雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

刑事の約束

2016-08-28 21:00:00 | 

薬丸岳著"刑事の約束"を読みました。
連作短編集です。
事件の被害者で昏睡状態の娘を持った東池袋署の
刑事の夏目信人が活躍します。

"無縁"
コンビニで万引きして少年が捕まりました。
一言も話しません。
学校をあたっても該当する児童がいません。
無戸籍で学校に行っていない子だと思われます。
父親は彼と接触することはなく必死で彼の存在を
隠しています。
これは彼が放棄されているのではなく、彼を守るが
ためにされたことです。

"不惑"
婚約者が事件に会い昏睡状態になって13年の窪田は
結婚式場でビデオ撮影の仕事をしています。
彼女が昏睡状態になったきっかけを作った男が結婚式を
挙げることを知りました。
同窓会のため来ていた夏目は窪田が何かを起こしそうな
気配を察します。

"被疑者死亡"
警官に追われた相楽は逃げ、車にはねられ死亡しました。
彼には離婚した妻と息子がいます。
相楽は殺した北原に脅されていました。
彼はお金を作れませんでした。
秘密を明かされないよう殺人を犯しました。

"終の住処"
ケースワーカーをしている樋口が担当の高齢者の女性の
野坂に階段から突き落とされました。
認知症が現れ施設への入所を勧められていました。
「そうはさせるかい」と彼女は叫んでいました。
彼女の部屋にはりっぱな桐のたんすが置かれていました。

"刑事の約束"
夏目の娘の絵美が反応を示しました。
岡崎真紀子が刺殺されました。
娘の葵は拒食症でやせ細っています。
裕馬は母の恵子に殺されかけました。
恵子は癌で医療刑務所にいます。
二人は共に母親に対して深い憎しみを持っています。
絵美が意識を取り戻します。

どの話も犯罪ですがやさしさが感じられます。

えんがわ尽くし 料理人季蔵捕物控

2016-08-27 21:00:00 | 

和田はつ子著"えんがわ尽くし 料理人季蔵捕物控"を
読みました。
おき玖は結婚して、今回はほとんど登場しません。
三吉は季蔵が突然裏の仕事で出かけてしまう時に
店をまかせてもらえるほどになっています。
清美は百合根を育て売り歩いていて塩梅屋へも来ます。
亭主の源吉は仕事もせず清美に暴力を振るっていて
清美はよく塩梅屋に逃げ込んできます。

清美が姿を消し、その後源吉もいなくなってしまいます。
清美が親しくしていた料亭川勝亭の女将のお舟が
かどわかされます。
お舟は無事見つけ出されます。

料理の話と、事件の話が半々ぐらいで混じっているので
話の流れがわからなくなってしまいます。
なんだったかなと考え込むことしばしばです。
ちょっと辛いです。

最後の章で昔に悪事に関わった人達が時を経て
苦しめられている事件とわかってきます。

最初にいなくなった清美は悪事に関わっていた悪人では
ないかと思われています。
いっしょうけんめい仕事に精出して生きてきたのに
かわいそうです。

えんがわとは平目の部位のことです。
えんがわの料理、鶏の料理、ゆりねを使ったお菓子など
いろんな料理が登場します。
作っている場面は読んでいて楽しいです。
しかし食べたいとは思いませんし、まして作ろうとは
まったく思いません。
読んでいるだけで充分です。

九十九藤

2016-08-26 11:39:10 | 

西條奈加著"九十九藤"を読みました。
江戸時代の話です。
若い女性が今の派遣業にあたる口入れ屋の差配となり
新しい仕事のやり方をを軌道にのせる話です。
増子屋の店主は油問屋等4軒の店を持っています。
口入れ屋だけが儲かっていません。
お藤はその口入れ屋の差配となります。
口入れ屋は武士を相手に中間を斡旋するのがほとんどです。

お藤は客先を武士から商家へと切り替えようとします。
掃除や台所仕事をする男たちに、まず仕事を仕込んで
心構えまで教えて送り出そうと考えます。
商家を相手にすることに手代たちは反発します。
集めた寄子志願者たちを短期間でしごいて仕事を覚え
させるためにお兼が雇われます。
大声で怒鳴られる日々が始まります。

