雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

鍵のない家

2015-04-30 21:00:00 | 

E・D・ビガーズ著"鍵のない家"を読みました。
80年代に何々をしたってでてくるので1980年代のことかと
思って読んでいたらどうもおかしい。
奴隷商人とかアメリカ本土とハワイとの交通手段が船だったり
するので、1880年代のことだと気づきました。
100年ほど昔の話なんです。
でもぜんぜん違和感はありません。
アメリカでの初出版は1925年だそうです。
読んだ翻訳本は去年の出版です。

舞台はハワイです。
チャーリー・チャンという中国系の刑事が活躍するシリーズの
最初のものだそうです。
ボストンの名門のジョン・クィンシー・ウィンタースリップに
視点をおいて書かれています。
ジョン・クィンシーは真面目なかちかちの生き方をしている
ひとです。
ハワイに行ったきりになっている叔母を迎えにハワイに行きます。
ハワイの資産家のダン・ウィンタースリップは叔母の従兄に
あたります。
叔母はダンの家に滞在しておりジョン・クィンシーもダンの家に
滞在することになっています。
ハワイに向かう船にはダンの大学生の娘のバーバラと彼女の
恋人で弁護士のハリーも乗船しています。
船がハワイの港につき翌朝下船できるという夜にダンは
殺されます。

ダンは60代で若いころには奴隷商人をしていたことや
乗っていた船の船長の財産を盗みそれを元手に今の地位を
築いたことなどがわかってきます。
刑事のチャーリーと共にジョン・クィンシーも捜査に加わります。

ダンが付き合っていた女性や、ダンが財産を盗んだ船長の家族、
近所のさびれた椰子が浜ホテルの経営者、英国海軍将校、船の給仕、
椰子が浜ホテルに宿泊している怪しげな客などが調査対象になります。

ジョン・クィンシーはボストンに恋人がいるのにバーバラが
気になったり、椰子が浜ホテルの娘のカーロタに心惹かれたりと
ずいぶんいいかげんですね。
ハワイの雰囲気で考え方まで変わってしまったみたいです。
ボストンの恋人に"サンフランシスコか、おわりか"と電報を
打ったら、恋人からは"おわり"と別れを告げられます。
この返事を予想していて、ちょっとばかり卑怯な気がします。

犯行理由はなんとも…

保険の電話勧誘

2015-04-27 18:31:32 | 日常の出来事
最近よく架かってくる電話は保険の勧誘です。
詳しい内容まで聞かずに切ってしまっているのでどんな
種類の保険なのかはわかりません。
別の職種で関係した会社から関連の保険会社に名簿が流れて
いるようです。
こういうのは許されるんでしょうかねえ。
本当にむかっとします。
1社だけではなく数社から保険の勧誘電話が架かってきます。
保険会社って多いんですね。

一つだけ病気になった時の保障の保険に、うんと若い時に
一括支払いで入りました。
入院したら一日五千円支払われるというものです。
支払われる入院日数には上限があり、支払った額を回収する
ことができるのかは怪しいものです。
たぶんできないでしょう。
何のために保険に入っているんだか。
よく考えずに入ったのがばかでした。
払った額を貯金しておいた方が賢かったと思います。

病気の時に支払われるという保険にも、それ以外の保険にも
まったく興味がありません。
保険のテレビCMのなんと多いことでしょう。
しつこい電話勧誘も多いです。
ということは保険に入る人は多く、保険会社は儲けていると
いうことなんでしょうね。

朝のスーパーマーケット

2015-04-26 16:22:29 | 日常の出来事
スーパーのチラシはあまり見る方ではありません。
一時期チラシを見てスーパーへ行っていた時期があります。
でもこれをしばらく続けていたらとても心が疲れてしまいました。
それほどの量を買うわけではないので行ってみて安い物を
中心に買うという方針にしました。
思いがけず安く買えたらそのときには、あぁ得したと喜びます。

今日はたまたまチラシを見たら玉子が安くなっていました。
いつもは行かないちょっと遠くのスーパーです。
暇だったので気まぐれに開店時刻にスーパーに行きました。
今まで開店時刻に行ったことはありません。

