報を求めたら、ベトナムへ
ついて来ることになりました。

ベトナムでは最初からじゃまが入ります。
日本で予約したホテル、ガイド、運転手がキャンセル
されていました。
改造された車を気に入ってクシードライバーのビエンを
運転手に、娼婦のメイをガイドとして雇います。
テレビで放映された市場から父親探しが始まります。
5人が車に追われたり危険な目にあったりと、冒険が
始まります。
いったい誰が彼らがサイゴンに来たことを知っていて
妨害するのか、父親は生きているのかと、いっきに
読ませます。

(ねたばれです。本を読みたい人は見ないでください)
父親は生きていました。ベトナムで会社を立ち上げる
資金を横領して新事業を始めてボスに収まっていました。
違法とはいえないのかも知れませんが危なそうな仕事で
暴力をいとわない男たちに囲まれています。
慎一郎は父親に捨てられたことになります。
こういうこともあるとはわかっていてもまだしっかりと
受け止められません。
祖父は同じ番組を見て調べさせ何もかも知っていました。
父親に会わせまいとじゃまをしていたのは祖父でした。

慎一郎は祖父とは父親のこと、じゃまをしたことを
知らなかったこととして暮らしていこうと決心します。
母親自体が相手を気に入っているのですが政略結婚の
結婚をする予定です。
慎一郎はこれからどうやって生きていくのだろうかと
思わせられます。
でもしっかりしている慎一郎は自分の道を見つけて
生きていくでしょう。
長瀬も源内も好感が持てる人物です。
ビエン、メイとも危険を共にして仲間として過ごします。

ワイルド・ソウル君たちに明日はないの主人公たちの
あくの強さはこの本の登場人物にはなく、冒険心は
あるものの普通の人です。こちらの本の人たちの
方が身近に感じて好きです。
車のことはマニアックに書かれています。
書くために調べたのではなく作者自身が本当に車が
好きなんだろうなと感じられます。

午前三時のルースターってなんだったけと本を見直し
ました。ルースターは一番鶏だそうです。
本の最後に出てきます。

かがみのもり

2011-06-25 22:32:39 | 
おまわりさんが道路の真ん中に立って警備をしていました。
人も車もほとんど通らない道です。
ちょっとひまそうでした。
おまわりさんの横を通ったら「こんにちは」と声をかけられ
ました。びっくりしましたが「こんにちは」と返すことは
できました。
もう一方の端にもおまわりさんは立っています。
この人も声かけてくれるかしらと思っていたらやっぱり
「こんにちは」って言ってくれました。
なんだかおまわりさんは親しく話しかけたりしないもんだ
と思い込んでいたのでびっくりしました。
そんな風に思っててごめんなさい。


大崎梢著"かがみのもり"を読みました。
朝目が覚めて本を手に取り読み出しあっという間に
読み終わりました。
片野厚介は新人の中学国語教師です。
受け持っているクラスの笹木と勝又から相談を持ちかけ
られました。
山宝神社は御神体は裏山です。奥社は裏山にありますが
15年前に土砂崩れが起きてから山への立ち入りは
禁止されています。
中学生二人は山に入りました。山は荒れて道はずたずたに
なっています。
洞穴の中に金ぴかの小さな奥社があるのを見つけました。
そこには御神体の鏡と有名な彫刻家が作った狼が
ありました。

ブログに写真を載せたところ身近にあやしい人物が
現れます。
探偵だという男も現れます。
宮司はクラスメートの父親です。
先生の一人の動きもあやしいです。
15年前奥社や山は問題のある宗教団体に乗っ取られ
追い出すため大騒動が起きました。土砂崩れがおきて
追い出すことができました。
そのころのことはタブー視されて話されることは
ありません。
その宗教団体が何かをさがしまわっています。
大人たちもそれぞれの思惑があって何を考えて
いるのかわかりません。

中学生二人と新人の先生が、あやしい人々に拉致され
たり、追っかけたりと山の中を歩きまわることになります。

子供たちが中心人物の話ですからこんな現実的な
なまなましい犯罪の話だとは思いませんでした。
もっとおだやかな話だと勝手に思っていました。
でもおもしろかったです。