仕事が順調に進むにつれ同業者たちが反発してきます。
組合の後ろには中間たちをとりまとめている黒羽の百蔵が
ついています。

お藤は辛い過去があります。
その過去にお藤は黒羽の百蔵と出会っています。
黒羽の百蔵にも厳しい過去があります。

古いやり方にこだわる同業者に立ち向かいどうやって
新しい仕事を根付かせるかおもしろい話でした。
お藤の恋物語もあります。

凛々しいお藤がいいですね。

隠密味見方同心五 フグの毒鍋

2016-08-24 21:00:00 | 

風野真知雄著"隠密味見方同心五 フグの毒鍋"を
読みました。
いつの間にか五です。

"馬鹿弁当"
魚之進の隣の家の普請をしている大工に頼まれます。
仲間の大工の二吉が行方不明になりました。
二吉の女房が作る弁当は毎日、ご飯にかつお節かけ醤油を
垂らしただけのものです。

"フグの毒鍋"
やくざが親分になる時に度胸試しに盲目の料理人にフグを
料理させ鍋にして食べるといいます。
それを見学に行った先で魚之進は親分候補が毒に当たって
死んでしまいました。
フグ鍋には毒がなかったのに、フグの毒で死にました。

"イカタコ煮"
男と女が殺され遺体は残酷な状態にされていました。
見ていた野次馬がイカタコ煮のようだと言いました。
イカタコ煮を考えだした店主にどうしてそのような料理を
考えついたのか問いただします。

"なみだ酒"
自分が流した涙を手の甲で受ける。それを舐めて酒の肴に
して酒を飲む。
この味がわからないうちは一人前の男ではないという話を
耳にします。
魚之進は吉原へ連れていかれます。
客が妓にお金を届けたのに、妓は受け取った覚えはないと
いう揉め事が起きます。
そして客は殺されて見つかり妓が疑われます。

魚之進の兄波之進は殺されました。
魚之進は事件を仕事の合間に追っていますがぜんぜん
進んでいません。

面白いという話でもないのですが何となく読み続けています。

誰がための刃 レゾンデートル

2016-08-23 21:00:00 | 

知念実希人著"誰がための刃 レゾンデートル"を
読みました。
ハードボイルドです。
32歳の外科医の岬雄貴は友人に気軽く胃カメラの検査を
してもらって余命数ヶ月であることを知ります。
各種の薬の力を借りて体を鍛え筋肉質の肉体を作ります。
学生時代は剣道でいい成績を修めています。
そして嫌な思いをさせられた町のチンピラを痛めつけます。

罪に見合う刑を受けなかった者や、暴力団、詐欺のリーダ等の
悪人を殺す事件が頻発しており犯人はジャックと呼ばれて
います。
岬にジャックから接触があり、彼の犯罪を手伝うはめに
なります。

ジャックとは関係なく、岬は拉致されかけていた十八歳の
少女の沙耶を助けます。
彼女を空いている部屋に住まわせることになり同居生活が
始まりました。
沙耶は預かったペンダントに仕込まれたSDカードのために
命を狙われることになりました。

岬は沙耶と暮らすようになってジャックの言うなりになることが
嫌になります。
週刊誌の記者と情報交換することでジャックが誰なのかに
せまっていきます。

どんどん体は蝕まれ痛みも強くなっていきます。
岬は沙耶を守るために、ジャックと沙耶をつけ狙っている
人物に最後の力を振り絞って立ち向かっていきます。

ジャックがどんな職業についているか始めの方で、たぶんあれ
だろうと思っていたのがぴたりとあたりました。
これは多くの人がわかると思います。

作者はお医者さんだそうで、病気の描写に真実味があって
辛くなってきます。
亡くなる人の半分は癌が原因だとよくテレビで言っています。
もしかしたら自分もあんなふうに悪化して最後を迎える
のかもと想像してしまいます。

題名にあるレゾンデートルとは自身が信じる存在価値だとか。
若くして死に直面した岬はレゾンデートルを見いだせた
のでしょうか。

魔使いの弟子

2016-08-22 21:00:00 | 

ジョゼフ・ディレイニー著"魔使いの弟子"を
読みました。
図書館の児童文学の棚には魔法使いや魔女の本が
多いですね。
日本の作者のものもありますが、海外のものは驚くほど
あります。
ハリー・ポッターだってそうですもの。
そんな中の1冊を手に取ってみました。

