青崎有吾著"図書館の殺人"を読みました。
"体育館の殺人"、"水族館の殺人"、"風ヶ丘五十円玉祭りの謎"
のシリーズの最新作です。
高校二年の裏染天馬が探偵役です。
殺人は図書館で起きました。
裏染と同じ高校の有紗の、大学生の従兄の恭助が、
山田風太郎の"人間臨終図鑑"という本で殴り殺されました。
死亡時刻は夜の十時ごろです。
ドアは暗証番号で開きます。
一般人の彼がどうやって図書館に入ったのか。
11時ごろに図書館から逃げる男を自販機に飲み物を
買いに来た有紗に目撃されています。
裏染は警察に頼まれ事件を調べることになります。
持ち出し禁止になっていた本が一冊消えています。
犯人はトイレにいた形跡があります。
裏染は犯人である条件から迫っていきます。
犯人を見つけ出す過程は面白いです。
理詰めで考えていきます。
しかしこの犯人には違和感を抱きます。
いくら逆上しても殺人を犯すでしょうか。
そのあとも冷静に後始末をして去っています。
殺された恭助にしても、なぜ夜中に図書館に忍び込むような
まねをするのでしょう。
彼がしたことは、よくやるなぁと言われる程度のいたずらです。
このことで人生を棒に振ってしまうほど、世の中は許す余裕が
ないのでしょうか。
読み終わって、すっきりしたという感じがしません。