雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

眠りの森

2010-04-30 19:44:35 | 

東野圭吾著"眠りの森"を読みました。
加賀恭一郎シリーズの1冊です。
高柳バレエ団の葉瑠子が夜一人でいた団の事務所へ
押し入った男を花瓶で殴って死なせてしまいます。
全然面識のない男を殺す理由がない、当然に正当防衛だと
団の者は警察に言います。
本当に強盗に入ったのか何か団と関係があるのではないかと
警察は調べます。
未緒は葉瑠子の幼馴染で現在は同室で暮らしています。
加賀は以前未緒が白鳥の湖の黒鳥の役で踊っているのを
舞台で見ています。
加賀は未緒に惹かれていきます。
葉瑠子が警察に留め置かれている間に梶尾という演出,
振り付けをしている男がゲネ・プロ(同様の衣装をつけて
本番と同様の稽古)中にニコチンで毒殺されます。
前の事件と二度目の事件は何か関係があるのか。
徐々に解き明かされていきます。

今回のは前の"どちらかが彼女を殺した"よりはずっと
読みやすい本でした。
加賀は一貫して登場しています。
もっと個性的なあくの強い人を想像していましたが
ごく普通の人のようです。
バレエ団の人たちがどのように生きているかが詳しく
描かれています。
きっと本当のバレエダンサーの人たちも、この本に
登場する人たちと似たような考え方、生活をしている
のだろうと思わせられます。
人生をバレエに奉げて生きていくのはきびしい生き方
ですね。
何事でも好きになってそれ以外の生き方はできないと
なったら、はたから辛そうにみえても当人にしてみれば
喜びであるのかも知れないのですからとやかくいえは
しません。

wing の心にやさしいコンサート

2010-04-29 21:05:48 | 音楽
11時半から栄の宗次ホールへ"wingの心にやさしい
コンサート"を聞きに行きました。
よくノリタケの森で聞かせてもらっているユニットです。
宗次ホールは前に一度行ったことがあります。
カレーのCoco壱番屋の創設者の方が建てられた、こじんまり
とした落ち着いたホールです。
ノリタケの森の小さなスペースでの演奏は、まじかで
聞くことができて好きです。
ホールでの演奏もちょっと緊張した雰囲気がただよって
いいです。
満員の盛況でした。
ほんとにゆったりとした気分にひたれていい演奏でした。
3人のおしゃべりも楽しいものでした。
お客さんの反応がまたよくて、ほんとに楽しそうに
笑われるのです。
コンサートってこんなふうに演奏者と観客全員で一体と
なって楽しむものなんだなぁって感じました。
休日の1日をすてきに過ごせました。
また聞きたいです。

帰りにすぐ側の中区役所ビルの7,8Fの名古屋市民
ギャラリーへ寄りました。
10グループほどの絵画、写真、書、キルトなどが
展示されていました。
たぶん皆アマチュアのグループなんだろうと思います。
それがみんなうまいのです。ひきこまれて見とれて
しまいます。
あぁ、こんな風に絵が描けたらいいのに。
写真の展示室で「外国で撮った写真が入っています。
パソコンで見てください。」とCDをいただきました。
家で見たらイタリアを中心としたヨーロッパの写真が
550点以上入っていました。
添付されていた説明によると1990年ごろから
何度も旅行されているようです。
すごい作品集です。

今日は音楽に絵画、写真等芸術ざんまいの1日でした。

仔羊の巣

2010-04-28 22:05:05 | 

坂木司著"仔羊の巣"を読みました。
前に読んだ"青空の卵"の続編です。
"野生のチャシャ・キャット"、"銀河鉄道を待ちながら"、
"カキの中のサンタクロース"の三篇からなります。
ひきこもりの鳥井とその友人の坂木が中心の話です。
1話は坂木の職場の同期の仲間の吉成哲夫、佐久間恭子
の話です。
恭子の様子がおかしいので二人が心配して様子をうかがいます。
会社は外資系の保険会社です。仕事にバリバリがんばりたい
恭子の仕事へのゆきずまりと次のステップへのジャンプ、
そして恋の話です。鳥井はあまり出てきません。

