雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

バイリンガル

2016-05-26 21:00:00 | 

高林さわ著"バイリンガル"を読みました。
2012年のばらのまち福山ミステリー文学新人賞を
受賞した作品だそうです。
高林さんはこの時68歳、素晴らしいな。

高林さんの経歴はわかりませんが、登場人物と同じように
英語の研究をされているのでしょうか。
こういう理詰めのミステリー、好きです。

日本では沢田仁奈、アメリカではニーナと呼ばれていた女性が
塾講師の聡子と息子の高校教師の武頼を訪ねてきました。
ニーナは3歳の時誘拐事件に巻き込まれました。
それから30年経っています。

聡子はアメリカの大学へ留学し、教官をしているテッドと
結婚していました。
あるパーティが開かれていた時にニーナはさらわれ、母親の
涼子は追っていったため同時に連れ去られました。

大学では学部長選挙が近くあり、ニーナの父親のティーツ、
ガイ・ヘンドリクス、ローゼンバーグの3人が立候補しています。
事件はニーナの母、ガイ、犯人二人の死亡、ティーツの自殺で
終わりました。
ニーナは母親が命を懸けて逃がして助かりました。
彼女は日本の親類の元へ送られました。

聡子は武頼が小学5年の時に離婚し日本に戻っています。
ニーナは伯母の家で伯父の性的虐待を受け、教育もまともに
受けていません。
家を出た後は売春をして生きてきました。
彼女は母と父のことを知りたいと聡子を訪ねてきました。

聡子は30年前のことを語り始めました。

聡子にも大きな秘密があってそれで離婚をして日本に帰って
きたのです。
聡子はニーナの来訪を嫌がっていました。
自分が深く関わった子がどうしているのか気にならないと
いうのはどういうことなのかと感じました。
自分の秘密を守るためだったのですね。
ニーナは33歳ですが、読んでいると二十歳ぐらいかと錯覚
してしまいます。幼いです。

30年経って聡子やテッドはニーナの言語の構音障害を元に
真実を知ります。
ニーナは本当に残酷な人生を歩いてきました。
これからの人生を切り開いていけるでしょうか。

ふたつの名前

2016-05-25 11:23:51 | 

松村比呂美著"ふたつの名前"を読みました。
保奈美は高齢者相手の出会いを提供しているサードライフで
社長の片腕として働いています。
家族は母と、幼いころ母が再婚した父と幸せな生活を送って
います。
やさしく家事をこなす母と穏やかな父です。
それなのに保奈美は時々、不安に駆られることがあります。
実父は行方不明になっています。
隠されていた実父の姉の住所を知り保奈美は訪ねました。
伯母の出現で家族の平穏な生活は崩れていきます。

保奈美の仕事の依頼者の千鶴子と、彼女がお付き合いを始めた
竹之上との出来事と、保奈美の家族の秘密の話が
書かれています。
母、娘と二代にわたって同じような不幸な状況に陥るなんて
心の持ちようとか環境まで似てしまうものなんでしょうか。
同じ人物に助けられることになります。
三代目の保奈美は連鎖を断ち切って人生を切り開いていくのでは
ないかと感じます。

力のない連れ合いに暴力を振るうなんて最低です。
死ぬかもしれないほどの暴力、あるいは実際に死なせてしまう
人の心は病んでいるのでしょう。
こうならないための教育や、なってしまった人をそこから
抜け出させるプログラムがあって欲しいなと思います。
それと暴力を受けている人が逃げ出さなければいけないと
意識できる教育もあって欲しいです。

