雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

猫と忍者と太閤さん 鍋奉行犯科帳

2017-02-27 21:00:00 | 

田中啓文著"猫と忍者と太閤さん 鍋奉行犯科帳"
を読みました。
食べること、飲むことが大好きな巨漢の大阪の西奉行所
の奉行の大邉久右衛門が主人公のシリーズ7冊目です。

"忍び飯"
同心の村越勇太郎と千三は侍が斬られ川に放り込まれ
たのを見ました。
勇太郎は数人の武士に襲われました。
奉行はお気に入りの料理人が怪我をして気に入った
料理が食べられなくて機嫌が悪いです。
新しく雇い入れた料理人二人はそれぞれ目的がある
忍者です。
一人は糠漬けの味を盗むため。
もう一人は奉行を殺すため。
殺された侍はある大名家の反乱に関係しています。

"太閤さんと鍋奉行"
奉行は大食いした後で珍しくお腹を壊しました。
医師の傘庵に5日間は粥、梅干しだけしか食べることを
禁止されます。
千三は戯作もしています。
顔が猿に似ている嵐三十郎にいい役を振りましたが、客は
彼が出てくると笑って舞台は中断してしまいました。
奉行は講釈師の吉田天馬と前から諍いがあります。
医師と祈祷師が組んで病人がいる金持ちの商人をだまして
お金を巻き上げています。

"猫をかぶった久右衛門"
勇太郎は公家の奉公人でまだ子供のホトトギスに猫を
探してくれるよう頼まれます。
ホトトギスは裏長屋で主と猫のトラと暮らしています。
主は不正を行っている家臣たちから逃げています。
猫は大事なものを預かっています。
公家が捕まってしまいます。
猫探しと公家の救出に奔走します。
トラは一時奉行所に入り込み奉行は内緒でご飯をやって
いて情が移ってしまいます。

このシリーズ好きです。
胸やけがしてしまいそうな大食の場面はいい加減にしたら
って思ってしまいます。
でもおいしそう。

晦日の月 六尺文治捕物控

2017-02-26 21:00:00 | 

中島要著"晦日の月 六尺文治捕物控"を読みました。
辰三親分が行方不明となりました。
親分が帰ってくるまでと、文治は臨時の親分にして
もらいました。
辰三の妻と娘のお加代は一善飯屋をやっています。
お加代は美人ですがびしびしときつい事を言う娘です。
文治のことを背ばかり高くて頼りない男と思っています。

"役立たず"
油問屋の隠居の嘉右衛門が隠し戸棚にしまっておいた
三百両を盗られたと知らせてきました。
質屋に養子にいった異母弟の喜助が犯人だといいます。
嘉右衛門の浪費で店は傾いています。
喜助の店は栄えています。

"うき世小町"
お加代、お志乃、お八重の三人は子供のころは仲良く
していました。
大人になって疎遠となりました。
お加代とお志乃は錦絵小町くらべのことでもめていました。
お志乃が川で溺死しているのが見つかります。

"神隠し"
茜屋の息子の鶴吉は二十年前の祭りの日にはぐれてそのまま
みつかりませんでした。
その鶴吉が戻ってきました。
父親はすでに養女をもらい、婿も決まっていて息子だという
確証がない鶴吉を信用できません。
母親は息子に違いないと言い張り、二人で寮で暮らしています。
二人が殺されました。

"ねずみと猫"
辰三の上司の同心の塚越は辰三に極秘で名なしの幻蔵の探索に
あたらせていたと言います。
父の行方は皆目わかりません。
お加代はその言葉に疑問を抱き始めます。
問いただした加代は塚越に殺されそうになります。

"晦日の月"
錦絵が大量に川に捨てられていました。
版元の三崎屋に保管されていたものです。
絵の作者は篠田作仙です。
出会い茶屋で三崎屋が殺されました。

"雲隠れ"
お加代と文治と夫婦にならないかという話が母親から出ます。
辰三が名なしの幻蔵を調べていたとが疑わしくなってきました。
辰三も塚越の悪事に関わり、逃げているのではないかと
思いだします。