トムの父親は七番目の息子で、トムも七番目の息子です。
長男が農家の家を継ぎあとの息子たちは皆家を出ています。
トムは十三歳で魔使いのグレゴリーの弟子になるために
家を出ることになります。
魔使いはみんなに避けられ孤独な生活をすることになります。
トムの母親も魔女というわけではないですが不思議な力を
持っています。

出会った少女アリスの頼みを聞いてやったためグレゴリーが
埋めておいた魔女のマザー・マルキンが地中から抜け出して
しまいます。

子供たちに悪さをするマザー・マルキンをトムは一旦は
滅ぼしますが彼女は蘇ってきます。

大人になれば悪い魔女になってしまうかもしれないアリスを
伴ってトムは実家へ寄ります。
長男のジャックはトムのことをじゃけんにします。
マザー・マルキンはトムを追ってきます。

まだ修行を積んたとはいえないトムなのに魔女との闘いに
立ち向かうことになります。
アリスに騙されたわけですが、友情も芽生えます。

兄のジャックの冷たさはどうしてなのって言いたくなります。
シリーズになっています。

ドリトル先生アフリカゆき

2016-08-21 21:00:00 | 

ヒュー・ロフティング著"ドリトル先生アフリカゆき"を
読みました。
このシリーズもルパンと同じく全部読破したいと思い
つつ実現していません。
やはり小学生の時に1冊持っていて繰り返し繰り返し
読んでいました。

シリーズ第1作目のようです。
ドリトル先生は元々は人間のお医者様でしたが、動物を
いっぱい家に住まわせたためしだいに人間は来なくなりました。
オウムのポリネシアが動物相手のお医者になることを勧め、
動物たちの言葉を教えてくれます。
こうして先生は動物たちと話が出来るようになります。
動物たちの間では先生は有名人になりました。

アフリカの猿の間で病気が流行りました。
先生にアフリカに来てくれる要請がありました。
先生は船を借り、多くの借金をして出かけました。

航海中は群れ飛ぶつばめやいるかたちが協力してくれます。
上陸した土地の王様には追われる羽目になります。

やっとのことで猿の住む地にたどり着き治療を開始します。
ライオンやヒョウだのも先生を手伝ってくれます。

病気も収まって先生は帰ることにします。
借金返済のために頭が前と後ろにあるはずかしがりの
オシツオサレツが見世物になってもいいとついてきて
くれます。

途中お金を儲けながら故郷へ帰りつきます。

動物たちとの交流部分はほんとうに楽しいです。
こんなことできたらいいなぁと思わされます。
先生の楽観的な考え方はいいですねぇ。
なんとかなってしまうのですからいいのですが、現実の
世界でここまでのんきに何とかなるさとはいえない
ですね。

ルパンの大冒険

2016-08-20 16:11:30 | 

モーリス・ルブラン著"ルパンの大冒険"を読みました。
子供向けに南洋一郎が訳したシリーズの1冊です。
小学生のころにルパンのシリーズの1冊を持っていました。
何度も何度も読み返しました。
大好きな本でした。
いつか全部を読破してやると思っていましたが結局数冊
しか読めませんでした。
誰かが書いていましたが、大人向けの訳はおもしろくない
んだそうです。
読むのなら南洋一郎さんのものがいいそうです。
昔の夢を実現するために全部読んでみたいものです。
やってやるなんて見栄をはると挫折しそうですから
ぼちぼち読んでみます。

ビクトールというパリ警視庁の刑事の目線で書かれています。
ルパンを追い詰めることを目指しています。
ルパン自体はちっとも登場してこないのです。
なんなんだ、と思いながら読み進みました。
ぜんぜん事件の調査は進展していないのに突然ビクトールは
犯人はあの人だと発表します。
こんなのないよなと思いつつ読んでいました。

最後に種明かしがあります。
あっ、やられたと思いました。
そういえば前にもルパンでこういう落ちの話読んだ気がします。
ひっかかってしまいました。
でもちょっとばかりずるい気がします。