旅人たち~南米民族音楽の音色~

2016-05-24 21:32:38 | 音楽
コンサート行ってきました。
宗次ホールのランチタイム名曲コンサートで"アンデスの
旅人たち~南米民族音楽の音色~"です。
11時半から1時間のコンサートです。
演奏者はセサル・マイグアさんとハイメ・グラマルさんです。
エクアドルの方たちです。
フォルクローレの演奏を楽しみました。
1曲の間に次々と楽器を変えて演奏します。
サンポーニャ、ケーナ、その他の笛に、ギター、チャランゴ、
それにバイオリンまで登場しました。
打楽器も演奏しながら打ちます。
1曲だけ歌が入った曲がありました。
"花祭り"です。
フォルクローレの歌声って独特です。
彼らの歌声の美しさにびっくりしました。
私は歌が入ったものより楽器だけの演奏の方が好き
なのですが、この歌には聞きほれました。

昔、フォルクローレのCDを職場の若い人に貸したことが
あります。
聞いた感想が「暗い曲だね」ってことでした。
私は明るく楽しい音楽だと思って聞いていたので正反対の
感想に驚きました。
今日の演奏は暗いわけではありませんが、明るく派手な
音楽という感じもしませんでした。
久しぶりにフォルクローレを聞いて心が解放されました。

自由席のはずですが、グループの人たちには便宜をはかるようで
開演時間に行ったのですがほとんどの席が押さえられていて
空いているのは端っこの席だけでした。
2階席の方は空いていたので2階にしました。
ちょっぴり不公平だなって気がしました。
グループでコンサートへ行くという人が多いということに
びっくりです。

カラスの教科書

2016-05-21 21:00:00 | 

松原始著"カラスの教科書"を読みました。
小説ではありません。
カラスの研究をしている大学の先生がやさしく読みやすく
書かれたカラスの話です。
楽しく読めるよう書かれているのですが、それでも
カラスの生態はよくわかりません。
もっと大勢の人が研究していて細かいことまでわかって
いるのだろうと漠然と思っていました。
そうではないのですね。
研究している人は少ないし、わかってないことの方が
多いようです。

カラスは好かれない鳥ですね。
私自身、カラスを見ると憎たらしくなります。
理不尽にそう思われていてかわいそうですね。

若いうちは群れていてつがいになると巣をつくり縄張りの
宣言をして他の鳥を縄張りの中に入れないようになる
そうです。
ふーん、でも縄張りはそう広そうでもないのに子育てできる
ほど食料の確保は出来るものなんでしょうか。
縄張り宣言するということは自分たちもほとんどそこで
過ごし他には行かないということなのかしらと疑問は
つきません。

おかしかったのは雛が生まれ雄が餌をくわえてきて、さて餌を
雛に与えようとしてはたとおかしいと気がつきました。
自分たちの巣ではないと寸前で思いとどまりました。
実際の巣の持ち主の雌が側でじっと睨んでいたそうです。

雌が縄張りに侵入してきた雌雄を追っ払うよう飛んでいきました。
雄はそれを見ていました。
一匹が戻ってきたのをみて、雄は追い払うためその鳥めがけて
飛んでいきました。
寸前のところでその鳥が自分の相手だと気がつき、気まずそうな
様子をしています。

カラスっておもしろいですね。

お助け幽霊 同心七之助ふたり捕物帳

2016-05-20 21:00:00 | 

芦川淳一著"お助け幽霊 同心七之助ふたり捕物帳"を
読みました。
樫原七之助は二十歳で南町奉行所の定町同心です。
両親は既にありません。
姉の志保は三月前に馬に蹴られそうになった子を助けようと
して亡くなりました。
まだ頼りない七之助が心配な志保は幽霊となって七之助の
側にいます。
志保の姿は七之助にだけ見え話すこともできます。

奉行所は闇鴉一家という盗賊を捕まえるのに必死に
なっています。
七之助は助けたことで知り合った後家の香苗に魅かれ
頻繁に家を訪ねています。

同心の手先だった卯吉が殺されます。
卯吉を殺した闇鴉の市助も仲間に殺されてしまいます。
彼らが成仏できずに幽霊となっています。
志保は彼らと話すことができます。

志保は人に見られずにあちこち見たり聞いたりできます。
七之助を助けようと情報を集めてまわります。

香苗の家には浪人の兄が出入りしています。
怪しい人物です。
七之助の恋はどうなるのでしょう。

幽霊という強い味方がいたら本当に助かりますよね。
こういう味方が側にいてくれたらいいですね。
七之助は志保の力を借りるだけではなく少しずつ
たくましくなっていきます。