全体に辰三の不在がのしかかっていて話が重苦しくなっています。
辰三のことは最後まではっきりしません。
最初の二、三話で決着をつけてくれればいいのにと感じました。
辰三のことが決着していれば文治とお加代を中心としたすっきりと
した話になるような気がします。
お加代と文治、恋人の雰囲気はありませんがぽんぽん
言いたいことを言い合える仲です。

睦月童(むつきわらし)

2017-02-25 09:22:12 | 

西條奈加著"睦月童"を読みました。
下酒問屋の国見屋の元旦の挨拶の席に知らない
10歳の女の子がくわわっています。
彼女は睦月の里からきたイオです。
主人が息子の央介の素行を諫めるためにイオに
来てもらいました。
心に疚しいものがある者はイオの目が金色に光って
見え恐怖で震えます。

央介は遊び歩いている友達と三人で悪さをしました。
イオに会い、心を入れ替えました。
睦月の里は女性ばかりで睦月神と繋がっています。
過去を思い出させる力を持つ者、未来をみることが
できる者などがいます。

央介はイオを連れて江戸の街を見せて歩きます。
イナは土地の鯨(いさな)親分ともしたしくなります。

睦月の里からきているルイに出会います。
ルイは数日後には赤ん坊が生まれる状態です。
子供の父親の掛井屋の若旦那の順之介助は留まって欲しいと
懇願しますがルイは子供を産むのは里でないといけないと
帰ってしまいます。

武士の小出彪助とある家の使用人が次々と行方不明になる件で
知り合います。

小出は昔睦月の里の女のナギと付き合っていました。
ナギは子供を身ごもりますが里に帰るのを拒否します。
ナギも子も苦しんで死にました。

小出はナギに頼まれ睦月の里を破壊しに行きました。
イオは央介と共に睦月の里に急ぎます。

央介は不思議な里を見ます。
女たちは睦月紳と繋がっています。
睦月神は女たちを食い物にしています。

最初のうちはイオの目を見て衝撃を受けた人々との出来事を
描いてゆくのかと思っていました。
睦月の里へ行ってから雰囲気ががらりと変わります。
睦月の里、おそろしい所です。
睦月神、これは神様ではないですね。

おもしろい発想の話でした。

錠前破り、銀太

2017-02-24 23:15:10 | 

田牧大和著"錠前破り、銀太"を読みました。
前に読んだ気がします。
例によってほとんど覚えていません。
なぜブログに書いておかなかったのだろう。
こんなに記憶していないのならよかったという本を
何度も読み返していたらいいんですね。

蕎麦屋を営む銀太、秀治の兄弟がいます。
吟味方与力の貫三郎は幼馴染です。
銀太は昔、錠前破りの盗賊でした。
秀司はそのことを知りません。
盗み先で年上の女盗賊のおかるに出会いました。
おかるに盗みに必要な技術を教えられました。
弟を養っていることを知っておかるは足を洗うことを
決め、蕎麦屋となりました。
おかるは亡くなっています。

同心に追われ15、6歳の男が店に逃げ込んできました。
このことから彼らは事件に巻き込まれていきます。
逃げ込んできた男は加助といい、芝居小屋に勤めています。
座元が十両の借金をしましたが、証文が百両と書き換えら
れていて返済を迫られています。
証文を盗み出すため質屋の亀井屋へ忍び込みました。

亀井屋にはからくり錠前がつけられています。
女錠前師の緋名と猫の大福が登場します。
"緋色からくり 女錠前師 謎とき帖(一)"、"数えからくり
女錠前師 緋名
"に登場した緋名です。
彼女が作った緋錠前です。

大きな組織が相手です。
策略でもって相手を陥れる組織です。
貫三郎の実家も偽証文で潰されそうです。

銀太は昔の錠前破りに戻って対戦しようとします。

緋名と大福の久しぶりの登場、なつかしいです。
大福かわいいです。

蕎麦屋なのに、茹ですぎの蕎麦しか出せなぐてお客に文句を
いわれている銀太です。

ストレンジャー・イン・パラダイス

2017-02-23 21:00:00 | 

小路幸也著"ストレンジャー・イン・パラダイス"を
読みました。
阿形県香条群晴太多多は限界集落です。
町役場に勤める土方あゆみは晴太多いきいき課推進室
室長です。
何もない町です。
あゆみは晴太多に移住する人を募集し町の活性化を
計ろうとしています。
セレブ夫人として東京で暮らしていた綾那が離婚して
戻ってきてあゆみの手伝いをするようになります。
IT企業のスリー・フィンガーの社員3人が空家を改装
したサテライトで働くことになりました。
住まいはシェアハウスであり宿でもある晴太多宿に住まい、
三食ヒサおばあちゃんの作ってくれる美味しいご飯を
食べています。
綾那はヒサおばあちゃんの手伝いをしています。