分身の術でも使えなければこんなことは無理じゃないのかとは
思いますが、お話ですから、こんなこともありです。

掟上今日子の挑戦状

2016-08-12 21:00:00 | 

西尾維新著"掟上今日子の挑戦状"を読みました。
掟上今日子は探偵です。
彼女の記憶は起きてから寝るまでの間しかもちません。
寝てしまうとそれまでの記憶がリセットされてしまいます。
それでどうして仕事が出来るのだろうと疑問がわきました。
そうです、当然のこと一日で解決してしまいます。
料金は取りはぐれないものなのかの疑問もだいじょうぶ。
しっかり一日のうちにもらいます。
おもしろい設定の探偵です。
シリーズになっているようですが、初めて読みました。

"掟上今日子のアリバイ証言"
水泳選手の宇奈木が感電死しました。
ドライヤーが湯船に放り込まれていました。
発見者の鯨井が犯人ではないかと疑われました。
二人は仲がよくありませんでした。
殺されたにしてはおかしなことが多くあります。

"掟上今日子の密室講義"
アパレルショップの試着室で女性が殺されていました。
密室といっても完全なものではありません。
狭い空間でどうやって行なったかもわかりません。

"掟上今日子の暗号表"
社長の結納崎は副社長の緑淵を殺しました。
緑淵は血液でダイイングメッセージのおかしな歌を
書き残しました。
結納崎はこれを金庫を開ける方法を書き残したのだと
考えました。

一日でリセットする人生を送っている今日子ですが
その一日は充実しているようです。

冷蔵庫を新しくしました

2016-08-11 19:49:03 | 日常の出来事
冷蔵庫を新しくしました。
冷えすぎて野菜などが氷かけてしまうようになりました。
おかしいなと気づいて中をのぞいてみると、冷蔵庫
部分の配管にびっしり霜がついていました。
冷凍庫に霜がついて霜取りをすることはあっても、
冷蔵庫の方には霜がつかない構造になっていました。
そこに霜がついても電源を抜かない限り霜を取る方法は
ありません。
もう寿命がきたんだなと思いました。
なにしろ30年以上使いました。
電気屋さんが30年使ったと聞いてびっくりしていました。

今の冷蔵庫、全般に大きいですね。
家のキッチンは狭いです。
高さ、幅はまだいいのですが、奥行きが心配でした。
前の冷蔵庫がぎりぎりの奥行きでしたので、同じぐらいの
奥行きのものを探しました。
買ったのは前のものより3センチ大きいものです。
この3センチがどのようにキッチンの使い勝手に響くのか
配達されるまで心配でした。
ちょっと飛び出してはいますがだいじょうぶそうです。
今ではほとんど見かけない上部が冷凍庫、下部が冷蔵庫と
いう配置のものを選びました。
売り場には1台しかこういう配置のものがなかったので、
必然的にそれを選ぶことになりました。
いまさら別の配置のものに慣れるのはおっくうです。
上部が冷凍庫で、横から食料を入れる方が楽だと
思うのですが、そう思うのは少数派なんですね。

前の冷蔵庫を買って数年、駆動音の大きさに悩まされました。
あまりのうるささに、故障ではないかと修理に来てもらった
のですが、なんともしようがないと見ただけで何もせずに
帰っていきました。
それでも修理代はしっかり払わされましたけどね。
振動防止パッキンは敷きました。
何年かするうち多少なりと収まりました。
今回のは音はどうなんだろうと心配でした。
まったく静かとは言えません。がたがた言ってます。
日が経つうちに落ち着いて気にならなくなるでしょうか。

P.S. 一日使ってみて
前の物に馴染んでいるからだろうと思わそうですが
使いづらいです。
これから何十年とこの冷蔵庫を使うのかと思うと
溜息がでます。
今のものの方が容量が大きいのになぜ?という疑問が
わきます。
とにかく冷蔵庫のものを取ろうとするとすべて腰を
かがめないと取れないのです。
腰が痛みます。
扉のポケットの位置もなぜこんな使いづらい位置に
付けるのだろうと不思議にさえ感じます。
20センチほどの台を下に敷いたら格段に便利に
なるだろうなと感じますが、それを作る、地震で
倒れないよう固定するなど考えたらできそうも
ありません。
こういう道具を買って思うのは、開発者は自分で
使ってみたのかということです。
図面の上だけで大丈夫といっているのが見える
ようです。

自分で位置を考えてブロックのようにはめ込んで
自分好みの冷蔵庫を組み立てていく、そんな時代が
来てもいいように思います。
どこかの会社で考えてくれないもんかな。

P.S. 2
日が経つにつれ慣れてきました。
冷凍庫の使い勝手を、優先したので冷凍庫は
使いやすいです。
冷蔵庫の方も少しずつ慣れてきました。
今のところ冷蔵庫はがらんがらん、前はもっと
詰まっていた気がするけど何をいれていたのかな?

