雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

東京すみっこごはん 雷親父とオムライス

2018-02-27 21:00:00 | 

成田名瑠子著"東京すみっこごはん 雷親父とオムライス"
を読みました。
シリーズの2冊目です。
NPO法人のすみっこごはんです。
最大6人まで夕方に集まってお金を出し合って籤で
当番になった人が買い物に行って料理をして
いっしょに食事をします。

"本物の唐揚げみたいに"
沙也は声優の養成の専門学校の学生です。
友達になった穂波は先生に認められどんどん能力を
磨いています。
沙也は自信を無くし退学しようかと悩んでいます。
ふらっとすみっこごはんの建物に出会いました。
2度目に来た時に当番になりました。
前回と同じ唐揚げを作ることにしました。

"失われた筑前煮を求めて"
有村は妻を亡くし一人暮らしの老人です。
あちこちで能書きを垂れてうるさがられています。
有村もすみっこごはんに行きつきました。
初日に当番に当たってしまいました。
妻はよく筑前煮を作ってくれました。
それを思い出して筑前煮を作ることにしました。
レシピを読まず適当に作ったためひどいものができました。
楓が手伝ってくれて筑前煮の練習をしました。
だんだんと上手く作れるようになりましたが妻が作って
くれたものとは何か違います。
一体の土地が再開発される計画がありすみっこごはんの
建物も対象になっています。

"雷親父とオムライス"
秀樹は小学生です。
有村のあとをつけてきてすみっこごはんにきました。
母親は何かと干渉する人です。
2回目に来た時に秀樹は有村とペアで登板になりました。
オムライスを作ることにしました。
母親は食材は有機野菜しか使わないというようなうるさい
人です。
秀樹は家とは違う世界に出会いました。
有村と電車で小淵沢まで出かけ山や畑に触れました。
有村さんは倒れて病院へ運ばれ逝ってしまいました。

"ミートローフへの招待"
再開発の話しが出てからぎくしゃくとしてきました。
なぜか保健所の立ち入り検査が入ったりします。
誰も来ない日が続きます。
田上は誰かが開発業者のスパイとなってみんなを
掻きまわしているのではと考えます。
田上は息子が大学生になり家を出て行った時期に
とてもつらい思いをしました。
乗り越えさせてくれたのがすみっこごはんです。
すみっこごはんを守りたいと思います。

すみっこごはんはここに集まる人たちの癒しの場所です。
ごはんを作ってみんなで食べて楽しそうです。

SRO Ⅶ ブラックナイト 警視庁広域捜査専任特別調査室

2018-02-26 11:58:29 | 

富樫倫太郎著"SRO Ⅶ ブラックナイト 警視庁広域
捜査専任特別調査室"を読みました。
シリアルキラー近藤房子が登場するシリーズです。
房子は捕まっています。
怪我をしているので拘置所の病院にいます。
SROのメンバーは今回はあまり登場しません。
話しの中心は親の育児放棄や暴力にあってきた少年、少女
たちです。

三郎と呼ばれることになる少年は育児放棄にあって
学校にも行かず食事も満足に与えられませんでした。
妹を餓死させられ自身も殺されそうになって家を
飛び出しました。
イチという少女に出会い、キャンピングカーで暮らす
ダーとマムという大人の率いる仲間になりました。
太郎、次郎という先住者がいました。
ダーとマムは子供たちを手先にして莫大な金を手にしています。
人を殺すことを厭いません。
子供たちも役に立たなかったり、大人になったら殺され
新しいメンバーが補充されました。

房子の世話をしている看護師の美和子は毎日の生活に
疲れ切っています。
夫はリストラ後についた仕事が気に入らず美和子に辛く
あたります。
姑は寝たきりです。
感謝もせず美和子を呼びつけます。
夫も息子も娘も、介護も家事も手伝おうとはしません。
房子は彼女の状態を見抜いて殺人へと導きます。

二つの出来事が交互に描かれます。
SROのメンバーの個人的な状況も厳しいものがあります。

虐待されていた者たちが犯罪へと走る状況はやりきれないです。
警察に捕まった後の待遇の方が親の元にいた時とりはるかに
いいと言う場面があります。
日々安心して食事が出来ないという子供たちが多くいて、
彼らをなぜ救ってやれないものなんでしょう。