春本は空家に住み着いて自給自足で暮らしています。

田畑彰人と南夕見は皮職人です。
晴太多で暮らせるか見に来ました。
しかし二人とも高校生に見えて訳ありの様子です。

スリー・フィンガーの3人も辛い過去を背負っています。

彼らの町での生活や心の内が描かれます。
町を活気づかせるにはどのようにしたらいいのかと
夢を抱き、計画を練ります。

他の村人がほとんど登場せず本当に推進していけるのかと
感じます。
観光資源を作って人を呼んでも果たしてそれでいいもの
なのかとも思います。
でも読みやすく明るい本です。

恋するハンバーグ 佃はじめ食堂

2017-02-22 11:27:34 | 

山田恵以子著"恋するハンバーグ 佃はじめ食堂"を
読みました。
"食堂のおばちゃん"の続編です。
とはいっても時間は前に戻っています。
最近はこういう形式のシリーズよく見かけますね。
一子が夫の孝蔵と食堂を経営していた20代のころの話です。

孝蔵は帝都ホテルで副料理長をしていましたが、父親が
寿司屋を引退した時に店を引き継ぎ洋食屋を始めました。

"覚悟のビフテキ"
二人が店を開いた最初のころの話です。
高級フランス料理を作っていた孝蔵ですが、下町の人々を
相手にどのようにしていくか試行錯誤していました。
少年がやってきました。
ビフテキを注文したらふく食べた後、お金がないと言いました。
東北から出てきて三年間こき使われた後、会社は倒産して
賃金も払われない状況に怒り、悲しみ、悔しさ、心細さ、
虚脱感におそわれていました。
孝蔵はお金を貸し田舎へ帰してやりました。

店で倒れた人を客の一人が心臓マッサージをして病院に
ついていきました。
彼女は佐伯直、心臓外科医でした。

"ウルトラのもんじゃ"
孝蔵と一子の息子の高は小学生です。
無銭飲食しようとした西亮介は田舎から戻ってきてはじめ食堂で
働き始めました。
亮介は高のいい遊び相手になりました。
高の行方がわからなくなった時、亮介はひらめいて居場所に
駆けつけ命を救いました。

"愛はグラタンのように"
従業員の英次には紗栄子という婚約者がいます。
彼女は結婚を焦っています。
結婚して店を持ちたいと思っています。
一子の実家の近所の喫茶店の老夫婦が店を売りに出しています。
銀座裏で二人はここがいいと思いました。
仲介している不動産屋の恒巳は信用できない人物です。

"変身!ハンバーグ"
帝都ホテルで料理長で孝蔵の友人の涌井がフランスで開かれた
シャトーヌフ・ド・ランドン杯で三位になりました。
涌井は入賞依頼、注目されるようになって疲れていました。
彼ははじめ食堂にやってきます。

"さすらいのコンソメスープ"
着物姿の冴えない老人が食事にきました。
初めてきたのにツケにして欲しいと言います。
男を連れて夜また来ました。
彼は強い将棋の棋士の赤目でした。
よく店に来るようになります。
赤目は病気で倒れ、残された日々は少ないです。
離婚した妻と息子がいます。

"別れのラーメン"
近所に喫茶店が出来、高級クラブに勤めていた礼子が経営しています。
近所の男性たちの評判になっています。
孝蔵はよく店にいくようになります。
礼子は孝蔵の娘だと言っています。

一子の兄はラーメン屋ですが事故で怪我をしてしばらく
働けなくなりました。
亮介は手伝いに行くことを申し出ました。

いろんな出来事が起きますが、孝蔵と一子は元気に
働いています。
"食堂のおばちゃん"も好きですが、ぎりぎりの感じがします。
こちらの方が若い二人が張り切って働いている感じで
安心して読めます。