2話は"青空の卵"で登場した木村栄三郎さんのところへ
鳥井、坂木、そして塚田と地下鉄に乗って木工教室に
参加するため出かけました。
そこで駅員が不思議がっている話を聞きます。
地下鉄の駅の先端で身を乗り出して電車を、一時間ほど
見ている中学生がいてどういう理由だろうと思われています。
それを鳥井が簡単に理由を見抜いてしまいます。
この少年檜山和利がやっていたことは犯罪にあたるけど、
仲間内の話でかたづけていいのかと思わないでは
ありません。

3話は坂木が何人もの女子高生に罵声をあびせられたり
鞄をぶつけられたりします。
どうしてなんだろうと不審に思う坂木に鳥井が理由を
説明してみせます。
矢崎明日香が坂木に嫌がらせをしていた高校生、
そして1話で登場した佐久間恭子のいとこです。
いとこがアメリカへ行ってしまったのは坂木のせいと
うらんでのことです。
そして2話で登場の和利が父親に嫌われているという
思い込みがある理由によってそんなふうに見てしまって
いるのだということも解き明かします。

読みやすい本です。
登場人物は一風変った人が含まれていますがみんな
好きになってしまう本です。

東京バンドワゴン

2010-04-27 21:14:07 | 

小路幸也著"東京バンドワゴン"を読みました。
前に読んだ"シー・ラブズ・ユー"のシリーズ物の
1冊です。
"東京バンドワゴン"の方が"シー・ラブズ・ユー"より
前の話になります。
登場人物は"シー・ラブズ・ユー"の人々です。
四つの話からなっています。
すずみさんはまだ青と結婚していませんが、古本屋
東京バンドワゴンで働いています。
最後の話で二人は結婚します。
すずみさんは青のお姉さんの藍の娘花陽(かよ)の
異母姉妹という複雑な関係です。
青はお父さん我南人(がなと)の愛人の子です。
家族の誰もお母さんが誰なのか知りません。
結婚ということでお父さんが連絡してお母さんとは
公にしないで結婚式に参列します。
こんな風に複雑な家なのですが9人の大所帯で
わいわいがやがや賑やかに楽しく暮らしています。

あっというまにすらすら読んでしまいました。
テレビでいうならホームドラマです。
実際にこんなに大勢で暮らしていたら楽しいという
よりストレスいっぱいになってしまうかも
しれません。
でも一方でこんな風に暮らせたらいいなあという
あこがれもあります。

どちらかが彼女を殺した

2010-04-26 22:25:32 | 

東野圭吾著"どちらかが彼女を殺した"を読みました。
日曜日のテレビドラマで"新参者"を放映しています。
東野さんの原作をドラマ化したものです。
刑事の加賀恭一郎シリーズのひとつだそうです。
なかなかおもしろくて本を読んでみよういう気になりました。
東野さんはひじょうに人気があって図書館の貸し出しの
上位を東野さんの本がずらっと占めています。
東野さんの本は、これも前にテレビで放映されていた
ガリレオシリーズを読んだだけで他のものはほとんど
読んでいません。
ガリレオシリーズはすらすらと読めてたのしい本です。
でも他のものは読みづらくどうも合わなくて手を出すのを
さけていました。

この"どちらかが彼女を殺した"は加賀恭一郎シリーズの
ひとつです。
やっぱりすらすらとは読めません。なんだかつっかえて
同じところをループしていたりします。

和泉園子が殺されます。彼女の恋人だった佃潤一は園子を
裏切って園子の友人の弓場佳代子に乗り換えてしまいます。
園子の兄の康生は警察官です。第一発見者となります。
犯人に復讐するために、殺人とわかる証拠品を隠し自殺と
判断されるように細工をします。

犯人は潤一か佳代子のどちらかだと判断しておいつめて
いきます。
所々で刑事の加賀潤一郎が康一の前に現れます。
自殺とされた事件を彼も殺人だと判断して捜査しています。
康一が証拠品を持ち去っているのにかかわらず残った
ものから推理して潤一を追ってきます。

犯人は題名からもわかるようにどちらかです。
最後は証拠はそろえた、あとは読者が自分で考えなさい
みたいに唐突に終わります。
えー、何これ、犯人をちゃんと指し示してよと
叫んでしまいます。