子供たちが簡単に殺人に走るのはぞっとします。
刑事の息子でさえ父親を殺すことを簡単に了解しています。
殺人なんて高い高い超えられない壁だと思うのですが。

美和子はなぜ一人で家庭を支えることになってしまったの
でしょう。
大人ばかりの家族でありながら誰一人として手助けを
しようとしないなんて、すでに家庭は崩壊しています。
一人で抱え込まないで逃げてしまっていい状況の
ように思います。

房子とSROの戦いはまだ続きそうです。

スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 今日を迎えるためのポタージュ

2018-02-17 21:00:00 | 

友井羊著"スープ屋しずくの謎解き朝ごはん
今日を迎えるためのポタージュ"を読みました。
しずく屋は朝の6時半から2時間の間スープ1種類を
提供しています。

"モーニングタイム"
理恵はクーポンマガジンの編集をしています。
上司の布美子が結婚し新居に越しました。
同僚といっしょに新居へ遊びに行きました。
家には夫の妹の環奈が遊びにきていました。
環奈の様子がおかしいと感じ始めました。

"シチューのひと"
理恵は中学の同窓会に出かけました。
好きだった男の子の西山も出席します。
彼は人の話しを聞かない、勝手な行動をすると思われて
いた時期があります。
林間学校で作ったシチューが固まってしまったことが
あります。
原因は何だったのか不思議に思っていました。
大人になって理恵は西山が抱えていた苦しみが
何だったのかに気づきました。

"山奥ガール"
瑠衣は肉が好きです。
しずく屋ではジビエ料理に力を入れるようになりました。
瑠衣は狩猟の現場を見たいと思うようになり、狩猟を
やっている二神という友人の同級生に同伴できることに
なりました。
最初の日の彼女らの行動は二神に嫌われる状況でした。
瑠衣はそれでも諦めずついていきとうとう自ら銃を持ち
深く関わっていきました。

"レンチェの秘密"
梓は中学の時に忠司、詠人という親友がいました。
詠人は裁判官を目指しています。
忠司はある時から引きこもって部屋から出てきません。
梓は時々家を訪ねていました。
忠司は不良っぽかったけど正義感の強い人物でした。
梓は忠司が何が原因で引きこもったのか調べてみることに
しました。
やがて亡くなった婦人警官だった麻野静句が関係して
いることに行き当たりました、
静句はしずく屋の店主麻野の妻でした。
梓はしずく屋でランチタイムのアルバイトを始めました。
麻野の娘の露は梓に敵対心をあらわにします。

しずく屋に集う人々が遭遇した出来事です。
"レンチェの秘密"の露の行動は空恐ろしいです。
彼女、小学生です。
小学生の思考は大人と違うとは思いませんが
ここまでの行動を普通しないでしょう。

鬼蟻村マジック

2018-02-16 13:37:07 | 

二階堂黎人著"鬼蟻村マジック"を読みました。
探偵役のサトシが同僚の臼井竹美に頼まれて彼女の
故郷の鬼蟻村へ、竹美の婚約者として同行しました。
竹美の実家の上鬼頭家は造り酒屋をしていて村では
権力があります。
複雑な家庭で、母の左江子と姉の加世子と美佳子の三人は
それぞれ別の母から生まれました。
本妻の子ではありません。
本妻の子の弟の新太郎は若くして亡くなっています。
残された妻の静子は奥の仕事を引き受けています。
新太郎の妾が生んだ国也11歳は上鬼頭家に引き取られて
時期当主になる予定です。
そのほかに本妻の子の志女子と娘の薫子も同居しています。

鬼のお告げの脅迫めいた文が何回か置かれていて何かが
起こりそうだと竹美は心配しサトルを連れてきました。
上鬼頭家では60年ほど前に事件が起きました。
戦時中の出来事です。
田辺という将校が上鬼頭家での宴会中に押し入ってきた
鬼の扮装をした者に斬られて殺されました。
犯人を追っていきましたが部屋へ入っていったなり
姿が消えました。
この事件は犯人が捕まらず終いになりました。