人形の家族 熱血刑事赤羽健吾の危機一髪

2017-02-18 21:00:00 | 

木下半太著"人形の家族 熱血刑事赤羽健吾の危機一髪"
を読みました。
赤羽は行動分析課に所属しています。
課長は特殊な能力で分析力を発揮して行動を予測する
八重樫育子です。
もう一人は桑田栞、元は有名な女優でした。
育子を尊敬し後輩でありながら赤羽を超える能力を見せます。

倫子は一人暮らしです。
朝起きたら針金で縛りつけられて知らない男が側にいました。
マネキンが3体置かれていました。
無理やり食事を口に押し付けられました。
3食食べさせられた後殺されました。

堂上礼央奈は田舎から家を出て東京にきました。
男に出会って高層マンションの部屋を与えられました。
男はその後姿をみせません。

昔に高校生に一家が斬殺されました。
幼児が一人だけ生き延びました。

ボーリング場でマネキンが置かれた殺人事件が起きました。
犯人はまだ残っていて追いかけた赤羽は数種の格闘技を
使う男にやられました。

板野明憲東京で一人暮らしをしています。
アルバイト暮らしですがやる気を無くしています。
男に拉致されました。

シリアルキラーは受け継がれていくのか。
怖い話ですね。

ゴボウに初挑戦

2017-02-17 19:27:28 | 日常の出来事
ゴボウの調理をしました。
考えてみると実家を出てからこの方ゴボウの調理をした
ことがないんですねぇ。
めんどくさそうでゴボウという野菜はないものと思って
いてスーパーでは目に入りませんでした。

調理済みのごぼうを買ってきて食べることはあります。
なぜかわかりませんがゴボウを自分で調理をしてみたく
なりました。
ゴボウは水にさらしてアクを抜かなければいけないと
言われてきましたが、最近ではアク抜きは必要ないと
言われています。
ただ色をきれいに仕上げたければアク抜きした方が
いいということです。
皮さえむかなくてもいいと言いますが、私は皮は食べ
たくありません。

作り方を調べるのもめんどうです。
切るのも味付けも適当です。
みりん、しょうゆ、酢、砂糖を使いました。
煮物などしないので料理用の砂糖は置いてなく、コーヒー
用のスティック砂糖を使いました。
フライパンで切ったゴボウを炒めて、調味料を入れて
数分で出来上がりです。
味見してみてびっくりです。
こんなに適当に作ったのにおいしいのです。
なあんだ、こんなに簡単だったんだ。
やってみなければわからないものですね。

蓮根も使ったことがありません。
今度は蓮根に挑戦してみようかな。

福家警部補の追及

2017-02-16 21:00:00 | 

大倉宗裕著"福家警部補の追及"を読みました。
テレビドラマになった福家警部補です。
ドラマの福原さんもよかったです。
倒叙形式の話ですから犯人は最初からわかって
います。
2話からなっています。

"未完の頂上"
狩義之は中津川威彦を殺しました。
義之は登山家です。
息子の秋彦も登山家でチベットのチャムガランガへの
初登頂を目指しています。
中津川はスポンサーとなるはずでしたが、降りると
言ってきました。
中津川を単独登山中の事故死に見せかけました。
福家警部補は運動神経抜群です。
疲れを見せず走ります。軽々と登山を行なってみせます。

"幸福の代償"
佐々木千尋は義理の弟の健成を殺しました。
千尋はペットショップと動物の美容院を経営しています。
弟は犬のブリーダーをしています。
犬は面倒をみてもらっていなくて劣悪な環境で生きています。
千尋の店のある土地は弟のものです。
須藤警部補が登場します。
あれ、なんでって思いました。
そういえば"警視庁総務部 動植物管理係"を書いているのは
この本の作者の大倉さんでしたね。
残された犬の世話のためにやってきたのでした。
福家は犬には弱いです。

刑事らしく見えない福家警部補の話、好きです。

真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者

2017-02-15 21:00:00 | 

大沼紀子著"真夜中のパン屋さん 午前4時の共犯者"
を読みました。
午前0時から始まって5冊目になります。
今回はブランジェリークレバヤシに居候している望実に
起こった出来事です。
望実の母の律子が病気となり入院した状態で望実の前へ
現れます。
望実は父、門叶樹とは会ったことがありませんでした。
一度電話をして拒否されています。
その父が母の世話をしに病院へ通っています。
榊という不思議な人物が望実の前に現れます。
やがて彼が樹の兄であることがわかります。
門叶の一門はトガノという会社を起こしました。
会社は派閥争いをしています。
樹も榊も跡をつぎませんでした。
かれらの母が血の繋がった望実を養女にしたいと
言い出しました。
榊はそれをかなえてやりたいと接触してきたと言います。