恭一郎の七人の叔母

2016-08-10 21:00:00 | 

小路幸也著"恭一郎の七人の叔母"を読みました。
題名がパット・マガーの"七人のおば"を思わせるものです。
でもこの本はミステリーではありません。
七人の叔母を持つ更屋恭一郎がそれぞれの叔母に
ついてある女性に語っている形式をとっています。
恭一郎の母は八人姉妹の長女で夫を亡くし、
お腹に恭一郎がいる時に実家へ帰ってきました。

その時にはまだ叔母たちは実家にいて生まれた
恭一郎は可愛がられて育ちました。
それぞれが個性的な叔母たちです。

志乃子は近所の真面目な歯科医に望まれて結婚しました。

万紗子、美津子は双子で骨董に興味を持ち、家にあった
骨董を元手に骨董店を営んでいます。
双子の7兄弟とそれぞれ結婚をしたいと思っていて
その通りになりました。

与糸子は姉妹の中で一番真面目で勉強家で頭がいいです。
数学教師になり同僚の体育教師と結婚しました。

加世子はこれといった能力がないように見えました。
電気会社で働いていてその働きぶりを研修に来ていた
大手電機会社の御曹司に認められ結婚しました。

喜美子は男を惹きつける女性です。
水商売の世界で生きたいとパトロンを探していて
生涯を共にする人と出会い長い年月の末結婚しています。

末恵子は子供のころから絵の才能を発揮しました。
中学の時には美術教師のヌードモデルとなります。
彼女とモデル以上の関係があったわけではありませんが
彼は彼女と出会って破滅しています。
海外に長年住み、大勢のパトロンのような人を持って
います。

彼と話している女性は彼の家をよく訪れていた人です。

それぞれの女性について詳細な話はまた別に語られる
かもしれないとにおわせています。
みんなくせのある人たちですがいい人たちです。
でもこれ以上に知りたいという気もあまり起きません。

ヘッドゲーム 生活安全課0係

2016-08-09 16:16:43 | 

富樫倫太郎著"ヘッドゲーム 生活安全課0係"を
読みました。
思ったことをそのまま口に出す警部の小早川冬彦が
相棒の寺田高虎と共に事件を調査します。
女子高校生が次々と自殺している高校があります。
母親が自殺ではない、調べて欲しいと警察にきます。
自分から飛び降りたのははっきりしていて自殺として
片づけられています。
しかし同じ高校の同学年で、図書クラブ員で、奨学金を
受けているのも同じの生徒が次々と自殺をするという
おかしなことがわかってきます。

同時期にストーカーに付きまとわれているという女性から
止めさせて欲しいとの依頼があります。
係の別の人たちが担当しています。

二つの事件のことが語られます。
主なのは冬彦たちが追っている女子高生の飛び降りです。

自殺でないのならどのようにして飛び降りるように
仕向けるのかです。

現実離れした結果です。
こんなことが出来るのなら怖いです。
このようにして殺されそうだと話したところで誰にも信用
してもらえないでしょう。

はたして犯人は裁かれることはあるのでしょうか。

冬彦の勝手な振る舞いや、ぐさっとくるような言い方、
嫌われそうでいて、しょうがないなぁと許されてしまう人です。

生きうつしのプリマ

2016-08-05 09:24:18 | 映画
映画"生きうつしのプリマ"を見てきました。
ゾフィはドイツでJAZZ歌手をしています。
父が1年前に亡くなった母エヴェリンにそっくりのオペラ歌手の
カタリーナがニューヨークにいることをネットで見つけます。
NYへ行って彼女について調べてくるよう父に強要されます。
彼女は頑なにゾフィと話そうとしません。
施設にいる認知症のカタリーナの母はエヴェリンの写真を
見せるとエヴェリンだと言いました。