びっくりしました。
見たことがないものを見たという気がします。
家族づれで買い物をする人々が続々とやってきてすれ違え
ないほど混んでいます。
日曜だからこんなに混んで活気があるんでしょうか。
考えてみたら食費は家計の多くの割合を占めています。
家族が多ければおろそかにするわけにはいきません。
なるべく安く抑えたいという思いからチラシをチェックして
早くからやってくるということなんでしょう。

人ごみの熱気に疲れて必要なものだけ買って早々と引上げました。
おめあての玉子はもちろん手にしました。
どういうわけかチラシよりも安い値段でした。
チラシを見間違えたのかもしれません。
安くて良かった! 高かったらがっくりしたでしょうから。

心を読まれた?

2015-04-22 11:02:51 | 日常の出来事
コーヒーが飲みたいとコンビニに立ち寄りました。
二つあるレジには先客がいました。
レジが空いたのでそちらに行きました。
1メーターほど離れたところにいたのですがレジに着く前に
店員さんがカップを台に起きました。
コーヒーを注文してお金を払いました。
その時になってさきほど置かれたカップが私のために用意
されたものだと気づきました。
一瞬、なんで店員さんは私が何を注文するのかわかったのかと
びっくりしました。

よくよく考えてみれば私は店に入って品物をみることなく
直接レジに向かいました。
そして頭上のメニューのコーヒーの方を見つめていました。
わかってしまえばなんだってことですが、心を読まれたと
思ってちょっとびっくりしました。

思っていることって態度に出るもんなんですね。

幼い時に思ったこと

2015-04-17 10:18:53 | 昔話
先日ぼんやりと見ていたテレビで人生で最初の記憶は何なのか
思い出すと脳のためにいいと言っていました。
自分のことを思い返してみましたがさて何なのでしょうね。

思い出したことがあります。
三歳か、四歳かうんと小さい時のことです。
昨日のことも一昨日のことももっと前のこともこんなにはっきり
覚えていてしっかり自分はここにいる。
でも大人になった時に今のことを覚えていられるだろうかと
いうことです。
覚えていたいと願い記憶に焼き付けようとしました。

しかし大人になってやっぱり忘れてしまいました。
そんなことを考えていたことだけが頭の隅に残っています。
あのころの自分と今の自分は同じ人間なのかと疑問に感じます。
あんなことを考えるなんて変ですね。

僕とおじさんの朝ごはん

2015-04-14 16:04:26 | 

桂望実著"僕とおじさんの朝ごはん"を読みました。
水島健一はケータリングを仕事にしています。
めんどくさがりでやる気なしの健一です。
その気になればおいしいものがつくれるのですができあいの
ものを加工したものを出すことも平気です。
離婚し息子がいます。

腰を痛めて通っているリハビリで生まれつき病弱で手術を
繰り返している少年の英樹と出会います。
作ってきた弁当を分けてやることで知り合います。
彼と出会ったことで健一は真剣に料理に取り組むように
変わっていきます。

簡単にまとめてしまうとこんなことになります。
題名に僕が先に来ているので英樹の方が主人公になのかと
思っていましたが、健一の目線で書かれている方が多いです。
半分近くまで僕にあたる英樹は出てきません。
感動する話なのかもしれませんが、淡々と読んでしまって
そのまま終わってしまいました。

もともといい料理を作れる人が人に喜んでもらうことに
生きがいを感じることもなく投げやりに生きているという
ことがふに落ちません。
たぶん健一は料理がもともと好きなんだろうと思います。
好きなことって止めろといわれてもやめられないもんじゃ
ないのかな。

カフェかもめ亭 猫たちのいる時間

2015-04-12 20:41:40 | 

村山早記著"カフェかもめ亭 猫たちのいる時間"を読みました。
風早で祖父から引き継いた喫茶店を女性が経営しています。
彼女が語り手です。
スケッチブックを持ったお客さんが訪れ絵をみせながら
猫にまつわる話をしていきます。
子供のころトラジャと名付けた猫が店へやってきました。
店の中へは入れませんでしたがトラジャは友達でした。
トラジャのことは忘れられません。