本所おけら長屋五

2016-05-19 21:00:00 | 

畠山健二著"本所おけら長屋五"を読みました。

"ねのこく"
おけら長屋とだるま長屋の対決です。
子の刻に幽霊が出るといわれている幽霊屋敷で、幽霊が出ても
逃げずに座っていられるかの対決をします。
本当に女性の幽霊が出ます。
口寄せができる老婆に呼び出してもらって成仏できない訳を
聞き成仏できるよう助けてやります。

"そめさし"
伊佐治はお針で食べているお染のところへ仕事を持ってくる
小間物屋です。
呉服屋に奉公していましたが店の一角で小間物屋を出させて
もらっています。
お茶問屋の娘のお好と好きあっています。
お好に縁談が起こり、家を飛び出して伊佐治の家にいます。
伊佐治の方にも呉服屋の娘との縁談が起きて二人とも
行く末に悩みます。

"はるこい"
長屋い住む島田鉄斎は黒石藩の家老から相談を受けます。
藩士の尾形清八郎が吉原に入りびたり仕事に身が入らないと
いいます。
しかし実際は吉原で故郷の家に手伝いに来ていたお葉に
出会い民衆の暮らしの苦しさを聞いて心を痛めていました。

"まさゆめ"
呉服屋の久蔵は富くじに当たる夢をみました。
当たったらどうこうしようという妄想はどんどん膨らみました。
大黒様が言ったのは「足、くじき、人、当たる」だそうです。

"わけあり"
お熊には子供のころの忘れられない出来事があります。
年を取った今はお金を貸しています。
しかし無理な取り立てはせず、助けてやるように心がけて
います。
長屋の喜四郎の妻の奈津には秘密があります。
奉公先の播磨屋の主人の子供を産み、姉のお京にもらって
もらいました。
お京が夫を亡くし江戸へ出てきました。
播磨屋は今になってお奈津の産んだ子の直吉を店に欲しと
いってきます。

最後の話のお熊、多少なりと気持ちも収まったことでしょう。

あまり早いのも

2016-05-18 14:02:09 | 日常の出来事
先日銀行のATMを使った時にふとパスワードを変えてみようと
思いつきました。
パスワードは時々変えましょうとよく言ってますから、たまには
変えてみてもいいでしょう。
ATMのメニューにパスワードの変更がありますから
変えるのは簡単です。
現在のパスワードを入力し、新規のパスワードを2度入力して
確定すればお終いです。
この処理の早いこと、確定を入力した瞬間に終了しましと
表示されます。

考えてみれば、コンピュータにはお茶の子さいさいの処理で
ナノとかピコのスピードで出来てしまう処理かもしれません。
ところがこんなに早いと
「ほんとに、やったの? さぼったんじゃないよね」
って気になって心配になってしまいます。
人間にとってそんなに早い処理は必要ないんですよね。
かえって2,3秒のディレイを入れた方が安心できるというものです。
感覚っておかしなものです。

新規のパスワード忘れないよう、頭の中にも書き込んでおかなくては。

窓の外は工事中

2016-05-17 09:06:19 | 日常の出来事
家の近くではビルの工事ラッシュです。
新築のビル、メンテナンス中のビル、解体工事中のビルと
窓の外は防音シートに囲まれたビルがいっぱいです。
時々、家が激しく揺れます。
音と一緒に揺れがきますので、地震と間違えることはありません。
ちょっとの期間でしょうから別に文句はありませんが、
わかっていても揺れるとどっきとします。
地球さんが、勝手な人間がどかんどかん揺らしてと、
怒っているのではないかと想像してしまいます。