夏はつらい

2011-06-24 22:19:56 | 日常の出来事
ちょっとほっとしました。
毎年夏になると寒い寒いと言っています。
寒さにふるえ頭ががんがんするのに耐えています。
廻りの人はそれほど寒いのに平気で快適そうです。
冷房が入り始めて2日目、寒くて厚手の上着と
ひざ掛けで完全防寒です。
でも今年はちょっと様子が違います。
最近やってきた隣の席の男の人。やはり上着を着て
ひざ掛けを引き出しからごそごそとひっぱり出して
きてひざにかけています。
「寒い!」、「寒い!」と声に出して言ってます。
ほっ。同じ感覚の人がいたんだ。
エアコンと、扇風機も回っていますが、風の向きを
変えてくれたり温度を高めにしてくれました。
少し楽になりました。
今までまわりの人たちはひじょうに快適そうで自分は
温度感覚がよほどおかしいのだと思っていました。
人と同じように思えなくてなんだかさみしく悲しく
嫌な気分でした。
そうではない、やっぱり寒いのだとわかっただけで
心が軽くなりました。

夏は暑くて耐えられないし、寒くて耐えられないし
ほんとにつらい季節です。
小学生のころは夏が大好きだったのに、なんという
変りようでしょう。

暑くなってきました

2011-06-23 21:57:31 | 日常の出来事
昨日から急に暑くなりました。
「暑いね」があいさつの言葉になりました。
職場ではエアコンを使い始めました。
家では押入れから扇風機を出してきました。
今日から扇風機を使い始めました。
寝る時にはエアコンが必要になるでしょうか。
やれやれこれから9月から10月の中ごろまで暑い
暑いと言いながら過ごすことになります。
今日は書くことが思いつかないのでもうこのへんで。

たましくる イタコ千歳のあやかし事件帖

2011-06-22 22:26:38 | 

堀川アサコ著"たましくる イタコ千歳のあやかし事件帖"
を読みました。
昭和6年ごろの話です。
島田幸代は双子の姉の子供の安子を連れて広前に行こうと
しています。
姉雪子と内縁の夫が死んだため安子を実の父親の新志
の家へ連れて行こうとしています。
弘前の大金持ちの家です。新志と雪子は前に川に飛び
込んで心中未遂をしたことがあります。
"魂来る"では雪子が内縁の夫を殺して自殺した無理心中と
見られていましたが実際は別の人が二人を殺したのだと
幸子がみやぶります。
雪子は新志の妹のイタコの千歳に勧められ千歳の家で
家事をすることにします。
千歳は19歳、半年の結婚生活後夫に死なれて泣き暮らし
これではいけないと1年半の修行ののちイタコとして
独立しました。目は見えません。

"ウブメ"では昭和初期の東北の農家の様子や貧しい
女性がどのように生きてきたか、力を持ちたい女性が
どのように努力してきたかがわかります。
昭和初期のことを書いたものを読むことはありません。
過去の有名な作家のものを手にすればきっとわかるに
違いありませんが敷居が高くて手が出ません。
この話でたいへんな時代だったのだとわかります。
ここに出て来る農家のお嫁さん、悲しいですね。
子供を妊娠するのですが歓迎されず、女の子なら
殺す、男の子なら働き手として育てようといわれます。
でも生まれたら女の子だったといわれ殺されて
しまいます。たぶん男の子だったのに。
いきどおりのないくやしさだったでしょう。

"インソムニア"不眠症だそうです。
千歳のところへ自分はだれなのか教えて欲しいと依頼に
きた男はふっと消えてしまいました。
ある土地の地主がなんど建物を建てても火事で焼けて
しまう、なんとかしてくださいと依頼してきます。
この話は現実離れしていて幻想的な話です。