ブランジェリークレバヤシがこの騒動に巻き込まれて
場所を追われるかもしれない状態になります。
ブランジェリークレバヤシを贔屓にしている人々も
情報収集に奔走します。

厚手の本です。
望実の母の若い時代の物語が挟まれます。
登場人物の多くが繋がっているのですね。
律子と紅林の妻の美和子は学生時代からの親友と言える
間がらです。
彼女たちはこのころに門叶の兄弟と知り合っています。
どの人もみな平坦な幸せとは遠い子供時代を過ごして
います。
読んでいて気分が重くなってきます。

でも最後まで読むと人生はそんな悪いものじゃないよと
いう気分にさせてくれます。
結局いい人たちがこのパン屋さんのまわりには
集まっている感じです。

パレードの明暗 座間味くんの推理

2017-02-14 21:00:00 | 

石持浅海著"パレードの明暗 座間味くんの推理"を
読みました。
シリーズ4作目です。
最初の"月の扉"を除いては安楽探偵物になるのかな。
大迫警視長と座間味くんと、今回は南谷結月が本屋さんで
待ち合わせて個室のあるレストランで食事をします。
南谷は特別機動隊に所属して羽田空港の保安検査場で
勤務しています。
単調な勤務にこれでいいのかと疑問を持っています。
食事の時に事件の話が出ます。
事件は決着しているのですが実際はこうではなかったかと
座間味くんが別の見方を語ります。

"女性警察官の嗅覚"
元警察官の女性がスーパーマーケットで事件を未然に
防ぎました。
棚から2つの商品が消えていたことからそれを盗った
人物が起こそうとしていることを推理しました。

"少女のために"
五年生の女の子が自分で顔をカッターで切りました。
母親と二人暮らしで、母親は少女の写真をネットで売って
いました
その行為はエスカレートしていくばかりでした。
顔を傷つけたのは、商品価値をなくし母親の行為を止め
させるためでした。
捜査をした女性警官は母親を扇動するような言葉を投げつけ
母親が暴れる原因を作りました。
女性警官の落ち度だと見なされましたが、座間味くんはその
裏にある意味はこうだったのではと語ります。

"パレードの明暗"
大学祭のイベントのコスチュームプレイでの行列に反対派が
何かを仕出かすらしいと、実行委員の人々は見張っていました。
罠を見つけた男子学生は被害を出さずに処理しました。
女子学生は処理が悪く、被害を出してしまいました。
女性の行動のせいでパレードは中止となりました。
座間味くんは女性の行動の意味を語ります。

"アトリエのある家"
仕事の合間に絵を描いていて、絵が高く評価されている人が
いました。
絵は売りに出されることはありませんでした。
熱狂的なファンだという女性が絵の買い取りを希望して
いましたが、売ってはもらえませんでした。
彼女はアトリエで画家を殺し書きかけの絵を1枚持って
逃げました。
どうしてそういう行動をとったのかを推理します。

"お見合い大作戦"
男性警察官と女性教師がお見合いをしました。
男性はなんとか断りたいと、女性が断ってくれるようなことを
話題にしますが、女性に自分もそうだとことごとく打ち消されて
しまいます。
結局二人は結婚にいたります。
お見合いでの会話から女性の心理を探ります。

"キルト地のバッグ"
外国からの要人を狙ってテロが起こされる情報があり警備が
されていました。
外国人の女性が子供を迎えに幼稚園バスを待っていました。
彼女がテロリストだと疑われました、
子供のバッグから爆弾が見つかりましたが爆発はしませんでした。
真相は何だったのか推理します。