跡地には何ができるんでしょうか。
どんとマンションが建つのでしょうか。
高いビルに囲まれたくはありませんが、そうだとしても
仕方ありません。
建築中のビルはまもなく姿をあらわすことでしょう。
どんな感じのビルになるのかな。

プラグが溶けた

2016-05-16 18:52:01 | 日常の出来事
昨日夕食に冷凍したご飯を解凍しようとレンジへ入れ
プラグをコンセントへ差しました。
なんか違和感があったのでプラグをよく見たら先の部分が
ゆがんでいてプラスチックのカバーが融けていました。
前回使った時に7分ぐらいの長時間だったので熱を
持ったようです。
使い続けなくてよかった。
火が出てもおかしくありません。
レンジが使えないとさて困った。
近所の百円ショップにないか見に行きましたがありません。
ちょっと遠くの大きなスーパーに行ってみましたがありません。
もう暗くなってきました。
大きな電気店にいけばあるでしょうがその元気はなく
明日にしようと帰ってきました。

さて冷凍ご飯はどうしよう。
蒸すという手はありますがめんどうです。
えいとばかり味噌汁に放り込んで雑炊にしました。
手抜き料理感満点でちょっとなさけなかったです。

今朝、早く直さなきゃと大型電気店へ行ってきました。
隅の方にひっそりとありました。
90円ほどの品でした。
100円より安かったです。

さっそく直しました。
前の時も私が取り換えたものです。
きっと直し方がへたなんでしょうね。
また熱を発することがあるかもしれません。
数分しか使わないし、使うたびに抜いているから火が
出るまで気がつかないということはないと思うけど
熱を持つかどうか気をつけて見ていましょう。

なにげなく使っているレンジですがないと困ります。

花房一平捕物夜話

2016-05-13 21:00:00 | 

平岩弓枝著"花房一平捕物夜話"を読みました。
昭和44年(1969年)出版の古い本です。
平岩さんといえば御宿かわせみのシリーズを思い出します。
花房一平は25歳ぐらいの、目付の遠山金四郎の配下です。
友人の奉行所同心の三枝源次郎と手助けしながら事件を
追っていきます。

おもしろくないわけではないのですが、かわせみのシリーズの
すっと頭に入ってくる文章や人物描写とは違うなと感じます。
時代も幕末の話で較べてしまいます。
ちょっと読み難いです。
書かれた年代が大きく隔たっているわけではないようですが
違うもんですね。

連作短編集です。
初めによんだからか"採舟流し"が一番印象に残っています。
一平は江戸の住人ですがこの話は金四郎について長崎に
行っていた時のものです。
唐人屋敷で外国人が殺された事件を調べるよう命ぜられます。
一般の人びとが入ってこられる場所ではありません。
唐人と花魁と付き人の禿、通訳の女性が外から来ていました。
続けて殺人は起こります。

中野のお父さん

2016-05-12 21:00:00 | 

北村薫著"中野のお父さん"を読みました。
題名から家族の話かと思っていました。
連作短編集です。
二十台後半の編集者の田川美希が何が問題に出会ったときに
中野の実家に帰って父親にその話をします。
お父さんはたちどころに問題を解決してくれます。
お父さんは定年間近の国語教師です。

仕事上でのちょっとした不思議な出来事や、文学上の
薀蓄話です。
お父さんは知識豊富です。
話を聞くとさっとそれに関連した書物を取り出してきます。
美希は初めて父親の能力に気がついたみたいに書かれています。
仲のいい親子、夫婦です。
こんな家族なら昔から父親の能力がわかっていそうなものだと
いう気がします。

文学のあれこれの細かな話は、きっとこういう話が好きな人
には、のめり込んでそうだそうだと言いたくなる話
なんでしょうね。
あいにく私にはぜんぜんわからなくてふーん、そうなの
みたいな感じで申し訳ない気がします。