地震で倒壊した家に閉じ込められた女の子を魔法で助けた猫。

欲しかったぬいぐるみの猫を妹に譲った姉。
めぐりめぐってぬいぐるみの猫は姉のところへやってきます。

若く有名になった漫画家に飼われていた黒猫がいます。
子どもを産みました。
親切そうな外面を見せている近所の女性がいました。
彼女は子猫を死に追いやり飼い主まで死なせてしまいました。
魔術を学んだ黒猫は敵討ちにでます。

漫画家になって家族を助けたい男の子は時計の猫に願いました。

引っ越しの多い女の子は文房具屋のお婆さんに飼われている
シロと仲良くなりました。
またしても引っ越さなければならなくなりました。

お姫様が死にそうになっていた猫を助けました。
義母ができました。その人は魔法使いでした。
お姫様だけが魔法にかかりませんでした。
仮面をかぶせられ追いやられました。
助けた猫は猫の王子様でいつも側にいてくれました。

女の子には近所に同じ年の男の子がいました。
彼は昔猫で、前世で彼女に助けられたといいます。
今度は生まれ変わって三回彼女を助けると神に願いました。

猫をめぐるいろんな不思議な話です。
猫は大好きです。
でも私には責任を持って彼らを生涯飼うということはできそうに
ありません。
ブログの猫や出会う猫を見て満足するしかありません。
現実の猫の方が好きです。
ここまでお伽話になってしまうと猫ではなくなってしまう気が
します。
それでもたのしかったです。

わからん薬学事始 1

2015-04-11 21:00:00 | 

まはら三桃著"わからん薬学事始 1"を読みました。
児童書に分類されています。
字が大きく厚くない本ですから話の導入部といったところです。
3まであるようです。
木葉草太は定期航路もない小さな島の久寿理島に生まれました。
島では薬草の栽培をし気休め丸という何にでも効く生薬を
作り販売しています。
草太は島のトップの家系に生まれました。
高校は東京の薬学を教える和漢学園に入学することになります。
立花蘭という人の家に下宿することになります。
蘭は老人で下宿には和漢学園に通う嵐と伸太朗の二人の
先輩がいます。
勉強は厳しくついていくのが大変です。
気休め丸は大半の人にはよく効きますが効き目がない人が
います。
草太は誰にでも効く気休め丸を開発するよう期待されています。
その手がかりがあるかもしれない特別授業に出られる選抜には
選ばれませんでした。
草太に草は話かけてきます。
草太の父は誰だかわかってはいません。

もっと現実的な話なのかなと思っていましたがちょっと
不思議な話みたいです。
何にでも効く薬、そんな薬あるといいな。

拝啓彼方からあなたへ

2015-04-10 19:51:41 | 

谷瑞恵著"拝啓彼方からあなたへ"を読みました。
手紙を書くことが好きな詩穂は便せんや封筒などの手紙に
関わる品を売る雑貨店を開いています。
手紙にまつわるほのぼの系の話なんだろうなと思って読み
始めましたが、だんだんミステリーめいていきます。
最初の話は詩穂が中学生の時に友人の響子から自分が死んだら
手紙を出して欲しいと頼まれていました。
響子が自殺したと聞きました。
何年も経っていますが、出した手紙は届きました。
しかし相手は受け取りを拒否します。

店には怖い感じの男がよく買い物にきます。
城山といい書道を教えています。
元刑事だといいます。

詩穂は見た目弱々しそうな人です。
男の人からしたら自分の思うままにできると思われてしまいます。
二年前に別れた加島は、詩穂と強引に付き合ってきました。
加島が外国へ行くことになって詩穂は別れました。
加島が帰国してまたしても詩穂に付きまとってきます。

響子が自殺したことに疑問が出てきます。
響子も束縛する男から逃れることができませんでした。

詩穂に危険がせまってきます。

ここのところサイコパスを扱った本を続けてよんでいます。
女性の心を無視して自分を中心に物事を推し進めるストーカーも
サイコパスといえるでしょう。
身勝手な男たちが出てくる話でした。

手紙はメールも含めて好きではありません。
真剣に書いたつもりでもまったくあさっての受け取り方されて
苦々しい思いをすることが多くあります。
大切なことほど手紙やメールはさけたいと思っています。