"紅蓮" ねたばれです。
幸代は弘前へきてからよく蝶子と間違われます。
蝶子は新志が学生のころ付き合っていた女性です。
ある夜行方不明になりました。
何年も昔の話です。
父親は女衒をしています。父親に殴られて家を飛び出し
北風外記という剣術の道場主と奥さんの弥生の元へ
行ったまま蝶子はふっと消えてしまいました。
同じ夜に外記は殺されました。犯人として捕まったのは
その日家に行った宮原要平です。
殺人はしていないと言い続けましたが獄中で死にました。
蝶子の結婚相手とされていた木下孝美が殺されます。
宮原要平の父文一が殺したと名乗り出ます。
ずっと見つかっていない蝶子はどこにいってしまった
のでしょう。
外記を殺したのは弥生です。
蝶子はそれを見てしまいました。蝶子を殺したのは
木下です。
長い年月ののち、池の底から蝶子の骨が発見されました。
ややこしい話です。書いていてもわからなくなります。
正気を失くして座敷牢へ入れられていた安子の父新志は
安子や幸代が現れてから正気を取り戻して外を歩ける
ようになりました。

千歳は昭和初期の年若い女性ですがしっかりしています。
お金持ちの実家が後ろについていますから自立している
とはいえませんが後ろ盾がなくなればなくなったで
一人で生きていける力を持った女性です。
幸代は東京にいた時のよりどころのなさが消えて
しゃっきりしてきました。
全体を通すとなんだか連続性のない話ですが結構
おもしろかったです。
"ウブメ"が一番心に残った話です。
昭和の農村女性の悲しさが胸にせまってきます。

こちらを叩けばあちらが飛び出る

2011-06-21 22:27:09 | コンピュータ
あるソフトを手直ししました。①
まったく関係ないソフトが動かなくなったと連絡が
ありました。②
最初はこの二つが関係あるとは思いませんでした。
調べてみると①で変更したファイルを②でも使って
いたのです。
一つを直せば別のものに影響を与えるのではないかと
考えるのは常識です。
ちょっとばかり形式が変ったとしても対応できるよう
考えて作るのも常識です。
いくつもの常識をクリアするのを怠ったようです。
私が作るものが使われるのはほんの小さなエリアです。
かなり問題でもごめんね、ですんでしまいます。

広い世界に向けて販売するソフトを作っている人たちの
ソフトに対する心構えはどのようなんだろうと思います。
結局今まで大衆向けのソフトを作成したことはありません。
一度ぐらい大衆向けのソフトを作ってみたかったなぁと
思います。でももうこれからやってみようという元気は
ありません。
大量に販売されたソフトでは間違った、修正した、
又別の所がおかしくなったなんてやっていたら世間に
対して恥をさらすようなことになってしまいます。
間違いがなく、又変更や追加に対応できる柔軟な
ソフトを作るノウハウはそれぞれの会社あるいは
個人で蓄積されているのでしょうね。

チャコズガーデン

2011-06-20 20:59:41 | 
明野 照葉
中央公論新社
発売日:2011-03


明野照葉著"チャコズガーデン"を読みました。
プロローグがあったのですねぇ。
読んだはずなのに本を再度手にしてこのプロローグの
意味がやっとわかりました。
チャコズガーデンは吉祥寺にある分譲マンションです。
十八年前に建てられました。
渚は505号室に住んでいます。
夫だった人は会社の経営者です。物事をあっさりと割り
切って考えられる人でぴったりのパートナーに出会ったと
渚と離婚をして出て行きました。マンションは渚のものと
なりました。
渚は簡単には立ち直れなくて引きこもり状態です。
503に越してきたのは岡地家、奥さんは映子で
子供はケイトです。幸せそうな人です。
7階は1世帯だけで他の部屋とは別の作りになっています。
エレベータも専用です。80過ぎの女性が付き添いの人と
住んでいるらしいというだけで誰も姿をみたことがありません。

チャコズガーデンでは最近おかしなことが起きています。
ダイレクトメールが多く配達されます。それも家族の
状況がわかっていて、その家族が必要とするだろう商品を
扱っている企業から送られてきます。
個人情報がもれているように思われます。
夜中に工事をしている音が聞こえます。
不審者がうろついています。

最初の方は人付き合いが簡単そうなマンション住まい
にみえるのに何かことが起きればマンションの住人
全体で考えなければならなくてたいへんそうな状態が
描かれています。
うっとおしいとかめんどくさいとかの言葉がよく
でてきます。