最初の"夢の風車"が一番好きかな。
出版社が主催するミステリィの新人賞の受賞候補の一番手に
上がった人に連絡すると今年は応募していない、応募したのは
一昨年だというのです。
大学を舞台にした作品です。
確かに一昨年に同名の作品が応募されており問題にもされて
いません。
お父さんはいとも簡単に解決してみせます。

お父さんの雰囲気がいいです。
文学の薀蓄を語るお父さんは作者の北村さんの姿なんだろうかと
思いをはせました。

『ギロチン城』殺人事件

2016-05-11 21:00:00 | 

北山猛邦著"『ギロチン城』殺人事件"を読みました。
幕辺ナコは探偵です。
ヒルベルト・ホテルに居候しています。
ギロチン城の近くの人形塚で書記人形を拾いました。
その人形はHELPと書きました。
ホテル経営者の甥の頼科勇生と二人で城に向かいます。
城主だった久一郎は首を切断されて亡くなっています。
二人は城に入れてもらいます。
城のセキュリィは厳しく静脈、指紋、光彩、声門と
いたるところにチェックがあります。

城に住んでいるのは現城主の一、その姉妹が8人、
メイド二人に女性の医師です。
助けを求めたのはコードネームが"死"で名前はない女性です。
姉妹の名前は二人を除いて二、三、四、五と付けられています。

ギロチン城はギロチンの装置や、人を殺して廻ったという
ギロチン人形や武器などのコレクションがあります。
スクウェアという儀式が出来る建物もあります。

姉妹たちは城から出たことがありません。
外の世界を知りません。

ナコと頼科が城に入った後に城壁の入り口のセキュリテイ
装置が壊されて城外へ出られなくなります。
電話等連絡手段が何もありません。

次々と殺人が起きます。
最初にスクウェアを行っていた姉妹4人が首と胴体が
一人ずつずれて置かれた状態で4つの部屋で見つかります。
一、メイド、医師と次々に殺されていきます。

探偵はナコですが、別行動をしている頼科の目線で書かれています。
確かに最後の謎解きをするのはナコですがあまり存在を
感じない人物です。
自分の子供たちにひどい名前を付けたものです。
閉じ込めて何を目指していたんでしょうか。
"死"は他の姉妹たちとは別扱いでしたがどうしてなのか
よくわかりません。
なぜ殺人が起こったのかもすっきり理解できません。

スクウェアでの殺人の方法が奇抜で、このことを利用した話を
書きたいからあとの話を考えた、みたいな感じを受けます。
でも結構おもしろかったです。

北前船の事件 はやぶさ新八御用旅

2016-05-10 21:00:00 | 

平岩弓枝著"北前船の事件 はやぶさ新八御用旅"を読みました。
富くじが行われていた寺の境内で男が殺されていました。
樽廻船の水主の新吉が故郷の越後でいっしょだった金助だと
申し出ました。
やはり見覚えがあると言った植木職の彦三が行方不明と
なりました。
両親の法要に行ったお鯉が行方が分からなくなります。
新八に越後の出雲埼へくるようにという書状が届きます。

新八は藤助を連れて越後に出発します。
新八の主の根岸肥前守は前に佐渡奉行をしていたことがあり
新八も父親と共に佐渡に何年か住んでいました。
当時の出来事が関係があるのかと思われます。

肥前守が改任となって佐渡を去った直後に1艘の船が燃え、
別の一艘が消える出来事が起こっています。

到着の期限まで余裕があり、新八は事情を調べながら進みます。
佐渡へも渡っています。
佐渡では薩摩の武士が誘い出されて殺されるという事が
起きます。
薩摩の船が流れ着き抜け荷の証拠があがります。

過去の事件で焼かれた船の船主の息子たち、潰された店の
係累の者たちの復讐が始まります。

冗長であまりおもしろくありません。
長い日数が経っていてお鯉が捕らわれているとしたら不自然で
やはり無理強いで連れ去られたわけではありませんでした。
いったい新八はなんのため越後まで呼び出されたのか
いまいちわかりません。
特に活躍するでなし、うやむやにお鯉と再会しているし
すかっとするところがありません。