加賀は時々現れますが何かぱっとせず、どんな性格なのか
さっぱりわからない、つかみどころがない人物としか
いえません。

東野さんの本はまだまだなじめません。

電車内の携帯電話

2010-04-25 21:56:40 | テレビ・新聞から
電車内の携帯電話はペースメーカを使っている人に
危険だといいますね。
でもそんなに危険なはずはないと思っていました。
危険だったら電車の中だけでなく普段の生活そのものが
できないのではないか、だから実際はだいじょうぶなの
ではと感じていました。
それに答える記事が4月3日付けの朝日新聞に載っていました。
結論を言うと問題ないそうです。
日本心臓ペースメーカ友の会の方がだいじょうぶと
おっしゃっています。
最近のペースメーカは電磁波の影響を受けないよう
改良されているそうです。
ただ古い電話を使い続けている人がいないとも限らない
ので絶対安全とはいいきれないということだそうです。

携帯電話は危ないという話がまかり通っているので
ペースメーカを使った方がいいのではないかという人が
自分の持っている携帯電話をおそれて、ペースメーカを
使うのを嫌がるという方が問題です。
だいじょうぶということをもっと宣伝した方がいいです。

電車で携帯電話で話しているのと二人の人が面と向かって
しゃべっているのとどちらが不快と感じるかというと
携帯電話だそうです。
会話の片方しか聞こえてこないと話の内容を理解しようと
そちらに気持ちをひきつけられてしまうからではないかと
推測されています。
たしかにそうですね。

晩鐘 続・泣きの銀二

2010-04-23 20:10:48 | 

宇江佐真理著"晩鐘 続・泣きの銀二"を読みました。
読み出したら前に読んだことがあることに気づきました。
でもほとんど忘れています。
何回読んでもたのしめるから忘れてもいいです。

銀二は10年前まで岡っ引きをしていました。
十手を返上して小間物屋の主人におさまり、子供も
三人生まれました。二度の火事で焼け出され店は
小さくなり貧乏暮らしです。
妹と同じ名前のお菊を助けたことから事件に
巻き込まれていきます。
連続しておきている乱暴をはたらく犯人の探索のため
10年ぶりに十手をもらい働きます。

泣きの銀二とは死体に出会うと知らない人であれ
涙が止まらなくなり、おいおい泣き出してしまうからです。

宇江佐さんの小説には髪結い伊佐次のシリーズが
あります。
こちらも銀二と同じように下っぴきとして事件を
捜査するという同じような設定のものです。
この二つのシリーズがごっちゃになってしまって
髪結いだった人がなぜ小間物屋になっているのだろう
としばらく考えこみました。

おかあさんと旅をしよー

2010-04-22 21:00:19 | 

ムラマツ エリコ、なかがわ みどり著"おかあさんと
旅をしよう"を読みました。
小説ではありません。
いっしょに仕事をしているムラマツさん、なかがわさんは
よく外国へ旅行しています。
仕事を始めたばかりの極貧時代にたよっていたおかあさん
たちに外国旅行をプレゼントしたいとずっと考えて
いてそれを実行に移したときの準備、旅行中の出来事を
まんがで書いたものです。
それまであったことがなかったおかあさんたちの
相性を心配したのですが最初から打ち解け仲良し
になりました。なにしろ生まれた年月日が同じ
だそうです。
娘達が旅のスケジュールを決めておかあさんたちを
満足させるため涙ぐましい努力をした旅です。
行き先はイタリアです。ひとつのホテルに
数日連泊するゆったりした旅です。
いっぱい美しい景色や有名は場所を見てもらいたい
のに興味を示してくれないおかあさん。
買い物に夢中になるおかあさんです。
下見をして準備万端整えて散歩や食事にさそうと
"もういいからホテルにいる"というおかあさん。
材料を買ってきてホテルの部屋での食事も
楽しそうです。

きっといつまでも心に残る旅になったでしょうね。
でも家で留守番の二人のお父さん、ちょっと
かわいそうですね。

床屋さんへちょっと

2010-04-21 22:34:35 | 

山本幸久著"床屋さんへちょっと"を読みました。
石倉勲は二十台半ばで父が起こしたお菓子の会社を
引き継いで二代目の社長となりますが十五年後に
倒産させてしまいます。
勲の能力が足りなかったというより石油ショックで
経済状態が悪化しその影響で倒産したのです。
その後繊維関係の会社に就職して定年まで働きます。

