中津文彦著"移り香の秘密 塙保己一推理帖"を読みました。
塙保己一推理帖のシリーズの1冊です。
塙保己一は実在の人物です。
盲目ですが読んでもらったものは頭の中へしまわれます。
過去の書物を蒐集し分類し印刷して販売しました。
"移り香の秘密"
呉服問屋の近江屋の娘のお駒が首を絞められ川に投げ
捨てられました。
元大工の棟梁の和助がひいきにしている相撲取りの
磯錦が捕まったと保己一に話に来ました。
磯錦はただ走っていただけです。
お駒は家の普請をした時に材木を運んできた棟梁の息子の
源太を好きになりました。
源太は大龍という看板大関という相撲は取らないけど
相撲取りの格好を見せるということをしていました。
源太とお駒は親に内緒で付き合っていました。
源太には千代治という芸者とも付き合っていました。
源太が本当に大切にしていたのはお駒です。
"三番富の悲劇"
大田南畝が卯吉が母親殺しで磔になったと知らせてきます。
卯吉は何も理由を言いませんでした。
卯吉は親孝行だというので公儀から褒美をもらった男です。
父は怪我で早く亡くなり母は酒飲みでそのうえ病気で
寝たきりになり幼いころより仕事を掛け持ちして働いて
きました。
褒美で買った富くじに当たり伊勢参りに行きました。
伊勢は母親が若いころにいた場所で父とは伊勢で知り
会っています。
保己一は卯吉の伊勢で何を知ったか調べさせます。
母は遊女をしていて身請けされます。
身請けしてくれた隠居はすぐに亡くなっています。
母親のやった悪行を卯吉は知ることになります。
やっと生まれた跡取り息子を保己一は病気で亡くします。
"枕絵の陥し穴"
丑蔵はある目的があって仕事場に夜更けに忍び込みました。
そこで主人夫婦と娘が殺される物音を聞きました。
逃げ出した歩いているところを岡っ引きと出会いました。
翌日に丑蔵は犯人として捕まってしまいました。
丑蔵の働いていた今でいう印刷所では秘密に高く
売れる枕絵の製作を手がけていました。
しかし従業員にはその恩恵はまわってきません。
丑松は病気の親を抱えていてお金が必要でした。
丑松は犯人が誰かは想像できたのに話そうとは
しません。
保己一の娘登勢と新しく仕事に加わった金十郎との
縁談がまとまります。
昔は子供は簡単に死んでしまうものなんですね。
保己一はこれで二人の息子を亡くしています。
今の医学はありがたいものです。