蝶の力学 警視庁捜査一課十一係

2016-05-09 21:00:00 | 

麻見和史著"蝶の力学 警視庁捜査一課十一係"を読みました。
女性刑事の如月と先輩刑事の鷹野はコンビを組んでいます。
裏表紙に鷹野が捜査から退くと書かれていて、二人の
コンビが解消してしまって今後鷹野は登場しないのかと
思いました。
違っていました。怪我で一時的に仕事が出来ない状態に
陥ったということです。
まぎらわしいなぁ、私が勝手に読み違えただけかな。

鷹野は昔に同僚に死なれています。
犯人は捕まっておらず今でもその事件のことにこだわっています。

不動産会社社長の天野が殺され喉に青い花が4本差し込まれて
いました。
妻の真弓は行方不明になっています。
新聞社に犯人のクラスター16と名乗る犯人からメールが届きます。

真弓はクラスター16が教えてきた場所から死体となって
見つかります。
やはり青い花が差し込まれていました。

知り合いのバーの経営者の須藤、工務店の経営者の内田などから
天野のやってきたことがわかってきます。

真弓には病弱な母と、妹がいます。
アパートを経営してほそぼそと暮らしています。
天野の両親は真弓の家族のことをよく思っていません。

鷹野が夜間に襲われ怪我をして入院をしてしまいます。
十一係の皆から頼りにされていた鷹野を抜きにして調査に
挑むことになります。
如月は尾留川と組むことになります。
尾留川の優れた面を知ることになります。

犯人はなるほどね。
真弓が一日遅れて死亡したことは何かあるとは感じました。

おもしろかったです。

神様が殺してくれる

2016-05-08 21:00:00 | 

森博嗣著"神様が殺してくれる"を読みました。
舞台がヨーロッパから台湾、日本と広いです。
登場人物もフランスを中心にしたヨーロッパの人です。
レナルドがパリで修士で寮暮らしをしていたところから物語は
始まります。
卒業まであと半年という時に4つ年下の大学一年生のリオンと
寮の同室となりました。
リオンは女性と見えなくはない美しい青年でした。
レナルドは学問に忙しくほとんどリオンとは話はしていません。

レナルドは卒業後、リヨンでインターポールの事務員となりました。
幼馴染みのミシェルと結婚しました。

パリで女優のイザベル・モントロンが殺され現場にリオンが
縛られて発見されました。
リオンが神様が殺した、神様はレナルドだと証言しました。
レナルドはそのため事件に関わることになります。

この事件の前にリールでフレデリク・シャレットが殺されています。
リオンの義理の父に当たります。

イタリアのミラノではピアニストのジャンニ・ピッコが殺されました。
その側にはリオンがいました。

ドイツでリオンはザーラ・レッシュと名乗って写真のモデルを
して、本も出版され広い地域で知られていました。
カメラウーマンのエジー・ノイエンドルフが殺されます。
その時レナルドは不思議な酒場で一晩ザーラと過ごしています。

リオンがかかっていた精神科医のルネ・スーレイロフを追って
台湾から日本へとやってきます。
日本でルネは殺されてしまいます。

リオンは逃げています。
各国の刑事たちは集まって共同で事件に当たります。
一時はマフィアが関わっていてリオンはその手から逃げているのだと
思われていました。

リオンも狙われ、意外な犯人がわかります。

なんともリオンが哀れです。
恐怖のなか必死で逃げていたのでしょう。
レナルドの前にリオンは数回現れています。
どういう心境で会いに来たのか理解できません。
リオンは事件の全貌がわかってはいないのでしょう。
彼は心が壊れた状態です。

レナルドは途中で犯人の見当がついたように思います。
これ以上ことが起きないよう手は打てたと思うのになぜ
打たなかったのかなぁ。

学生時代のリオンを描いた部分は彼が強い性格のように
思われました。
4年たった彼は繊細で弱々しい人と感じます。
レナルドは少々卑怯な気がします。