三姉妹は特にいがみ合っていました。
将来の実権を巡っての争いが起こっていました。
未来の当主は国也とされていましたが、先代の当主、
加世子らの父に当たる徳之輔の孫だという盲目の
小滝達夫を左江子が見つけ出し連れてきたことから
ますます争いが激しくなりました。

村の人たちも集まった会食中に家の実権を握っていた
加世子と国也が毒を盛られて亡くなりました。
その後、静子、昔の事件が起きた時から仕えている
使用人の周爺が殺されました。


昔の犯罪がどのように行われたかということはすぐに
想像できました。
これはぴったりと当たりました。
現代の事件の方は何も事件を起こすことはないだろうと
私の感覚では思います。
でも何十年と培ってきた信念はこういうことを起こす
しかしょうがなかったのでしょう。
同じ家で何家族もが生活するということが争いの芽を
出させてしまった模様です。

変な文字

2018-02-13 22:40:03 | 日常の出来事
赤信号で横断歩道のところで立っていたら
向こう側に止まっていた白いバンの車体に
小さく文字が書かれていました。
"脱ワースト"と読めました。
これって私の会社の業績は悪いですって知らせて
いるみたいで、変なこと書くんだなって思いました。

車がUターンして、私の方へ正面をみせました。
警察のマークがついていました。
警察車両だったのです。
あー、そういうことかって理解しました。

愛知県は交通死亡事故ワーストがずっと続いて
いるのです。
確かに事故が起きない安全な県であって欲しいですね。

さくらゆき 桜井京介returns

2018-02-13 21:00:00 | 

篠田真由美著"さくらゆき 桜井京介returns"を
読みました。
桜井京介が活躍するシリーズはかなり読みました。
でも順不同であまり熱心でもなかったのでどんな
話しだったかほとんど覚えていません。

薬師寺香澄が出会った出来事で、京介に繋がった
いくつかの話しです。
薬師寺はスクール・カウンセラーとして働いています。
京介は家にいて主夫をしています。

"黄金の薔薇を手にして"
野々村邸のクリスマス・パーティで野々村薔子が
乾杯で飲んだシャンパンで亡くなりました。
グラスを選んだのは薔子自身でした。
父は日本画家で姉の倭文重と弟の郁哉がいますが、
薔子は養女です。
みんな日本画をやっていますが薔子にはすばらしい
才能があります。
郁哉はスクールカウンセラーを受けることになり
薬師寺と出会います。
京介がどのように薔子が殺されたかを明らかに
します。

"それは魔法の船"
野々村郁哉が桜井にメールで助力を求めてきます。
古書店の店主の綴喜が死亡しました。
郁哉の知り合いの多田が容疑者と見なされています。
エジプト誌全巻が事件を引き起こしたと思われます。

"白くてちっちゃな死の天使"
良妻賢母を育てるという古臭い教育理念を掲げた
中高一貫校の松が丘に生徒の一人から手紙が
届きました。
いじめられており、いじめた人に復讐し自殺すると
いうものです。
文化祭の日に実行すると書かれています。
白くてちっちゃな死の天使が復讐の仕方を教えてくれた
とあります。
文化祭の前日に作った鍋の味見をした先生が倒れました。

"さくらゆき"
前の事件で知り合った高校生のゆきは薬師寺の家に
遊びにくるようになりました。
一緒に住んでいる神代は若い女の子をどう扱って
いいかわかりません。
ゆきは自分の名前が嫌いだといいます。
祖母に聞かされた話が原因です。
ある人の偏見に満ちた話を聞かされ続けてそれを
事実だと信じて成長することは悲しい事ですね。

神代、桜井、薬師寺は仲良く今も同じ家で暮らして
います。

まっさら 駆け出し目明し人情始末

2018-02-12 21:00:00 | 

田牧大和著"まっさら 駆け出し目明し人情始末"を
読みました。
六松は掏りでした。
今は目明しの稲荷の紋蔵の子分になりました。
兄貴分の新助の家に同居して修行していましたが
一人暮らしが許されました。
根来長屋に引っ越すことになりました。
長屋に行った途端に長屋の住人の亀吉の弔いを
仕切るよう頼まれます。
亀吉は川で水死しました。
長屋の誰もが嫌っています。