マンションに起きている問題を解決するため集会が
開かれます。
マンションには優秀な成績なのに高校を辞めてしまった
民樹や、邪魔と世間に言ってはばからなかった家族3人を
相次いで亡くした有名な脚本家などが住んでいます。
ケイトは男の子だと思っていたら和稀という女の子でした。
自分は死んでしまったお兄さんのケイトだと言い張って
います。

いろいろ調べた結果理事長の近藤夫婦が行方不明になって
おりその部屋で内緒で工事が行われtいたことが判明します。
先物取引に手を出し莫大な借金を抱えて夜逃げをしたのです。
部屋に入り込んでいたのがいかがわしいカルト集団です。
近藤はマンション修理の積立金にまで手をだしている
ことがわかります。

こんな状態になってかえってマンション住民がお互いの
ことを知り話すようになりました。
7階のペントハススレディの正体もわかります。
渚は仕事を再開します。前の夫と再会します。
彼は最高のパートナーだといっていた女性とすぐ別れて
いました。渚と時々食事する関係に戻っています。
彼らが再婚する可能性はどうでしょう。

最初のころは私も読んでいて重苦しい雰囲気になって
あぁ、いやな話になりそうと思っていましたが
だんだんによい方向になっていきました。
和稀も民樹も変りました。
マンションの住民たちに和やかな雰囲気がただよって
います。みんなが集まれる場所も出来ました。
マンション生活は何かあったら辛そうと思わせられ
ましたがそうとはいえないということを表現して
くれました。
ほっとする話でした。
チャコとは久子の愛称なんですね。

For You

2011-06-19 22:55:20 | 
五十嵐 貴久
祥伝社
発売日:2008-03


五十嵐貴久著"For You"を読みました。
ねたばれにならずに書ける自信ありませんのでお気を
付けください。

44歳の叔母の吉野冬子が倒れ、姪の雑誌の編集者の
佐伯朝美が病院へ駆けつける場面から始まります。
生まれが静岡の朝美は1歳の時に母を事故で亡くしています。
大学生だった冬子が1年ほど面倒を見てくれました。
その後東京に出向している父のもとで育ちます。
冬子は大学を卒業し東京の新聞社に就職しました。
同じ東京住まいになり冬子は朝美の面倒をよくみて
くれ、よく叱ってくれました。
冬子と朝美はとても仲がいい関係でした。
冬子はずっと独身でした。男性からよくアプローチが
あったにもかかわらずまったく感心がない態度を
取っていました。
冬子の部屋の整理を一番側にいた朝美がまかされます。
そこでみつけたのが冬子の高校時代から大学時代の
日記です。

冬子の日記と、現在の朝美の仕事とが交互に
語られます。頭がうまく切り替わらずこの人誰だった?
と混乱することがあります。
高二の時転校してきた藤城篤史は無口な男の子です。
隣の席となった最初の日から冬子には気になる人でした。
本好きな冬子が図書館へ行くとそこに藤城を見かける
ことがありました。
冬子にはU、みかりん、ピータン、ナオという女性の
友達がいました。Uの付き合っている黒川をつうじで
男性グループといっしょに江ノ島へ日帰り旅行を
したり、大晦日に年越しをいっしょに過ごしたりしました。
文化祭で当時まだ知られていないクレープを売り出して
大人気になったりと青春を謳歌していました。
ずっと藤城が気になっていました。たぶんその気持ちを
藤城は気づいているはずですがなんの進展もありません。

朝美はいっしょに仕事をしているカメラマンの草壁と
付き合っています。
草壁は離婚経験ありで子供を引き取っています。
山男です。収入は少ないです。一回りも年上です。
朝美は迷っています。
父には反対されています。冬子には何を迷っていると
言われていました。
編集者になってまだ1年ちょっとです。
韓国の大人気のスター、フィル・ウォンのインタビュー
をする仕事をまかされます。
ウォンは個人的なことは何も明かされず謎めいた人です。
一つの会社に与えられる時間は5分とか7分とかで
朝から夕方まで1日に数社のインタビューをこなします。

朝美の会社はどうしてだか一番最後に変更になりました。
カメラマンの草壁とインタビューアの福永と三人で
会います。
いい具合に話は進んでいたのですが3分ほどのところで
ウォンが飲み物をひっくり返して自分の洋服を
汚してしまいました。
後にどうしても外せないパーティがせまっていて短時間で
インタビューは打ち切られてしまいます。