夏のキグナス 三軒茶屋星座館

2015-04-09 21:00:00 | 


柴崎竜人著"夏のキグナス 三軒茶屋星座館"を読みました。
"三軒茶屋星座館"の続編です。
どういう設定かは前の記事を見てください。
店にやってくる人たちの話が短編的になっている部分と
和真と創馬と娘の月子の話の部分があります。

葵という歌手の女性が新しく登場します。
マネジャーの相澤に誘われて会社と契約しました。
自分の求める歌を歌わせてもらえません。
アイドルとして売り出され心ならず人気が出てしまいました。
葵は相澤に不信感を持っています。
相澤が葵にしてくれようとしたことは…

客としてきた奈津子と英雄は同期で奈津子が英雄の上司です。
英雄は別の部署へ異動になり同じ地位になります。
奈津子と英雄は付き合っていました。
奈津子はひたすら英雄のことを思っていますが英雄の奈津子に
対する思いは屈折しています。
星座館の常連は奈津子にわからせようとしますが納得しようと
しません。

月子が書いた母親の絵を和馬は見てしまいます。
月子の母親が誰かを知り和真は店の中へ閉じこもってしまいます。
和真と創馬は双子ですが母親が亡くなって別々の人生を歩んで
います。
創馬が大学生の時に和真とその恋人と、創馬と三人で暮らした
ことがあります。
和真がやっていた仕事のせいで三人の暮らしは壊れていきます。

下のバーの陽気なリリーはサンバのダンスに夢中です。
押しかけアルバイトの奏太や筋肉隆々の創馬も取り込まれていきます。

和真が語る星座のギリシャ神話はヘラクレスの話です。
ゼウスの子として生まれ、支配者となる運命をゼウスの妻のヘラに
よってじゃまされます。
しかし自分の力でもって生きていきます。
ヘラクレスは運命を奪われたエウリュステウスの命令に従う
ことになります。
いくつもの試練に立ち向かうことになります。

間に挟まれるヘラクレスの話も現代風にアレンジされていて
おもしろかったです。
和真らのまわりにいる人々はあまりなじみのないひとたちですが
こんな世界もあるんだと感じました。
月子はもしかしたら和真の娘かと思いましたがそうでは
ありませんでした。
まだこの物語は続きそうです。

死神の浮力

2015-04-08 20:00:00 | 

井坂幸太郎著"死神の浮力"を読みました。
"死神の精度"の続編です。
今回は長編です。
死神は情報部から命じられた人を7日間観察して死を可か
否かを決定します。
死神の千葉は今回は作家の山野辺遼を調べています。
山野辺は1年前に11歳にの娘の菜摘をサイコパスの本城に
殺されました。
しかし本城は裁判で無罪になりました。
本城が犯人であることは本人が送り付けてきた動画で山野辺には
わかっています。
裁判で裁かれない本城を山野辺と妻の美樹は娘の仇討をしようと
しています。
千葉は山野辺の幼稚園の時の友人と言って近づきます。

山野辺は本城にせまりますが何度も反対にひどい目にあわされます。
千葉によって救われています。
本城はサイコパスですから山野辺が苦しむのを面白がっています。
本城にも別の死神が付いていています。

千葉は山野辺に可の判定をします。
本城は20年の命が保障されます。
しかし生きているといっても…
このことを山野辺夫妻が知ったら自分たちがしたかったことと
満足するかもしれません。
もっとも肉体の苦痛のみで自分のしたことを反省して精神的に
苦しむことは絶対ない人だろうなと感じます。

25人に一人は良心のない人が存在すると書かれています。
他人のことをまったく気にかけないでいられる人の方が強い
ですからいい地位にいる人がそんな人の場合があるといいます。
わかる気がします。
強い者が弱い者を排除していくのが自然の摂理ですから
そんな人ばっかりになっていて不思議ではないですが今は
まだそうはなっていないと思いたいです。
テロのニュースを聞くたび別な思考をする人たちなのかと
感じます。
全員が他人を思わないという状態になったらそれでも社会と
いうものは存続するもんなんでしょうか。