俵屋という漆器を作っている店が近くにあり職人も
長屋に暮らしています。
村八分にしても葬式は手伝うというのに亀吉は葬式
さえ手伝ってもらえません。

六松は皆の亀吉への態度に疑問を持ち調べ始めました。
西村屋という高級な漆器を扱う店が俵屋を乗っ取ろうと
しているらしく亀吉が手先になっているという話が
聞こえてきます。

亀吉が悪い人ではないと思う六松はこの話を
調べ始めます。
親分の紋蔵は調べることを許してくれます。
六松はしだいに親分が西村屋に加担しているのでは
ないかと疑問を持ち始めます。

りっぱな親分だと言われていますが、なんか
好きになれない人です。
こんな人の下では安心して働けないではないかと
感じてしまいます。
現状をすべて子分に告げないで子分を不安な気持ちに
させるなんてりっぱな人とは思えません。
亀吉のことを知りもしないのにのけ者にする人たちと、
読んでいて気持ち良いものではありませんでした。

十二人の死にたい子供たち

2018-02-11 21:00:00 | 

冲方丁著"十二人の死にたい子供たち"を読みました。
廃病院に子供たちが集まってきます。
自殺サイトで集まった子たちです。
12人のはずが13人目がいて既に死んでベットに
横たわっています。
主宰者として集まりの準備をしたのは14歳のサトシです。
すでに死んでいる者がいることで、このまま自殺を
するか、死者について話し合うかということになります。
強行者が多い中、死者の登場に疑問を持つ者がいて
話し合いが始まります。

長時間の話し合いになります。
どのように死者の彼がこの場所に連れてこられたのかの
考察から始まります。
この間にそれぞれの死にたい理由も明かされます。
不治の病で死が迫っている者。
親の干渉で息苦しさを感じている者。
親に病気だと薬を強引に飲まされいつも意識が朦朧と
している者。
いじめられている者。
死んで親を苦しめたい者。
保険金目当てで親に殺されかかっている者。
中にはヘルペスに罹ったから死ぬという子もいます。
この子の場合はそれは無知だろって思ってしまいます。

話しあっているうちに段々と皆の気持ちは変わっていきます。
ひとつのことだけをじっと考えこむと抜ける道が見え
なくなります。
まして子供である場合は方法が見つけにくいことでしょう。
悩みを話す相手も見つからず、たとえ話したとしても
解答は示されないとなると行きつくところは自殺です。
彼らは本音を話し合うことで多少なりと別の見方を得る
ことができたのではないでしょうか。

今回の集まりは回避されましたがいつか集団自殺が実行されて
しまうことが起きるのではと思わせられます。

消人屋敷の殺人

2018-02-10 15:03:26 | 

深木章子著"消人屋敷の殺人"を読みました。
岬に建てられた日影荘と呼ばれる武家屋敷で
起こった出来事です。
明治の始めに屋敷に集まっていた日影の一族の
二十人近くが屋敷の周りを取り囲まれていた
にも拘わらず消えてしまうという出来事が
ありました。

幸田真由美と新城とは日影荘に来るようにという
招待状を受け取って屋敷に向かいました。
幸田の兄の敦也と新城の弟の篤史は行方不明に
なっています。
敦也と篤史は作家を目指していました。
黒崎冬華というペンネームで共作で書いている
作家がいます。
深山大輝と西条かほりという二人だといいます。
幸田と新城はこの二人が敦也と篤史だと考えました。

屋敷に着いてみると来ていた編集者の城戸は
招待状を送った覚えはないといいます。
屋敷にいるはずの深山と西条には会わせてもらえません。

強い雨が降っています。
夜になり崖が崩れ離れが倒壊しました。

案外簡単に決着がついてしまうように見えますが
複雑な構成になっています。
読み終わってみてなるほどと感じます。
江戸時代に多くの人が消えた方法はこういう風
なんだろうなと思うものです。
この屋敷おもしろいですね。

作家になりたいと頑張っていた二人は出版社の
いうがままになったあげくの結果です。