その後ウォン側から謝罪の電話があり翌日30分も
時間を取ってくれるとのありがたい話がありました。
何も個人的なことは話さないという気難しい男という
それまでに作られていた印象とはうってかわって
友好的に振舞うウォンでした。

冬子たちは高校三年になってそれぞれの進路へ向けて
真剣に取り組んでいました。
各々別の人生に向けて高三の時を過ごしていました。
藤城は少しは打ち解けていた態度を示していたのに高三の
二学期あたりから誰とも距離をおくようになっていました。
なぜだか気になってしようがない冬子ですが藤城は理由を
話そうとはしません。
冬子は静岡の国立大学に合格します。
藤城は慶応の医学部に合格します。

1年後に同窓会が開かれます。藤城は行方不明になって
います。同じ大学に合格した人たちも大学で姿をみた
ことがないといいます。
大学二年になってある日大学の前に立っている藤城に
出会います。彼女に会いにきたのです。

本を読んでみようという気になった方はこの先は
読まない方がいいです。

藤城は彼の秘密を話始めます。
彼は韓国人で父親の医学の勉強についてきて3年間
ほど日本人として過ごしたのです。
いまは韓国に戻って大学に通っています。
友達を作り親しくなったら別れが辛いからとあまり
親しくならないようにしていたといいます。
文通が始まります。
そして再度藤城が来日します。
2年から3年の兵役につくことになったといいます。
藤城と冬子は一晩を共にします。

フィル・ウォンが日本を離れる日に合同記者会見が
開かれました。
突然にウォンが流暢に日本語を話始めます。
秘密にしていた過去を語り始めます。
苦労して育ったということを打ち明けます。
誕生日を明らかにします。
今日の朝はとても美しかったといいます。
その話を聞いて朝美は何もかも理解します。
ウォンが日本に来た理由、最後にされた理由、
飲み物をこぼした理由は何か。
自分たちが双子の兄弟だと確信します。
藤城と冬実との間の子供なのだろうと。
藤城は兄弟が生まれる前に亡くなっています。
ウォンが父親側に引き取られ、朝美は姉夫婦の子として
育てられたのだろうと推測します。

なんかびっくりな話でしたね。
安直といえばそうなんですが、おもしろかったです。
学生時代の青春物語のようでもあり、就職したばかりの
若者の物語でもあり、最後まで読むとミステリーだった
のかと思わせる部分もあります。
冬子さんばりばり仕事をこなしまわりの人たちに好かれて
魅力的な人です。
生きている間に真実を打ち明けてもよかったようにも
思いますが、父親と娘との関係が壊れないように、
真実を知った時の朝美がどのような態度をとるか考えれば
言えないでいたのでしょうか。
息子とは会っていたようです。
兄弟は自分のことを知っていて会いたいと思ってくれて
いました。
いずれかは朝美も真実を知ることになったでしょう。
ちょうどその時がきてたのでしょう。
冬子が生きていればと思います。

インターネットで民放ラジオ

2011-06-18 09:12:51 | テレビ・新聞から
インターネットで民放ラジオがきけるのですね。
今日の新聞の日曜版に載っていました。
50%の人が知っているというグラフが載っていますから
知らないというのは情報に疎いということですね。

パソコンでテレビはみられます。
地デシに変ったらみられなくなります。対応の仕方は
あるのでしょうけどめんどくさがって何もしていません。
パソコンのテレビだけではなく普通のテレビも
あれだけうるさくいっているのに何もしていません。
どうでもいいやって感じです。
ずっと何十年来、家にいる間はおもしろかろうが
なかろうがテレビはスイッチが入っていましたが、
ここ数年は興味がなくなってあまり見ません。
これは年のせいかな。
テレビが見たいと切実に思うまでなくてもいいかという
気が強くて対応を取ろうという気がおきません。
NHKの視聴料は引き落としで払っています。
テレビが映らなくなったらこれは止めたいと思っています。