死というものについて語られています。
普段人は死について語ろうとしません。
この本ではストレートに書かれています。
しかし子供のころよく考えていたことなのですんなりと
理解できます。
あんがい死について深く考えるのは幼児や子供なのかもしれません。
みんな口にはしないけど同じようなことを思っているのでしょう。

千葉はなぜ山野辺の側にいて力になってやり何度も助けて
やったのでしょう。
この辺はよくわからないのですが山野辺は千葉と過ごした
日々が楽しかったといいます。
千葉が何を基準に判断をくだすのかわかりませんのでちょっと
不満は残ります。
ずっと長い間人間のことを見ているのに人間のことがわからない
部分がありとんちんかんな受け答えをするのがおかしいです。

余談ですが、山野辺の娘の名が菜摘でたしか先日読んだ”残りの
人生で今日がいちばん若い日"に登場する女の子の名も菜摘で
年も同じ10歳前後です。
まだ前の本の情報が残っていてこの子は誰?みたいな状況に
なりました。

京都近江江姫恋慕の殺意

2015-04-07 21:00:00 | 

柏木圭一郎著"京都近江江姫恋慕の殺意"を読みました。
気楽な本です。
カメラマン星井裕と助手の小林健、ルネッサンス・ジャパン
の編集長高梁敏弘編集長の三人が京都、近江に取材に行って
事件に遭遇するというものです。
星井の離婚した妻は京都府警に勤める刑事の安西美雪です。
シリーズになっているようです。
初めて読みました。

京都の植村造園で働く女性庭師の浅野夏江の取材に行きました。
そこで親方が灯篭の下敷きになって死亡したことを知ります。
夏江の父は植村造園で働いていましたが、夏江が子供のころに
病死しています。
母と別れ植村造園に引き取られて生きてきました。
商売敵のシロノガーデンが親方の引き抜きを図っていました。
シロノガーデンの城野社長は琵琶湖で船から落ちて亡くなり
ました。

昔のことがきっかけで事件は起きました。
星井、小林、高梁らの雰囲気はいいです。
食べてる場面が多いです。
小林は大食漢でいくらなんでもこんなには食べれないでしょう
と読みながらあきれてしまいます。

残りの人生で今日がいちばん若い日

2015-04-06 21:00:00 | 

盛田隆二著"残りの人生で今日がいちばん若い日"を読みました。
あまり手をださない種類の本ですが、すらすらと読めました。
重い内容を含んでいるのですがそれをあまり気づかないで
読んでいけます。
恋愛小説の部分もあります。

出版社に勤める編集者の柴田直太朗39歳は菜摘という9歳の
娘がいます。
両親に預け土日にいっしょに過ごしています。
冴美という小説家志望の女性の習作の小説を読んで意見を
言ってやっていますが、関係もあります。
彼女のことをわずらわしく思いだしています。

山内百恵39歳はデパートで婦人服の企画をしてきました。
仕事に行き詰って退職して本屋さんで働き始めました。

直太朗が推す作家の新作の感想を発売前に書店員に依頼しました。
百恵が読んで感想を書くようにいわれて書いたものが作者や
直太朗たちに気にいられました。
直太朗が百恵の本屋に出入りするようになって二人は出会います。

直太朗は妻の精神的な病気のため菜摘が小さい時に離婚しています。
菜摘はずっと会っていない母が再婚すると聞いて小児うつ病を
発症させてしまいます。
百恵の父は家庭内暴力をふるう人でした。
母は苦しみうつ病になり、子供を連れて離婚しました。
その父が末期の病気になって娘に会いたがっていると知らされます。

登場人物の人生はつらいものです。
そんな日々が続いても人は生きていかなくてはいけないもの
なんですね。
結構淡々としているのでこんな風にうけとめられたらいいなと
思います。
私は逃げ出すか、泥沼にはまり込むかどちらにしてもうまく
生き抜けられないような気がします。