"F1に乗ったレミング"
ゲリラ豪雨で幼稚園バスはアンダーパスとなっている道が
水に浸っている前で女性交通警官に迂回するよう指示されました。
後からパトカーに追われた車が水の中に突っ込んでいきました。
女性警官は何も持たずに車を追って水の中へ入って行きました。
もう一人に手渡されたロープで牽引して運転者は助かりました。
むやみに水に飛び込んだ女性警官は非難されました。
この行動の意味を座間味くんはこうだったのではと語ります。

いくつかは真実を人に明かせないものもありますが、こういう
考えからこういう行動を取りましたと打ち明けてもよさそうな
ものもあります。
人にどう思われてもいいというわけですね。
皆奥ゆかしいです。

キャッツアイころがった

2017-02-13 14:01:09 | 

黒川博行著"キャッツアイころがった"を読みました。
余呉湖で顔を潰され指が切断された死体が見つかります。
胃の中から高価なキャツアイが見つかりました。
数日後に日本画の画学生の村上が部屋で殺され口の中に
キャッツアイが押し込まれているのがみつかります。
ホームレスの男性が殺されやはり口の中にキャッツアイが
入れられていました。
村上は亡くなる直前にインドに旅行していました。
村上と同じ専攻の学生たちは警察に知られたくないことがあり
村上のスケッチブックを隠しました。
スケッチに書かれた人物画からの啓子はインドへ村上の行動を
調べに行くことを決意します。
乗り気でない弘美を無理やり連れてインドへ発ちます。

インドでホテルなどを熱心に回り彼の行動を調べていきます。
いっしょに行動をしていた女性がいたこと、お金やキャッツアイを
奪った男女がいたことがわかります。
村上はキャッツアイの運び屋で、途中でキャツアイを奪われた
ことがわかります。

日本に帰って彼女らはさらに調べ真相に到達します。

警察とはまったく関わりなく学生たちは行動します。
彼らが先に真実を見つけ出すなんて警察はいっしょうけんめい
やっているわりに頼りないです。

この本を読んで2,3日後にこの本を元にしたドラマが
放映されていました。
刑事吉永誠一・涙の事件簿です。
直後だったのでびっくりしました。
かなり前に出版されたこの本を読んでみようと思ったのは
どこかで紹介されていたのを見たからです。
放映は偶然だったのか、紹介文と何らかの関係があったの
かはわかりません。

インドへロケに行くなんてできないだろうにどうするんだろうと
思ってみていました。
学生達は出てこず、警察だけが活躍します。
インドへ行くことなく真相は暴かれます。
警察が主体の話になっていました。
それなのに本から外れないで再現されていました。
すごいもんだなと感心して見ていました。

異人館画廊 盗まれた絵と謎を読む少女

2017-02-08 21:00:00 | 

谷瑞恵著"異人館画廊 盗まれた絵と謎を読む少女"
を読みました。
谷瑞恵さんて"思い出のとき修理します"の作者
だったのですね。

此花千景は子供の時に誘拐されたことがあります。
誘拐は失敗したのですが、両親は離婚し千景は祖父母と
暮らすことになります。
イギリスで絵画を書くのではなく図像学を学びました。
祖父の死をきっかけに日本に帰ってきました。
祖父は遺言で誰か男性に千景のことを頼んだと書き残し
ました。

盗まれたゴヤの絵と、別にもう一枚の絵が発見されました。
千景に鑑定の依頼がきました。
幼馴染みで画廊の経営をしている透馬と祖母が経営する
画廊のキューブに集まる仲間と共に絵を取り戻すことに
なります。
図像とは絵の中に書き込まれた図形によって見た人を
不幸にしたり死なせたりするものです。
この図像を打ち消す図像もあり二つの絵を同時に見たら
何事も起こりません。
今回出てきた絵は見たら悪いことが起こる絵とそれを
打ち消す絵だと思われます。

絵を誰が持っているのかわからなかったのに、突然
わかって片方の絵を手に入れることができました。
もう一方は笠井が手にいれます。

笠井はタキミ商事会長の娘婿です。
妻の連れ子の15歳の裕喜は行方不明になっています。

オークションに悪いことを引き起こす絵が出品されることに
なりました。
キューブのメンバーは絵を人に見せないようにして手に
入れるため奔走します。

なんだか話が突然変わったりして不自然さを感じます。
登場する人物たちはしっかり描かかれていて個性的で
おもしろいのですが話の内容はなんでこうなるの、
みたいに感じます。