最初に70歳を過ぎて自分のお墓を買おうとしている
ところから話は始まります。
そして徐々に過去へと話は戻っていきます。
その時々に床屋さんで髪を切ってもらう場面が登場
します。
最後にまた元の時代へと戻ります。こういう変った
構成の話です。

社長時代はいろいろ努力したが業績はのびず、会社を
倒産させてしまいましたが、従業員へ家を売って
退職金を払い就職の斡旋をし後始末はきちんとしています。
繊維会社時代は誠実に仕事をしています。

娘の香は小学生の時レポートを書くために繊維会社時代の
お父さんの1日を側で見ていたことがあります。
大人になって香は小さな会社を起こし社長をしています。
あまりうまくいってません。

勲さんのたいへんだった仕事人生が描かれています。
誠実に働いた真面目な人だったのだということは伝わって
きます。

ステップ

2010-04-20 20:36:15 | 

重松清著"ステップ"を読みました。
健一は結婚三年目で妻の朋子を風邪をこじらせた髄膜炎で
あっけなく亡くします。
残されたのは一歳半の女の子の美紀。
美紀が小学校を卒業するまでの赤ちゃんの時、保育園の時、
小学校へ入学した一年生の時、二先生の等、三年生の時、
四年生の時、五年生の時、六年生の時、もうすぐ中学生の時
とその時々の出来事が描かれています。
健一と美紀の二人ぐらしです。営業でバリバリ働いていた
健一は比較的時間の余裕がある部署へ移動して保育園の
送り迎え、小学校の行事などもこなします。
横浜に住む義理の父母や義兄夫婦との交流があります。
亡くなったとはいえ、いつも朋子さんは二人と共に
あります。赤ちゃんの時に亡くなって記憶にはない
だろう人を身近にいると感じられるもんなのかなぁと
思いますが、亡くなった方を忘れないで思いだして
昔の出来事を語りあったりできるのはいいことです。

義兄夫婦は子供を持てませんでした。義父の病気、健一の
結婚の話、過去に事故死した息子がいた結婚相手のナナさん
の話などが語られます。
美紀を育てていくのに大きなトラブルは起きていません。
いい子に育っていきます。
周りの人は奥さん側の親戚なので遠慮がありますが
サポートしてもらって良好な関係です。
美紀が成長していくのをいっしょに見ていくことができる
物語です。

青空の卵

2010-04-19 21:57:16 | 

坂木司著"青空の卵"を読みました。
いい本でした。
ただ楽しいだけでなくいろいろな問題を含んだ本でした。
鳥井真一は引きこもりです。とはいっても親にすべて
たよっている引きこもりではなく一人暮らしで家でできる
プログラマーの仕事をしています。
料理の腕は一流です。
著者と同じ名前の坂木司は高校時代の鳥井の友人です。
お母さんは鳥井を生みたくはなかった、生んだらすぐに
夫、子供を捨てて去ってしまいます。
お父さんは仕事でずっと海外に行っています。
鳥井はいじめにあっていました。
その時に坂木は鳥井と親友となりました。
外の世界に引っ張り出したい坂木です。しょっちゅう
家に寄ってはスーパまで連れ出したりしています。

連作短編集です。
"夏の終わりの三重奏"、"秋の足音"、"冬の贈り物"、
"春の子供"、"初夏のひよこ"の5編です。
持ち込まれた不思議な問題を鳥井は解決していきます。
最初の一編は犯罪にあたりますがあとは人の心の
問題です。
鳥井はひきこもりだというけどきついことをずばずば
相手に言います。それでいながら外とのつながりを
さけているとはげせない気がします。
坂木と鳥井との関係、どちらもお互いを必要にしている
共依存の関係です。
でもとてもいい関係です。
デパート店員の巣田さん、事故で全盲となった塚田さん、
歌舞伎役者の安藤さん、中川丈太郎、とし子夫婦等
事件を通して知り合いが増えていきます。
それぞれの人たちが好きになってしまう人たちです。