パンドラ・ケース よみがえる殺人

2015-04-05 21:00:00 | 

高橋克彦著"パンドラ・ケース よみがえる殺人"を読みました。
おもしろかったです。
大学の喫茶店研究会の八人の部員がタイムカプセルに品物と
新聞の切り抜きをそれぞれ入れて、山奥の冬に湖が凍らないと
行けない所に埋めました。
取り出すのは誰かが死んで13回忌の時です。
パンドラというニックネームの女性が卒業後に失踪して12年
経ちました。
彼女は死んだのだと思われています。
元部員のところへタイムカプセルを掘り出すための集まりの
連絡が来ます。
浮世絵研究家の塔馬、推理小説家の長作、編集者の亜里沙、
病院経営者の寺岡、女優の蛍、ホタルの従兄の築宮、製薬会社
勤務の吉秋らが雪深い宿に集まりました。

パンドラは自分が殺されるのを恐れていました。
パンドラが入れた物が犯人を示すのではないかと考えました。
開けたら新聞の切り切り抜きは人数文より5つも多く出てきました。
誰かが撹乱するために入れたものです。
誰がどれを入れたか確認していきますが本当のことを言って
いるのかはわかりません。

雪崩が起きて彼らは麓へ帰ることができなくなります。
そんな中で殺人が起きます。
吉秋が首を切断され、最初に胴体が見つかり、その後頭が
現れます。
続いて寺岡の切断された頭が湖のほとりで見つかります。

やっと警察が駆けつけ捜査が始まります。
現場が地元の築宮と蛍を残して塔馬、長作、亜里沙は東京へ
帰ります。
塔馬は図書館に行って切り抜きを過去の新聞を閲覧して
調べます。
誰がどれを選んだのか調べていきます。
東京の三人は過去のパンドラのこと、現在の事件の真相を
見抜いていきます。

真相に到達した時にまたしても悲しい出来事が起きます。

現実にはこんなややこしいことはしないだろうと思うのですが
これは小説です。
小説のおもしろさです。
切り抜きから事件を追っていく部分はなるほどと思いながら
読みました。
登場人物の性格がそれぞれよくあらわされています。

かぜまち美術館の謎便り

2015-04-04 21:00:00 | 

森晶麿著"かぜまち美術館の謎便り"を読みました。
森さんといえば"黒猫"のシリーズの作者さんです。
この本は本当に森さんの作品?と思うほどさらさらと読み
やすい本です。
絵画に詳しいので時々門井慶喜さんの作品なのかと勘違い
してしまいました。

佐久間は娘のかえでを連れて香瀬町のかぜまち美術館の
館長になるため引っ越してきました。
町は古いしきたりの寂れゆく一方のところです。
美術館を栄えさせるため佐久間は呼ばれました。
かおりはかぜまち保育園に通っています。
隣家のカホリは保育園で働いています。

カホリの父のサブローは風車を作る職人です。
カホリには18年前に15歳で亡くなった兄のヒカリが
いました。
ヒカリはたくさんの絵を残しています。
ヒカリが亡くなる数日前にミツバチとあだ名された郵便
配達人が行方不明になっています。
ヒカリはもともと心臓が悪く、川で亡くなっています。

18年前ミツバチと共になくなった郵便が配達されました。
ヒカリの残した絵はピカソ、マティス、ゴーギャン、シャガール
らが画題に選んだものをアレンジしたものが多いです。
佐久間は絵とかえでの口にしたことから残された人々の
抱えたわだかまりを解いていきます。

サブローはヒカリの最後に書いた絵を見て怒っていましたが
本当の意味を知らされます。

好きなのに勘違いして不仲になっていた高校時代の同級生の
男女の間違いを解いてやります。

家主が亡くなって廃屋になっていた家のガラスを割った
男の子がどうしてそういう行動をとったか明らかにします。

年齢が離れた男性と結婚した踊道家の女性がいます。
夫は認知症になっています。
過去に不倫の噂をたてられました。

いなくなったミツバチの失踪にヒカリが関わっているのでは
ないかとの疑いが出てきます。
ミツバチは表面の顔とはうらはらに私信を読んでは人々を
強請っていたと思われます。

ミツバチの失踪とヒカリの死の謎が明らかにされます。

最後の佐久間の妻の話は余計だなと思ってしまいます。
カホリは佐久間に魅かれていると思わせておいてこれは
ないよね。