私の幽霊 ニーチェ女史の常識外事件簿

2017-02-07 21:00:00 | 

朱川湊人著"私の幽霊 ニーチェ女史の常識外事件簿"
を読みました。
日枝真樹子は雑誌の編集者をしています。
真樹子が関係した話の連作短編集になっています。
"私の幽霊"は高校時代の友人が高校の近くのバス停で
真樹子の幽霊を見たと電話をしてきました。
生きているのに幽霊とは何だろう、生きているつもり
でも実は死んでいることに気づいていないという話
なのかと思いました。
そういう怖い話ではありませんでした。
こういうことがあったら面白いなと思いました。
なんだったかは本をどうぞ。

真樹子は幽霊話の時に博物館の研究員の栖大智と
知り合います。
その後に栖が連れてきた曲地谷アコという二十歳ぐらいの
女性とも知り合います。

"きのう遊んだ子"はいい話でした。
菜穂子は小学校の時田舎へ引越してきて友人がいませんでした。
記憶が途切れている時がありそんな時に菜穂子は女の子と
遊んでいたと周りのひとたちはいいます。
クラスの女の子たちにいじめられていた時にその女の子は
姿をあらわしました。
ミッコという山っ子でした。
それ以後会うことはありませんでしたが彼女はずっと菜穂子を
守ってくれていました。

アコは不思議な力を持っています。
マガチと呼ばれる民の子孫で変身能力があります。
変身することをバンテンといいます。
真樹子の部屋にアコが来ていた時に近所の家で父親が息子に
暴力を振るっているのを聞きます。
アコはたまらず動物のような姿にバンテンしてその家に
乗り込んでいってしまいます。

家に植わっていた紫陽花が土から根を抜いて自分で歩き
出したのを見たという少女がいます。

ちょっと不思議な話でした。
怖さはありません。

ペンギンを愛した容疑者 警視庁総務部 動植物管理係

2017-02-06 11:28:00 | 

大倉崇裕著"ペンギンを愛した容疑者 警視庁総務部
動植物管理係"を読みました。
"小鳥を愛した容疑者"、"蜂に魅かれた容疑者"の続編です。
元捜査一課の刑事でしたが頭を撃たれて動植物係に異動
した須藤警部補と、動植物に関する知識に優れた薄圭子
巡査の二人が活躍します。
被害者、あるいは容疑者の飼っていた世話をする人が
いなくなったペットの世話をするのが彼らの仕事です。

"ペンギンを愛した容疑者"
アフリカに住むケープペンギンを飼っていた食品会社の
会長が飼育室内で殺されました。
とてもいい環境の飼育室で飼われていました。
ペンギンの世話をしていたのは動物と関わった仕事を
本格的にしたいと思っている秘書です。
家には妻と妻の兄がいました。

"ヤギを愛した容疑者"
小学校の駐車場で教頭の三好が殺されました。
怪我をして意識不明の津浜がその近くで倒れていました。
津浜はヤギを二頭飼っていて月に数回小学校に連れていき
ふれ合い教室を開いていました。
しかし三好はこの催しを中止させるよう動いていました。
テストの用紙がヤギのまわりにまかれヤギに踏み荒らされ
一枚が完全に紛失しました。
このことに津浜は何か思うことがありました。

"サルを愛した容疑者"
リスサルを飼っている五反田に指名され薄らはサルの面倒
を見ることになりました。
被害者の名子が五反田の家で殺されました。
二人は別れることになり名子は荷物を取りに来ることに
なっていました。
五反田は家を長期間空ける叔父にサルの面倒を見ることを
条件に家に住み小遣いをもらっていました。

"最も賢い鳥"
被害者の梶田は鳥を飼っていました。
ヨウムです。言葉を覚えてしゃべります。
もともとは伊勢が飼っていたのですが仕事がうまくいかなく
なった時に手放しました。
仕事が軌道に乗ってヨウムを返して欲しいと申し入れて
いましたが、聞いてはもらえませんでした。

動物のことについては非常に詳しいのに、日本語の言葉や
言い回しにはうとく、とんちんかんな受け答えをする
薄がおもしろいです。
須藤は意識をなくすことがあり、後遺症が時に現れます。
動物が絡んだ事件を解決する二人が楽しいです。