日明恩(たちもりめぐみ)著"ギフト"を読みました。
作者さんの名前、読める人いるのかな。
死者の姿が見え、声が聞こえるという高校生が登場します。
須加原は元刑事ですが今はレンタルビデオ店の店員を
しています。
映画シックス・センスの前で涙を流している少年を
見かけます。
"とおりゃんせ"
少年が道路に飛び出すのを須加原は引き止めます。
少年が死者が見えるということを須加原は知ります。
彼も少年の体に手を触れるとその時だけ死者が見える
ようになります。
交通事故で怪我をした高齢の女性の姿がみえました。
捻子という女性は何か告げようとしていました。
信号が故障していて危ないと少年の明生に告げようと
しています。
"秋の桜"
この話で見えるのは犬です。
須加原の足元にいます。
虐待された哀れな姿です。
しかし須加原はこの犬にあったことはありません。
須加原が犬を飼いたいと思っていてこの犬は側に
いたのです。
"氷室の館"
この話は重苦しいです。
7歳の美沙が見えます。
19年前に亡くなっています。
隆という弟がいます。
ずっと弟を見守ってきました。
父親も母親も卑劣な人たちです。
いつか弟が彼らに怒りを向けるのではないかと心配して
美沙は弟の側にいます。
彼女は事故で池に落ちたのですがそのまま死を選び
ました。自殺です。
"自惚れ鏡"
とてもうるさい女性が現れます。
自分をすばらしい能力があって誰にも好かれていたと
言います。
狂言自殺が本当になって死亡しました。
彼女の知り合いの人に聞くと実際には仕事はできない、
嘘で塗り固めた人生でした。
"サッド・バケイションズ・エンド"
須加原は刑事の時に自転車を盗もうとしていた少年を
追いかけました。
少年は逃げて車に轢かれて亡くなりました。
そのことが心の傷となって須加原は立ち直れません。
明生は須加原を現場へ連れて行きます。
亡くなった少年を見せます。
少年の父親は警察官です。
少年の両親もまた苦しんでいます。
亡くなった少年も苦しんでいます。
彼らを会わせて本音を語り合わせます。
明生はアメリカへ留学する決意をします。
明生の能力を信じられない両親は不仲になりました。
自分がいない方がいいとの判断からです。
明生は誰もわかってもらえなかった苦しみを
須加原にわかってもらえたことに感謝しています。
死者が見えるという話は映画や本によくあります。
そんな中の一冊ですが読みやすい本でした。