里見蘭著"古書カフェすみれ屋と悩める書店員"を
読みました。
すみれはすみれ屋という店のオーナーシェフです。
店には古書店を併設しておりその店は紙野が店長です。
紙野はレストランが忙しい時には手伝ってくれます。
"ほろ酔い姉さんの初恋"
すみれの友達の知穂の話しを聞くことになりました。
知穂は「ほろ酔い姉さん」の題名でブログを書いています。
本の感想などを書いています。
コメントをくれる松下と次第に親しくなりました。
知穂は現実に松下に会いたくなり、会うことになりました。
お蕎麦屋さんで飲みながら食事をしました。
その後でメールを送りましたが松下からの返事はありません。
紙野が知穂に勧めた本は「古典落語」でその中の
「長屋の花見」を読むようにと言いました。
"書店員の本懐"
よく来てくれる女性の森緒がいつか店を持ちたいから
修行のため店で雇って欲しいと言ってきました。
さくらと紙野が以前勤めていた本屋の店員をしている
堺が店にきました。
後輩が描くPOPが斬新です。
それまでは堺のPOPが褒めらていました。
客から夏目漱石の「イイン」という本が欲しいと言われました。
しかしそういう題名の本はありません。
学生の息子に頼まれたといいます。
紙野は「脳の右側で描け」というデッサンの教本を
勧めました。
実際に実技をやりながら読むようにとアドバイスしました。
"サンドイッチ・ラプソディ"
森緒を雇うことになりました。
店にパンを入れてくれているパン屋の大泉に相談されました。
知り合いの飯山さんはひとりになったお義母さんと
いっしょに住むことになりました。
しかしお義母さんの富代は老人性鬱を発症してほとんど
食事をしません。
食べたいものはあるかと聞いたら戦後に外国人に招かれた
時に食べたハンバーガーが食べたいといいます。
いくつか試しに作って持って行ったものは食べて
もらえませんでした。
紙野はウディー・アレンの「これでおあいこ」を勧めました。
"彼女の流儀で"
いつも彼女と二人で来ていた中村が一人でやってきました。
中村は華道の家元の息子で家を継ぐことになっています。
彼女の楓とはパリで出会いました。
彼女は大学を辞めパリの大道芸の学校へ行きました。
大道芸に生きがいを感じています。
結婚をしたいと思っていますが親は反対しています。
家族を招いて料理もじょうずな楓がもてなすことになりました。
場所は中村の別荘です。
楓は予定していた料理からメニューを変更して出しました。
その理由を言い当てることができなかった中村は楓から
結婚できないと言われてしまいました。
紙野は幸田文の「台所の音」という本を勧めました。
勧めた本の内容で問題を解決しようとする話、おもしろいです。
でも私にはなにかあった時にこのように本を差し出されても
解決に至らないかもしれません。
紙野の頭脳は抜群ですね。
解決法がわかり、なおかつそれに思い至るであろう本を
推薦する能力があるわけです。
すみれは紙野に魅かれているみたいです。