しだいに真相がわかってきます。
なに書いてもネタバレになりかねないのでこのへんに
しておきます。
しかしまあ、なぜ人生をこんなに複雑なものにしてしまう
のだろうと思います。
ゾフィが真相がわかってつい笑いだしてしまう気持ちが
わかるような気がします。
単純な人生もいいけど、複雑な人生だって悪くはないでしょう
という声が聞こえてきそうです。
同じような内容を日本で映像にしたらドロドロの話に
なってしまいそうです。
この映画ではほどんどの人が、からりと真実を受け止め過去に
影響されることなくこれからを生きていくことでしょう。
中には夜な夜なうなされている人もいますけど。

この瞬間を逃したら真実は表に現れなかったかもしれない、
その一瞬にふうせんが割れた、みたいな感じですね。

ノッキングオン・ロックドドア

2016-08-04 21:00:00 | 

青崎有吾著"ノッキングオン・ロックドドア"を読みました。
不可能(HOW)を推理する御殿場倒利と、不可解(WHY)を
推理する片無氷雨の二人が経営する探偵事務所の名前が
ノッキングオン・ロックドドアです。
連作短編集です。
7作もあるのでそれぞれが短いので読みやすいです。

"ノッキングオン・ロックドドア"
画家の夫が屋根裏のアトリエの密室で亡くなっていました。
一枚の絵が真っ赤に塗りつぶされていました。

"髪の短くなった死体"
団員4人の劇団が借りていた部屋で劇団員の一人が
殺されていました。
長かった髪が切られて短くなっていました。

"ダイヤルWを廻せ!"
二つの事件を引き受けました。
老人が転んで頭を打って亡くなったとされる事件。
亡くなった老人が残した金庫の鍵を開ける依頼。
この老人が同日人物だとわかります。
金庫の中身は10万程度の古雑誌です。
遺言に書かれていた開け方で開きません。

"チープ・トリック"
カーテンが引かれた部屋の中で庭から銃撃され
心臓を打たれて亡くなりました。

"いわゆる一つの雪密室"
工場の経営者が雪の空き地の真中で刺されて亡くなりました。
向こう側には弟の家があり弟とは直前に自宅で争っていました。
足跡は被害者のものしかありません。

"十円玉が少なすぎる"
事務所で二人の探偵とアルバイトの女高生とが話していました。
女高生が聞いた「十円玉が少なすぎる」と携帯電話で話して
いた男と出会った話からそれがどんなことなのか推理して
楽しんでいました。
友人の刑事の穿地がやってきて話した事件は推理した内容と
一致して三人はびっくりです。

"限りなく確実な毒殺"
元衆議院議員の外様寛三はパーティでスピーチをしている
最中に亡くなりました。
直前に飲んだ飲み物に毒が仕込まれたと思われました。

高座の上の密室

2016-08-03 21:00:00 | 

愛川晶著"高座の上の密室"を読みました。
"神楽坂謎ばなし"の続編です。
編集者の希美子は寄席の神楽坂倶楽部の席亭代理と
して出向を命じられました。
席亭は会ったことがなかった実父で、心臓病で
入院しています。
希美子は落語や色物芸の世界を知っていきます。
舞台上でちょっとした不思議な出来事も起きます。

"高座の上の密室"
藤島天翔斎という女性の手妻師が神楽坂倶楽部に
出演することになりました。
彼女は何年も干されていました。
彼女自身の問題というより落語家だった夫の方の
問題でしたが、彼女も演ずることができなくなって
いました。
天翔斎には小さな小桃という女の子がいます。
小桃を使って葛籠抜けの手妻を行い人気になりました。
舞台の上の葛籠抜けの最中に小桃が消えてしまいました。
天翔斎は誘拐されたと、探しに駆け出していきました。

"鈴虫と朝顔"
亀川鏡太夫と鏡之進は親子で太神楽をしています。
傘の上で鞠をまわしたり、撥を操ったりする芸です。
息子の鏡之進を独り立ちさせたいから希美子に
見きわめてもらいたいと鏡太夫が言ってきました。
あまりやることのない五本撥の芸が舞台でうまくできるか
どうかで決めることになりました。
芸をする人と口上を述べる人と二人ですることが多いのですが
試験では一人で行うことになりました。
順調に演じて、お客さんは楽しんでいます。
しかし鏡之進は五本撥の芸を行いませんでした。
父親は激怒します。
希美子にはその理由がわかりました。

希美子は両親のことをいままで知りませんでした。
知りたいと思うようになり、まわりの人に聞いて少しずつ
わかってきます。