石持浅海著"パレードの明暗 座間味くんの推理"を
読みました。
シリーズ4作目です。
最初の"月の扉"を除いては安楽探偵物になるのかな。
大迫警視長と座間味くんと、今回は南谷結月が本屋さんで
待ち合わせて個室のあるレストランで食事をします。
南谷は特別機動隊に所属して羽田空港の保安検査場で
勤務しています。
単調な勤務にこれでいいのかと疑問を持っています。
食事の時に事件の話が出ます。
事件は決着しているのですが実際はこうではなかったかと
座間味くんが別の見方を語ります。
"女性警察官の嗅覚"
元警察官の女性がスーパーマーケットで事件を未然に
防ぎました。
棚から2つの商品が消えていたことからそれを盗った
人物が起こそうとしていることを推理しました。
"少女のために"
五年生の女の子が自分で顔をカッターで切りました。
母親と二人暮らしで、母親は少女の写真をネットで売って
いました
その行為はエスカレートしていくばかりでした。
顔を傷つけたのは、商品価値をなくし母親の行為を止め
させるためでした。
捜査をした女性警官は母親を扇動するような言葉を投げつけ
母親が暴れる原因を作りました。
女性警官の落ち度だと見なされましたが、座間味くんはその
裏にある意味はこうだったのではと語ります。
"パレードの明暗"
大学祭のイベントのコスチュームプレイでの行列に反対派が
何かを仕出かすらしいと、実行委員の人々は見張っていました。
罠を見つけた男子学生は被害を出さずに処理しました。
女子学生は処理が悪く、被害を出してしまいました。
女性の行動のせいでパレードは中止となりました。
座間味くんは女性の行動の意味を語ります。
"アトリエのある家"
仕事の合間に絵を描いていて、絵が高く評価されている人が
いました。
絵は売りに出されることはありませんでした。
熱狂的なファンだという女性が絵の買い取りを希望して
いましたが、売ってはもらえませんでした。
彼女はアトリエで画家を殺し書きかけの絵を1枚持って
逃げました。
どうしてそういう行動をとったのかを推理します。
"お見合い大作戦"
男性警察官と女性教師がお見合いをしました。
男性はなんとか断りたいと、女性が断ってくれるようなことを
話題にしますが、女性に自分もそうだとことごとく打ち消されて
しまいます。
結局二人は結婚にいたります。
お見合いでの会話から女性の心理を探ります。
"キルト地のバッグ"
外国からの要人を狙ってテロが起こされる情報があり警備が
されていました。
外国人の女性が子供を迎えに幼稚園バスを待っていました。
彼女がテロリストだと疑われました、
子供のバッグから爆弾が見つかりましたが爆発はしませんでした。
真相は何だったのか推理します。
"F1に乗ったレミング"
ゲリラ豪雨で幼稚園バスはアンダーパスとなっている道が
水に浸っている前で女性交通警官に迂回するよう指示されました。
後からパトカーに追われた車が水の中に突っ込んでいきました。
女性警官は何も持たずに車を追って水の中へ入って行きました。
もう一人に手渡されたロープで牽引して運転者は助かりました。
むやみに水に飛び込んだ女性警官は非難されました。
この行動の意味を座間味くんはこうだったのではと語ります。
いくつかは真実を人に明かせないものもありますが、こういう
考えからこういう行動を取りましたと打ち明けてもよさそうな
ものもあります。
人にどう思われてもいいというわけですね。
皆奥ゆかしいです。