ラジオの話から脱線してしまいました。
なぜラジオを聞ける機能がパソコンにないのだろうと
常々思っていました。
ラジオを聞きながらパソコンやれたらいいなと感じて
いました。
そうかこうやって聞けるのですね。
CBCラジオ、東海ラジオ、ぎふチャン、ラジオNIKKEI,
ZIP-FM,FM AICHI が聞けるようです。
今聞いています。
rajiko で検索して入っていくか、http://rajiko.jp/ で
直接入ります。

西瓜の季節です

2011-06-16 23:08:07 | 日常の出来事
本の感想文はストック切れです。
今日はお昼ごろから雨が降ってきました。
梅雨の季節ですから仕方ありません。
そういえば今年は涼しいですね。
快適な気温の日が続いてうれしいです。
超クールビズだなんていっていますがどこまで実行
できるんでしょうね。
掛け声だけに終わるのじゃないかと思っています。
今までがそうですから。
蛍光灯は暗すぎというほどに抜いてしまっても、
冷房の温度だけは上げられないという人たちです。
温度を上げましょうといっても守られるでしょうか。
いつも夏の寒さにふるえている身にとって設定温度を
上げましょうというのは大歓迎です。
あれだけ寒いのが好きということは冬は暖房がなく
ても困らないのでしょうね。

今日は今年はじめての西瓜を食べました。
子供のころや若いころは果物とお菓子は同類で
大好きでした。
でも今は果物はあまり好きではなくなりました。
食べなくちゃとは思いますがあまり食べたくなく
なりました。
でも西瓜だけは別です。大好きです。
実家にいたころは夏になると母が毎日食べさせて
くれました。
家を出てからは食べなくなりました。
切ったのはおいしそうでないし、1個は大きいしで
買う対象から外れてしまいました。
数年前からまた食べ始めました。
1個買ってどかんと食べたらいいんだと思うように
なってからむしゃむしゃ食べています。
去年ぐらいから小さい西瓜がたくさん出回るように
なりました。
今日のも小さい西瓜です。
今の人たちの好みにあったものに改良されてきたの
でしょうね。
確かに扱いやすくていいです。
皮が薄くて昔のように皮を持ってかぶりつくというより
皮をむいて食べるという方が合っています。
ずいぶん変化したものです。
1/4食べたらお腹がたぷんたぷんしてきました。
ちょっと食べ過ぎ。

迷路館の殺人

2011-06-15 22:04:56 | 

綾辻行人著"迷路館の殺人"を読みました。
寝込んでいた島田の本へ鹿谷門実(ししやかどみ)から
本が送られてきました。
鹿谷が実際に遭遇した事件を書いたものです。
本の中に鹿谷の本がはさまっている感じになっています。
ずいぶん凝った作りになっています。
宮垣葉太郎は60歳になる推理作家の大家です。
丹後の迷路館といわれる館にひっこんでしまいました。
4月1日に迷路館で宮垣の誕生パーティが開かれる
ことになりました。
集まったのは清村、須崎、舟丘、林の4人の宮垣が
育てた作家、編集者の夫婦、評論家、それに島田、
宮垣の秘書の井野です。
迷路館は地下に作られた家です。中央に迷路が作られて
いてその周りに部屋があります。
この家を作ったのは館シリーズの家を設計している
中村青司です。
皆が集まったところで宮垣が自殺したことが知らされます。
遺産の半分を4人の作家が5日間迷路館で書いてその中で
一番よかったものを書いた人に与えると発表されます。

次々と4人の作家と、秘書が殺されます。
鹿谷の本の中で犯人は特定されます。

本の中の鹿谷の本を抜けて島田と鹿谷が食事する場面が
あります。
この部分がこの本の一番推理小説らしい部分です。
本の中で決着は着いているのですがそうではない、
もうひとつ別の解釈があるのだとひっくりかえして
みせます。
殺された人々は殺されるだけの理由があったわけでは
ありません。
ついでみたいな感じです。そういうのはやっぱり
気持ちよくないけど小説だから仕方ないです。
島田と鹿谷、この二人が誰なのかもびっくりさせて
くれます。
これぞ推理小説といった感じの本でした。

この本も以前に読んだことがあります。
でもほどんど覚えていませんでした。