シリーズになっていてあと2冊あるようです。
読みたいです。

"青葉台チャリンコ2分"、"漢方小説"、"スーザン・ボイル 夢かなって"

2010-04-18 19:28:12 | 
鈴木カオリ著"青葉台チャリンコ2分"
中村たい子著"漢方小説"
アリス・モンゴメリー著"スーザン・ボイル 夢かなって"
3冊分書いてしまいます。
読み飛ばしましたので内容は詳しくわかっていません。



"青葉台チャリンコ2分"これは自伝です。
著者が早稲田大学の時自転車に出会い初代の女子自転車
部員となり自転車づけの日々を送り、練習中に事故を
起こして挫折します。
その後心理学を学んだ目的のカウンセラーになりましたが
適応できずに数年で止めて、自転車の専門誌の記者と
なります。期待されてない職場ですがここでもがむしゃらに
働きます。
病気になったことで仕事から撤退します。職場でであった
やはり自転車一辺倒のカブと結婚し自転車店を開くまでの
話です。
カオリさんもカブさんも夢中でおいかけるものがあって
うらやましいのですがなにか危なげな人生でだいじょうぶ
なのかなとおもわせられる話です。
店が開店したのが2000年、「轍屋自転車店」で検索すると
出てきます。夢を実現して売るだけでなく楽しみ方も提供
する店になっているようです。



"漢方小説"、体調を壊し病院のはしごをしても原因を
つきとめられず体調も回復しないので子供のころに
かよっていた漢方医をたずねます。
西洋医学とまるで違う漢方医の見立てに漢方薬の処方の
話、その間の生活を書いたものです。



"スーザン・ボイル 夢かなって"はオーデション番組から
歌手となって活躍しているスーザンの生い立ちや急激な
人生の変化に立ち向かっている現在のことを書いたものです。
まだ本が出るのは早すぎると思わなくはありません。
つらい人生を送ってきた人なんですね。
イギリスの人達が日本よりも弱い立場の人達に対して
ひどいことをするとはちょっと前に別のもので
読んだばかりです。
家に石をなげつけたり乱暴をはたらいて自殺にまで
追い込んだりするということです。
ちょっと聞いただけですべての人がそうだなんて思っては
いけませんが、彼女の生き方が多少なりとも人の考え方を
変えていく方に働けばいいなと思います。
50歳近くになって人生を変えようと一大決心をした
スーザンさんが挫折することなく歌い続けていって欲しいと
願います。

サイン会はいかが?

2010-04-16 20:17:32 | 

大崎梢著"サイン会はいかが? 正風堂書店事件メモ" を
読みました。
"配達あかずきん"のシリーズ物です。
もう一冊長編の正風堂物があるようです。
いつか読んでみよう。
しっかり者の書店員恭子と、一流大学生で頭がいいけど
手先が不器用で持ち込まれた謎を解き明かしてくれる
絵里が活躍する5編の短編連作集です。
"取り寄せトラップ"
"君と語る永遠"
"バイトの金森くんの告白"
"サイン会はいかが?"
"ヤギさんの忘れもの"
の5編です。

"取り寄せトラップ"は4人の人が注文した同じ本は
誰かが仕組んだ偽の注文だった。
それが2度続きます。
店を訪ねてきた詩織さんのおじいさんが海釣りをして
いて海に落ちて亡くなった時にいっしょにいた4人の
人たちということ。
おじいさんの死にまつわる謎を解き明かします。

"君と語る永遠"は社会見学で店を訪ねてきた小学生の
広希が家出をする話。

"バイトの金森くんの告白"は題名そのままです。

本の題名になっている"サイン会はいかが?"
作家のサイン会を正風堂で行うことになりました。
作家の影平はストーカからの脅しの手紙にいらだって
います。誰なのかはわかりません。
このサイン会にやってくるから見つけ出して本に
"レッドリーフ"とサインしてくれたらお仕舞いに
しようというストーカからの申し出で犯人を見つけ出して
くれるよう恭子や絵里は頼まれます。
犯人は絵里が見つけ出しますが、却って影平を非難
する絵里です。

"ヤギさんの忘れもの"はほのぼの系です。
お客さんと店員のちょっとしたやり取りの間に生まれる
交流を描いたものです。
店員さんとの会話を楽しみにしていたご老人はちょっと
やってこない間に店員さんが遠くに引越してしまいます。
その時みせようとしてもっていた写真を入れた封筒が
行方不明となります。

ずばっと問題を解決する絵里、かっこいいですが本の
カバーをかけるのをうまくできなくて小学生にも
下手といわれています。

寒い日が続きます

2010-04-15 22:24:00 | 日常の出来事
ドライヤーを使おうとしたらうんともすんともいいません。
もう20年以上使っていると思うので壊れてもしょうが
ない品物です。
昨日まで普通に使えていたのに突然動かなくなるなんて、
困ってしまいます。頭が冷たい。
突然壊れるとその日から困るものありますね。
早く新しいの買ってこようっと。

4月なのに昨日、今日は冬のように寒いです。
冬のコート取り出してマフラー巻いて出かけました。
ぜんぜん不自然ではない服装です。
3月の始めのころはうんと暖かかったのにそれからは
暖かいかと思うと急降下で寒くなるの繰り返しです。
こんなふうな年、昔にもありました。
5月の連休の時でさえ、ふるえるような寒さでした。
今年はいつまで寒いのが続くのでしょう。


モノレールねこ

2010-04-14 22:34:38 | 

加納朋子著"モノレールねこ"を読みました。
8編の短編集です。
読んでいると物語に引き込まれてしまいます。
不思議な感覚になります。
でもしばらくするとその感じは薄れてしまいます。
あれはなんだったんでしょう。

"モノレールねこ"
この本の中では普通の話です。
ふとってきたないのらねこが小学生二人の間を
首輪に付けて手紙を運びます。
モノレールねことはへいの上で寝ている姿が
モノレールのようだからついた名前です。
ねこは車に轢かれて死んでしまい二人は会うことなく
時は過ぎ、十年ほどたって就職した職場で…。

"パズルの中の犬"
専業主婦がジグゾーパズルを作って日を過ごしています。
絵がついてなくてすべてが真っ白のパズルを手に入れて
形だけをたよりに作っていきます。
何もないはずのパズルの上にふっと犬が現れます。
その犬から過去を思い出していきます。


"マイ・フーリッシュ・アンクル"
家族4人を旅行中の火事で亡くした中学生カスミには
同居している叔父さんがいます。
お父さんの弟です。
ひょろっとして頼りなく大学受験に失敗してから
ずっと働くでもなく家でぶらぶらしています。
残された二人の生活が始まります。
カスミは柔道部員、叔父さんを叱りつけています。
そのうち叔父さんが家に閉じこもっていた理由が
わかります。
おどろくような話です。
ねたばれはいつものことですから書いてしまいます。
カスミのお母さんの側にいたくて、閉じこもりを
やっていればずっと家にいられるからというものです。
読んでいる時にはこんな生き方もあるんだとへぇと
思って読んでいました。
本を読み終わってしばらくしてはたと気づきました。
お母さんが知ったら気持ち悪がることでしょう、究極の
ストーカだと嫌悪されることでしょう。
物ごとを別の方向からみるとまるで違ってきてしまいます。
それでもこの話さらりと嫌味なく読めます。

"セイムタイム・ネクストイヤー"
子供を5歳でなくした女性が昔いっしょにいったホテルで
子供の幽霊に会う話です。
毎年同じ日に行って大きくなっていく娘の幽霊に会います。
10年後にこれが最後と、フロントの人とこれまでのことを
話します。
幽霊は従業員の子供で、生きた人間でした。
全員が知っていてうまく話をあわせていたのです。
もちろんその女性もご主人も現実を知っていました。

"シンデレラのお城"
不思議な話でした。ちょっとせつない話です。

"ちょうちょう"
ランの花が枯れるまでとがんばったラーメン店の店長の話。

"ポトスの樹"はどうしようもないだめな父親の話。

"バルタン最後の日"
語り手がザリガニです。
小学生の子供のいる三人家族の家で飼われることに
なったバルタンという名前のザリガニです。
この家族を見ていたザリガニの目を通して語られます。